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1章 スタートダッシュ
町への帰還と、素材買取り
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俺達は、ぐんぐんと草原を進んでいき、最後のゲートの前まで来た。
1そうって、やっぱりゲートとゲートの間が近かったんだな。
3層から1層まで来て改めて実感した。
3層から2層、2層から1層、1層から外へ行くための移動時間は、どんどんと短くなっていった。
3層から2層の時は、正確にはゲートからゲートではないのだけど、まぁ、ゲートの間隔が広くなっていることは確実だろう。
これは、ゲートが少なくなっているのかな。
それとも、フィールド自体が広くなっているのかな。
まぁ、そもそも、1層だけでも端から端まで行ききれないほど広いから、その馬鹿みたいな1層よりも広い2層と言われても、正直ピンとこないんだよな。
だから、仮に広くなっていたとしても、ゲートが遠くなったなぁというぐらいしか感じとれないんだろうな。
俺はそんなことを考えながら、外へ出る側のゲートを見て言った。
「ラストのゲートだな」
「なー」
なーさんも、ここまで来た感を出している。
何というか、達成感があるよな。
ただ移動して、道中ちょっと戦闘しただけなのに、この達成感は何なんだろうな。
移動に数十分かかっているからかな。
時間をかけた分だけ達成感があるのかもな。
俺は、しみじみと言った。
「ここをくぐれば、ダンジョンの外に出るんだな」
「な」
前回、ダンジョンに入ってきたのが20時過ぎぐらい。
ダンジョン内では体感できていないが、それから夜が明けて、朝になった。
数時間ぶりだな。
このゲートのところまで来るのも、ダンジョンの外に出るのも。
俺は、そんな気持ちに浸りながら言った。
「数時間ぶりだな」
「なー」
なーさんも、俺と同じように浸っている。
何というか、懐かしさと達成感といろいろな感情がわいてくるな。
いや、そんなことに浸っている場合ではないな。
今は、ダンジョンの外に出て町に戻る移動の時間だよな。
達成感とかを覚えるのは、町に着いてからだよな。
俺は、そう思い、気持ちを切り替えて言った。
「懐かしんでいても仕方がないし、ささっとくぐっちゃうか」
「なー」
「じゃあ行こう」
「な!」
俺達は、そのまま、ゲートをくぐった。
ゲートをくぐると、ぱっと視界が切り替わった。
視界が切り替わったことよりも、ダンジョンの外に出たのが、肌感覚で分かる。
ダンジョンの中だなぁと言う感覚がなくなった。
それに、視界も、いつものダンジョンに出た後の光景と同じだ。
何というか、戻ってきたんだなと言う感覚を覚える。
どこかで迷子になっていた訳でも遭難した訳でもないのに、生還したという気持ちになってきた。
浸る時間ではないと分かっているけど、つい浸ってしまいながら言った。
「ダンジョンから出たな」
「な」
いやぁ、外の空気もおいしいな。
そして、ちょうど良い感じに朝日が照らしているのも良いな。
何というか、時間を感じられるのが良いな。
ダンジョンの中だとどんだけ過ごしても昼だからな。
時間が経過している感じがしないんだよな。
でも、ダンジョンの外は、朝が来れば夜も来る。
きちんと時間の経過が表現されていて良いな。
これだけで、ダンジョンから町に帰る理由になるもんな。
ダンジョンにずっといたら、時間感覚がずれると言うよりは、時間の感覚、一日の感覚がなくなってしまいそうだしな。
俺はそんなことを考えながら言った。
「数時間ぶりにダンジョンの外に戻ってきたな」
「なぁ」
俺は、メニューを開き時間を確認した。
ゲーム内時間で6時半を過ぎていた。
リアルの時間だと、18時を少し過ぎたぐらい。
ゲーム内時間で、10時間もダンジョンに居たのか。
そんなにいたんだな。
まぁ、そのうち1時間から2時間は、移動の時間だけどな。
そして、10時間の内、3時間強は、寝てログアウトしていたんだけどな。
それを加味しても、10時間も居たのか。
大分頑張ったな。
俺の中では、ぶっちぎりで今までで一番の記録だよな。
まぁ、ゲームが始まって24時間の内の10時間だもんな。
さすがにそれ以上はないよな。
それにしても、さっきで、ダンジョンの中で広だったのに、戻ってきて、朝というのは、何というか不思議な感覚だな。
いろいろと頭の中で考えながら言った。
「今って、こっちの時間だともう朝の6時半なのか」
「なぁー」
1日かぁ。
初日を振り返ると、いろいろあったな。
チュートリアルから始まり、2層にもぐったり、3層にもぐったり、ミニクエストやフィールドクエストもやったな。
ギルドランクも上がったし、キャラクターレベル職業レベルも上がった。
そして何より、なーさんがふかして仲間になった。
これが一番大きいな。
これが一番の出来事だろうな。
それにしても、この1日で、プレイヤーとの交流は全くなかったな。
まぁ、ギルド行って店行ってダンジョン行って、しかしていないから、他のプレイヤーと関わる隙がないんだよな。
というか、このゲームって、他のプレイヤーと積極的に関わる必要があるよう沿ってあるのかな。
プレイヤーズクランみたいなのとか、そう言うのって実装されているのかな。
もしくは、パーティー専用クエストとか、レイドバトルみたいなものもないもんな。
そうなってくると、本当に関わりがないよな。
関わる機会がないもんな。
運営的には、まだプレイヤー同士の交流は良いかと思っているのかな。
フレンド機能はあるけれど、登録されているフレンドはいない。
寂しくはないが、こんなもんなのだろうかと思ってしまう。
戦闘職の人は、一緒に行動しないから関わる機会がないけど、生産職の人ともまだ関わる機会がないよな。
生産職の人が作ったものを買ったり、そこで知り合いになったりしないな。
まぁ、まだまだ修行段階なんだろうな
さすがに、今日初めて生産に触れた人の武器に命は預けられないもんな。
そう考えると、生産職の人と関わりを持つようになるまで、まだまだかかりそうだな。
そうなると、当分プレイヤーと関わる機会ってないのかな。
まぁ、話し相手も、相棒も、なーさんがいるし問題なんだけどな。
保管のプレイヤーはどうしているのだろか。
シンプルに気になるな。
後で、掲示板とか攻略サイトとかを確認してみるか。
そこに何かしら関わり方とかが書いてあるかもしれないしな。
俺は、プレイヤーとの関わりについて考えながら言った。
「こっちの時間で、ゲームを始めてから1日が経ったのか」
「なぁ!」
なーさんと出会ってからは半日か。
全くそんな気がしないな。
もう完全に相棒ポジションだもんな。
まだ、出会ってから1日も経っていないとは思えないな。
というか、初見のときから、すぐになじんだな。
何でなんだろう。
運命めいたものがあったのかな。
それともこれも、テイムの効果なのかな。
俺は、そんなことを考えながら、しみじみと言った。
「濃い1日だった。そして、あっという間の1日だったな」
「なぁー」
1日やって思うのは、このゲームの奥深さというか、可能性というか、底はまだまだ見えないな。
いつまでも楽しめそうな感覚になっている。
まぁ、まだ1日しか遊んでいないからそう思っているのかもしれないな。
それでも、まだまだ、遊べそうだと言うことに安心感があるな。
まぁ、こんだけ高い機材を買って、キメラスキルオンラインをプレイしているのだから、すぐにネタが尽きたり、遊びしろ成長しろがなくなってしまったりしたら、かなり困るんだよな。
まだまだ味がしそうで本当に良かったな。
ダンジョンから出たことで、いろいろと考えるスイッチが入っちゃったのかな。
いろいろと考えている自分に困惑しながら言った。
「長かったような短かったような不思議な感覚だな」
「なぁー」
チュートリアルからまだ1日とは思えないな。
そして、現実ではまだ8時間とかしかたっていないことが本当に信じられないな。
こんだけ遊んでまだ、8時間しか経っていないのか?
時間を忘れて没頭していたけど、それにしても8時間という感覚は全くないな。
これはすごいものだな。
このまま現実世界に戻ったから時間の感覚が完全に狂いそうだ。
それだけ、3倍速度で進んでいくけど、体感時間は等倍という技術がすごくて、その空間の中で、濃密な時間を過ごしたと言うことなんだろうな。
俺は心からそう思いながら言った。
「この1日の内、15時間から20時間ぐらいログインしていたんじゃないかな」
「なぁ!」
ここにいつまでもいると、次にダンジョンから出てくる人の邪魔になってしまうな。
少し移動するか。
そう思い、ゲートの前から移動して、ゲートのわき辺りに来た。
そこでまた立ち止まった。
いやぁ、このゲームすごいな。
何年でもやれそうだし、何年でもやりたいと思える。
すごいゲームだなぁ。
俺はそう思いながらしみじみと言った。
「冷静に見ると、かなりキメラスキルオンラインに夢中だな」
「なぁ?」
俺が笑いながらそう言うと、なーさんは急にどうしたのと言う顔をしながら鳴いた。
急に笑い出して、不思議だったんだろうな。
俺は、なーさんの頭をなでながら言った。
「まぁ、それだけ楽しいゲームと言うことだろうな」
「なぁ、なー」
「じゃあ、町に帰るか」
「なぁ!」
俺は1日を振り返るのを終えて、待ちへと歩き出した。
本来の目的はこっちだもんな。
危ない危ない。
振り返るのが楽しすぎて、本来の目的を忘れるところだった。
まだ目的地に着いていないんだよな。
俺はそう思いながら、町へと向かって歩いた。
なんとなく、夜よりは人通りが多いのかな。
まぁ、夕飯時だから、一度町に戻ったり、もしくは夕飯を食べ終えて町からダンジョンに向かっているなんて感じの人が多いのかな。
そう思いながら、歩く。
町に入るときに、門番をしているゲンさんに軽く頭を下げた。
すると、ゲンさんは満遍の笑みでこっちに手を振った。
勤務中にそんなことをしていていいのだろうかと重いながら軽く振り返した。
なーさんもそれに合わせてうれしそうに鳴いていた。
そのままの勢いで、ギルドまで来た。
今回の目的は、受付ではないため、受付に行かずに、素材買取り受付に行った。
こっちの受付のお姉さんとも、もう何度も話しているな。
そう思っていると、受付のお姉さんが定型文で話しかけてきた。
「素材買取りでしょうか?」
俺はいつも通りのテンションで返した。
「素材の買取りをお願いします」
そう、今回の目的は、素材買取りをしてもらうこと。
集めた素材を買取りしてもらって、その資金を元に武器とか防具とかスキルオーブ、消耗品類を買って、ダンジョンにより効率的に潜れるようにするのが目的。
受付のお姉さんはいつも通りのことを言った。
「それでまず、ギルドカードを預からせていただきます」
俺はストレージから、ギルドカードを取り出す。
ギルドカードを取り出すのも数時間ぶりだな。
まぁ、ダンジョンの中では使わないもんな。
俺は、受付のお姉さんにギルドカードを渡しながら言った。
「お願いします」
「アロン様ですね。えっと、イベントクエストを受けているようですが、今回の買取りは、イベントクエストの納入でしょうか? それとも、通常の買取りでしょうか?」
あぁ、そういえば、イベントクエストでも素材の納入をしていたな。
完全に忘れ居ていた。
というか、イベントクエストのこと自体、半分ぐらい頭から抜け落ちていたな。
まぁ、ここは、現金化して問題ないでしょう。
確か、イベントクエストで納入すると、生産は、イベントクエストが終わった後になるから、それまで金が入ってこないんだよな。
それでは、消耗品とかいろいろ買うことが出来ない。
だから、今回に関しては、通常の買取りにしてもらう。
ここの金でいろいろ買って、効率よく稼げば、今の素材分ぐらいのポイントは簡単に手に入るはずだしな。
俺は自信を持って言った。
「通常の買取りでお願いします」
「通常の買取りの場合は、イベントのポイントになりませんがよろしいでしょうか?」
最終確認というやつかな。
もちろんそのことは承知の上。
そう思いながら言った。
「大丈夫です」
「そうですか、分かりました。それではこちらに、買取り希望の素材をお願いします」
俺は、指定された場所に取ってきた素材を乗せていく。
俺もどれだけあるのか把握していなかったため、のせながら、素材の量に自分で驚いていた。
こんなにあったんだな。
というか、こんなにあると言うことは、こんだけ倒したと言うことだよな。
頑張ったな。
改めてどれだけ頑張ったのかを可視化されたような気がした。
俺は、胸を張って言った。
「これで全部です」
「買取り額の計算をするので少しお待ちください」
受付のお姉さんはそう言って、素材を数えだした。
この量の素材は、想定外だったのかな。
俺のギルドランクにしてはすごい量を持ち帰ってきたと思っているのかな。
俺は、わくわくしながら言った。
「分かりました」
「計算が終了しました。買取り額、500Gの兎革が53点、買取り額、1200Gの猪肉が124点、買取り額、2100Gの鹿角が51点、買取り額、3900Gの狼牙が40点ですね。合計買取り額は、438,400Gになります。この買取り額で問題ないでしょうか?」
おぉ、すごい額になったな。
キメラスキルオンラインでの、今までの最高口座預金額の倍ぐらいある。
すごい額だな。
何というか、こんだけの金があると全能感があるよな。
俺は興奮しながら言った。
「大丈夫です」
「買取り額は口座の方に振り込まれます」
俺は力強く答えた。
「分かりました」
「イベントクエストの納入の方も頑張ってください。イベントクエストのポイントは、討伐よりも納入の方がポイント配分が多いのでぜひ検討してみてください」
「分かりました。ありがとうございました」
俺はそう言って、素材買取り受付を後にした。
1そうって、やっぱりゲートとゲートの間が近かったんだな。
3層から1層まで来て改めて実感した。
3層から2層、2層から1層、1層から外へ行くための移動時間は、どんどんと短くなっていった。
3層から2層の時は、正確にはゲートからゲートではないのだけど、まぁ、ゲートの間隔が広くなっていることは確実だろう。
これは、ゲートが少なくなっているのかな。
それとも、フィールド自体が広くなっているのかな。
まぁ、そもそも、1層だけでも端から端まで行ききれないほど広いから、その馬鹿みたいな1層よりも広い2層と言われても、正直ピンとこないんだよな。
だから、仮に広くなっていたとしても、ゲートが遠くなったなぁというぐらいしか感じとれないんだろうな。
俺はそんなことを考えながら、外へ出る側のゲートを見て言った。
「ラストのゲートだな」
「なー」
なーさんも、ここまで来た感を出している。
何というか、達成感があるよな。
ただ移動して、道中ちょっと戦闘しただけなのに、この達成感は何なんだろうな。
移動に数十分かかっているからかな。
時間をかけた分だけ達成感があるのかもな。
俺は、しみじみと言った。
「ここをくぐれば、ダンジョンの外に出るんだな」
「な」
前回、ダンジョンに入ってきたのが20時過ぎぐらい。
ダンジョン内では体感できていないが、それから夜が明けて、朝になった。
数時間ぶりだな。
このゲートのところまで来るのも、ダンジョンの外に出るのも。
俺は、そんな気持ちに浸りながら言った。
「数時間ぶりだな」
「なー」
なーさんも、俺と同じように浸っている。
何というか、懐かしさと達成感といろいろな感情がわいてくるな。
いや、そんなことに浸っている場合ではないな。
今は、ダンジョンの外に出て町に戻る移動の時間だよな。
達成感とかを覚えるのは、町に着いてからだよな。
俺は、そう思い、気持ちを切り替えて言った。
「懐かしんでいても仕方がないし、ささっとくぐっちゃうか」
「なー」
「じゃあ行こう」
「な!」
俺達は、そのまま、ゲートをくぐった。
ゲートをくぐると、ぱっと視界が切り替わった。
視界が切り替わったことよりも、ダンジョンの外に出たのが、肌感覚で分かる。
ダンジョンの中だなぁと言う感覚がなくなった。
それに、視界も、いつものダンジョンに出た後の光景と同じだ。
何というか、戻ってきたんだなと言う感覚を覚える。
どこかで迷子になっていた訳でも遭難した訳でもないのに、生還したという気持ちになってきた。
浸る時間ではないと分かっているけど、つい浸ってしまいながら言った。
「ダンジョンから出たな」
「な」
いやぁ、外の空気もおいしいな。
そして、ちょうど良い感じに朝日が照らしているのも良いな。
何というか、時間を感じられるのが良いな。
ダンジョンの中だとどんだけ過ごしても昼だからな。
時間が経過している感じがしないんだよな。
でも、ダンジョンの外は、朝が来れば夜も来る。
きちんと時間の経過が表現されていて良いな。
これだけで、ダンジョンから町に帰る理由になるもんな。
ダンジョンにずっといたら、時間感覚がずれると言うよりは、時間の感覚、一日の感覚がなくなってしまいそうだしな。
俺はそんなことを考えながら言った。
「数時間ぶりにダンジョンの外に戻ってきたな」
「なぁ」
俺は、メニューを開き時間を確認した。
ゲーム内時間で6時半を過ぎていた。
リアルの時間だと、18時を少し過ぎたぐらい。
ゲーム内時間で、10時間もダンジョンに居たのか。
そんなにいたんだな。
まぁ、そのうち1時間から2時間は、移動の時間だけどな。
そして、10時間の内、3時間強は、寝てログアウトしていたんだけどな。
それを加味しても、10時間も居たのか。
大分頑張ったな。
俺の中では、ぶっちぎりで今までで一番の記録だよな。
まぁ、ゲームが始まって24時間の内の10時間だもんな。
さすがにそれ以上はないよな。
それにしても、さっきで、ダンジョンの中で広だったのに、戻ってきて、朝というのは、何というか不思議な感覚だな。
いろいろと頭の中で考えながら言った。
「今って、こっちの時間だともう朝の6時半なのか」
「なぁー」
1日かぁ。
初日を振り返ると、いろいろあったな。
チュートリアルから始まり、2層にもぐったり、3層にもぐったり、ミニクエストやフィールドクエストもやったな。
ギルドランクも上がったし、キャラクターレベル職業レベルも上がった。
そして何より、なーさんがふかして仲間になった。
これが一番大きいな。
これが一番の出来事だろうな。
それにしても、この1日で、プレイヤーとの交流は全くなかったな。
まぁ、ギルド行って店行ってダンジョン行って、しかしていないから、他のプレイヤーと関わる隙がないんだよな。
というか、このゲームって、他のプレイヤーと積極的に関わる必要があるよう沿ってあるのかな。
プレイヤーズクランみたいなのとか、そう言うのって実装されているのかな。
もしくは、パーティー専用クエストとか、レイドバトルみたいなものもないもんな。
そうなってくると、本当に関わりがないよな。
関わる機会がないもんな。
運営的には、まだプレイヤー同士の交流は良いかと思っているのかな。
フレンド機能はあるけれど、登録されているフレンドはいない。
寂しくはないが、こんなもんなのだろうかと思ってしまう。
戦闘職の人は、一緒に行動しないから関わる機会がないけど、生産職の人ともまだ関わる機会がないよな。
生産職の人が作ったものを買ったり、そこで知り合いになったりしないな。
まぁ、まだまだ修行段階なんだろうな
さすがに、今日初めて生産に触れた人の武器に命は預けられないもんな。
そう考えると、生産職の人と関わりを持つようになるまで、まだまだかかりそうだな。
そうなると、当分プレイヤーと関わる機会ってないのかな。
まぁ、話し相手も、相棒も、なーさんがいるし問題なんだけどな。
保管のプレイヤーはどうしているのだろか。
シンプルに気になるな。
後で、掲示板とか攻略サイトとかを確認してみるか。
そこに何かしら関わり方とかが書いてあるかもしれないしな。
俺は、プレイヤーとの関わりについて考えながら言った。
「こっちの時間で、ゲームを始めてから1日が経ったのか」
「なぁ!」
なーさんと出会ってからは半日か。
全くそんな気がしないな。
もう完全に相棒ポジションだもんな。
まだ、出会ってから1日も経っていないとは思えないな。
というか、初見のときから、すぐになじんだな。
何でなんだろう。
運命めいたものがあったのかな。
それともこれも、テイムの効果なのかな。
俺は、そんなことを考えながら、しみじみと言った。
「濃い1日だった。そして、あっという間の1日だったな」
「なぁー」
1日やって思うのは、このゲームの奥深さというか、可能性というか、底はまだまだ見えないな。
いつまでも楽しめそうな感覚になっている。
まぁ、まだ1日しか遊んでいないからそう思っているのかもしれないな。
それでも、まだまだ、遊べそうだと言うことに安心感があるな。
まぁ、こんだけ高い機材を買って、キメラスキルオンラインをプレイしているのだから、すぐにネタが尽きたり、遊びしろ成長しろがなくなってしまったりしたら、かなり困るんだよな。
まだまだ味がしそうで本当に良かったな。
ダンジョンから出たことで、いろいろと考えるスイッチが入っちゃったのかな。
いろいろと考えている自分に困惑しながら言った。
「長かったような短かったような不思議な感覚だな」
「なぁー」
チュートリアルからまだ1日とは思えないな。
そして、現実ではまだ8時間とかしかたっていないことが本当に信じられないな。
こんだけ遊んでまだ、8時間しか経っていないのか?
時間を忘れて没頭していたけど、それにしても8時間という感覚は全くないな。
これはすごいものだな。
このまま現実世界に戻ったから時間の感覚が完全に狂いそうだ。
それだけ、3倍速度で進んでいくけど、体感時間は等倍という技術がすごくて、その空間の中で、濃密な時間を過ごしたと言うことなんだろうな。
俺は心からそう思いながら言った。
「この1日の内、15時間から20時間ぐらいログインしていたんじゃないかな」
「なぁ!」
ここにいつまでもいると、次にダンジョンから出てくる人の邪魔になってしまうな。
少し移動するか。
そう思い、ゲートの前から移動して、ゲートのわき辺りに来た。
そこでまた立ち止まった。
いやぁ、このゲームすごいな。
何年でもやれそうだし、何年でもやりたいと思える。
すごいゲームだなぁ。
俺はそう思いながらしみじみと言った。
「冷静に見ると、かなりキメラスキルオンラインに夢中だな」
「なぁ?」
俺が笑いながらそう言うと、なーさんは急にどうしたのと言う顔をしながら鳴いた。
急に笑い出して、不思議だったんだろうな。
俺は、なーさんの頭をなでながら言った。
「まぁ、それだけ楽しいゲームと言うことだろうな」
「なぁ、なー」
「じゃあ、町に帰るか」
「なぁ!」
俺は1日を振り返るのを終えて、待ちへと歩き出した。
本来の目的はこっちだもんな。
危ない危ない。
振り返るのが楽しすぎて、本来の目的を忘れるところだった。
まだ目的地に着いていないんだよな。
俺はそう思いながら、町へと向かって歩いた。
なんとなく、夜よりは人通りが多いのかな。
まぁ、夕飯時だから、一度町に戻ったり、もしくは夕飯を食べ終えて町からダンジョンに向かっているなんて感じの人が多いのかな。
そう思いながら、歩く。
町に入るときに、門番をしているゲンさんに軽く頭を下げた。
すると、ゲンさんは満遍の笑みでこっちに手を振った。
勤務中にそんなことをしていていいのだろうかと重いながら軽く振り返した。
なーさんもそれに合わせてうれしそうに鳴いていた。
そのままの勢いで、ギルドまで来た。
今回の目的は、受付ではないため、受付に行かずに、素材買取り受付に行った。
こっちの受付のお姉さんとも、もう何度も話しているな。
そう思っていると、受付のお姉さんが定型文で話しかけてきた。
「素材買取りでしょうか?」
俺はいつも通りのテンションで返した。
「素材の買取りをお願いします」
そう、今回の目的は、素材買取りをしてもらうこと。
集めた素材を買取りしてもらって、その資金を元に武器とか防具とかスキルオーブ、消耗品類を買って、ダンジョンにより効率的に潜れるようにするのが目的。
受付のお姉さんはいつも通りのことを言った。
「それでまず、ギルドカードを預からせていただきます」
俺はストレージから、ギルドカードを取り出す。
ギルドカードを取り出すのも数時間ぶりだな。
まぁ、ダンジョンの中では使わないもんな。
俺は、受付のお姉さんにギルドカードを渡しながら言った。
「お願いします」
「アロン様ですね。えっと、イベントクエストを受けているようですが、今回の買取りは、イベントクエストの納入でしょうか? それとも、通常の買取りでしょうか?」
あぁ、そういえば、イベントクエストでも素材の納入をしていたな。
完全に忘れ居ていた。
というか、イベントクエストのこと自体、半分ぐらい頭から抜け落ちていたな。
まぁ、ここは、現金化して問題ないでしょう。
確か、イベントクエストで納入すると、生産は、イベントクエストが終わった後になるから、それまで金が入ってこないんだよな。
それでは、消耗品とかいろいろ買うことが出来ない。
だから、今回に関しては、通常の買取りにしてもらう。
ここの金でいろいろ買って、効率よく稼げば、今の素材分ぐらいのポイントは簡単に手に入るはずだしな。
俺は自信を持って言った。
「通常の買取りでお願いします」
「通常の買取りの場合は、イベントのポイントになりませんがよろしいでしょうか?」
最終確認というやつかな。
もちろんそのことは承知の上。
そう思いながら言った。
「大丈夫です」
「そうですか、分かりました。それではこちらに、買取り希望の素材をお願いします」
俺は、指定された場所に取ってきた素材を乗せていく。
俺もどれだけあるのか把握していなかったため、のせながら、素材の量に自分で驚いていた。
こんなにあったんだな。
というか、こんなにあると言うことは、こんだけ倒したと言うことだよな。
頑張ったな。
改めてどれだけ頑張ったのかを可視化されたような気がした。
俺は、胸を張って言った。
「これで全部です」
「買取り額の計算をするので少しお待ちください」
受付のお姉さんはそう言って、素材を数えだした。
この量の素材は、想定外だったのかな。
俺のギルドランクにしてはすごい量を持ち帰ってきたと思っているのかな。
俺は、わくわくしながら言った。
「分かりました」
「計算が終了しました。買取り額、500Gの兎革が53点、買取り額、1200Gの猪肉が124点、買取り額、2100Gの鹿角が51点、買取り額、3900Gの狼牙が40点ですね。合計買取り額は、438,400Gになります。この買取り額で問題ないでしょうか?」
おぉ、すごい額になったな。
キメラスキルオンラインでの、今までの最高口座預金額の倍ぐらいある。
すごい額だな。
何というか、こんだけの金があると全能感があるよな。
俺は興奮しながら言った。
「大丈夫です」
「買取り額は口座の方に振り込まれます」
俺は力強く答えた。
「分かりました」
「イベントクエストの納入の方も頑張ってください。イベントクエストのポイントは、討伐よりも納入の方がポイント配分が多いのでぜひ検討してみてください」
「分かりました。ありがとうございました」
俺はそう言って、素材買取り受付を後にした。
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結果、彼のレベルと資産は異常な速度で膨れ上がり、サーバーの経済とランキングをたった一人で崩壊させた。この事態を危険視した最強ギルドは、彼のダンジョンに狙いを定める。これは、知恵と工夫で世界の常識を覆す、一人の男の伝説の始まり。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
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2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
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剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
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たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
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