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野球部は朝が早い。
早朝から練習がある。
彼らがグランドで練習している間に、
マネージャーは部室を片付けたり、
お茶を用意したり、洗濯もする。
ユニフォームの破損は直す。
裁縫なんてできなかったから、
先輩に頭をさげて教えてもらった。
掃除の仕方、お茶の作り方、
洗濯機のまわし方、私は何も知らなかった。
だから、必死に覚えた。
なんでこんなに頑張っているのか、
なんで辞めようと思わなかったのか、
それは単に意地になっていたのもある。
休憩中や、校内で会うと、例外なくデレる
野球部員たち。
でも、練習が始まると、こっちを見もしない。
グランドの横で転んだ時も、
誰も気が付かなかった。
1人で立ち上がり、1人で手当をした。
初めての屈辱で、初めての経験だった。
だけど、同時に思ったの。
夢中になるって、好きな事があるって
世界が違うんだって。
私の生きている忖度と、
利害関係に縛られた世界と違う。
見てみたい、そう思った。
だから、彼らを本気で応援したいと思った。
その頃からマネージャーの先輩たちが、
優しく接してくれるようになった。
「来月あたまの、校内戦に向けて、
応援グッズを作ろうと思うんだけど、
一緒にやろう、香澄ちゃん」
そう誘われて嬉しかった!
校内戦って、レギュラーメンバーを決める
紅白戦だ。
不公平にならないように、
チームを変えながら、2週間戦う。
「はい!水上先輩、今井先輩!」
「いーよ、ミズキで。」
「私の事はハナでいいよ」
認めてくれた。
「ありがとうございます、
ミズキ先輩、ハナ先輩」
そこからは怒涛の毎日だった。
部活中は裏方の仕事を必死に頑張った。
くるくるふんわり巻いていた長い髪は
邪魔で1つにまとめた。
足も腕も日焼けするから、
お揃いのジャージを
作ってもらいフル装備だ。
ホコリの隠れたボールストッカーを
どかし、掃除をしていた時だ。
「え、香澄?」
振り返ると、リサが立っていた。
いつも仲良くしていた仲間たちもいた。
「あ、リサ!」
なんか久しぶりに話すような気がした。
そういえば、休み時間も先輩達と応援グッズ
作りをしていたし、野球部員と話す機会も
増えていた。
「えー覚えていてくれたんだ。香澄、
もう、野球部の人としか、
付き合わないのかと思ってたから」
リサが見たことない顔で話す。
直感で分かる。
これは嫌味だ。
何か怒っている。
想像がつかないくらいバカじゃない。
ただ、理由が思い当たらない。
「そんな事ないよ、私、
みんなの事大好きだから」
言葉を選んだつもりだったのに、
リサはキレた。
「そういうとこ、大っ嫌い、嘘ばっか。
いつも女王さまきどり。今度は野球部を手玉に取って何をするつもりなわけ?」
ショックだった。
そんなふうに思っていたなんて。
私のこと、そんなふうに思っていたんだ。
ずっと友達だと思ってたのに。
不思議と涙も出ない。
そういえば、こういうこと、前にもあったな。
友だちの好きな人が私を好きになったり、
私が少しでも別のグループの子と仲良く
すると、
「裏切った」
「乗り換えた」
「バカにしてたんでしょ」
結局、またこれだ。
「もういいよ、行こう。香澄は私達とは
もう、付き合えないんだから」
背を向けて去っていった。
追いかけない、私もいらないから。
だけど、その背中を通り越すような
大きな声で叫ぶ声があった。
早朝から練習がある。
彼らがグランドで練習している間に、
マネージャーは部室を片付けたり、
お茶を用意したり、洗濯もする。
ユニフォームの破損は直す。
裁縫なんてできなかったから、
先輩に頭をさげて教えてもらった。
掃除の仕方、お茶の作り方、
洗濯機のまわし方、私は何も知らなかった。
だから、必死に覚えた。
なんでこんなに頑張っているのか、
なんで辞めようと思わなかったのか、
それは単に意地になっていたのもある。
休憩中や、校内で会うと、例外なくデレる
野球部員たち。
でも、練習が始まると、こっちを見もしない。
グランドの横で転んだ時も、
誰も気が付かなかった。
1人で立ち上がり、1人で手当をした。
初めての屈辱で、初めての経験だった。
だけど、同時に思ったの。
夢中になるって、好きな事があるって
世界が違うんだって。
私の生きている忖度と、
利害関係に縛られた世界と違う。
見てみたい、そう思った。
だから、彼らを本気で応援したいと思った。
その頃からマネージャーの先輩たちが、
優しく接してくれるようになった。
「来月あたまの、校内戦に向けて、
応援グッズを作ろうと思うんだけど、
一緒にやろう、香澄ちゃん」
そう誘われて嬉しかった!
校内戦って、レギュラーメンバーを決める
紅白戦だ。
不公平にならないように、
チームを変えながら、2週間戦う。
「はい!水上先輩、今井先輩!」
「いーよ、ミズキで。」
「私の事はハナでいいよ」
認めてくれた。
「ありがとうございます、
ミズキ先輩、ハナ先輩」
そこからは怒涛の毎日だった。
部活中は裏方の仕事を必死に頑張った。
くるくるふんわり巻いていた長い髪は
邪魔で1つにまとめた。
足も腕も日焼けするから、
お揃いのジャージを
作ってもらいフル装備だ。
ホコリの隠れたボールストッカーを
どかし、掃除をしていた時だ。
「え、香澄?」
振り返ると、リサが立っていた。
いつも仲良くしていた仲間たちもいた。
「あ、リサ!」
なんか久しぶりに話すような気がした。
そういえば、休み時間も先輩達と応援グッズ
作りをしていたし、野球部員と話す機会も
増えていた。
「えー覚えていてくれたんだ。香澄、
もう、野球部の人としか、
付き合わないのかと思ってたから」
リサが見たことない顔で話す。
直感で分かる。
これは嫌味だ。
何か怒っている。
想像がつかないくらいバカじゃない。
ただ、理由が思い当たらない。
「そんな事ないよ、私、
みんなの事大好きだから」
言葉を選んだつもりだったのに、
リサはキレた。
「そういうとこ、大っ嫌い、嘘ばっか。
いつも女王さまきどり。今度は野球部を手玉に取って何をするつもりなわけ?」
ショックだった。
そんなふうに思っていたなんて。
私のこと、そんなふうに思っていたんだ。
ずっと友達だと思ってたのに。
不思議と涙も出ない。
そういえば、こういうこと、前にもあったな。
友だちの好きな人が私を好きになったり、
私が少しでも別のグループの子と仲良く
すると、
「裏切った」
「乗り換えた」
「バカにしてたんでしょ」
結局、またこれだ。
「もういいよ、行こう。香澄は私達とは
もう、付き合えないんだから」
背を向けて去っていった。
追いかけない、私もいらないから。
だけど、その背中を通り越すような
大きな声で叫ぶ声があった。
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