療育で救われた母親の話

桜花

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第四章 地獄の始まり

電話の嵐

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1歳半検診が終わってしばらくして、市役所から電話があった。


「そーすけくんはその後どうですか?」


「…?元気ですよ!」


「検診の時お渡しした、~会に参加されてないようなのでお電話しました」


「え?なんかありましたっけ?」


「そーすけくんのように、少し言葉の遅れのあるお子さんたちが集まって、遊んだりする会があるんですけど、プリントお渡ししてなかったですかね?」


あー、なんか貰ったけど無くしたやつのことか(笑)


「すいません、なくしちゃったみたいで…
あと、下の子がまだ小さいので参加は難しいですねー」


「…そうですか。また何かあったらお電話くださいね」


こんな電話が月イチでかかってくるようになった。


この頃ポニョ3ヶ月。
やっと首が座って来たけど、抱っこ紐使うのもまだ大変で、できるだけ外出はしたくなかった。

と同時に、支援センターには通いつめていた。

午前中は読み聞かせや手遊びの時間があるのだけど、そーすけが全く参加せず妨害するので、気まずくて行かなくなった。

その点、午後はみんな昼寝している時間なのか人も少ないし、読み聞かせもなかったので、ほぼ毎日2人を連れて通っていた。

ママ友もいなかったので、いつも職員さんが話し相手をしてくれていた。

今思えば、私が話したくて出かけていたんだと思う。

そーすけは勝手に1人で遊んでるし、ポニョはベビーベッドで寝てるか、静かに遊んでる。

私は少しだけ子供と離れて、家族以外の大人と話せるこの支援センター依存性だった。


世間話の延長で、毎月市役所からそーすけについて電話がかかってくることを職員さんに話したら、

「それ、会に参加するか、何かアクション起こさないと永遠に電話が来るよ~?」

と。

なるほど。
お役所仕事大変デスネーって思った。


「とりあえず何かアクション起こしてみようか。ここで臨床心理士さんと面談出来るから予約してみる?」

そうすれば次の電話でそう伝えればもつ電話かかってこないよ、ってマメ知識を貰った。

その日は臨床心理士さんと面談予約をして、これであの電話から解放されるわ~!と肩の荷が降りた気分だった。



数日後。

臨床心理士さんとの個別面談。
私からの聞き取りと、そーすけと遊びながら様子を見てもらった結果…

「そーすけくんは、指さしが出来ないのが気になりますね…本来は1歳3ヶ月でほぼ出来るようになります」


え?


当時のそーすけ1歳9ヶ月。

1歳3ヶ月の子が出来るはずの指さしが、できない。
というか、『指さし』を理解していない、らしかった。


「なので、保健師さんの言うように、会に参加するべきお子さんだと私も思いますよ」


電話から解放される為の面談だと思ってたのに、会の参加を勧められてしまった。

完全に予想外だった。

2人の専門家から言われたら、行かない訳にはいかないよね。

この時初めて、そーすけは『個人差の範囲外』であることを知りました。

その会の説明を、ゆるく聞いていたからか、それほどショックは受けてなかったとは思う…多分。


(この後どんどんショッキングな事実が判明するから、この時の気持ちなんて忘れちゃったYO!)


臨床心理士さん伝いで担当保健師さんに話を通してもらい、後日保健師さんからまた電話がかかってきた。

現状、待ちがあるから1月からの参加になります、と。

その頃ならポニョは6ヶ月過ぎるし、一緒に行っても大丈夫だろうと思ったから、赤ちゃん連れて参加します、と伝えました。


この会は、療育のその前の段階の会。
ちょっと気になる子を見守って、ケアが必要なのか様子見でいいのかを判断する為の場、ということも数年後知りました。


そして、ここからそーすけの療育が始まっていくのです。


あの時、職員さんと世間話をしていなかったら、今のそーすけはなかったかもしれない…だからとても感謝してるんです。

その思いを2年後位に伝えることが出来たのですが、その職員さんはそんなことすっかり忘れていたのか驚いていましたが(笑)

私はあの職員さんのお陰で今があると思ってるので。
勝手に恩人と思って生きていきます!
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