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第五章 療育生活の幕開け
カルチャーショック
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療育初日はプールでした。
2クラス合同で20人弱。
大きなプールがあって、シャワーを浴びて、みんなで中に入ります。
そーすけは、水着着替えることは出来ましたが、シャワーから既に嫌がり始めていました。
そして、さぁみんなで水に入ろう!という時、物凄く嫌がったのです。
『おいおい、なんで入らないの、みんな入ってるよ、水着の元取ろうよ、入ってよ』
と思いながら、色々声掛けしても全く響かず…。
結局、プールサイドに置かれたタライとおもちゃで水遊びをしていました。
他にも2、3人はいたかな。
私はどうしても大きいプールに入ってほしくて、必死に呼びかけたりしてたんですが、効果はゼロ。
ため息ついて顔を上げたら、私のようにガミガミ言ってるお母さんって1人もいなかったんですよね。
先生も、そーすけがそこにいたいならいいよ、と反対しません。
同じくタライで遊んでるお子さんのお母さんも、とても落ち着いていました。
焦って怒っていたのは私だけでした。
なんで?
みんなと同じことができないのに、変なことしてるのに、怒らないの!?
と、とても驚いたし、自分のしていることが間違っていたのか、と衝撃を受けました。
それと同時に、ここは
『みんなと一緒じゃなくてもいい場所』
で
『子供のやりたくないこと、やれないことを無理強いしない場所』
なんだな、と感じました。
こんな風に、そーすけの行動を受け入れてくれる場所があるなんて思ってなかったので、本当に衝撃でした。
この日以降もそーすけはプールに全く入れず、毎度タライで水遊びをしていましたが、もう何も言わないようにしました。
時々、「入ってみる?」と声はかけましたがらそれ以上は、何も言いませんでした。
これでいいんだ、ここではそーすけのやりたいようにやらせよう、楽しんでもらおう、そう自分に言い聞かせながら、水遊びに付き合いました。
ある日、いつものように水遊びをしながら、同じクラスのお母さんにポロッと
「ここは誰も怒ってなくてビックリしました、私はいつも怒ってばかりなのに…」
とこぼしてしまいました。
そのお母さんのお子さん、Nちゃんは重度の知的障害で、一生発語が無いかもしれない、と病院で言われているそうです。
「ここにいる人は、みんなそんな悩んだ時期を乗り越えた人達なのかもしれないね」
それは、ある意味
『ある程度のことは諦めた人達』
ということだったのかもしれません。
「私も最初はすごく悩んだし、なんでー、って思うこともあったけど、吹っ切れちゃった!」
と明るく話してくれました。
でも最後に、ボソッと
「一生話せないかもしれない、と頭の片隅に起きつつも、1度でいいからママって呼ばれてみたいって思っちゃう」
と言っていました。
私が悩んでいることなんてちっぽけに感じるくらい、大きな悩みを明るく話していました。
ここにいるお母さんたちは、みんなにこにこと我が子を見守っているけど、みんな心の中にはとてつもない悩みを抱えているのかもしれない。
つらいのは私だけじゃないし、悩んでるのは私だけじゃない。
むしろ、私よりつらい人もいっぱいいるのかもしれない。
ほんの少し話しただけだけど、すぅーっと肩の荷が降りたというか、スッキリした気持ちというか、視界がクリアになったような気分でした。
療育に通うことに少し納得していない部分もありつつのスタートでしたが、徐々に『来てよかった』という感情が大きくなっていきました。
―――
卒業のタイミングで、「あの時相当悩んでたよね(笑)」って言われたので、私の悩み方は可視化されるくらいやばかったみたいです(笑)
2クラス合同で20人弱。
大きなプールがあって、シャワーを浴びて、みんなで中に入ります。
そーすけは、水着着替えることは出来ましたが、シャワーから既に嫌がり始めていました。
そして、さぁみんなで水に入ろう!という時、物凄く嫌がったのです。
『おいおい、なんで入らないの、みんな入ってるよ、水着の元取ろうよ、入ってよ』
と思いながら、色々声掛けしても全く響かず…。
結局、プールサイドに置かれたタライとおもちゃで水遊びをしていました。
他にも2、3人はいたかな。
私はどうしても大きいプールに入ってほしくて、必死に呼びかけたりしてたんですが、効果はゼロ。
ため息ついて顔を上げたら、私のようにガミガミ言ってるお母さんって1人もいなかったんですよね。
先生も、そーすけがそこにいたいならいいよ、と反対しません。
同じくタライで遊んでるお子さんのお母さんも、とても落ち着いていました。
焦って怒っていたのは私だけでした。
なんで?
みんなと同じことができないのに、変なことしてるのに、怒らないの!?
と、とても驚いたし、自分のしていることが間違っていたのか、と衝撃を受けました。
それと同時に、ここは
『みんなと一緒じゃなくてもいい場所』
で
『子供のやりたくないこと、やれないことを無理強いしない場所』
なんだな、と感じました。
こんな風に、そーすけの行動を受け入れてくれる場所があるなんて思ってなかったので、本当に衝撃でした。
この日以降もそーすけはプールに全く入れず、毎度タライで水遊びをしていましたが、もう何も言わないようにしました。
時々、「入ってみる?」と声はかけましたがらそれ以上は、何も言いませんでした。
これでいいんだ、ここではそーすけのやりたいようにやらせよう、楽しんでもらおう、そう自分に言い聞かせながら、水遊びに付き合いました。
ある日、いつものように水遊びをしながら、同じクラスのお母さんにポロッと
「ここは誰も怒ってなくてビックリしました、私はいつも怒ってばかりなのに…」
とこぼしてしまいました。
そのお母さんのお子さん、Nちゃんは重度の知的障害で、一生発語が無いかもしれない、と病院で言われているそうです。
「ここにいる人は、みんなそんな悩んだ時期を乗り越えた人達なのかもしれないね」
それは、ある意味
『ある程度のことは諦めた人達』
ということだったのかもしれません。
「私も最初はすごく悩んだし、なんでー、って思うこともあったけど、吹っ切れちゃった!」
と明るく話してくれました。
でも最後に、ボソッと
「一生話せないかもしれない、と頭の片隅に起きつつも、1度でいいからママって呼ばれてみたいって思っちゃう」
と言っていました。
私が悩んでいることなんてちっぽけに感じるくらい、大きな悩みを明るく話していました。
ここにいるお母さんたちは、みんなにこにこと我が子を見守っているけど、みんな心の中にはとてつもない悩みを抱えているのかもしれない。
つらいのは私だけじゃないし、悩んでるのは私だけじゃない。
むしろ、私よりつらい人もいっぱいいるのかもしれない。
ほんの少し話しただけだけど、すぅーっと肩の荷が降りたというか、スッキリした気持ちというか、視界がクリアになったような気分でした。
療育に通うことに少し納得していない部分もありつつのスタートでしたが、徐々に『来てよかった』という感情が大きくなっていきました。
―――
卒業のタイミングで、「あの時相当悩んでたよね(笑)」って言われたので、私の悩み方は可視化されるくらいやばかったみたいです(笑)
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