療育で救われた母親の話

桜花

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第五章 療育生活の幕開け

療育はじまるよ

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まずは体験から。

15分程の朝の会に参加するのが目的で訪れました。

その前に別室で色々と書類に記入し、体験してから判を打って契約成立、という流れでした。

当時のそーすけ2歳7ヶ月(ポニョは1歳になりました!)、エレベーターとエスカレーターが大好きで、何度も何度も何時間も繰り返し乗ってしまうのが悩みでした。

案の定、療育施設にもエレベーターがありました。
奇しくも別室は2階とのこと。
施設長さんと協力して、なんとか移動することができました。

私はいつもキツめに叱ってしまうのですが、施設長さんは温かく受け入れて下さり、声を荒らげたり叱ったりすることなく、始終優しいままベテランの技で導いていきました…。

その時、
『あぁ、ここはちょっと変なことをしていても受け入れてくれるのかも』
と思いました。

いつも、出先で挙動のおかしいそーすけを止めるのに、周りからの視線が気になったり、申し訳なく思ったりしていました。

でも、ここではそんな思いをせずに済むのかも…?と思えたのです。

それだけでもとても救われました。


いざ、朝の会に参加しよう!という時間に、遊んでいたおもちゃに区切りが付けられなくてグズグズし始めるそーすけ。

雲行きが怪しいまま教室に向かいます。

この時、エレベーターを避けて誘導してくださったのも、流石だなと思いました。

教室に着いた途端、初めての場所に放り込まれて泣き暴れるそーすけ。
縦長の教室の、1番後ろのドアの前で、私に抱えられながら、海老反りになって泣き暴れるそーすけ。

本来は、朝の会に一緒に参加する予定でした。
体操をしたり、ふれあい遊びをしたり…
実際、行われていたはずですが、そーすけを押さえつけるのに必死で、何も見えていませんでした。

最後に、先生が子供の名前を呼んで膝の上に座らせて、離れたところにいる親のところまで走っていく、という時間がありました。

みんな、次々と名前を呼ばれると返事をしていくのです。

当時のそーすけは、返事ができませんでした。
当然、クラスのみんなは同学年です。
すごく驚いたと同時に、

『あ、そーすけはヤバい感じなのでは…?』

とうっすら感じるようになりました。
返事をする子供たちを横目に見ながら、暴れるそーすけを押さえて、とても惨めで悲しい気持ちになりました。

違いを見せつけられたような、すごく、そーすけがダメな子に写ってしまったのです。

少し落ち着いて来た頃、先生がそーすけの名前を呼んでくれましたが、もちろん返事をすることはなく、そして私からの離れることもしませんでした。

これで、体験は終了です。
何も体験してませんが。


朝の会が終わり、先程の部屋へ戻るとそーすけは再びおもちゃで遊び始め元通りに落ち着いていました。

迷うことなく利用同意書に判を押し、正式に7月から通う予定を立てました。

ありがたいことに、施設に託児所が併設されているため、ポニョは預かって貰えました。
月に何回利用しても1000円…破格ですよね。


夏はプールがあり、水着が必要との事だったので、予定表を見せてもらいながら、プールの日ばかり選びました。
水着買う元を取りたいんで!

ケチですいませんねぇ。


そーすけ、正式に療育スタートです!


―――


1日の流れは、

10:15  朝の会
10:35  活動①
11:00  自由遊び
11:25  給食
12:15  母子分離、親は食堂へ。子供は自由遊び
12:50  教室に戻り、一緒に自由遊び
13:15  昼の会
13:35  活動②
13:50  自由遊び
14:15  帰りの会
14:30  帰宅

といった感じです。

活動は、保育園でやるようなお絵かきやシール貼り等手先を使うもの、自立課題といった各々の苦手を克服するもの、運動遊びでコンビカーに乗ったり散歩もありました。

活動時間は短いので、集中力も途切れず取り組め、上手くできているなぁと感心しました。

自由遊びでは、遊戯室が解放されており室内遊具が好きに使えます。

しかし、そーすけは初めこそ入れたものの、途中からは断固入室拒否。
教室で絵本を読んだり、ままごと、車遊びを好んでしていました。
大体教室にいるのは、そーすけともう1人くらいで、みんな遊戯室に行ってましたね。

教室にあった『あっちゃんあがつく たべものあいうえお』という絵本が大好きで、毎日読むことがルーティンになっており、途中で終わらせてもらえず最後まで読まなければなりませんでした。

ルーティン、こだわり…ここ、テストに出ます(笑)


『あっちゃんあがつく』は、療育卒業と同時に購入し、4歳を過ぎた今でもお気に入りの絵本のひとつになっています。


中庭もあり、ここでも自由に遊べるのですが、そーすけ1人や、同じクラスの子の時はいいのですが、他のクラスの子がやって来ると、逃げるように出ていきました。


この頃から、そーすけは人が密集している所が苦手なのでは?と思うようになりました。

自分から、人のいない所へ移動して遊んでいるように見えました。

当時の私は、それでもそーすけが楽しそうだったのであまり気にしないようにしていました。

私の話し相手がいないのは寂しかったですが…。
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