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高校時代
卒業式
小さい頃からずっと一緒だった。
高校は別々だったけど、家が隣だったからいつでも会えた。
でもこれからはそうはいかない。
僕は県外の大学へ進学が決まった。
いや、敢えて県外の大学を選んだ。春樹と距離を置くために。
もう、この近すぎる距離感に耐えられなくなってしまっていた。
男同士のセックスを見てしまったのもあるだろう。それからというもの、自分たちに重ねて考えてしまい、一緒にいるのが辛くなってしまった。
こんな僕にはもう、幼なじみとして一緒にいることはできない。『幼なじみ』では満足できない自分がいることにも気付いてしまった。
気付きたくなかった。春樹は大切な幼なじみだ。それで良かったのに。
僕はゲイじゃない。でも、女の子が好きな『普通の男』でもない。
中途半端な存在。
もう自分でも訳が分からなくなってきていた。一旦距離を置いて、頭を整理したかった。
今日は卒業式。
僕は春樹に今の心境を伝えると決めている。例え嫌われたとしても、どうせもう元の感情に戻ることができないのだから、構わない。
でも、ほんの1ミリの期待を込めて、胸の内を打ち明けようと思っていた。
卒業式の後は、クラスの打ち上げに参加して楽しい時間を過ごした。
そして夕方には、「最後の制服だから」と言って春樹を部屋に誘っていた。
「そうか~、制服も最後かぁ~…」
春樹も感傷に浸っていた。
僕はもう、春樹と部屋で過ごすのは今日で最後だと腹を括っていた。
「春樹、あのさ…」
「ん~?」
いつもと変わらない様子の春樹。当たり前だ。
「僕さ、実はAV見てる時、こっそり春樹のこと見てたんだ…」
「はぁ!?イ、イキナリなんだよぉ…」
春樹の顔が急にカーッと赤くなっていった。
「春樹は前、僕らは性癖が一緒だなって言ったの覚えてる?実はそうじゃなくてさ…。
春樹がAV見て興奮して、すごくエロい顔してるのを見て、僕は興奮してたんだ…。
僕は春樹のエロい顔が、好きなんだ…
目に焼き付いて、離れないくらいに…」
下を向いて、一気に打ち明けた。
しばし、沈黙が続いた。
怖い…。
「尚也は…男が好きな人なの…?」
「いや、そうじゃなくて。春樹だけが特別で…」
「俺、のことが好きって事、じゃないの?」
「…それは正直分からない。もう、好きとか友達とか、なんかもう全然分からないんだ。
でも、もう春樹でしかイけない体になっちゃったんだ…」
気持ち悪いよね、ほんとごめん…、と僕はボソリと付け加えた。
「いや見られてたとか超ハズいやん…まぁ、それはいいわ。元は俺が言い出したことだし」
…ホントにな!と心の中で悪態をつくなんて、僕はなんて勝手だろうと思った。
「でもまぁ…俺はやっぱり女の子が好きだし?尚也のことは最高の幼なじみだと思ってるよ?
ぶっちゃけ、誰にも言えないようなことしてるし、見られてるし。」
うんうん、一緒にAV見て抜き合うなんて異常だし、僕にフェラされたなんて言えないよね。
「…尚也のことは大切だけど、恋人とか?そーゆーのとは、やっぱり違うってゆーか…」
「うん…分かってたから、もういいよ」
僕の声は震えていた。
会うのはこれっきり、だなんて思ってたくせに、やんわり拒絶されただけでこの有様だ。
情けない。
僕のことは特別な存在と言ってくれた、それで十分じゃないか。一体僕は、どんな答えを望んでいたんだ…?
自問自答を繰り返してる間、沈黙が続いていたのだろう。
「尚也はさ、結局のところどうしたいの?」
どうしたいかって?
僕は春樹とセックスしたいよ。
…さすがにそれは言えなかった。
「また向かい合って、春樹のこと触らせてほしい。それと…僕のことも触ってほしい」
今日だけだから、お願い…とボソリと呟いた。
「オッケー!」
まさかの即答。
「えっ、いいの!?」
「もうさ、俺らなんでもアリな仲じゃない?尚也から言い出すのは珍しいけどさ!」
春樹はケラケラ笑っていた。
僕から異様な好意を寄せられていると知らされても尚、普通に接してくれた。
…つらい。
今日で最後と決めたのに。
セックスができる仲になれないのなら、いっそ嫌いになってくれた方がよかった。
このまま友達でいるなんて、やっぱり僕には無理だよ…。
―――
僕らは数年ぶりに、あぐらをかいて向かい合った。
「…触っても、いい?」
僕は恐る恐る聞いた。
「いいよーん」
いつもと変わらない春樹。
「…なんか思ってたのと違う」
恥じらいは無いのかよ、僕はもう、ワクワクしすぎて痛いくらいなのに。
ゆっくり右手を伸ばしていくと、バッと春樹が腕を伸ばしてきた。
えっ?
春樹は僕の制服のベルトをカチャカチャと外し、ファスナーを下ろした。
僕の、既に興奮していきり立ったモノが下着越しではあるが、晒された。
「見てて苦しそうだったから、先に出しちゃった!へへっ!」
「バレてたのかよぉ~…」
僕は恥ずかしすぎて顔が燃えそうだ。
でも…こらは一見ふざけているような春樹の、精一杯の照れ隠しなんじゃなかったのかな。
「はい次、本当に春樹の番だから…」
そう言って改めて右手を伸ばしていった。
いきなり脱がせるようなことはしない。だって、春樹が勃起してないことは見れば分かる。ちょっと寂しいけど。
まずは、ズボンの上から優しく包んで、全体を揉みしだく。まだ柔らかい竿も、伸びきった袋も、全部まとめて手のひらで包んで。
そうしていると、だんだん硬いものが現れてきた。
目線を上げると、左手を着いて横を向き、右腕で顔を隠していた。
…自分のエロい顔で抜いてるって言われたら、見られたくないよなぁ。
でも…その僅かな隙間から見える肌が紅潮しているだけで、僕は十分なんだ。
それだけで、春樹が興奮し始めていることが分かるくらいには、僕はずっと見てきているから…。
春樹の膨らみが目立ってきたので、ベルトを外してファスナーを下ろした。僕と同じように、欲の塊を解放した。
下着越しのソレに手を伸ばすと、春樹の熱い体温が伝わってきて、僕のモノがピクリと反応して熱を帯びていくのを感じた。
これは、僕が1から育てたモノ…そう思うとより一層興奮を掻き立てられた。
ゆっくりと竿を握り、上下に擦る。クッキリと張ったカリ首の存在に気付いた。指先で強めに引っかくと、「はぁ…」と熱のこもった吐息が漏れたのを、僕は聞き逃さなかった。
春樹はいつも最初に親指で鈴口を擦るのが好き。
これは僕だけが知っている。
優しく握りながら、親指でグリグリと先端を押していく。すると、じわり…と湿り気を感じた。我慢汁。今日はAVをつけていない。僕が与えた刺激だけで滲み出た、体液。
言い様のない興奮と優越感、支配欲が僕を襲った。
そんな時、春樹が動き出した。
顔を隠していた右腕を外し、僕の下着から中身を取り出した。下着には既に大きなシミができていた。
すっかりガチガチになった僕のソレは、ブルンと勢いよく飛び出してきた。
まだ触れてもないのにこんなに勃って…春樹を見て興奮していたことが完全にモロバレな状態だ。
恥ずかしい…。この期に及んで往生際が悪いが、この異質な性癖を晒すのは、やっぱり恥ずかしい。
「まだ触ってねーのにフル勃起かよ!すげぇな尚也」
春樹は至って平静を装い、僕の硬く反り勃ったモノ軽く握り込むと、親指で我慢汁をスリスリと先端に塗り込んでいった。いつも自身で触るように…。
この時、春樹のいつもの行動が、無意識の癖だったことに気付いた。
「んふっ…」
それがなんだかすごく嬉しくて、思わず吹き出してしまった。
「おまっ、笑ってないでそこは感じろよ!」
春樹は勘違いしていたけど。
初めて手のひらに包まれて、感じない訳がないじゃない。もう、体温だけでもやばい。イキそう。
それでもお構いなしにゆっくりと上下に動かされていく。
「やばいやばい、ちょっと待って!」
僕は春樹の手を制止した。
…もう出るかと思った。
僕も改めて春樹のモノを握りこんで、
「一緒に…イこ?」
と、俯いて提案した。顔が熱かったのは自覚している。
恐らく真っ赤になってたんじゃないかな。あの春樹もしおらしくなって、静かに「うん」って言うくらいには。
それから、僕らは同時に、互いの欲の塊に刺激を与え合った。男同士だ、どうすると気持ちよくなれるかはだいたい一緒だろう。
僕がカリ首を締め上げれば、同じように反応が返ってきた。逆も然り。お互い、欲しい刺激を与え、そして受け取った。
相変わらず、春樹は左腕で顔を隠したままだったけど。
荒い吐息、上下する右肩、時折開く口元…これら全てが僕の与える刺激から来るものであり、そんな春樹から僕はこの快楽を享受している…。
あぁ、最高に、気持ちいい…。
頭がおかしくなりそう…。
「ねぇ春樹、もうひとつお願いがあるんだけど」
僕は春樹の手を握り、2本の棒が触れ合うように、体を密着させた。
すると体勢は崩れ、床の上で重なり合うようにして倒れ込んでしまった。
「こうしてね、2本一緒に握って擦るんだ。どう?すごく熱くない?」
倒れた拍子に春樹の左腕が外れ、やっと顔が見れた。春樹に覆いかぶさってしまった体をどかし、向かい合って横になる。
「えっ…これ…マジで…!?」
息も絶え絶え、問いかけられたが、拒絶はされなかった。
目の前に、春樹の顔がある。
真っ赤になって、少し驚いていて、それでいて下半身の刺激には正直に反応する。
目を固く閉じて歯を食いしばり、上を向いて快楽の波を逃している。波が遠のくと、うっすら目を開けて深く息を吐く。
その吐息が、僕の顔にかかった。
もうダメだ。
その瞬間、僕の興奮は最高潮に昇りつめ、激しく2本の棒を擦り合わせ、絶頂へと向かっていった。
「あっ…ああぁっ!!」
一緒にイこうと言っておきながら、さっさと1人でイッてしまった。
恥ずかしい…。
いや、もう恥ずかしいとか言ってられる場合じゃないのだけど。
頭の中でグルグルと考えていたのは一瞬のことだったろうと思う。なぜなら、すぐさまイッたばかりのモノに強すぎる刺激が走ったから。
まだ達していない春樹が、僕のモノを握りこんだまま激しく扱いていた。
「春樹っ、僕ダメっ、ヤバいっ、自分のだけにしてっ…!」
目の前の春樹は、目を閉じてうっすらと開いた口元から、はっ、はっ、はっ、と荒い吐息が漏れていた。僕の、大好きな顔…。
それなのに、僕のアソコは敏感すぎて、この刺激に耐えられない…!
「あっ、だめっ、変になるって…!」
それでも止まらない刺激に、頭がぼんやりとしてきた。
するとどうだろう。
お尻の方が、ムズムズと疼き始めた。
…僕は、密かに練習していたお尻に手を伸ばした。
少し入口に触れただけで、前と後ろの両方の刺激に、気が狂いそうだった。
…いや、もう狂っていた。
大好物の春樹のエロ顔をじっくりと堪能しながら、イッたばかりのモノを擦られ、疼く後孔に指を這わす。
最高に狂っている。
硬く閉ざされた目、眉間によるシワ、食いしばった口元。それから、
「ううっ、はぁ…」
と、漏れる、低い呻き声。
春樹が絶頂を迎えたのだ。
「今日は…俺のが…後だったな…!」
肩で息をしながら、いつも自分が先に達していたことを憂いていた春樹は、どこか嬉しそうだった。
…でも、僕の興奮は留まることを知らなかった。
お尻を触りたい。もっと、気持ちよくなりたい。
今まで何度か試したけど、違和感のが強くて気持ちよく感じたことはなかった。
でも、今なら絶対に気持ちよくなれる。そう確信していた。
僕は引出しからローションとディルドを取り出し、春樹の前に置いた。
「今からキモいこと言うけど、嫌なら帰って!僕は今からお尻にコレを入れる!春樹はそれを見てて!」
興奮冷めやまぬ僕は、春樹の返事も聞かずにズボン脱ぎ捨て、うつ伏せになって尻を突き上げた。そして雑にローションをかけると、ディルドの先端を入口にあてがい、クチクチと音を立てていじくった。
春樹は帰らなかった。
まだ治まらぬ興奮の余韻と、好奇心がそうしたのだろう。
僕は何度試しても無理だと思っていたのに、今日は、すごく変な気分になってくる。なんせ、春樹に見られている。
入口付近をクチクチといじっているうちに、少しほぐれてきた感覚があった。少し、強く押してみた。すると、ゆっくりではあるが、確実にソレはナカへと入っていった。
「あぁっ、やばっ、入っちゃっ、た…」
入ったといっても、カリ首にも到達していない。ほんの数センチの話。だけど、一時的に拡張されたソコは、今まで感じたことのない熱を持ってヒクヒクと動いていた。
「ヤバっ、すごっ、なにこれっ…」
グリグリとディルドを動かすと、内側が締め付けてくる。痛みが無いとは言いきれない、でも、同じくらいの好奇心と気持ちよさがあった。
上下に動かし、少し出し入れしてみた。
「あぁっ!あぁっ…!!」
なんだこれは。気持ちよすぎて驚いた。もう、頭が沸騰していて声がどんどん出てしまう。
春樹がどんな顔をしているのか、見るのが怖かった。でも、やめられなかった。
出し入れしているうちに、少し奥へ進み、カリ首まで咥え込むことに成功した。すると、動かす度にカリ首が入口に引っかかって、なんと気持ちのいいことか…!
「はぁっ、なにこれっ、カリ、きもちっ…」
思ったことが口からボロボロとこぼれていった。止められなかった。
ふと股間に目をやると、そこはまた血管が浮き出る程に硬く腫れていた。
後ろにはカリ首を咥えこんで、前のモノを握る。
「あぁぁぁぁっ…!!」
すると、まるで電流が走ったかのような刺激に襲われ、膝がガクガクと震え、絶叫とも思われる声を発して、あっという間に吐精してしまった。
こんな自分に一番驚いているのは僕だ、と思う。
恐る恐る、春樹の方に目をやる。
そこには、爛々と目を輝かせながらも固まった春樹がいた。
…これで完全に引かれたな。嫌われたな。
本来の目的はそれだったはずなのに、いざその姿を目の前にしたら視界がボヤけた。
「…これが、本当の僕だよ。さっき、俺とどうなりたいかって聞いたよね?あの時は言えなかったけど…本当は春樹とセックスしたい。
男同士はお尻を使うって知ったから、ちょっとずつ練習してたんだけど変な感じでさ。でも今初めて上手くいった。すんごく気持ちよかった。
…春樹は、気持ち悪かったと思うけど…」
だんだん声が震えていった。
「僕は大学で家を出るし、この部屋で会うのも今日で最後になるね。ははっ、最後がこんなんでごめんね?今まで楽しかったよ。
今まで幼なじみでいてくれて、ありがとう…」
一方的に僕が喋って、春樹は一言も発さなかった。いつもとは真逆だ。
もう、春樹の顔は見られない。
黙って背を向けていると、しばらくして春樹は部屋から出て行った。
「寂しいこと言うなよ…」
そう言い残して。
今日は卒業式。
僕と春樹、幼なじみの卒業式だ。
高校は別々だったけど、家が隣だったからいつでも会えた。
でもこれからはそうはいかない。
僕は県外の大学へ進学が決まった。
いや、敢えて県外の大学を選んだ。春樹と距離を置くために。
もう、この近すぎる距離感に耐えられなくなってしまっていた。
男同士のセックスを見てしまったのもあるだろう。それからというもの、自分たちに重ねて考えてしまい、一緒にいるのが辛くなってしまった。
こんな僕にはもう、幼なじみとして一緒にいることはできない。『幼なじみ』では満足できない自分がいることにも気付いてしまった。
気付きたくなかった。春樹は大切な幼なじみだ。それで良かったのに。
僕はゲイじゃない。でも、女の子が好きな『普通の男』でもない。
中途半端な存在。
もう自分でも訳が分からなくなってきていた。一旦距離を置いて、頭を整理したかった。
今日は卒業式。
僕は春樹に今の心境を伝えると決めている。例え嫌われたとしても、どうせもう元の感情に戻ることができないのだから、構わない。
でも、ほんの1ミリの期待を込めて、胸の内を打ち明けようと思っていた。
卒業式の後は、クラスの打ち上げに参加して楽しい時間を過ごした。
そして夕方には、「最後の制服だから」と言って春樹を部屋に誘っていた。
「そうか~、制服も最後かぁ~…」
春樹も感傷に浸っていた。
僕はもう、春樹と部屋で過ごすのは今日で最後だと腹を括っていた。
「春樹、あのさ…」
「ん~?」
いつもと変わらない様子の春樹。当たり前だ。
「僕さ、実はAV見てる時、こっそり春樹のこと見てたんだ…」
「はぁ!?イ、イキナリなんだよぉ…」
春樹の顔が急にカーッと赤くなっていった。
「春樹は前、僕らは性癖が一緒だなって言ったの覚えてる?実はそうじゃなくてさ…。
春樹がAV見て興奮して、すごくエロい顔してるのを見て、僕は興奮してたんだ…。
僕は春樹のエロい顔が、好きなんだ…
目に焼き付いて、離れないくらいに…」
下を向いて、一気に打ち明けた。
しばし、沈黙が続いた。
怖い…。
「尚也は…男が好きな人なの…?」
「いや、そうじゃなくて。春樹だけが特別で…」
「俺、のことが好きって事、じゃないの?」
「…それは正直分からない。もう、好きとか友達とか、なんかもう全然分からないんだ。
でも、もう春樹でしかイけない体になっちゃったんだ…」
気持ち悪いよね、ほんとごめん…、と僕はボソリと付け加えた。
「いや見られてたとか超ハズいやん…まぁ、それはいいわ。元は俺が言い出したことだし」
…ホントにな!と心の中で悪態をつくなんて、僕はなんて勝手だろうと思った。
「でもまぁ…俺はやっぱり女の子が好きだし?尚也のことは最高の幼なじみだと思ってるよ?
ぶっちゃけ、誰にも言えないようなことしてるし、見られてるし。」
うんうん、一緒にAV見て抜き合うなんて異常だし、僕にフェラされたなんて言えないよね。
「…尚也のことは大切だけど、恋人とか?そーゆーのとは、やっぱり違うってゆーか…」
「うん…分かってたから、もういいよ」
僕の声は震えていた。
会うのはこれっきり、だなんて思ってたくせに、やんわり拒絶されただけでこの有様だ。
情けない。
僕のことは特別な存在と言ってくれた、それで十分じゃないか。一体僕は、どんな答えを望んでいたんだ…?
自問自答を繰り返してる間、沈黙が続いていたのだろう。
「尚也はさ、結局のところどうしたいの?」
どうしたいかって?
僕は春樹とセックスしたいよ。
…さすがにそれは言えなかった。
「また向かい合って、春樹のこと触らせてほしい。それと…僕のことも触ってほしい」
今日だけだから、お願い…とボソリと呟いた。
「オッケー!」
まさかの即答。
「えっ、いいの!?」
「もうさ、俺らなんでもアリな仲じゃない?尚也から言い出すのは珍しいけどさ!」
春樹はケラケラ笑っていた。
僕から異様な好意を寄せられていると知らされても尚、普通に接してくれた。
…つらい。
今日で最後と決めたのに。
セックスができる仲になれないのなら、いっそ嫌いになってくれた方がよかった。
このまま友達でいるなんて、やっぱり僕には無理だよ…。
―――
僕らは数年ぶりに、あぐらをかいて向かい合った。
「…触っても、いい?」
僕は恐る恐る聞いた。
「いいよーん」
いつもと変わらない春樹。
「…なんか思ってたのと違う」
恥じらいは無いのかよ、僕はもう、ワクワクしすぎて痛いくらいなのに。
ゆっくり右手を伸ばしていくと、バッと春樹が腕を伸ばしてきた。
えっ?
春樹は僕の制服のベルトをカチャカチャと外し、ファスナーを下ろした。
僕の、既に興奮していきり立ったモノが下着越しではあるが、晒された。
「見てて苦しそうだったから、先に出しちゃった!へへっ!」
「バレてたのかよぉ~…」
僕は恥ずかしすぎて顔が燃えそうだ。
でも…こらは一見ふざけているような春樹の、精一杯の照れ隠しなんじゃなかったのかな。
「はい次、本当に春樹の番だから…」
そう言って改めて右手を伸ばしていった。
いきなり脱がせるようなことはしない。だって、春樹が勃起してないことは見れば分かる。ちょっと寂しいけど。
まずは、ズボンの上から優しく包んで、全体を揉みしだく。まだ柔らかい竿も、伸びきった袋も、全部まとめて手のひらで包んで。
そうしていると、だんだん硬いものが現れてきた。
目線を上げると、左手を着いて横を向き、右腕で顔を隠していた。
…自分のエロい顔で抜いてるって言われたら、見られたくないよなぁ。
でも…その僅かな隙間から見える肌が紅潮しているだけで、僕は十分なんだ。
それだけで、春樹が興奮し始めていることが分かるくらいには、僕はずっと見てきているから…。
春樹の膨らみが目立ってきたので、ベルトを外してファスナーを下ろした。僕と同じように、欲の塊を解放した。
下着越しのソレに手を伸ばすと、春樹の熱い体温が伝わってきて、僕のモノがピクリと反応して熱を帯びていくのを感じた。
これは、僕が1から育てたモノ…そう思うとより一層興奮を掻き立てられた。
ゆっくりと竿を握り、上下に擦る。クッキリと張ったカリ首の存在に気付いた。指先で強めに引っかくと、「はぁ…」と熱のこもった吐息が漏れたのを、僕は聞き逃さなかった。
春樹はいつも最初に親指で鈴口を擦るのが好き。
これは僕だけが知っている。
優しく握りながら、親指でグリグリと先端を押していく。すると、じわり…と湿り気を感じた。我慢汁。今日はAVをつけていない。僕が与えた刺激だけで滲み出た、体液。
言い様のない興奮と優越感、支配欲が僕を襲った。
そんな時、春樹が動き出した。
顔を隠していた右腕を外し、僕の下着から中身を取り出した。下着には既に大きなシミができていた。
すっかりガチガチになった僕のソレは、ブルンと勢いよく飛び出してきた。
まだ触れてもないのにこんなに勃って…春樹を見て興奮していたことが完全にモロバレな状態だ。
恥ずかしい…。この期に及んで往生際が悪いが、この異質な性癖を晒すのは、やっぱり恥ずかしい。
「まだ触ってねーのにフル勃起かよ!すげぇな尚也」
春樹は至って平静を装い、僕の硬く反り勃ったモノ軽く握り込むと、親指で我慢汁をスリスリと先端に塗り込んでいった。いつも自身で触るように…。
この時、春樹のいつもの行動が、無意識の癖だったことに気付いた。
「んふっ…」
それがなんだかすごく嬉しくて、思わず吹き出してしまった。
「おまっ、笑ってないでそこは感じろよ!」
春樹は勘違いしていたけど。
初めて手のひらに包まれて、感じない訳がないじゃない。もう、体温だけでもやばい。イキそう。
それでもお構いなしにゆっくりと上下に動かされていく。
「やばいやばい、ちょっと待って!」
僕は春樹の手を制止した。
…もう出るかと思った。
僕も改めて春樹のモノを握りこんで、
「一緒に…イこ?」
と、俯いて提案した。顔が熱かったのは自覚している。
恐らく真っ赤になってたんじゃないかな。あの春樹もしおらしくなって、静かに「うん」って言うくらいには。
それから、僕らは同時に、互いの欲の塊に刺激を与え合った。男同士だ、どうすると気持ちよくなれるかはだいたい一緒だろう。
僕がカリ首を締め上げれば、同じように反応が返ってきた。逆も然り。お互い、欲しい刺激を与え、そして受け取った。
相変わらず、春樹は左腕で顔を隠したままだったけど。
荒い吐息、上下する右肩、時折開く口元…これら全てが僕の与える刺激から来るものであり、そんな春樹から僕はこの快楽を享受している…。
あぁ、最高に、気持ちいい…。
頭がおかしくなりそう…。
「ねぇ春樹、もうひとつお願いがあるんだけど」
僕は春樹の手を握り、2本の棒が触れ合うように、体を密着させた。
すると体勢は崩れ、床の上で重なり合うようにして倒れ込んでしまった。
「こうしてね、2本一緒に握って擦るんだ。どう?すごく熱くない?」
倒れた拍子に春樹の左腕が外れ、やっと顔が見れた。春樹に覆いかぶさってしまった体をどかし、向かい合って横になる。
「えっ…これ…マジで…!?」
息も絶え絶え、問いかけられたが、拒絶はされなかった。
目の前に、春樹の顔がある。
真っ赤になって、少し驚いていて、それでいて下半身の刺激には正直に反応する。
目を固く閉じて歯を食いしばり、上を向いて快楽の波を逃している。波が遠のくと、うっすら目を開けて深く息を吐く。
その吐息が、僕の顔にかかった。
もうダメだ。
その瞬間、僕の興奮は最高潮に昇りつめ、激しく2本の棒を擦り合わせ、絶頂へと向かっていった。
「あっ…ああぁっ!!」
一緒にイこうと言っておきながら、さっさと1人でイッてしまった。
恥ずかしい…。
いや、もう恥ずかしいとか言ってられる場合じゃないのだけど。
頭の中でグルグルと考えていたのは一瞬のことだったろうと思う。なぜなら、すぐさまイッたばかりのモノに強すぎる刺激が走ったから。
まだ達していない春樹が、僕のモノを握りこんだまま激しく扱いていた。
「春樹っ、僕ダメっ、ヤバいっ、自分のだけにしてっ…!」
目の前の春樹は、目を閉じてうっすらと開いた口元から、はっ、はっ、はっ、と荒い吐息が漏れていた。僕の、大好きな顔…。
それなのに、僕のアソコは敏感すぎて、この刺激に耐えられない…!
「あっ、だめっ、変になるって…!」
それでも止まらない刺激に、頭がぼんやりとしてきた。
するとどうだろう。
お尻の方が、ムズムズと疼き始めた。
…僕は、密かに練習していたお尻に手を伸ばした。
少し入口に触れただけで、前と後ろの両方の刺激に、気が狂いそうだった。
…いや、もう狂っていた。
大好物の春樹のエロ顔をじっくりと堪能しながら、イッたばかりのモノを擦られ、疼く後孔に指を這わす。
最高に狂っている。
硬く閉ざされた目、眉間によるシワ、食いしばった口元。それから、
「ううっ、はぁ…」
と、漏れる、低い呻き声。
春樹が絶頂を迎えたのだ。
「今日は…俺のが…後だったな…!」
肩で息をしながら、いつも自分が先に達していたことを憂いていた春樹は、どこか嬉しそうだった。
…でも、僕の興奮は留まることを知らなかった。
お尻を触りたい。もっと、気持ちよくなりたい。
今まで何度か試したけど、違和感のが強くて気持ちよく感じたことはなかった。
でも、今なら絶対に気持ちよくなれる。そう確信していた。
僕は引出しからローションとディルドを取り出し、春樹の前に置いた。
「今からキモいこと言うけど、嫌なら帰って!僕は今からお尻にコレを入れる!春樹はそれを見てて!」
興奮冷めやまぬ僕は、春樹の返事も聞かずにズボン脱ぎ捨て、うつ伏せになって尻を突き上げた。そして雑にローションをかけると、ディルドの先端を入口にあてがい、クチクチと音を立てていじくった。
春樹は帰らなかった。
まだ治まらぬ興奮の余韻と、好奇心がそうしたのだろう。
僕は何度試しても無理だと思っていたのに、今日は、すごく変な気分になってくる。なんせ、春樹に見られている。
入口付近をクチクチといじっているうちに、少しほぐれてきた感覚があった。少し、強く押してみた。すると、ゆっくりではあるが、確実にソレはナカへと入っていった。
「あぁっ、やばっ、入っちゃっ、た…」
入ったといっても、カリ首にも到達していない。ほんの数センチの話。だけど、一時的に拡張されたソコは、今まで感じたことのない熱を持ってヒクヒクと動いていた。
「ヤバっ、すごっ、なにこれっ…」
グリグリとディルドを動かすと、内側が締め付けてくる。痛みが無いとは言いきれない、でも、同じくらいの好奇心と気持ちよさがあった。
上下に動かし、少し出し入れしてみた。
「あぁっ!あぁっ…!!」
なんだこれは。気持ちよすぎて驚いた。もう、頭が沸騰していて声がどんどん出てしまう。
春樹がどんな顔をしているのか、見るのが怖かった。でも、やめられなかった。
出し入れしているうちに、少し奥へ進み、カリ首まで咥え込むことに成功した。すると、動かす度にカリ首が入口に引っかかって、なんと気持ちのいいことか…!
「はぁっ、なにこれっ、カリ、きもちっ…」
思ったことが口からボロボロとこぼれていった。止められなかった。
ふと股間に目をやると、そこはまた血管が浮き出る程に硬く腫れていた。
後ろにはカリ首を咥えこんで、前のモノを握る。
「あぁぁぁぁっ…!!」
すると、まるで電流が走ったかのような刺激に襲われ、膝がガクガクと震え、絶叫とも思われる声を発して、あっという間に吐精してしまった。
こんな自分に一番驚いているのは僕だ、と思う。
恐る恐る、春樹の方に目をやる。
そこには、爛々と目を輝かせながらも固まった春樹がいた。
…これで完全に引かれたな。嫌われたな。
本来の目的はそれだったはずなのに、いざその姿を目の前にしたら視界がボヤけた。
「…これが、本当の僕だよ。さっき、俺とどうなりたいかって聞いたよね?あの時は言えなかったけど…本当は春樹とセックスしたい。
男同士はお尻を使うって知ったから、ちょっとずつ練習してたんだけど変な感じでさ。でも今初めて上手くいった。すんごく気持ちよかった。
…春樹は、気持ち悪かったと思うけど…」
だんだん声が震えていった。
「僕は大学で家を出るし、この部屋で会うのも今日で最後になるね。ははっ、最後がこんなんでごめんね?今まで楽しかったよ。
今まで幼なじみでいてくれて、ありがとう…」
一方的に僕が喋って、春樹は一言も発さなかった。いつもとは真逆だ。
もう、春樹の顔は見られない。
黙って背を向けていると、しばらくして春樹は部屋から出て行った。
「寂しいこと言うなよ…」
そう言い残して。
今日は卒業式。
僕と春樹、幼なじみの卒業式だ。
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