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大学時代
「俺とセックスしない?」
春樹は何を言ってるんだ…!?
正気か?
僕は春樹を覗き見してオカズにしてた男だぞ!?
それに…もう僕はセックスはただの寂しさを埋める方法に過ぎない、そこに感情なんていらない、快楽さえ得られればそれでいい、って…。そう思って何度も何度もヤリまくってきた男だよ。
ヤリチンはむしろ僕の方だ。
…チン使ってないけど。
色んなことをぐるぐると考えているうちに、結構時間が経っていた。
『で?ヤッてくれんの?』
春樹から追い討ちが来る。
ほんと、どういうつもりなんだよ…。
僕の汚れきった穴に入れたいってこと?それともアナルセックスの練習台のつもり?
こんなのは期待するだけ悲しくなるんだ。ダメだダメだダメだ。
『やだ』
たった2文字の返信で、僕はスマホを投げて枕に顔を埋めた。
ワンチャンあったかな~、なんてまだ未練がましいことを…。いつまでたっても断ち切れない。もう会いたくない、会うつもりもないのに、向こうから来たらどうしたらいいんだよ…。
また、遠くの方でスマホが鳴った。
春樹の返信かな?
でももう、今日は無理。今は無理!
こんな時こそ彼にめちゃくちゃにされたいのに、スマホが拾えないので久しぶりに自分で慰めた。
何も考えたくないのに、やはり脳裏にチラつくのは春樹のことばかり。
…っだから嫌なんだ、自分でするのは。
僕は志半ばで、そのまま無理矢理眠ることにした。
翌朝。
チャイムで目が覚めた。
宅配…?何も頼んでないはずだけど。
「はーい…」
気怠い体を起こして、玄関へ向かう。
…なんでこの日に限って、ドアスコープを確認しなかったんだろう。
ドアを開けると、そこには春樹が立っていた。
「な、なにしてんの!?」
「だって尚也あれから返事がないし。始発できた」
「はぁ~!?」
僕は膝から崩れ落ちてうなだれた。
こんなこと…考えもしてなかった。
「寒いんで、入れて欲しいんですけど~」
「…やだよ、帰って」
「えっ、えっ、酷くない!?始発で来たのに酷くない!?」
春樹はわざと大袈裟に騒ぎ始めた。
「ちょ、もううるさいから!迷惑だから!あー!もー…」
観念して、深いため息をついた。
「…入って」
場所は違えど、また僕の部屋に春樹がいる。もう、そういう運命なのかな?だとしたら、この運命を呪うよ。神様は意地悪だな、僕が何したって言うんだよ…。
…特に善行もしてないけど。
「いいなぁ~ひとり暮らし!」
春樹はウキウキしながら部屋を物色していた。
そういえば、この部屋に人が来るのは春樹が初めてかも。
「ねぇ、いつもこの部屋でヤッてんの?」
…いきなりぶっ込んでくるんだね、まぁそのためにわざわざ始発で来たんだからそうか。
「ヤッてないよ、ホテルに行くんだよ」
「へぇ~!俺、ラブホ行ったことないんだよな~尚也、大人じゃん!」
嫌味か?一体何がしたいんだ。
僕は寝起きも相まってだんだんとイライラしてきた。そんな時。
「じゃ、このベットは未使用ってことで間違いないんだな?」
「は?さっきまで寝てたけど?」
「この流れで分かるだろ!そっちの寝るじゃねーよ!!」
腕を引っ張られ、ベットに突き飛ばされた…と思ったら。
春樹の上に、僕は覆いかぶさっていた。
「組み敷いてみたかったんだろ?どう?やってみて」
いやいやいやいや。
なにこれ、どんな状況だよ…。
「…すごい上から目線だね」
「見上げてるけどな!」
春樹は楽しそうにしているけど、からかってるのか、バカにしてるのか…。
「とにかく、悪ふざけはやめよう」
僕は春樹の上から降りようとしたが、春樹がそれを止めた。
「ねぇ、ここまでしてんのに、誘ってんの、分からない…?」
…は?
「俺のこと組み敷いてさ、セックスしてよ…」
さっきまでの威勢はどこへやら。春樹は顔を背け、頬を染めていた。
「え…春樹も、その…抱かれたい人になっちゃったの?」
素朴な疑問だった。だけど大事な確認。もしそうなら、僕は期待に応えられない。僕は抱いたことはないから。
「いや、違うけど…」
「じゃあなんでこんなこと」
「尚也がっ!好きな奴、組み敷いてみたいって言ったから…」
えぇ~~~!?
「僕、春樹が好きなんて一言も言ってないけど?」
「え、違うの?」
春樹は心底驚いた顔で聞き返してきた。
「いや、その、うーん…」
僕は言葉を濁した。正直、『好き』ってよく分からない気もしたし、春樹に抱くこの感情がなんなのか、何年経っても分からずじまいだったから。
「俺のこと…好きじゃないの?」
今度は真っ赤な顔をして、真っ直ぐに聞き返してきた。その顔は、恥ずかしさからか少しへの字顔で、イケメンが台無しだ。
久しぶりに見た、春樹の表情。コロコロ変わって、おもしろい。笑う顔も、こんな風に情けない顔も、あの官能的な表情も全部…。
「好き…かも」
やっと、答えが出た。僕は、春樹のことが好きだったんだ。今まで感じていたモヤモヤした気持ちがスッと晴れるような気がした。
好きだから、あんなにも苦しかったのか。そう思うと、全てに合点がいった。
かつてないほど爽快な気分。
すると僕の首元に手が回され、春樹の顔が近付いて来て…ふにっと唇が触れた。
途端にカーッと顔から火が出そうなほど、熱くなった。
「ちょ、僕の、ファーストキス…」
「え!?ヤリまくってんのに!?」
…失礼だな。否定できないのが悔しいけど。
「普通セフレとはしない、んじゃないかな?」
「やったー!俺、もう尚也はなんでもやり尽くしてると思ってたけど、ハジメテ、いただきました~!」
「そんなことないよ…。この部屋に来たのも、僕が上に跨るのも、春樹がハジメテだし。
それに!僕をこんなに狂わせたのは春樹のせいなんだから!僕のハジメテは全部春樹なんだよ!!」
後半はまくし立てるように一気に話した。すぐにふざける春樹には腹が立つ…全部、ぜーんぶ、春樹のせいだ。
「…やばい、超照れるじゃん…」
今度は急にしおらしくなった。ほんと、コロコロと表情の変わる…。
そゆとこ、好きだな。
自覚してしまうと不思議なもので、今まではイライラしたりモヤモヤしたり、腹が立っていたことが全てなんてことない物に変わっていった。
これが『恋心』ってやつなのかなぁ。
しみじみと耽っていると、コホンとわざとらしい咳払い。
「じゃ、本題に戻るけど…
俺と、セックスしよ?」
正気か?
僕は春樹を覗き見してオカズにしてた男だぞ!?
それに…もう僕はセックスはただの寂しさを埋める方法に過ぎない、そこに感情なんていらない、快楽さえ得られればそれでいい、って…。そう思って何度も何度もヤリまくってきた男だよ。
ヤリチンはむしろ僕の方だ。
…チン使ってないけど。
色んなことをぐるぐると考えているうちに、結構時間が経っていた。
『で?ヤッてくれんの?』
春樹から追い討ちが来る。
ほんと、どういうつもりなんだよ…。
僕の汚れきった穴に入れたいってこと?それともアナルセックスの練習台のつもり?
こんなのは期待するだけ悲しくなるんだ。ダメだダメだダメだ。
『やだ』
たった2文字の返信で、僕はスマホを投げて枕に顔を埋めた。
ワンチャンあったかな~、なんてまだ未練がましいことを…。いつまでたっても断ち切れない。もう会いたくない、会うつもりもないのに、向こうから来たらどうしたらいいんだよ…。
また、遠くの方でスマホが鳴った。
春樹の返信かな?
でももう、今日は無理。今は無理!
こんな時こそ彼にめちゃくちゃにされたいのに、スマホが拾えないので久しぶりに自分で慰めた。
何も考えたくないのに、やはり脳裏にチラつくのは春樹のことばかり。
…っだから嫌なんだ、自分でするのは。
僕は志半ばで、そのまま無理矢理眠ることにした。
翌朝。
チャイムで目が覚めた。
宅配…?何も頼んでないはずだけど。
「はーい…」
気怠い体を起こして、玄関へ向かう。
…なんでこの日に限って、ドアスコープを確認しなかったんだろう。
ドアを開けると、そこには春樹が立っていた。
「な、なにしてんの!?」
「だって尚也あれから返事がないし。始発できた」
「はぁ~!?」
僕は膝から崩れ落ちてうなだれた。
こんなこと…考えもしてなかった。
「寒いんで、入れて欲しいんですけど~」
「…やだよ、帰って」
「えっ、えっ、酷くない!?始発で来たのに酷くない!?」
春樹はわざと大袈裟に騒ぎ始めた。
「ちょ、もううるさいから!迷惑だから!あー!もー…」
観念して、深いため息をついた。
「…入って」
場所は違えど、また僕の部屋に春樹がいる。もう、そういう運命なのかな?だとしたら、この運命を呪うよ。神様は意地悪だな、僕が何したって言うんだよ…。
…特に善行もしてないけど。
「いいなぁ~ひとり暮らし!」
春樹はウキウキしながら部屋を物色していた。
そういえば、この部屋に人が来るのは春樹が初めてかも。
「ねぇ、いつもこの部屋でヤッてんの?」
…いきなりぶっ込んでくるんだね、まぁそのためにわざわざ始発で来たんだからそうか。
「ヤッてないよ、ホテルに行くんだよ」
「へぇ~!俺、ラブホ行ったことないんだよな~尚也、大人じゃん!」
嫌味か?一体何がしたいんだ。
僕は寝起きも相まってだんだんとイライラしてきた。そんな時。
「じゃ、このベットは未使用ってことで間違いないんだな?」
「は?さっきまで寝てたけど?」
「この流れで分かるだろ!そっちの寝るじゃねーよ!!」
腕を引っ張られ、ベットに突き飛ばされた…と思ったら。
春樹の上に、僕は覆いかぶさっていた。
「組み敷いてみたかったんだろ?どう?やってみて」
いやいやいやいや。
なにこれ、どんな状況だよ…。
「…すごい上から目線だね」
「見上げてるけどな!」
春樹は楽しそうにしているけど、からかってるのか、バカにしてるのか…。
「とにかく、悪ふざけはやめよう」
僕は春樹の上から降りようとしたが、春樹がそれを止めた。
「ねぇ、ここまでしてんのに、誘ってんの、分からない…?」
…は?
「俺のこと組み敷いてさ、セックスしてよ…」
さっきまでの威勢はどこへやら。春樹は顔を背け、頬を染めていた。
「え…春樹も、その…抱かれたい人になっちゃったの?」
素朴な疑問だった。だけど大事な確認。もしそうなら、僕は期待に応えられない。僕は抱いたことはないから。
「いや、違うけど…」
「じゃあなんでこんなこと」
「尚也がっ!好きな奴、組み敷いてみたいって言ったから…」
えぇ~~~!?
「僕、春樹が好きなんて一言も言ってないけど?」
「え、違うの?」
春樹は心底驚いた顔で聞き返してきた。
「いや、その、うーん…」
僕は言葉を濁した。正直、『好き』ってよく分からない気もしたし、春樹に抱くこの感情がなんなのか、何年経っても分からずじまいだったから。
「俺のこと…好きじゃないの?」
今度は真っ赤な顔をして、真っ直ぐに聞き返してきた。その顔は、恥ずかしさからか少しへの字顔で、イケメンが台無しだ。
久しぶりに見た、春樹の表情。コロコロ変わって、おもしろい。笑う顔も、こんな風に情けない顔も、あの官能的な表情も全部…。
「好き…かも」
やっと、答えが出た。僕は、春樹のことが好きだったんだ。今まで感じていたモヤモヤした気持ちがスッと晴れるような気がした。
好きだから、あんなにも苦しかったのか。そう思うと、全てに合点がいった。
かつてないほど爽快な気分。
すると僕の首元に手が回され、春樹の顔が近付いて来て…ふにっと唇が触れた。
途端にカーッと顔から火が出そうなほど、熱くなった。
「ちょ、僕の、ファーストキス…」
「え!?ヤリまくってんのに!?」
…失礼だな。否定できないのが悔しいけど。
「普通セフレとはしない、んじゃないかな?」
「やったー!俺、もう尚也はなんでもやり尽くしてると思ってたけど、ハジメテ、いただきました~!」
「そんなことないよ…。この部屋に来たのも、僕が上に跨るのも、春樹がハジメテだし。
それに!僕をこんなに狂わせたのは春樹のせいなんだから!僕のハジメテは全部春樹なんだよ!!」
後半はまくし立てるように一気に話した。すぐにふざける春樹には腹が立つ…全部、ぜーんぶ、春樹のせいだ。
「…やばい、超照れるじゃん…」
今度は急にしおらしくなった。ほんと、コロコロと表情の変わる…。
そゆとこ、好きだな。
自覚してしまうと不思議なもので、今まではイライラしたりモヤモヤしたり、腹が立っていたことが全てなんてことない物に変わっていった。
これが『恋心』ってやつなのかなぁ。
しみじみと耽っていると、コホンとわざとらしい咳払い。
「じゃ、本題に戻るけど…
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