カゴの中のツバサ

九十九光

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#8-4

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屋にいるのかという疑問は、すでに彼の頭の中からは消えてなくなっていた。代わりにやってきたのは、次はどこを脱ぐんだろうか、という期待に近い疑問だった。
 カナコはあやしい笑顔をしたまま、両腕を下から上へと後ろに回した。ツバサの心臓に、釘でも打ち込まれたかのような衝撃が走る。何をする気なのかが分かってしまったからだ。
 カナコは音もなくブラジャーのホックを外すと、後ろに回していた腕を一旦元の場所に戻すと、右腕、左腕の順番にブラジャーを抜き取った。
 こうしてカナコの乳房を隠すものがなくなり、両側ほぼ中央に存在する薄いチョコレート色の乳首を露にした。チェーン店のレストランで出されるオムライスほどの大きさの乳房は、まだまだ成長段階であることは間違いないのだが、ツバサには強すぎる刺激を与えていた。そこにくっついている、普段なら絶対に見ることなどできない小さな突起物も、ツバサの血の巡りを不自然に早めている。
 興奮したツバサをよそに、カナコは次に髪を結ぶシュシュに手をつけた。毛先が絡まらないように丁寧に外していき、それをカーディガンなどと同じ場所に落とした。籠の出入り口を開けられた小鳥のように自由になった黒髪は、彼女の両肩の上で前へ行くグループと後ろへ行くグループに分かれ、カナコの肩を半分以上隠してしまった。前へ出たグループは、乳首にかからないギリギリのところで止まり、普段誰にも見せてはいけない部分を、ツバサに見てもらえるようにしていた。
 ツバサの身体は汗をかいていた。真夏に持久走をした時くらいしか出ないような大粒の汗が、白い顎やみぞおちを伝って床に落ちていた。足の裏からは、冷気どころか熱を感じ取っていた。
 そんな異常な反応を示すツバサを見たカナコは、ローファーを履く両足の先をスカートから外すと、両方の親指をショーツの内側に引っ掛けた。そして彼女はツバサの視線を好きにさせたまま、身体を屈めてゆっくりとショーツを下へとおろしていった。ソックスに覆われている脛の真ん中あたりまでおろすと、そこからは片脚ずつ、ローファーに引っ掛けないように丁寧に外していった。
 再び上体を起こしたカナコを見て、ツバサは身体全体に不思議な重さと浮遊感を感じた。
 もう一つの、彼女が絶対に人に見せてはいけない部分が、ツバサの目の前に現れた。
 彼女の股間はツバサの股間と違う。子供がいたずらで描くような男性器は存在せず、少しだけふっくらとした丘のようになっていた。陰毛はわずかに生えているが、丘の形状を隠すには不充分な量である。それがかえって彼女の股間を神秘性と禁忌さを誇張していた。
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