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九十九光

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仇花すっかり舞い散る季節ー6

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「話は聞いたよ~。君たち、いじめをしてるらしいね~。それはよくないよ~」

「えー、なんでー?」

「自分がされたら嫌なことは人にしちゃいけなんだよ~」

「どうしてそれがいけないことなのー?」

「そ、そりゃあれだよ。自分がやり返されて嫌な思いしないためだよ~。君たちだって、いじめられたら嫌でしょ?」

「大丈夫だもん。僕んち経産省の偉い人だから、いじめてきた奴はみんな会社潰しちゃうもんね」

「そういう話じゃなくて……。いじめられた直後どう思うって話で……」

「うるせーぞ、ババア!」

 ひねくれた性格の園児たちは、次第に花子の話に飽き始め、彼女を殴ったり蹴ったりし始めた。最初は笑って見過ごしていた花子だったが、ユニゾンを使って顔を攻撃し、鼻血を出したり口の中を切ったりし始めると、彼女の理性が抑えられなくなった。

 花子はその場で一回転し、群がる子供を吹き飛ばす。驚く子供の一人の顔を乱暴につかむと、痛い痛いという子供を無視して語り出した。

「あんまり大人なめてんじゃねえぞ、コラ。どいつもこいつも自分の言う通りに動く時期なんてすぐ終わるんだからな、コラ。私がその気になればてめえら全員片手でぶち殺せるんだからな、コラ」

「やめてください、阿玉先生!」

「カメラまわってるから! 失態さらされるの関東中どころじゃ済まねえから!」

 慌てて遊大と王子が制止に入る。

「子供相手に話し合いで負けて最後は暴力行為ですか。お里が知れますね」

 それを見て、遊大が教室で見かけた金髪の男の子が呟いた。

「いきなり本丸に飛び込むなんて土台無理なんですよ。こういうのは周りから攻め落とすのが定石なんですよ」

 遠目からその様子を見ていた小麦は、運動場の隅で何かしている男の子のもとに向かう。

「君ー。そこで何してるのー?みんなと遊ばないのー?」

 小麦が男の子に声をかける。そして男の子の足元を見てゾッとした。

 男の子はその辺にいたバッタを踏み潰していた。
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