151 / 379
ひゅ~どろろ ひゅ~どろろー2
しおりを挟む
その日の夜7時半。この日の実地訓練を終え、第一部隊の一同は東京駅のバスターミナルにやって来た。迎えのバスには花子の他に、意外な人物が乗っていた。
「うわっ。灰色仁だ。本物?」
送り出すためについてきた氷助が驚いた様子を見せる。
「久しぶりだね、みんな。訓練内容大幅に変わったけど元気してる?」
仁はバスから降りると、第一部隊の面々に速攻で囲まれた。
「灰色先生、今日はどうしてここに?」
「外注の仕事に暇ができたからね。性格が大きく変わったって聞いたけど問題なさそうだね、丼息君」
「歴史は消えない。あの本について色々と議論がありました」
「そうかい、早乙女君。持ってきた甲斐があったよ」
「今日は何かお土産持ってきたんですか? 食べ物ですか?」
「あいにくお土産はないんだよ、秋晴君。でもこのあとお楽しみが」
そこで急に勢いよくコンクリートが割れる音がして、地面が瞬間的に大きく揺れる。震源地を見てみると、花子が足元のブロックを殴りつけていた。
「なんだよ、もぉぉぉぉぉ! またかよぉぉぉぉぉ!」
花子は悔しそうな顔で一同をにらみつける。
「この流れ、前回もやったじゃん! 夜空君にいたっては昨日狭い密室で二人きりで語り合ったじゃない! 私は遊びの関係だったわけ!?」
「カラオケ行ったを変な言い回ししないでください」
「どうせこのあとのお楽しみも、全員で回転寿司行くとかなんでしょ!? 私を独りぼっちで置いていくのかよぉぉぉぉぉ! 私はやだよぉぉぉぉぉ!」
「そういうのじゃないですから。安心してください」
仁は暴れる花子をよそに、戦々恐々としている氷助の肩に腕を回す。
「な、なんです!? 急に」
「小声で。僕が歴史は消えないをそっちの詰所に送ってから、何か変化はあったかい?」
「……。僕を含めた何人かが1回読んだだけで、特に大きな変化は……」
「……。分かった」
「……。あの本なんなんです? 調べたら半世紀以上前に絶版になった本で、中古本市場でも最近まで全然出回ってなかったらしいじゃないですか。何か秘密でも」
歴史は消えないに関する情報を掴んでいた氷助は、このタイミングでできるだけ仁の腹の内を探ろうとする。
「うわっ。灰色仁だ。本物?」
送り出すためについてきた氷助が驚いた様子を見せる。
「久しぶりだね、みんな。訓練内容大幅に変わったけど元気してる?」
仁はバスから降りると、第一部隊の面々に速攻で囲まれた。
「灰色先生、今日はどうしてここに?」
「外注の仕事に暇ができたからね。性格が大きく変わったって聞いたけど問題なさそうだね、丼息君」
「歴史は消えない。あの本について色々と議論がありました」
「そうかい、早乙女君。持ってきた甲斐があったよ」
「今日は何かお土産持ってきたんですか? 食べ物ですか?」
「あいにくお土産はないんだよ、秋晴君。でもこのあとお楽しみが」
そこで急に勢いよくコンクリートが割れる音がして、地面が瞬間的に大きく揺れる。震源地を見てみると、花子が足元のブロックを殴りつけていた。
「なんだよ、もぉぉぉぉぉ! またかよぉぉぉぉぉ!」
花子は悔しそうな顔で一同をにらみつける。
「この流れ、前回もやったじゃん! 夜空君にいたっては昨日狭い密室で二人きりで語り合ったじゃない! 私は遊びの関係だったわけ!?」
「カラオケ行ったを変な言い回ししないでください」
「どうせこのあとのお楽しみも、全員で回転寿司行くとかなんでしょ!? 私を独りぼっちで置いていくのかよぉぉぉぉぉ! 私はやだよぉぉぉぉぉ!」
「そういうのじゃないですから。安心してください」
仁は暴れる花子をよそに、戦々恐々としている氷助の肩に腕を回す。
「な、なんです!? 急に」
「小声で。僕が歴史は消えないをそっちの詰所に送ってから、何か変化はあったかい?」
「……。僕を含めた何人かが1回読んだだけで、特に大きな変化は……」
「……。分かった」
「……。あの本なんなんです? 調べたら半世紀以上前に絶版になった本で、中古本市場でも最近まで全然出回ってなかったらしいじゃないですか。何か秘密でも」
歴史は消えないに関する情報を掴んでいた氷助は、このタイミングでできるだけ仁の腹の内を探ろうとする。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる