和製切り裂きジャック

九十九光

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プロローグー2

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いつもと同じような勉強をして、いつもと同じような給食を食べて、いつもと同じ人といつもと同じようなおしゃべりをして、いつもと同じルートを通っていつもと同じ時間に家に帰って、いつもと同じような晩ご飯を食べて、いつもと同じお風呂に入って、いつもと同じパジャマを着て、いつもと同じ時間にいつもと同じベッドで眠る。そしてまた『いつもと同じ時間に起きて』以降の行動を繰り返す。私の生活は何年経ってもこのサイクルの繰り返しだった。そこにパパやママが飽きることなくいつもと同じような生活を繰り返すところを見せられると、大人になったら面白いことが待っているとは思えなくなった。私はこの世界に存在する物事の大半が、一度も見聞きしたことないものも含めて、すべて面白くないもののように思えた。
 そして一度そういう考えに取りつかれると、もう何に触れても面白くないと感じてしまう。十万ボルトの電撃を食らって空のかなたに吹っ飛んでいく悪役を見ても、『普通そうはならないだろ』とか、『毎回どこかへ飛ばさないで警察に突き出せばいいのに』とか、無粋で現実的な感想ばかりが出てきてストーリーを楽しめなくなった。それどころか、これを作った大人が、「どうせ子供はバカだから、こういうアホみたいなアニメを適当に流しとけば面白がるだろ」とでも考えているのではないかと、今考えれば非常に憎たらしい感想を持つようになっていた。
 そしてこういう話をすると、例の戦争を本土空襲とかの形で経験したお年寄りたちの多くは、「その退屈こそ、今の日本が平和だっていう証拠だよ」と言ってくるものだ。少なくとも、山口の山奥に住んでいた私のおばあちゃんがそういう人だった。
 確かに言いたいことは理解できなくもない。自衛隊が実戦で忙しい一年より日常的な訓練しかしない一年のほうが、防衛省としてはありがたい話だ。だがそれとこれは切り離して考えないといけない別問題であるはずだ。戦争や災害でみんながピンチの時に、日曜朝のスーパーヒーローのように颯爽と現れて大活躍したいという願望は、生まれつき退屈な平和を与えられている人なら一度くらい頭に思い浮かべたことがあるだろう(本当にそうなったとして、自分にそういう活躍ができるかは別の話だが)。私が社会人になりたての頃に人気だったゲームの中に、実在の武器が登場して戦争や殺し合いの疑似体験ができるゲームがやたらと多かったことからも想像がつく。
 だが大人はそういう考えを、はい、あなたのおっしゃる通りですねと受け入れようとしない。現実世界が退屈で代わり映えもせず、訳のわからない国際情勢やIT関係の単語が飛び交う世界だからこそ、せめて空想の中だけでも楽しくてスリリングな世界を子供たちに見せてあげようという大人の甲斐性がまるで感じられないのがこの国だ。その結果、「ああいう表現は子供によくない」とか「こういう話は子供には見せられない」とかの理由で多くのネタが没になり、最終的にはどのお話も、ありきたりで退屈で共通点の多いストーリーとして生を受けるのだ。何万人と人が死ぬ大規模な戦争を描いた漫画でも、戦死した兵士の死体が描かれることはなく、基本的にメインキャラはことごとく生き残り、最後に
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