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第3章 冒険者ギルド
第28話 停止した時間。
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無限回廊を突破する条件。
それは「無限」の克服を意味する。
僅か数百メートルの回廊が無限に引き延ばされている。魔物達の攻撃を潜り抜け『何か』を試行する事で無限を抜ける糸口を見出す事が出来るのだ。
まずは物理的なスイッチが隠されている可能性。
システムに干渉し、無限を解除する方法。
魔物の誰かがここを抜ける『鍵』を持っている可能性。
どれも違う、しっくりと来ない。
「ぐっ、このっ!!」
カトレアの腕から血が滴る。
身を挺して俺を守ってくれている。
俺は叫ぶのを我慢して更に思考を加速する。
頭が焼ききれても構わない、この状況を打開しろ。
そもそも何故このダンジョンはある。
無限回廊は何の為に設置されている。
ここは指輪を、『クロノリング』を封印する為の遺跡だったではないか。
侵入を拒む為、あるいは外に出る事を阻害する為の防衛機能として無限回廊が作り上げられたのだとしたら、この無限回廊を作り上げたのは、王子と王女だ。
二人は何の為にここを作った。
侵入者に対して、何を望んでいるんだ。
「まだですか、お兄さん」
「ああ。まだ少しかかりそうだ」
「すみません。私は一分も持ちそうにありません」
だらだらと腕から血を流して、顔を青ざめさせている。肩で息をしながら、短剣を構えていた。
俺がラケナリアと対峙した魔物はAランク。ここはそれに匹敵する強さの魔物が跋扈している。それをたった一人で押さえておくのに、犠牲一つ払わないなんて無理な話だ。
それでも俺を信じている。俺に託してくれている。
自身の命を、人族であるはずの俺に。
「そうか。なら一分以内に向こうに辿り着かないとな」
一分以内に?
俺は自分が発した言葉にひかかった。
ドクンドクンと胸が鼓動を打つ。
指輪が眩い光を発している。
この遺跡が、王子と王女が作り上げた物だとして。
ここを出る資格を与えられるのは───。
『クロノリング』を使う資格のある者。
つまり、俺という人間に他ならない。
もし、彼らがこの遺跡を作ったならば。
『クロノリング』を使わせるんじゃないか?
そうだ。この無限回廊は───、
「ただのチュートリアルだっ」
指輪に魔力を送る。
どっと力が抜けていく。膨大な魔力が吸われていく。でもその瞬間にどこか懐かしさを感じていた。
俺は世界に酔っていく。
視界が渦を巻いていく。
無音。世界から音が消えた。
灰色。世界から色が消えた。
孤独。世界から命が消えた。
何もない、それ故の寂寥感が俺を襲った。
「どうなっちまったんだ……」
魔物達は動かない。
ぴたりと石像のように身動き一つ取る気配がない。
纏わり付くような殺気が何一つない。
俺の心音だけが聞こえている。
「カトレア、これは一体……」
俺は背後にいたカトレアに声をかけた。
彼女もまた動きを止めている。
腕から滴っていた血が空中で静止していた。
その様子はまるで、『時』が止まっているようだ。
違う。ようだ、ではなく時は確かに止まったのだ。
時の停止を今俺だけが認識出来ている。
「『クロノリング』。やはり本物だったのか……」
この指輪は、伝承通りであれば異なる時空間に移動できるという特性を持っていた。それには後遺症を患う程の莫大な魔力を必要としていた。俺が使ったのはその能力のほんの一部。言うなれば、『時を司る能力』で「時間停止」したのだ。
カトレアを抱き寄せる。大丈夫、対象物は動かせる。
俺は背中に彼女を乗せて走り出した。
俺の無限回廊へのアプローチは正しかった。
俺が一歩を踏みしめる度に、確実に対岸への距離は縮まっていく。俺は確かにこの瞬間『無限』を打ち破ったのだ。
「はっ、ここは……どこ、ですか。魔物は!?」
カトレアは大きく息をしながら辺りを見渡した。
飾り気のない石畳の上で、俺の上着を布団替わりにしていた彼女は戦闘時よりも少し顔色は良くなっていた。それでも失った血や負った傷は少なくない。
「無限回廊は突破した。今はその出口だ」
「そんな……どうやったんですかお兄さん?」
「ふふ、知りたいか」
「はい、とても」
なんだなんだ。本当に興味深げにカトレアは俺を見てくる。
俺は勿体ぶらずに、種明かしをする事にした。
「俺は最初無限回廊が無限になる条件を探していた。例えば俺達が走ったとしても辿り着く事は出来なかった。何故なら俺達は意味もなく同じ場所を走らされていたからだ」
「同じ場所……道に迷っていたという事ですか」
「そうじゃない、進んだ距離が定期的にリセットされていたんだ」
「なるほど。でもリセットっていつですか。全然進んだ気配がありませんでした。どれだけ速く移動しても辿り着けないだろうと諦めるくらいには」
「分からない。1秒ごとか、あるいは0.1秒。それ以下かもしれない。とにかく、俺達が認識出来ないくらいの早さで距離のリセットは行われていた」
空を飛んでいても、きっとそれは変わらなかっただろう。
「だから俺は『時』を止めたんだ」
「『時』を……まさか、その指輪『クロノリング』を使って」
「ああ。俺だけがその停止した時間を観測していた」
灰色の世界で、誰一人動かず、認知できない。
人の理を超越したのだ。
「……そうですか。王子と王女、彼ら二人がこの遺跡を作り上げていたからこそ、指輪を使ったギミックを設けた。そして、子孫だけが持ちだせるようにしたのですね」
「そうみたいだ。いわばあれは、適性検査だったんだ」
もし俺がここに来なければ彼女は抜け出す事は出来なかっただろう。床の崩落で偶然侵入した俺だったが、彼女も似た理由でここに迷い込んだのだろうか。
「ね、念の為。これはあくまで念の為確認しますが」
「なんだよ。そんな改まって。トイレでも行きたいのか」
「で、デリカシーがない人ですねっ、違います。そうではなく……その、だから。えっと」
「……そんなに言いにくい事なのか?」
俺が若干困りながら返答すると、
「へ、変な事してませんよね」
「はあ? 俺が」
「時間が止まってたら、その。私のおっぱいとか……おしり、とか。触りたい放題だった訳じゃないですか。でも私はそれを認識出来ない。だから、念の為です」
俺の上着で自分の肌をぎゅっと隠しながら上目遣いで確かめてくる。彼女の赤い髪色と同じ色に頬を染めながら、恐れつつも気になったという表情だった。
「「……」」
なるほど。
「その手があったか」
「この男! 通報しますよ」
「待て。俺はまだ何もしてない」
「『まだ』!? お兄さんは変態ですね。あー近寄らないでおこ」
「今のは言葉の綾だ!」
「知りません、知りませ~ん。さあ次に行きましょうっと」
「置いていくなよ、カトレア!」
俺達はこうして無限回廊を無事突破した。
それは「無限」の克服を意味する。
僅か数百メートルの回廊が無限に引き延ばされている。魔物達の攻撃を潜り抜け『何か』を試行する事で無限を抜ける糸口を見出す事が出来るのだ。
まずは物理的なスイッチが隠されている可能性。
システムに干渉し、無限を解除する方法。
魔物の誰かがここを抜ける『鍵』を持っている可能性。
どれも違う、しっくりと来ない。
「ぐっ、このっ!!」
カトレアの腕から血が滴る。
身を挺して俺を守ってくれている。
俺は叫ぶのを我慢して更に思考を加速する。
頭が焼ききれても構わない、この状況を打開しろ。
そもそも何故このダンジョンはある。
無限回廊は何の為に設置されている。
ここは指輪を、『クロノリング』を封印する為の遺跡だったではないか。
侵入を拒む為、あるいは外に出る事を阻害する為の防衛機能として無限回廊が作り上げられたのだとしたら、この無限回廊を作り上げたのは、王子と王女だ。
二人は何の為にここを作った。
侵入者に対して、何を望んでいるんだ。
「まだですか、お兄さん」
「ああ。まだ少しかかりそうだ」
「すみません。私は一分も持ちそうにありません」
だらだらと腕から血を流して、顔を青ざめさせている。肩で息をしながら、短剣を構えていた。
俺がラケナリアと対峙した魔物はAランク。ここはそれに匹敵する強さの魔物が跋扈している。それをたった一人で押さえておくのに、犠牲一つ払わないなんて無理な話だ。
それでも俺を信じている。俺に託してくれている。
自身の命を、人族であるはずの俺に。
「そうか。なら一分以内に向こうに辿り着かないとな」
一分以内に?
俺は自分が発した言葉にひかかった。
ドクンドクンと胸が鼓動を打つ。
指輪が眩い光を発している。
この遺跡が、王子と王女が作り上げた物だとして。
ここを出る資格を与えられるのは───。
『クロノリング』を使う資格のある者。
つまり、俺という人間に他ならない。
もし、彼らがこの遺跡を作ったならば。
『クロノリング』を使わせるんじゃないか?
そうだ。この無限回廊は───、
「ただのチュートリアルだっ」
指輪に魔力を送る。
どっと力が抜けていく。膨大な魔力が吸われていく。でもその瞬間にどこか懐かしさを感じていた。
俺は世界に酔っていく。
視界が渦を巻いていく。
無音。世界から音が消えた。
灰色。世界から色が消えた。
孤独。世界から命が消えた。
何もない、それ故の寂寥感が俺を襲った。
「どうなっちまったんだ……」
魔物達は動かない。
ぴたりと石像のように身動き一つ取る気配がない。
纏わり付くような殺気が何一つない。
俺の心音だけが聞こえている。
「カトレア、これは一体……」
俺は背後にいたカトレアに声をかけた。
彼女もまた動きを止めている。
腕から滴っていた血が空中で静止していた。
その様子はまるで、『時』が止まっているようだ。
違う。ようだ、ではなく時は確かに止まったのだ。
時の停止を今俺だけが認識出来ている。
「『クロノリング』。やはり本物だったのか……」
この指輪は、伝承通りであれば異なる時空間に移動できるという特性を持っていた。それには後遺症を患う程の莫大な魔力を必要としていた。俺が使ったのはその能力のほんの一部。言うなれば、『時を司る能力』で「時間停止」したのだ。
カトレアを抱き寄せる。大丈夫、対象物は動かせる。
俺は背中に彼女を乗せて走り出した。
俺の無限回廊へのアプローチは正しかった。
俺が一歩を踏みしめる度に、確実に対岸への距離は縮まっていく。俺は確かにこの瞬間『無限』を打ち破ったのだ。
「はっ、ここは……どこ、ですか。魔物は!?」
カトレアは大きく息をしながら辺りを見渡した。
飾り気のない石畳の上で、俺の上着を布団替わりにしていた彼女は戦闘時よりも少し顔色は良くなっていた。それでも失った血や負った傷は少なくない。
「無限回廊は突破した。今はその出口だ」
「そんな……どうやったんですかお兄さん?」
「ふふ、知りたいか」
「はい、とても」
なんだなんだ。本当に興味深げにカトレアは俺を見てくる。
俺は勿体ぶらずに、種明かしをする事にした。
「俺は最初無限回廊が無限になる条件を探していた。例えば俺達が走ったとしても辿り着く事は出来なかった。何故なら俺達は意味もなく同じ場所を走らされていたからだ」
「同じ場所……道に迷っていたという事ですか」
「そうじゃない、進んだ距離が定期的にリセットされていたんだ」
「なるほど。でもリセットっていつですか。全然進んだ気配がありませんでした。どれだけ速く移動しても辿り着けないだろうと諦めるくらいには」
「分からない。1秒ごとか、あるいは0.1秒。それ以下かもしれない。とにかく、俺達が認識出来ないくらいの早さで距離のリセットは行われていた」
空を飛んでいても、きっとそれは変わらなかっただろう。
「だから俺は『時』を止めたんだ」
「『時』を……まさか、その指輪『クロノリング』を使って」
「ああ。俺だけがその停止した時間を観測していた」
灰色の世界で、誰一人動かず、認知できない。
人の理を超越したのだ。
「……そうですか。王子と王女、彼ら二人がこの遺跡を作り上げていたからこそ、指輪を使ったギミックを設けた。そして、子孫だけが持ちだせるようにしたのですね」
「そうみたいだ。いわばあれは、適性検査だったんだ」
もし俺がここに来なければ彼女は抜け出す事は出来なかっただろう。床の崩落で偶然侵入した俺だったが、彼女も似た理由でここに迷い込んだのだろうか。
「ね、念の為。これはあくまで念の為確認しますが」
「なんだよ。そんな改まって。トイレでも行きたいのか」
「で、デリカシーがない人ですねっ、違います。そうではなく……その、だから。えっと」
「……そんなに言いにくい事なのか?」
俺が若干困りながら返答すると、
「へ、変な事してませんよね」
「はあ? 俺が」
「時間が止まってたら、その。私のおっぱいとか……おしり、とか。触りたい放題だった訳じゃないですか。でも私はそれを認識出来ない。だから、念の為です」
俺の上着で自分の肌をぎゅっと隠しながら上目遣いで確かめてくる。彼女の赤い髪色と同じ色に頬を染めながら、恐れつつも気になったという表情だった。
「「……」」
なるほど。
「その手があったか」
「この男! 通報しますよ」
「待て。俺はまだ何もしてない」
「『まだ』!? お兄さんは変態ですね。あー近寄らないでおこ」
「今のは言葉の綾だ!」
「知りません、知りませ~ん。さあ次に行きましょうっと」
「置いていくなよ、カトレア!」
俺達はこうして無限回廊を無事突破した。
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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