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獣人国ゼルガルド王国編
#18冒険者ギルド、最初のクエスト
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街の中心部にある周りの建物より少し大きく、そして無骨な雰囲気の者達で賑わっている場所、冒険者ギルド。
各領地に存在する冒険者ギルドは、決して他勢力に服従しないことを信念としている独立した団体である。
国に属さなくてもいいことを認められているのには数々の理由があるが、まず第一に冒険者達の有用性だ。
兵士と違い、どこにも属さないことでのフットワークの軽さ、対応力適応力の高さ。
そして、魔獣や魔物の討伐、遺跡やダンジョン、人がまだ足を踏み入れていない未踏の地の独自開拓、国でやろうとすると莫大なコストを要する事柄を、さまざまな目的の為、独自で進めてくれることが第一要因としてあがる。
そして第二の要因は、冒険者達の名声に対する人々の尊敬の念だ。
村を襲う魔獣などの討伐、魔法を宿した珍しい武器や財宝の発掘、盗賊の討伐。人々からの感謝は絶えない。
今では冒険者ギルドは各地に根を張り、未開の地が多いこの世界では夢のある職であり、有名な冒険者は人々の憧れでもある。
そのため冒険者になる者は年々増えており、国も教会も手を出せない。
そして第三の要因は冒険者たちの力だ。
冒険者には強さや貢献度をもとに、ランクのようなシステムがあり、階級はそのままその人物やパーティの名声につながる。
少しでも強くなろうと、日々切磋琢磨するようになり、今では強大な力を持つ者が何人もいるようになっている。
冒険者は階級に見合った金属でできた、アクセサリーを証明として受け取ることが出来る。
階級と証明のアクセサリーは下から順に、
D級冒険者 銅
C級冒険者 青銅
B級冒険者 銀
A級冒険者 金
S級冒険者 ミスリル
SS級冒険者 ダマスカス鋼
となっており、このような区分けをしたシステムが上手く機能しており、B級やA級は軍の指揮官と同等の力を持つ上に、S級以上の冒険者は貴重な存在であり、戦力であるため、国も迂闊に手を出せないのである。
----------------------------------------------
サーリャと二人で二度寝を三度寝を楽しんだあと、俺達は冒険者ギルドの前にいた。
リーナからの説明で、ある程度冒険者ギルドに関する情報は仕入れてあるが、やはり不安だ。
聖魔法士の称号を持つのであれば、A級以上の冒険者に相当すると言われているが、A級やS級がどの程度の力なのかの基準を持たない俺は、安易にその情報を受け止めることはできない。
大体攻撃系の魔法と違い、日常生活の助けになるような発明で、聖魔法士の称号を手に入れた者が、果たしてA級やS級と呼べる力を持っているであろうか?
その場合上級魔法士の力に相当するため、B級相当となるはずなのだ。
やはり曖昧な基準は頼りにしないでおこうと胸に秘め、俺は冒険者ギルドの扉を開く。
ガヤガヤと騒がしいギルド内、ギルドの規模にもよって違うみたいだが、このギルドではアイテムの販売所、買取所、クエスト受注掲示板、食堂、冒険者申請カウンター、パーティ募集掲示板があるようだ。
この冒険者ギルドは比較的設備の整っている冒険者ギルドのようだ。
移動や買取サービスなどは冒険者証だけで行えるが、クエストを受けるには冒険者登録をして、ランクを貰わなければいけないと、出発前のリーナの説明を思いだす。
賑わっているギルド内をなるべく目立たないように進み、薄着な服装に大きな胸や健康的な腕が魅力的な、獣人族の受付のお姉さんのもとに向かう。
「すみません、冒険者登録をしたいのですが」
受付のお姉さんは子供の俺を見て驚いたような顔をしているが、仕事を思い出したように、すぐに表情を戻す。
「冒険者ギルドにようこそ。冒険者ギルドへの登録には、こちらの受付で販売されている冒険者証を購入していただきます。ですが、少しその……、冒険者は厳しい仕事ですので、冒険者証を使って国の移動などや、薬草の買い求めなどにはいいと思われますが、クエストなどを受ける用途の冒険者登録は必要ないと思われますが……」
「いえいえ、クエストを受けたいので、冒険者登録が必要なんです」
「……なるほど。お姉さまでしょうか? まだお見受けしたところ弟さんはまだ小さいですし、冒険者のクエスト受注は早いと思いますが……」
「いえ、私はセインの姉ではありません。正確に言えば私はセインの物です」
困ったように首をかしげるお姉さん。逆にサーリャは顔を赤らめて照れている。なんだこの状況は。
たしかに子供がクエストを受けたいなどと言ってきてもそのまま了承しないよな。
そこまで全然考えてなかった。
「ああそうだ。お姉さん、騒いだりしないと約束していただきたいのですが、いいですか?」
「えっと……なんでしょう?」
「僕が冒険者登録しても大丈夫な証拠を見せますので、騒がないと約束できますでしょうか?」
「まぁ……はい……」
王都から立つ前に魔術師協会、まぁ魔術師ギルドが一般的な呼ばれ方だが、そこで貰った聖魔法士の称号証明に貰えるクリスタルのペンダントを小さなカバンから取り出し見せる。
このペンダントは魔術師ギルドで特殊な魔法を施し、所有者以外が魔力を込めても、ペンダントに使われている魔法石が光らないようになっている。
逆に所有者が魔力を込めると発光するため、身分証に使えるようになっている。
魔術師ギルドに聖魔法士試験を受けに向かった時も、この受付のお姉さんのような反応だったなぁ……。
リーナが付いてきてくれたおかげですんなり試験を受けることが出来たが……。
「こ……これは!?」
「静かにお願いします、ほかの冒険者にバレますので、 なるべく目立ちたくないんです」
「す、すみません……」
発光しているペンダントを覗き込むように乗り出すお姉さん。
覗き込んだことで、薄手の服から大きな胸の谷間が良く見える。うむ。素晴らしい。
「これで大丈夫ですか?」
「え、あ、はい! 大丈夫です! ありがとうございました!」
ハッしたお姉さんが、元の姿勢に戻る。もう少し見ていたかったが、周りの目も少し集まってしまっている。早めに立ち去りたいのでここは我慢だ。
家に帰ればサーリャという嫁がいるんだ。少しの我慢だ。大丈夫だ問題ない。
「申し訳ありません。せっかく強さの証明を見せて頂いたのですが……、冒険者のランクはどなたでもDランクからになっておりまして……」
「ああ、問題ないですよ。いきなり上のランクになっても困るだけですし」
「そうですか! 良かったです! では冒険者登録をさせて頂きます」
一枚の用紙を渡され、年齢や名前、職、これは戦士や剣士、魔法使いなどを書く欄のようだ。それと一緒に連れている奴隷なども書く欄があった。奴隷を荷物運びなどに使う者もいるかららしい。
サーリャと別々の用紙にそれぞれ書き込みお姉さんに渡す。チラッとみたが、サーリャは獣戦士のようだ。闘っているところを見たことないので分からないが、クレイルから聞き出した感じでは中々強いらしい。
「では証明のアクセサリーですが、ブレスレットかペンダントを選べますがどういたしましょうか?」
「ブレスレットでお願いします。サーリャはどうする?」
「私も同じものでお願いします」
「承知しました。銅ブレスレット二つご用意致します」
ブレスレットを受け取り、早速クエストボードに向かう。
クエストボードにはかなりの数の依頼書が張り付けられていた。
・ブラックスネーク討伐、皮十枚の納品。
推奨Cランク冒険者
報酬銅貨六十枚
・オークの巣への討伐隊参加。
Cランク冒険者以上
報酬一日銅貨二十枚保障、オーク一体討伐につき銀貨一枚
・物資の運搬依頼。
推奨Dランク冒険者
報酬銅貨三十枚
・盗賊団の討伐依頼。
推奨Bランク冒険者
報酬銀貨三枚、盗賊からの戦利品分配 あと七名まで募集 現在十三名
なるほど、色々種類があるようだ。
盗賊団の討伐なんかは一日で一ヶ月余裕で生活できる報酬に、盗賊団の宝などもプラスされるしおいしそうだ。
ただ魔物と違って相手が人というのが受ける人間を躊躇わせるのだろう。
色々見て回り、ふと一つの依頼に目が止まる。
・隊商の護衛依頼、猫族領までの道中。
推奨Cランク冒険者
報酬一日銅貨十五枚、魔物や盗賊などに遭遇した場合、戦闘に見合った額を報酬として相談。 あと四名まで募集 現在六名 出発は明日正午、正午になり次第募集人数に達しなくても出発します。
おお! ちょうど猫族領まで行きたい俺達には打って付けの仕事だ。
サーリャの服に残り金貨一枚まで使ってしまったし、何かあったときのために、一枚は金貨を残したかったから一日十五枚の銅貨の報酬もありがたい。
ただ推奨ランクがCランクだからDランクの俺達が受けれるかが問題だ。
「受付のお姉さん、この隊商の護衛依頼ってCランク推奨になってるけど、Dランクでも受けられるのかな?」
「はい、可能ですよ。現在Dランク二名のパーティと、Cランク四名のパーティが受注しております。冒険者の指定に推奨とついていれば、一つまでなら下のランクの方でも受けられます」
なるほど、つまりオークの巣の討伐隊参加依頼や盗賊団の討伐依頼はDランクの俺達は受けられないということか。
でもちょうど隊商の護衛依頼を受けられるのはラッキーだ。
「じゃあこの依頼受けさせてもらいます」
「承知しました。では申請を受理します。パーティ名か、個人名を記載しますので、どちらにしましょうか」
「せっかく二人で受けるし、パーティ名の方がいいかな?」
「私はどちらでもいいですよ」
パーティ名なぁ……。なんかぱっと思い浮かばないな……。
「とりあえず個人名にしますか」
「承知しました。では個人名で記載しておきます」
「宜しくお願いします」
受付を終え、冒険者ギルドを出る。冒険者ギルドには場違いな子供と美しい獣人に視線を集めてしまったが、何人かの目線が気になった。
普段ならサーリャに見惚れるパターンだが、まわりの目は俺やサーリャの耳に集まっていた。
少しの不安を覚えながらも、初めてのクエストにわくわくしながら、今日は宿への帰路につくのだった。
各領地に存在する冒険者ギルドは、決して他勢力に服従しないことを信念としている独立した団体である。
国に属さなくてもいいことを認められているのには数々の理由があるが、まず第一に冒険者達の有用性だ。
兵士と違い、どこにも属さないことでのフットワークの軽さ、対応力適応力の高さ。
そして、魔獣や魔物の討伐、遺跡やダンジョン、人がまだ足を踏み入れていない未踏の地の独自開拓、国でやろうとすると莫大なコストを要する事柄を、さまざまな目的の為、独自で進めてくれることが第一要因としてあがる。
そして第二の要因は、冒険者達の名声に対する人々の尊敬の念だ。
村を襲う魔獣などの討伐、魔法を宿した珍しい武器や財宝の発掘、盗賊の討伐。人々からの感謝は絶えない。
今では冒険者ギルドは各地に根を張り、未開の地が多いこの世界では夢のある職であり、有名な冒険者は人々の憧れでもある。
そのため冒険者になる者は年々増えており、国も教会も手を出せない。
そして第三の要因は冒険者たちの力だ。
冒険者には強さや貢献度をもとに、ランクのようなシステムがあり、階級はそのままその人物やパーティの名声につながる。
少しでも強くなろうと、日々切磋琢磨するようになり、今では強大な力を持つ者が何人もいるようになっている。
冒険者は階級に見合った金属でできた、アクセサリーを証明として受け取ることが出来る。
階級と証明のアクセサリーは下から順に、
D級冒険者 銅
C級冒険者 青銅
B級冒険者 銀
A級冒険者 金
S級冒険者 ミスリル
SS級冒険者 ダマスカス鋼
となっており、このような区分けをしたシステムが上手く機能しており、B級やA級は軍の指揮官と同等の力を持つ上に、S級以上の冒険者は貴重な存在であり、戦力であるため、国も迂闊に手を出せないのである。
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サーリャと二人で二度寝を三度寝を楽しんだあと、俺達は冒険者ギルドの前にいた。
リーナからの説明で、ある程度冒険者ギルドに関する情報は仕入れてあるが、やはり不安だ。
聖魔法士の称号を持つのであれば、A級以上の冒険者に相当すると言われているが、A級やS級がどの程度の力なのかの基準を持たない俺は、安易にその情報を受け止めることはできない。
大体攻撃系の魔法と違い、日常生活の助けになるような発明で、聖魔法士の称号を手に入れた者が、果たしてA級やS級と呼べる力を持っているであろうか?
その場合上級魔法士の力に相当するため、B級相当となるはずなのだ。
やはり曖昧な基準は頼りにしないでおこうと胸に秘め、俺は冒険者ギルドの扉を開く。
ガヤガヤと騒がしいギルド内、ギルドの規模にもよって違うみたいだが、このギルドではアイテムの販売所、買取所、クエスト受注掲示板、食堂、冒険者申請カウンター、パーティ募集掲示板があるようだ。
この冒険者ギルドは比較的設備の整っている冒険者ギルドのようだ。
移動や買取サービスなどは冒険者証だけで行えるが、クエストを受けるには冒険者登録をして、ランクを貰わなければいけないと、出発前のリーナの説明を思いだす。
賑わっているギルド内をなるべく目立たないように進み、薄着な服装に大きな胸や健康的な腕が魅力的な、獣人族の受付のお姉さんのもとに向かう。
「すみません、冒険者登録をしたいのですが」
受付のお姉さんは子供の俺を見て驚いたような顔をしているが、仕事を思い出したように、すぐに表情を戻す。
「冒険者ギルドにようこそ。冒険者ギルドへの登録には、こちらの受付で販売されている冒険者証を購入していただきます。ですが、少しその……、冒険者は厳しい仕事ですので、冒険者証を使って国の移動などや、薬草の買い求めなどにはいいと思われますが、クエストなどを受ける用途の冒険者登録は必要ないと思われますが……」
「いえいえ、クエストを受けたいので、冒険者登録が必要なんです」
「……なるほど。お姉さまでしょうか? まだお見受けしたところ弟さんはまだ小さいですし、冒険者のクエスト受注は早いと思いますが……」
「いえ、私はセインの姉ではありません。正確に言えば私はセインの物です」
困ったように首をかしげるお姉さん。逆にサーリャは顔を赤らめて照れている。なんだこの状況は。
たしかに子供がクエストを受けたいなどと言ってきてもそのまま了承しないよな。
そこまで全然考えてなかった。
「ああそうだ。お姉さん、騒いだりしないと約束していただきたいのですが、いいですか?」
「えっと……なんでしょう?」
「僕が冒険者登録しても大丈夫な証拠を見せますので、騒がないと約束できますでしょうか?」
「まぁ……はい……」
王都から立つ前に魔術師協会、まぁ魔術師ギルドが一般的な呼ばれ方だが、そこで貰った聖魔法士の称号証明に貰えるクリスタルのペンダントを小さなカバンから取り出し見せる。
このペンダントは魔術師ギルドで特殊な魔法を施し、所有者以外が魔力を込めても、ペンダントに使われている魔法石が光らないようになっている。
逆に所有者が魔力を込めると発光するため、身分証に使えるようになっている。
魔術師ギルドに聖魔法士試験を受けに向かった時も、この受付のお姉さんのような反応だったなぁ……。
リーナが付いてきてくれたおかげですんなり試験を受けることが出来たが……。
「こ……これは!?」
「静かにお願いします、ほかの冒険者にバレますので、 なるべく目立ちたくないんです」
「す、すみません……」
発光しているペンダントを覗き込むように乗り出すお姉さん。
覗き込んだことで、薄手の服から大きな胸の谷間が良く見える。うむ。素晴らしい。
「これで大丈夫ですか?」
「え、あ、はい! 大丈夫です! ありがとうございました!」
ハッしたお姉さんが、元の姿勢に戻る。もう少し見ていたかったが、周りの目も少し集まってしまっている。早めに立ち去りたいのでここは我慢だ。
家に帰ればサーリャという嫁がいるんだ。少しの我慢だ。大丈夫だ問題ない。
「申し訳ありません。せっかく強さの証明を見せて頂いたのですが……、冒険者のランクはどなたでもDランクからになっておりまして……」
「ああ、問題ないですよ。いきなり上のランクになっても困るだけですし」
「そうですか! 良かったです! では冒険者登録をさせて頂きます」
一枚の用紙を渡され、年齢や名前、職、これは戦士や剣士、魔法使いなどを書く欄のようだ。それと一緒に連れている奴隷なども書く欄があった。奴隷を荷物運びなどに使う者もいるかららしい。
サーリャと別々の用紙にそれぞれ書き込みお姉さんに渡す。チラッとみたが、サーリャは獣戦士のようだ。闘っているところを見たことないので分からないが、クレイルから聞き出した感じでは中々強いらしい。
「では証明のアクセサリーですが、ブレスレットかペンダントを選べますがどういたしましょうか?」
「ブレスレットでお願いします。サーリャはどうする?」
「私も同じものでお願いします」
「承知しました。銅ブレスレット二つご用意致します」
ブレスレットを受け取り、早速クエストボードに向かう。
クエストボードにはかなりの数の依頼書が張り付けられていた。
・ブラックスネーク討伐、皮十枚の納品。
推奨Cランク冒険者
報酬銅貨六十枚
・オークの巣への討伐隊参加。
Cランク冒険者以上
報酬一日銅貨二十枚保障、オーク一体討伐につき銀貨一枚
・物資の運搬依頼。
推奨Dランク冒険者
報酬銅貨三十枚
・盗賊団の討伐依頼。
推奨Bランク冒険者
報酬銀貨三枚、盗賊からの戦利品分配 あと七名まで募集 現在十三名
なるほど、色々種類があるようだ。
盗賊団の討伐なんかは一日で一ヶ月余裕で生活できる報酬に、盗賊団の宝などもプラスされるしおいしそうだ。
ただ魔物と違って相手が人というのが受ける人間を躊躇わせるのだろう。
色々見て回り、ふと一つの依頼に目が止まる。
・隊商の護衛依頼、猫族領までの道中。
推奨Cランク冒険者
報酬一日銅貨十五枚、魔物や盗賊などに遭遇した場合、戦闘に見合った額を報酬として相談。 あと四名まで募集 現在六名 出発は明日正午、正午になり次第募集人数に達しなくても出発します。
おお! ちょうど猫族領まで行きたい俺達には打って付けの仕事だ。
サーリャの服に残り金貨一枚まで使ってしまったし、何かあったときのために、一枚は金貨を残したかったから一日十五枚の銅貨の報酬もありがたい。
ただ推奨ランクがCランクだからDランクの俺達が受けれるかが問題だ。
「受付のお姉さん、この隊商の護衛依頼ってCランク推奨になってるけど、Dランクでも受けられるのかな?」
「はい、可能ですよ。現在Dランク二名のパーティと、Cランク四名のパーティが受注しております。冒険者の指定に推奨とついていれば、一つまでなら下のランクの方でも受けられます」
なるほど、つまりオークの巣の討伐隊参加依頼や盗賊団の討伐依頼はDランクの俺達は受けられないということか。
でもちょうど隊商の護衛依頼を受けられるのはラッキーだ。
「じゃあこの依頼受けさせてもらいます」
「承知しました。では申請を受理します。パーティ名か、個人名を記載しますので、どちらにしましょうか」
「せっかく二人で受けるし、パーティ名の方がいいかな?」
「私はどちらでもいいですよ」
パーティ名なぁ……。なんかぱっと思い浮かばないな……。
「とりあえず個人名にしますか」
「承知しました。では個人名で記載しておきます」
「宜しくお願いします」
受付を終え、冒険者ギルドを出る。冒険者ギルドには場違いな子供と美しい獣人に視線を集めてしまったが、何人かの目線が気になった。
普段ならサーリャに見惚れるパターンだが、まわりの目は俺やサーリャの耳に集まっていた。
少しの不安を覚えながらも、初めてのクエストにわくわくしながら、今日は宿への帰路につくのだった。
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