二度目の世界で今度こそ俺は

開拓

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獣人国ゼルガルド王国編

#17ゼルガルド王国最初の街、ミニスカート

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 馬車での旅も半年ほどが過ぎ、ようやくエルレイン王国最後の町を抜けた。
 国境の門番の説明だとここから先は獣人国であるゼルガルド王国の領地になるらしい。
 領地と言っても目に映るのは広大な草原と森、奥には山。緑色一色だ。

 最後の町の関所では、これより先は命を落としても文句は言えないという説明を受け、いつでも戦闘ができるように準備していたのだが、関所を抜けてからもうすでに半日ほど草原を歩いている。本当に危険なのか?
 ようやく街が見えた頃には、夕日が沈み辺りは暗くなっていた。

 街に入ると、獣人達が仕事を終えたのだろう、大勢の獣人で活気に満ち溢れていた。
 屋台の飲み屋だろうか、肉を頬張りながら旨そうに酒を飲む者、大きな酒場に仲間を連れ入っていく者、娼館だろうか? 豪華な建物の前にドレスを着た獣人族の女性達。
 娼館……。すごい気になる……。行ってみたい……。
 隣からの冷たい目線と抓られた頬の痛みで、娼館は諦めることにした。
 とりあえず冒険者ギルドや、食事ができる場所などをある程度見つけたし、とりあえず宿をとるか……。

 街に入る前に、国境の町で薦められて買っておいた匂い消しと付け耳を使ったからだろうか?
 特に俺を人間と気がついているやつはいない。
 匂いだけ気をつけておけば、猫族二人の旅人ということで誤魔化せそうだ。
 何人かからの視線は感じたが害意はない、深く考えることもないだろう。
 獣人の言葉は人間と同じなので、ボロが出る心配もない。
 しいて言えば使用している文字が違うので、何かに書くことがあればサーリャに任せるしかないところだけ注意しなければいけない。

「すみません、宿を一晩お願いしたいです」

「あいよ、二人部屋一晩ね、銅貨5枚だよ」

 犬族の恰幅の良いおじさんが宿の店主のようだ。

「はい銅貨5枚ね、馬車があるんだけど、どこかに止められる? あと食事とかは外で取ったほうがいいのかな?」

「馬車なら裏手の倉庫に止められるよ、食事は必要なら用意するけどそれは別料金だよ」

「なら街も散策したいので食事は大丈夫です」

「あいよ、部屋は二階の一番奥だ、ごゆっくり」

「どうも」

 ちなみに貨幣はどの国でも基本システムは同じだ。

 銅貨百枚で銀貨
 銀貨百枚で金貨
 金貨百枚で白金貨

 簡単に説明するとこんな感じだ。
 国によって銅貨や銀貨などの大きさや、価値は違うものの、基本的にはこの形のシステムになっているらしい。
 獣人国では月に銀貨3枚あれば結構余裕で暮らせる。俺はソフィアから金貨を百枚ほど貰っているが、この旅で持ってきているのは金貨五枚だ。うん。余裕だな。やっぱり娼館行ってみたいね。

 部屋に入りようやく一息つくことができた。

「バレなかったね」

「はい。ただ妙に視線を感じました」

「そうだね。害意がある感じではなかったから、サーリャが可愛いから見てるのかと思ったけど違うのかな?」

「いや、可愛いなんてそんな。でも害意が無かったのは確かですね」

「う~ん。考えてもまだ分からないからとりあえずご飯に行こうか」

「そうしましょうか」

 そっと手を差し伸べてくるサーリャ。やはりなんかお姉さんっぽいな。

「そういえば、サーリャって何歳なの?」

「あれ? 知りませんでしたっけ? 十六歳ですよ」

「十六歳か……。俺が成人になる十五歳のときに二十三歳……。全然いけるね! 何も問題なし!」

「えっと……。なんのことでしょう?」

「サーリャは気にしなくていいよ! ささ、ご飯に行こう!」

 宿から出て、よさそうな店を探すか。
 個人的には屋台で一杯引っ掛けたいところだが、まだ子供の俺では酒はおいしく感じられないだろう。残念だ……。

 とりあえず獣人が多く集まり賑わっている店に入った。
 情報収集も兼ねられて一石二鳥だ。

「どうも二人なんですが、席ありますか?」

「いらっしゃい! 奥のテーブルにどうぞ!」

 入った店は奥にカウンターがあり、
 手前には四人が囲める程度の丸い机が所狭しと置かれている。
 何人かの獣人族の女性が、オーダーを取りに駆け回っている。

 店員の犬族の子が可愛い……。
 この店の制服なのだろうか、ウェイトレスのような格好で、ヒラヒラした短いスカートが魅力的だ。
 そこから伸びる健康的な脚が……、うん。いいですなぁ。
 
 席は店の奥の壁際の机に案内された。
 席に着くとサーリャがそっぽを向いていた。
 なんだろう、何か俺やらかしたのだろうか……。

「サーリャ? どうしました?」

「何でもありません」

 ちらっと視界に入った犬族の店員を目で追う。
 それに伴ってサーリャがよりへそを曲げている。

 なるほど……。まったく嫉妬なんて可愛いなぁサーリャは。

「サーリャにもあの服着て欲しいなぁ」

「ニャ!? あ、あんな短いスカートはけませんよ!」

「えー。きっと似合うと思うんだよなぁ……。サーリャ短いスカート履いてくれないんだもんなぁー」

「……分かりました。セインが望むなら履きますよ……」

 よし! 機嫌を悪くしていたことなど忘れさせることに成功した!
 しかもミニスカートの約束まで取り付けられた! 大勝利だ!! サーリャさん簡単だ!!

「じゃあ明日スカートを買いに行きましょう! そのついでに冒険者ギルドにでもいきましょうか」

「ついでが逆なのでは……」

「なんの話ですか?」

 急にさっきの店員が割り込んできた。

「いや、何でもないよ。注文いいかな?」

「はいはい! 承ります!」

 可愛いポーズを一々とる犬族の店員に釘付けの俺に、サーリャがまたも不機嫌になる。
 逆に俺の鼻の下はどんどん伸びていくのだった。

 食事は色々食べてみたかったので、とりあえず多めに頼んでみた。
 基本的に肉と野菜の料理が多く、味付けは濃い目だった。
 どれも新鮮で美味しく、しばらくはこの店に世話になりそうだ。

 宿に戻りなんとかサーリャの機嫌を取り、獣人国での最初の夜を終えるのだった。

---------------------------

 翌朝、意気揚々と街中を歩く俺。
 そう! スカートだ! それもミニだ!
 とぼとぼ付いてくるサーリャはがっくりと肩を落としているがそんなの気にしないよ!
 ミニスカートのサーリャが俺を待っているんだ!!



 ……ミニスカートがない!
 服屋を散策してみたものの、ミニスカートがない!
 他の服屋も探したけどミニスカートがない!

「何でだああああああああああああああああああああああああ!!」

「そんなに残念がらなくても……」

「残念だよ!! サーリャのミニスカだよ!? そのミニスカで膝枕を夢見て昨日は眠れなかったんだよ!?」

「……………………」

 やばい素がでてしまった。サーリャの目が痛い。

「いや、なんでもないです。とりあえずもっと街を探してみましょう。必ずあるはずです」

「はぁ……」

 少し歩いたところに、高級店が立ち並ぶ場所を見つけた。
 うむ。ここならあるのではなかろうか。あの店の従業員が着ているんだ。かならず似たようなものがこの街にあるはずだ。
 立ち並ぶ高級店の中の服屋に入る。

「いらっしゃいませ」

「いらっしゃいました」

 店員が俺達を見てあからさまにがっかりした顔をした。
 まあそうだろう。俺は少し汚れたローブ姿だし、サーリャも普段着だ。とても金を持っているようには見えないだろう。
 だが金はある! ミニスカの為なら金など惜しくない!

「スカートを探してるんだけど。この店にあるかな?」

「ございますよ。丈や生地、デザインによって値段はかなり変わりますが」

「お金は気にしないので、ミニスカートを見せてもらえますか?」

「はぁ……。こちらになります」

 あった。あったよ。あったよおおおおおおおおおおおお。

「これ! この白いミニスカートください!!」

「そちらはシルクでできた最高級のものでして、生地の部分が少ないとはいえ金貨一枚の値段になりますので、厳しいかと思われますが」

「はい金貨一枚ね! サイズだけ見て合うようなら持って帰るから、サーリャちょっとサイズ合わせてみておいて」

 金貨を受け取り呆然としている店員にサーリャを押し付けサイズ合わせのため店の奥に向かわせた。
 俺はミニスカートだけが目的ではない。そう、もう一つ買いたいものがあるのだ。 
 答えは簡単。可愛い下着だ。

 サーリャにセクシーな下着を着けて欲しい。なぜかって? 俺が見たいからだよ!?
 この世界にはブラが存在しないんだから、せめてショーツは可愛いのをつけて欲しいんだよ!
 入り口から入ったときに下着コーナーがあるのは確認済みなのだ!
 一直線にコーナーへ進み、躊躇なく物色開始する。

 おう……。これは……。なかなかの一品だ。
 白の柔らかい素材で、ところどころレースになっている。
 ハーフバックショーツのタイプで、付けたときお尻の半分が隠れないタイプだ。
 うん。これだ。これをつけてミニスカだ。
 正直ソフィアとかサーリャとかのスキンシップで俺の我慢も限界に近い。
 九歳の俺がナニできるわけではないが、せめてこういうところで発散しないと精神が持たない。
 この半年の旅で、スキンシップの境界線もかなり曖昧になってきている。
 何度か我慢の限界で、胸を揉んだりお尻を撫でたりキスしたりしてしまったのだ。
 サーリャが嫌がると思っていたが、むしろ無抵抗で触らせてくれるし、最近じゃ向こうからキスしてきたりもする。
 このままではやばい。いやいいんだけど、俺の精神は求めるが、体がまだ適応できる年齢じゃない。

 あと三年もすれば、ぎりぎり俺も行為ができるだろう。それまでは我慢だ。
 まぁそのころにはサーリャを帰してあげてるから相手がいなくなるんだけどね。ちきしょうが!!

「サイズは大丈夫そうでした」

 おっと、サーリャと店員が戻ってきたようだ。

「じゃあサーリャは先に店の前で待ってて、俺は店員さんと話すことあるから」

「分かりました。店の前に居ますね」

 サーリャの背を見送りながら店からでたことを確認する。

「あの、この下着と、あとこれとこれとこれください。さっきのミニスカに合う服も何か見繕えるかな?」

「畏まりました。下着四着は合わせて金貨一枚と銀貨五十枚です。服の方は予算どういたしましょうか?」

 金貨五枚のうちすでに二枚半つかってしまった。だが俺に後悔はない。生活費は金貨一枚で十分だろう。

「金貨一枚と銀貨五十枚で二、三枚服を見繕って欲しい、あくまでミニスカに合うものね」

「かしこまりました」

 店員が持ってきたのはノースリーブのセンターにフリルをあしらった白のワイシャツと、すこしぶかぶか目で通気性のよさそうなニットの服だ。
 うん。この店員なかなかにわかってるな。俺の好みに合っている。
 今後もこの街に来ることがあれば是非来よう。
 服を鞄に入れ、店をでるとサーリャの手を引いて宿に急ぎ戻るのだ。
 冒険者ギルドに行く? なにそれ知らない。

「ではサーリャ、これを着てください」

「えっと、これは何でしょう。ずいぶんと布地が少ないですが」

「下着です」

「下着ですか」

「えっ? これ下着なんですか!?」

「そーです。下着なんです!」

「これを着るのですか?」

「そーです。それを着るんです!」

 川平○英風テンションになってしまった。 

「……はぁ。セインの頼みなら仕方ないですね」

 サーリャの完全体が完成した。
 うん。可愛い。ノースリーブのシャツから伸びる細くて綺麗な腕。
 少し屈めば中が見えてしまう程短く、太ももにキュっと密着したミニスカート、そこから伸びる美しく長い脚。
 堪らん……。あかんわこれ、我慢できひんわ。おっちゃんもう限界や。

 サーリャを強引にベットに押し倒し、サーリャと目を合わせる。
 すっと目を閉じたサーリャにキスをする。
 今までの唇を当てるだけのキスじゃ収まらず、舌を入れる。サーリャも受け入れ、お互いに唾液を交換する。
 サーリャの口内の甘い味を味わいつつ。細い体に似遣わない大きな胸に手を伸ばした。

 その日サーリャの意識がなくなるまで、隅々まで堪能した。もちろん俺の息子は使えないので、俺はすっきりはしなかったが……。
 でもサーリャがよがる姿だけでも十分満足だ。そして思わぬ収穫だったがサーリャはまだ経験していなかったようだった。
 カンザスは不能だったか。うむ。

 気がつくと朝日が昇っていた。
 一眠りしたら、冒険者ギルドに行ってクエストでも受けてみようと思いつつ、夢の世界に入っていった。


-------------------------------------------


 サーリャは我慢していた。
 旅の途中で可愛い子を見ているセインを許せなくなってきているのだ。
 この街に入ってからも獣人の女の子をずっと見て鼻の下を伸ばしているのも許せない。
 正直最初は主として考えていたので、別にどうということもなかった。
 家族と言われ慣れた頃は姉のように接しようとした。
 ところが最近他の女の子を見ているのが許せなくなってきている。
 まだ九歳の子供になぜと思ったが、考えてみると奴隷の私に家族になろうと言われたときから好きだったのかもしれない。
 奴隷だった私を救い出してくれて、私が辛くて涙を流したときも慰めてくれ、石を投げてくる人間に本気で怒ってくれるセインが好きだ。
 実際九歳なのに行動力があり、頭も良い。魔法の力も桁違いだし、何より私を大事にしてくれる、好きにならない訳がない。
 この半年でスキンシップも段々多くなっているし、セインからキスされた時は本当に嬉しかった。
 最近では月に一度くる発情期は逆に私が我慢できずセインにキスしたり自分の膝の上に載せて色々と触ったりしてしまう。
 セインも嫌がることもなく、受け入れてくれるから歯止めが利かない。
 でも、九歳の子供に性的な行為はできないだろうし、自分で処理するにもいつもセインが隣で寝ているためばれてしまうかもしれない。
 結果半年の間、幾たびもくる発情期を越えた私は、もう我慢の限界だった。いつセインを襲ってもおかしくない状態。本当に困ってしまう。

 セインに言いくるめられるように、下着やミニスカート、シャツを着たが、セインが選んだ物だと思うと興奮してしまう。
 着たことない高級な衣服に露出度の高さ、じっと見つめるセインの視線が私を感情をどんどん高ぶらせる。
 ちょうど発情期中で、他の女性をみる視線にすら嫉妬してしまうくらいだ、もう我慢の限界と思ったとき、セインに押し倒された。

 いつものように少し胸を触られたり、キスをしたりくらいだろうが、逆に私が我慢できなくなってしまう。
 目を閉じキスを受け入れると、いつもと違って舌が入ってきた。驚いたが願ってもいない状況。こちらも舌を絡ませる。
 シャツのボタンをはずされ、スカートの中にも手が伸びてくる。その夜私はセインともっと近くなった気がした。

 私はセインにその気がなくても、ずっと付いていこうと決めた。
 最悪妾でも奴隷でも何でも良い、セインと一緒に居たい。
 獣人国の猫族領にもどる必要性がなくなったが、逆にそこで家族に伝えよう。
 私はこの人に付いていくと。

 実際ここまでセインが盗賊たちを排除していたので、私は戦闘していないが、部族の女の中ではかなり強いと思うし、奴隷にされた時だって、相手の十人程は倒せたくらいの力はあるし、きっと役立てる。
 昨日の行為で疲れた気だるい体を起こすと、横でセインが眠っていた。
  セインを自分の胸に誘い。二度寝に入るサーリャだった。
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