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本編
終章 王太子執務室(王太子視点)
しおりを挟む王太子執務室に下の娘の婚約者を呼んだ。
呼び出すのは初めてではない。
だが、正規の手続きを得て呼び出したのは、初めてだった・・・
「城に来て、3年・・・か・・・?!」
う~ん、そんなものか?
「そうですね・・・3年・・・経ちました・・・」
もっと、ずっと長く王城に居る気がするな・・・
「上の娘が城を出て・・・連絡を寄こさなくなって・・・5年が経った・・・」
城に来た頃には・・・どうだったかな?
もう城には居なかったか?
「このまま帰って来ない様なら、跡継ぎに据えねばならん・・・」
まぁ、迷子になっているだけだと思うがな…
「つまりは、嫁にはやれんという事だ・・・」
何時帰って来るかは、分らんからなぁ・・・
ああ、そうだ!
聞いておかねばならん事があった!
「まだ、魔道省に通っているのか?」
随分と仕事を抱えているはずなのに、大丈夫なのか?!
「・・・?はい、書類仕事をしたあと、午後に臨時職員として出仕しています。」
本気か・・・働きすぎだぞ!
只でさえ、これから忙しくなるっていうのに魔道具課も手伝っているのか・・・
・・・そういえば・・・
「寝泊まりは、官舎だと聞いたが・・・誠か・・・?!」
恐る恐る聞いてみると・・・
「はい、官舎の方が色々と都合が良いので・・・」
何やってんだっ!
倒れたらどうするんだっ?
これから、殺人的に忙しくなるのに・・・
新婚早々、倒れるつもりかっっ!
駄目だ!魔道具課は辞めさせよう!
「引継ぎと引越しには、どの位時間が必要だ?」
こうなったら、監視してでも休ませよう!
「一日あれば、充分です。」
よし、婚姻はまだだが王族住居区域に部屋を用意させよう!
「周りが早く結婚をと、焦り始めてな・・・」
かなり評判が良いんだよなぁ・・・
特に魔道省の者達に、絶対に逃がすなと言われているしなぁ・・・
姫様使って捕まえておけって言われた時にはそこまで言うかと思ったぞ!
もちろん逃がしませんなんて、娘も言っていたし、大丈夫だろうか・・・
暴走しないと良いが・・・
「明後日の朝、部屋を出ます・・・」
結構な数の案件を抱えていたはずなのに、1日で引き継げるのか・・・?!
ホント、優秀だな!
しかし、頑張りすぎている気がしないでもないんだが・・・
「・・・すまない・・・苦労を掛けるな・・・」
最初から決まっていたとはいえ、もう少し早く退職させておけばよかったな・・・
「・・・いえ・・・」
取り敢えず、今日はゆっくり休んでくれよ・・・
==========
2018年9月16日
アルファポリス投稿
もっちり道明寺♪作
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