キモヲタ男爵奮戦記 ～ 天使にもらったチートなスキルで成り上がる……はずだったでござるよトホホ ～

第53話 具ー－－－－－っ！ 見えてる！ 見えちゃってござる！

　ユリアスの部屋を訪れたキモヲタ。

　部屋に入るなり、ユリアスとセリアとエルミアナに取り囲まれ、思わずその場に正座してしまいました。

「キモヲタ様、これは一体どういうことですか？」※ユリアス
「どうやら、あなたは何か他にも不思議な力を隠しているようですね」※セリア
「キモヲタ殿、説明してもらえますよね？」※エルミアナ

　三人の美女に上から見下されたキモヲタは、身体を丸めて小さくなっていました。

「い、一体これはどういうことでござるか……我輩、また……何かやっちゃいましたでござる？」

　異世界チート常套句である「俺、また何かやっちゃった？」を発したキモヲタですが、その声は蚊の鳴くように小さいものでした。

　そっと顔を上げてみれば、そこには美女三人からの厳しい目線。
　
　この状況が脳内エロ妄想だったなら、キモヲタにとってはご褒美でしかありません。しかしリアルの場合、女子三人に詰められる状況は辛いものでしかありませんでした。キモヲタにとっては、幼少の頃の辛い記憶が刺激される恐怖な状況なのでした。

（そう言えば子供の頃。近所の女の子のパンツがなくなったとき、我輩が犯人扱いされてこんな感じで取り囲まれたでござるなぁ）

　そのときは、女の子のパンツが風に飛ばされていたことが、あとから判明しました。しかし、キモヲタを犯人扱いした女の子たちが謝罪することはなく、それどころか前よりキモヲタを忌避するようになったのでした。

（あのときは、まさにこんな感じでござったな）

「と、とにかく！　申し訳ござらん！」

　とっとと謝ってしまおうとキモヲタは決めしました。

　とっとと部屋に戻って、カワイイ女の子のイラストが描かれた箱に入っている海綿状の柔らかい筒で聖剣エクスカリバーを磨いて幸せになろう。

　そう割り切って頭を床に擦りつけるキモヲタ。

「えぇ！？　どうしてキモヲタ様が謝っておられるのです！？」※ユリアス
「そうですよ！　キモヲタ殿が謝られるのです？」※エルミアナ
「もしかして、何か私たちに謝らねばならないようなことをしたとか？」※セリア

「へっ？」

　思っていたのとまったく違った反応が返って来たので、キモヲタは困惑してしまいました。

「私たちが聞きたいのは、アレのことです」※ユリアス
「そうです！　アレについて教えてくれませんか？」※エルミアナ
「知ってることは全部吐いてもらおうか」※セリア

「ア、アレとは……ってえぇええ！　キーラ殿ぉぉお！」

　三人がベッドを指差すのを見て、そちらに視線を向けたキモヲタは、そこにあるものをみて驚愕します。そこには、お尻を衝き上げた状態でヘナヘナと倒れているキーラの姿がありました。

　スカートはズリ落されていて白いお尻が丸見え。それはもう見事なまでに縞パン（薄緑）がさらされていたのでした。

「あのシャンティ……」※ユリアス
「「欲しい！」」※ユリアス、エルミアナ
「寄越せ！」※セリア
　
　そう言って三人が同時にキーラの縞パンを指さします。続いてキーラのお尻に近寄ると、縞パンの素晴らしさを三者三葉にキモヲタに語り始めたのです。

「この薄くて柔らかな布地！　この美しい縞模様、王族のシャンティでもこのようなものは見たことがありません！」

　ユリアスが、キーラのお尻を撫でるように触りながら、縞パンの素晴らしさを語りました。キモヲタとしては、ユリアスがどうして王族のシャンティを知っているのか気になるところでしたが、今は黙っておく方が良いと本能で理解し、沈黙を守ることにしました。

　エルミアナがキーラのお尻と縞パンの間に指を差し入れ、パンティのエッジにそって指を走らせながら、ゴムの締め付け具合を堪能していました。

「はぁ❤　このお尻にぴったりとくっついてくる感触。先ほどからこのお尻、いま自分が最高に幸せだって言っています！　それにこれ！」

　エルミアナがキーラの股に手を差し入れ、前面部分が見える様に縞パンを捲めくりあげます。

「ちょっ！！　エルミアナ殿！」（ナイスでござる！）

　エルミアナがキーラのパンツを脱がそうとしているのかと思ったキモヲタ。内心では喜びつつも、キーラの主人としての責任を果たすために、一応、エルミアナの手を制止する感じでいきました。

「この小さなリボンのアクセサリ！　このように芸術的なシャンティは見たことがありません！」

「あっ、リボン……リボンでござるか。リボン……リボンでござるね」

　エルミアナが指を放してしまったために、パンツが元の状態に戻ってしまったので、がっくりと肩を落とすキモヲタなのでした。

　しかし、まだセリアというラスボスがいるのをキモヲタは忘れていました。

「私が一番驚いたのはここかな！」

　そう言って、セリアがキーラの縞パンの股布クロッチを指で撫でまわします。

　ビクンッ！

　キーラのお尻が小さく跳ね上がりました。

　そんなキーラの反応に気づかないのか、無視しているのか、セリアは興奮気味に語り続けます。キモヲタは、普段はクールで感情に乏しいセリアの、意外な側面を見て内心で驚いていました。

（見た目だけでなく心も人外だと思ってたでござるが、意外に普通の女子だったでござるな）

　そんなことを考えていたキモヲタの目の前で、セリアは……

「この股布！　二重になってるところ、デリケートなところが当たるところよ！」

　セリアはキーラのパンツに指を掛け――

　ペラッ！

「この裏生地が凄く滑らかで柔らかくて、しかも汚れがホラ……」

　キモヲタが絶叫しました。

「具ー－－－－－っ！」

　キモヲタは、自分がキーラに触れているわけではないにも関わらず、異端審問が発動していないにも関わらず絶叫しました。
　
「具ー－－－－－っ！　キーラタンの具が見えちゃうでござるぅぅ」

　突然、叫び出したキモヲタに、セリアが不思議そうな顔で尋ねます。

「んっ？　”グ”とは何のことですか？」

　キモヲタに尋ねるセリアの指が、わざとなのか無意識なのかクィッ、クイッと動いて、その度に、股布クロッチ部分がペラッ！　ペラッ！と捲られました。

「具ー－－－－－っ！」

　後々、このとき変態ロリ紳士の矜持きょうじを発揮して目を閉じてしまい、キーラの具を見逃してしまったことを血涙を流すほど後悔するキモヲタなのでした。