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第57話 魔の森と三柱の魔神
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アネーシャ村を出立してから二週間。キモヲタ一行は、アシハブア王国の国境を抜け、今はルートリア連邦の領土に足を踏み入れておりました。
「はぁ……もう疲れたでござる。そろそろ休憩で良いのではござらんですか?」
そう声を掛けるキモヲタは、パーティーの一番後ろで、ロバのキンタの手綱を引きつつ歩いていました。
「もう! さっき休憩したばかりでしょ! キモヲタはそのデップリとしたお腹を引っ込めるために、もっと頑張って歩く! キンタなんかみんなの荷物を背負ってあるいてるんだから! キンタに負けてるじゃない!」
そう言って、キモヲタの背中をバシバシっと叩くキーラでした。
「はぁ……はぁ……キンタに負けてるって言われましてもですな……ハッ!」
キンタに負けた。
キンタマケタ。
キンタマ蹴った!
「キーラたんから、キンタマ蹴った頂きましたでござる!」
ゲシッ!
「おうごぁっ!」
本当にキーラから、自分の股間を蹴って頂いたキモヲタでした。
「ふごぉおっ!」
激しい苦痛で、地面をのたうち廻るハメになったキモヲタ。しばらく身動きできなくなってしまったため、仕方なくその場で休憩を取ることとなりました。
「ぐぬぬ……キーラタン、男の股間は『マジコイツ殺そう』ってときしか蹴ってはならぬのでござるよ。もし我輩のキン○マに何かあって、キーラタンとの子供が作れなくなったら、一体どうするでござるか」
「マジコイツ殺そう……」
「ひえっ!? こ、怖い顔して爪を伸ばして近づかないで欲しいのでござる! 冗談! ジョーダンでござるよ! 小粋なDTジョークでござる!」
キモヲタのピンチに、ゴスロリ黒メイド服のユリアスがキーラをなだめに入りました。
「まぁまぁキーラ殿。キモヲタ殿も歩き疲れていたせいで、思ってもいないことを口にしてしまったのでしょう」
「ユリアスはキモヲタを甘やかし過ぎ! セリアにお仕置きされたのに、何故か味を占めて、最近は1日6回はキンタ○ネタ! それをずっと聞かされるボクの身にもなってよ!」
「そんなに!? さ、さすがにそれは……」
そう言ってユリアスが、うずくまっているキモヲタの顔を覗き込みます。
股間を押さえて苦しそうにしているキモヲタを見て、ユリアスも心配になったようでした。
「キモヲタ様……大丈夫ですか? よろしければおさすりいたしましょうか」
ユリアスの言葉に、一瞬のためらいもなく、仰向けになって股間を広げるキモヲタ。
「お願いするでござる」
キモヲタのあまりにも堂々とした行動に、キーラとセリアとエルミアナたちがフリーズ。
「それでは失礼いたしますね」
と、ユリアスが手を伸ばしたところで全員のフリーズが解除され、慌ててユリアスを押しとどめるのでした。
「ちょっとぉお! ユリアス! 何しようとしてたの!?」※キーラ
「ユリアス殿! お気を確かに!」※エルミアナ
「姫隊長、もしそれに触ったらもう絶交です! 私、白バラ騎士団抜けますから。えんがちょで縁切りますから!」※セリア
ユリアスを心配して声を掛けた三人は、そのまま視線をキモヲタに向けました。その全員が、地獄の悪鬼も震えあがるような目でキモヲタを睨んでいました。
「あっ……あーっ、少し休んだおかげで体調もよくなってきた気がするでござるなぁ」
「本当に苦しかったら自分に治癒かけるよね?」
キモヲタとの付き合いが長いキーラは、キモヲタの内心を完全に見透かしていました。そんなキーラの視線から逃れるように、キモヲタはキンタの近くに駆け寄ると、手綱をとって歩き始めます。
「さささっ、早く道を急ぎましょう。キンタも早く近くの村で休みたいでござるよな!」
「メェェエェエエエ!」
ロバのキンタは、キモヲタの言葉に応えるように、元気よく鳴き声を上げました。
「まったく! キモヲタったら!」
キーラの愚痴を合図に、キモヲタ一行は再び街道を歩き始めるのでした。
それから数時間後、街道が森の中へと入り込中をキモヲタたちは歩いていました。
森に入ると辺りは薄暗くなり、そして音も聞こえなくなってきました。周囲には鳥や虫の声どころか動物の気配さえありません。
「ルートリア連邦には、魔の森と呼ばれる広大な森林があります」
森の静寂を破ったのはエルミアナの低い声。
「その森には三柱の魔神がいて、森を3つの領域に分けて支配していると聞きました」
エルミアナの話によると、その三柱の神の御名は、魔神ウドゥンキラーナ、魔神ウディーラ、魔神ウヌストリア。それぞれが強い力を持った神であるということでした。
その話を聞いたユリアスが、
「そのいずれかの魔神が賢者の石を持っているらしいということだ。私たちはそれらの神々に直接会って、そのことについて話をしなければならない」
と言うのを聞いて、キーラの顔が青ざめました。
「ウドゥンキラーナって、セイジュー神聖帝国の妖異の群れをたった一人で追い払ったって聞いたことがある。魔族軍じゃなくて妖異の群れを追い払ったんだよ!」
キーラは魔族捕虜収容所に囚われていたときに、隣接していた檻の囚人から三魔神の噂を聞いて知っていたのでした。
「それにウドゥンキラーナは人類軍の味方でもなくて、ときには人間を襲うって聞いた。そんな恐ろしいものに会いにいくんだ……」
顔を青ざめさせるキーラを見て、全員が沈黙してしまったのでした。
「はぁ……もう疲れたでござる。そろそろ休憩で良いのではござらんですか?」
そう声を掛けるキモヲタは、パーティーの一番後ろで、ロバのキンタの手綱を引きつつ歩いていました。
「もう! さっき休憩したばかりでしょ! キモヲタはそのデップリとしたお腹を引っ込めるために、もっと頑張って歩く! キンタなんかみんなの荷物を背負ってあるいてるんだから! キンタに負けてるじゃない!」
そう言って、キモヲタの背中をバシバシっと叩くキーラでした。
「はぁ……はぁ……キンタに負けてるって言われましてもですな……ハッ!」
キンタに負けた。
キンタマケタ。
キンタマ蹴った!
「キーラたんから、キンタマ蹴った頂きましたでござる!」
ゲシッ!
「おうごぁっ!」
本当にキーラから、自分の股間を蹴って頂いたキモヲタでした。
「ふごぉおっ!」
激しい苦痛で、地面をのたうち廻るハメになったキモヲタ。しばらく身動きできなくなってしまったため、仕方なくその場で休憩を取ることとなりました。
「ぐぬぬ……キーラタン、男の股間は『マジコイツ殺そう』ってときしか蹴ってはならぬのでござるよ。もし我輩のキン○マに何かあって、キーラタンとの子供が作れなくなったら、一体どうするでござるか」
「マジコイツ殺そう……」
「ひえっ!? こ、怖い顔して爪を伸ばして近づかないで欲しいのでござる! 冗談! ジョーダンでござるよ! 小粋なDTジョークでござる!」
キモヲタのピンチに、ゴスロリ黒メイド服のユリアスがキーラをなだめに入りました。
「まぁまぁキーラ殿。キモヲタ殿も歩き疲れていたせいで、思ってもいないことを口にしてしまったのでしょう」
「ユリアスはキモヲタを甘やかし過ぎ! セリアにお仕置きされたのに、何故か味を占めて、最近は1日6回はキンタ○ネタ! それをずっと聞かされるボクの身にもなってよ!」
「そんなに!? さ、さすがにそれは……」
そう言ってユリアスが、うずくまっているキモヲタの顔を覗き込みます。
股間を押さえて苦しそうにしているキモヲタを見て、ユリアスも心配になったようでした。
「キモヲタ様……大丈夫ですか? よろしければおさすりいたしましょうか」
ユリアスの言葉に、一瞬のためらいもなく、仰向けになって股間を広げるキモヲタ。
「お願いするでござる」
キモヲタのあまりにも堂々とした行動に、キーラとセリアとエルミアナたちがフリーズ。
「それでは失礼いたしますね」
と、ユリアスが手を伸ばしたところで全員のフリーズが解除され、慌ててユリアスを押しとどめるのでした。
「ちょっとぉお! ユリアス! 何しようとしてたの!?」※キーラ
「ユリアス殿! お気を確かに!」※エルミアナ
「姫隊長、もしそれに触ったらもう絶交です! 私、白バラ騎士団抜けますから。えんがちょで縁切りますから!」※セリア
ユリアスを心配して声を掛けた三人は、そのまま視線をキモヲタに向けました。その全員が、地獄の悪鬼も震えあがるような目でキモヲタを睨んでいました。
「あっ……あーっ、少し休んだおかげで体調もよくなってきた気がするでござるなぁ」
「本当に苦しかったら自分に治癒かけるよね?」
キモヲタとの付き合いが長いキーラは、キモヲタの内心を完全に見透かしていました。そんなキーラの視線から逃れるように、キモヲタはキンタの近くに駆け寄ると、手綱をとって歩き始めます。
「さささっ、早く道を急ぎましょう。キンタも早く近くの村で休みたいでござるよな!」
「メェェエェエエエ!」
ロバのキンタは、キモヲタの言葉に応えるように、元気よく鳴き声を上げました。
「まったく! キモヲタったら!」
キーラの愚痴を合図に、キモヲタ一行は再び街道を歩き始めるのでした。
それから数時間後、街道が森の中へと入り込中をキモヲタたちは歩いていました。
森に入ると辺りは薄暗くなり、そして音も聞こえなくなってきました。周囲には鳥や虫の声どころか動物の気配さえありません。
「ルートリア連邦には、魔の森と呼ばれる広大な森林があります」
森の静寂を破ったのはエルミアナの低い声。
「その森には三柱の魔神がいて、森を3つの領域に分けて支配していると聞きました」
エルミアナの話によると、その三柱の神の御名は、魔神ウドゥンキラーナ、魔神ウディーラ、魔神ウヌストリア。それぞれが強い力を持った神であるということでした。
その話を聞いたユリアスが、
「そのいずれかの魔神が賢者の石を持っているらしいということだ。私たちはそれらの神々に直接会って、そのことについて話をしなければならない」
と言うのを聞いて、キーラの顔が青ざめました。
「ウドゥンキラーナって、セイジュー神聖帝国の妖異の群れをたった一人で追い払ったって聞いたことがある。魔族軍じゃなくて妖異の群れを追い払ったんだよ!」
キーラは魔族捕虜収容所に囚われていたときに、隣接していた檻の囚人から三魔神の噂を聞いて知っていたのでした。
「それにウドゥンキラーナは人類軍の味方でもなくて、ときには人間を襲うって聞いた。そんな恐ろしいものに会いにいくんだ……」
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