64 / 239
第64話 魔神ウドゥンキラーナ
しおりを挟む
結果的に、全ての村人たちが【お尻かゆくな~る】の影響を脱するのは24時間が過ぎた後のことでした。
魔神ウドゥンキラーナは1時間で痒みが収まったので、その後キモヲタたちは魔神と和解を結びました。
「まさか妾にまで状態異常スキルを発動させるとは、キモヲタは見た目によらずたいした男よのぉ」
村の中心に大木の下で、キモヲタたちは睡眠薬が入っていないラッシーを飲みながら、魔神ウドゥンキラーナと話をしていました。
「いやいや、こうして近くでよく見れば、なかなか良い男ではありんせんか」
そう言うとウドゥンキラーナは、キモヲタの隣に腰かけ、その腕をとって身体を寄せてきます。
(おぉ! 木の見た目と違って意外に柔らかいでござる……)
ウドゥンキラーナの胸(の形をしたもの)が、キモヲタに押し付けられてプニュと形を変えました。
(ふぉおおお! なんでござろう! この湧き上がる喜び! 我輩の腕が女性の胸に接舷したと喜んでいるでござる!)
「人のおなごとそう変わらぬであろう? 柔らかさも、温もりも……」
そう耳元で囁くウドゥンキラーナから、金木犀のような香りが漂ってきました。
「主の身体に溢れておるこの神気……なるほど、おそらく主も異世界のものであるな?」
ウドゥンキラーナから漂う花の香を吸うたびに、キモヲタは魔神の身体が木や蔓ではなく、人間の女性のように見えるような気がしてくるのでした。
「わ、我輩など、し、しがない転移者でござるよ……」
「なるほど転移してきたでありんすか。ならばあの者たちと同じ世界から来たのかも……のぅ、主よ、我と契りゃんせ?」
「ちちちち契り? 契りというのは何のことでござるか?」
「むぅ。おなごの口から言わせるものではありんせん。男と女の契りと言えば、アレしかなかろう?」
「ああああ、アレ……といえば、アレがアレしてアレアレするアレでござるか」
「もちろんそれでありんす❤」
ウドゥンキラーナの手がキモヲタの股の付け根をスリスリし始めると、キモヲタは思わず声をあげました。
「おうふっ!」
緊急DT対策委員会ぃぃぃ!!!
突然、キモヲタの脳内で警報が鳴り響き、そして何かが始まりました。
――――――
―――
―
委員長「只今、キモヲタ氏にDT卒業チャンスが緊急襲来しました。よって、これより緊急DT対策委員会を開催します」
DT党「委員長! 初体験は同じ人族か、もしくはそれに近い種族にすべきだというのが、我々DT党の基本方針です! 犬耳族やエルフはともかく、完全な人外はレベルが高過ぎると考えます」
モン娘党「委員長!」
委員長「モン娘党くん」
モン娘党「今の発言は多文化共生の理念に反する危険な思想です! DT卒業においてあまりそこにこだわりすぎると、大事なDT卒業の機会を喪失してしまう恐れがあるだけでなく、人類至上主義に染まりかねない危険が危い恐れがあります!」
DT党「委員長! 人類至上主義などという発言は、オールラウンダーな性癖をもつ当人に対して、極端なレッテルを貼っているだけでしかありません。これは本来守られるべきDT卒業時における心の安寧と充足を脅かすものです! モン娘党の謝罪を要求します」
委員長「発言を認めます。モン娘党くんは、謝罪の上、以後は注意して発言するように」
モン娘党「委員長、先の発言に行き過ぎた点があったことをお詫びします。とはいえ、現在のキモヲタ氏が、性癖のストライクゾーンの幅が広がり過ぎてもはや端っこが見えないこと。また前世ではDTを拗らせて魔法使いの称号を得て異世界転移してきたいま、もはや穴があれば何でも良いというレベルにまで達していることを踏まえれば、もはや相手が魔神であれ女性の形をしているのであれば、何も問題があるはずがありません。DT党の主張は、初手の相手にこだわるあまり、今後キモヲタ氏にどれだけあるか、そもそもあるかどうかも分からないエッチの機会を明らかに損失するものです」
DT党「委員長! 我が党は、その理念である『DT卒業は初めの一歩。持続可能な子作りライフ』を一貫して訴えてきました。もはや穴さえあれば何でも良いキモヲタ氏の初めての相手が木の女で、万が一にでもそれに溺れてしまうようなことになれば、今後、持続可能な子作りライフの実現は難しいものになることでしょう!」
モン娘党「魔神とまぐわって、子供が作れないというエビデンスがあるのか! データを出せ! データを!」
委員長「モン娘党くん、私の許可なく発言するのは止めてください!」
DT党「委員長!」
委員長「DT党くん」
DT党「逆にモン娘党にお尋ねしたい! 魔神と人間が交わって子をなしたという事例があるのでしょうか! もしあるなら……」
モン娘党「いくらでもあるわ! なんだったら前世界では神話にもなってるし、漫画やあアニメやWeb小説で神との間に生まれた子があちこちで無双しとるわ! エロ同人界隈に溢れとるわ!」
DT党「同人!? ふざけんな! こっちは真面目な話をしてんだよ!」
委員長「あっ、おふた方! 暴力はいけません! お互いに冷静になりましょう!」
DT党、モン娘党「うっせぇええ! 結局は暴力! 暴力こそが全てを解決するんだよ!」
そして委員会は大荒れに荒れてしまいました。
全員がズタボロになって、最後に立っていたのは……
新委員長「えーっ、前の委員長が倒れてしまっため、急遽、代理を務めさせていただくモン娘党です。当委員会で紳士的に話し合った末の結論を申し上げます。魔神ウドゥンキラーナとのエッチ、ありやなしや……」
新委員長「”あり”ということに決定いたしました。以上!」
――――――
―――
―
(よっしゃぁあああでござる! 我輩もモン娘党を支持していたでござるよ!)
キモヲタは、ウドゥンキラーナの手を取ると、魔神の木の顔を真剣に見つめて、
「それでは末永く我輩と契りを……」
「キモヲタ! 駄目ぇええええ!」
「ぶごぼぁっ!」
キーラの全身タックルをお腹に受けて、ゴロゴロと激しく地面に転がるキモヲタでした。
魔神ウドゥンキラーナは1時間で痒みが収まったので、その後キモヲタたちは魔神と和解を結びました。
「まさか妾にまで状態異常スキルを発動させるとは、キモヲタは見た目によらずたいした男よのぉ」
村の中心に大木の下で、キモヲタたちは睡眠薬が入っていないラッシーを飲みながら、魔神ウドゥンキラーナと話をしていました。
「いやいや、こうして近くでよく見れば、なかなか良い男ではありんせんか」
そう言うとウドゥンキラーナは、キモヲタの隣に腰かけ、その腕をとって身体を寄せてきます。
(おぉ! 木の見た目と違って意外に柔らかいでござる……)
ウドゥンキラーナの胸(の形をしたもの)が、キモヲタに押し付けられてプニュと形を変えました。
(ふぉおおお! なんでござろう! この湧き上がる喜び! 我輩の腕が女性の胸に接舷したと喜んでいるでござる!)
「人のおなごとそう変わらぬであろう? 柔らかさも、温もりも……」
そう耳元で囁くウドゥンキラーナから、金木犀のような香りが漂ってきました。
「主の身体に溢れておるこの神気……なるほど、おそらく主も異世界のものであるな?」
ウドゥンキラーナから漂う花の香を吸うたびに、キモヲタは魔神の身体が木や蔓ではなく、人間の女性のように見えるような気がしてくるのでした。
「わ、我輩など、し、しがない転移者でござるよ……」
「なるほど転移してきたでありんすか。ならばあの者たちと同じ世界から来たのかも……のぅ、主よ、我と契りゃんせ?」
「ちちちち契り? 契りというのは何のことでござるか?」
「むぅ。おなごの口から言わせるものではありんせん。男と女の契りと言えば、アレしかなかろう?」
「ああああ、アレ……といえば、アレがアレしてアレアレするアレでござるか」
「もちろんそれでありんす❤」
ウドゥンキラーナの手がキモヲタの股の付け根をスリスリし始めると、キモヲタは思わず声をあげました。
「おうふっ!」
緊急DT対策委員会ぃぃぃ!!!
突然、キモヲタの脳内で警報が鳴り響き、そして何かが始まりました。
――――――
―――
―
委員長「只今、キモヲタ氏にDT卒業チャンスが緊急襲来しました。よって、これより緊急DT対策委員会を開催します」
DT党「委員長! 初体験は同じ人族か、もしくはそれに近い種族にすべきだというのが、我々DT党の基本方針です! 犬耳族やエルフはともかく、完全な人外はレベルが高過ぎると考えます」
モン娘党「委員長!」
委員長「モン娘党くん」
モン娘党「今の発言は多文化共生の理念に反する危険な思想です! DT卒業においてあまりそこにこだわりすぎると、大事なDT卒業の機会を喪失してしまう恐れがあるだけでなく、人類至上主義に染まりかねない危険が危い恐れがあります!」
DT党「委員長! 人類至上主義などという発言は、オールラウンダーな性癖をもつ当人に対して、極端なレッテルを貼っているだけでしかありません。これは本来守られるべきDT卒業時における心の安寧と充足を脅かすものです! モン娘党の謝罪を要求します」
委員長「発言を認めます。モン娘党くんは、謝罪の上、以後は注意して発言するように」
モン娘党「委員長、先の発言に行き過ぎた点があったことをお詫びします。とはいえ、現在のキモヲタ氏が、性癖のストライクゾーンの幅が広がり過ぎてもはや端っこが見えないこと。また前世ではDTを拗らせて魔法使いの称号を得て異世界転移してきたいま、もはや穴があれば何でも良いというレベルにまで達していることを踏まえれば、もはや相手が魔神であれ女性の形をしているのであれば、何も問題があるはずがありません。DT党の主張は、初手の相手にこだわるあまり、今後キモヲタ氏にどれだけあるか、そもそもあるかどうかも分からないエッチの機会を明らかに損失するものです」
DT党「委員長! 我が党は、その理念である『DT卒業は初めの一歩。持続可能な子作りライフ』を一貫して訴えてきました。もはや穴さえあれば何でも良いキモヲタ氏の初めての相手が木の女で、万が一にでもそれに溺れてしまうようなことになれば、今後、持続可能な子作りライフの実現は難しいものになることでしょう!」
モン娘党「魔神とまぐわって、子供が作れないというエビデンスがあるのか! データを出せ! データを!」
委員長「モン娘党くん、私の許可なく発言するのは止めてください!」
DT党「委員長!」
委員長「DT党くん」
DT党「逆にモン娘党にお尋ねしたい! 魔神と人間が交わって子をなしたという事例があるのでしょうか! もしあるなら……」
モン娘党「いくらでもあるわ! なんだったら前世界では神話にもなってるし、漫画やあアニメやWeb小説で神との間に生まれた子があちこちで無双しとるわ! エロ同人界隈に溢れとるわ!」
DT党「同人!? ふざけんな! こっちは真面目な話をしてんだよ!」
委員長「あっ、おふた方! 暴力はいけません! お互いに冷静になりましょう!」
DT党、モン娘党「うっせぇええ! 結局は暴力! 暴力こそが全てを解決するんだよ!」
そして委員会は大荒れに荒れてしまいました。
全員がズタボロになって、最後に立っていたのは……
新委員長「えーっ、前の委員長が倒れてしまっため、急遽、代理を務めさせていただくモン娘党です。当委員会で紳士的に話し合った末の結論を申し上げます。魔神ウドゥンキラーナとのエッチ、ありやなしや……」
新委員長「”あり”ということに決定いたしました。以上!」
――――――
―――
―
(よっしゃぁあああでござる! 我輩もモン娘党を支持していたでござるよ!)
キモヲタは、ウドゥンキラーナの手を取ると、魔神の木の顔を真剣に見つめて、
「それでは末永く我輩と契りを……」
「キモヲタ! 駄目ぇええええ!」
「ぶごぼぁっ!」
キーラの全身タックルをお腹に受けて、ゴロゴロと激しく地面に転がるキモヲタでした。
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる