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第187話 巨大地下貯水槽の戦い②
二人のセイレーヌに対して暴力を振るうフォンベルトに【お尻痒くな~る】を叩きつけようとしていたキモヲタ。
フォンベルトを射程距離の圏内に入れるべく、【索敵レーダー】を確認しながら、そろりそろりと足を進めていました。
そのレーダーに突然、妖異の存在を示す紫色のお化けマークが大量に出現し、キモヲタは度肝を抜かれて絶叫してしまいます。
地下から這い上がってくるそれを最初に視認したのはラミアたちでした。
水没している出入り口や階段から、黒い影が音もなく伸びて来ていたのです。
キモヲタの【索敵レーダー】は二次元表示のため、黒い影がキモヲタたちのいる同じ階層の通路に上がってくるまで見ることはできません。
そのためレーダーには映っているのに、目には見えていない大量の妖異が迫って来る恐怖に、キモヲタは震えあがっていました。
ラミアのなかで、一番最初に黒い影の正体を見抜いたのはラモーネでした。
「あれは仮面の男よ!」
ザッシュ!
ラモーネが叫んだ瞬間、兵士の一人の首が失われ、大量の血を吹き出して倒れました。
倒れた兵士の奥にキモヲタが目を向けると、まるで妖怪ろくろ首のように伸びていた仮面の男の頭が、スルスルと元の身体に戻っていくところでした。
「「「うぎゃぁぁああ!」」」
仮面の男と首が失われた兵士を見たフォンベルトたちが、一斉にパニックに陥ります。
その頃になると、兵士の遺体より奥の通路には、ざっと10体ほどの仮面の男の姿がありました。それだけではなく、さらに地下から次々と黒い影が昇ってきています。
通路に上がった仮面の男たちは奇妙な動きをしながら、フォンベルトたちに向って進んできました。
その足は歩いているように動いているのですが、それが移動距離とマッチしていません。
まるで足がバタバタと動く人形を、子どもが手に持って動かしているかのようにキモヲタには見えました。
目を凝らして仮面の男を見ると、一体一体の身体に尻尾のようなものがあって、それが全て地下に伸びているのが見えました。
ヌーッ!
ヌーッ!
ヌーッ!
仮面の男の何人かが、その頭をゴム人形のように伸ばして兵士たちに襲い掛かります。
頭は兵士たちの直前で縦に割れ、恐ろしい無数の牙が生えた口となりました。
ザシュッ!
「うぉおおあああ!」
ザシュッ!
不意を突かれた兵士たちは、幾人かがその首や上半身を失い、幾人かが剣や槍などの武器をもって応戦しました。
阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げらるなかで、仮面の男の頭のひとつが、地面に倒れているセイレーヌたちに襲い掛かります。
「!?」
フォンベルトの暴力によって負傷していた二人は、水の中に飛び込む体力も残っていませんでした。
兵士に頬を叩かれていた方のセイレーヌが、意識を失ってぐったりしているもう一人を庇うかのように覆いかぶさります。
ギザギザの牙でセイレーヌたちを噛もうとしていた仮面の男。
ザシュッ!
ザシュッ! ザシュッ!
その口の中に三本の矢が連続して突き刺さりました。仮面の男の首は、野獣のような唸り声を上げながら、本体の身体へと戻っていきます。
「ふぅ! 弓を持って来て正解でした」
キモヲタの後方にいる金髪の美しいエルフが、弓を構えて立っていました。
ザシュッ! ザシュッ!
エメラルドの瞳に鋭い光を宿したエルミアナは、向ってくる仮面の男たちに次々と矢を放ちます。
エルミアナの矢と奮戦する兵士たちに、仮面の男たちが一瞬ひるんだ隙に、ミケーネ(金髪碧眼青体。Dカップ)とトリフィン(青髪金眼青体。Dカップ)が飛び出して、二人のセイレーンを回収しました。
兵士たちが切りかかると、仮面の男たちはいっときは退くものの、すぐにまた首を伸ばして襲い掛かってきます。
ガァァバッ!
プシュウウッゥゥウ!
また一人の兵士が上半身を喰われて絶命しました。
兵士たちの奮闘には凄まじいものがありましたが、それでも仮面の男たちによって、一人ひとりとその数を減らしていきます。
暴れる馬を御していたフォンベルトは、
「うわぁああああああああああああああああああ!」
恐怖で顔を歪ませ、兵士たちを置き去りにしたまま、馬で逃げていきました。
「えっ!? 隊長!?」
「アイザック様!?」
「あいつ逃げやがった!」
「おいぃ! どこいきやがった!」
「あのクズ野郎!」
必死で戦っている兵士たちは、フォンベルトが逃走していく姿を見て罵倒の言葉を吐きました。
その罵倒は確かに的を射たものではあったのですが、フォンベルトが逃げ出した本当の理由については、彼らはまだ気づいていませんでした。
それは、馬上にいて兵士たちより高い視点で状況を見ることができていたために、フォンベルトの魂を捉えた恐怖。
そして、フォンベルトの次に身体が高い位置にあったたラミア女子たちだからこそ、兵士やキモヲタたちよりも先に気づいてしまった恐怖。
水没した階段から次々と這い出てくる黒い影が、ひとつの大きな塊となる様子を、馬上のフォンベルトとラミア女子たちはハッキリと見てしまったのでした。
ごももももも。ごももももも。
周囲が薄暗いために、その黒い影がはっきりと視認できるようになったときには、もうその塊は巨大な形を成していました。
ごももももも。ごももももも。
キモヲタたちの目の前に、巨大な仮面の男の上半身が出現したのでした。
ドォオオン!
その巨大な手が石畳の上に叩きつけられます。
ズリズリッ。
巨大仮面男が、腕を引き寄せるようにして這いずってきます。
ドォオオン!
再びその巨大な手が石畳の上に叩きつけられました。
近づいてくる巨大な恐怖に、その場にいる全員が凍りづきました。
ズリズリッ。
そして次の瞬間、キモヲタを含めたその場にいる全員が、喉がつぶれんばかりの絶叫をあげるのでした。
「「「うわぁあああああああ!」」」
誰も彼もが一斉に怪物に背を向けて逃げ出しました。
フォンベルトを射程距離の圏内に入れるべく、【索敵レーダー】を確認しながら、そろりそろりと足を進めていました。
そのレーダーに突然、妖異の存在を示す紫色のお化けマークが大量に出現し、キモヲタは度肝を抜かれて絶叫してしまいます。
地下から這い上がってくるそれを最初に視認したのはラミアたちでした。
水没している出入り口や階段から、黒い影が音もなく伸びて来ていたのです。
キモヲタの【索敵レーダー】は二次元表示のため、黒い影がキモヲタたちのいる同じ階層の通路に上がってくるまで見ることはできません。
そのためレーダーには映っているのに、目には見えていない大量の妖異が迫って来る恐怖に、キモヲタは震えあがっていました。
ラミアのなかで、一番最初に黒い影の正体を見抜いたのはラモーネでした。
「あれは仮面の男よ!」
ザッシュ!
ラモーネが叫んだ瞬間、兵士の一人の首が失われ、大量の血を吹き出して倒れました。
倒れた兵士の奥にキモヲタが目を向けると、まるで妖怪ろくろ首のように伸びていた仮面の男の頭が、スルスルと元の身体に戻っていくところでした。
「「「うぎゃぁぁああ!」」」
仮面の男と首が失われた兵士を見たフォンベルトたちが、一斉にパニックに陥ります。
その頃になると、兵士の遺体より奥の通路には、ざっと10体ほどの仮面の男の姿がありました。それだけではなく、さらに地下から次々と黒い影が昇ってきています。
通路に上がった仮面の男たちは奇妙な動きをしながら、フォンベルトたちに向って進んできました。
その足は歩いているように動いているのですが、それが移動距離とマッチしていません。
まるで足がバタバタと動く人形を、子どもが手に持って動かしているかのようにキモヲタには見えました。
目を凝らして仮面の男を見ると、一体一体の身体に尻尾のようなものがあって、それが全て地下に伸びているのが見えました。
ヌーッ!
ヌーッ!
ヌーッ!
仮面の男の何人かが、その頭をゴム人形のように伸ばして兵士たちに襲い掛かります。
頭は兵士たちの直前で縦に割れ、恐ろしい無数の牙が生えた口となりました。
ザシュッ!
「うぉおおあああ!」
ザシュッ!
不意を突かれた兵士たちは、幾人かがその首や上半身を失い、幾人かが剣や槍などの武器をもって応戦しました。
阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げらるなかで、仮面の男の頭のひとつが、地面に倒れているセイレーヌたちに襲い掛かります。
「!?」
フォンベルトの暴力によって負傷していた二人は、水の中に飛び込む体力も残っていませんでした。
兵士に頬を叩かれていた方のセイレーヌが、意識を失ってぐったりしているもう一人を庇うかのように覆いかぶさります。
ギザギザの牙でセイレーヌたちを噛もうとしていた仮面の男。
ザシュッ!
ザシュッ! ザシュッ!
その口の中に三本の矢が連続して突き刺さりました。仮面の男の首は、野獣のような唸り声を上げながら、本体の身体へと戻っていきます。
「ふぅ! 弓を持って来て正解でした」
キモヲタの後方にいる金髪の美しいエルフが、弓を構えて立っていました。
ザシュッ! ザシュッ!
エメラルドの瞳に鋭い光を宿したエルミアナは、向ってくる仮面の男たちに次々と矢を放ちます。
エルミアナの矢と奮戦する兵士たちに、仮面の男たちが一瞬ひるんだ隙に、ミケーネ(金髪碧眼青体。Dカップ)とトリフィン(青髪金眼青体。Dカップ)が飛び出して、二人のセイレーンを回収しました。
兵士たちが切りかかると、仮面の男たちはいっときは退くものの、すぐにまた首を伸ばして襲い掛かってきます。
ガァァバッ!
プシュウウッゥゥウ!
また一人の兵士が上半身を喰われて絶命しました。
兵士たちの奮闘には凄まじいものがありましたが、それでも仮面の男たちによって、一人ひとりとその数を減らしていきます。
暴れる馬を御していたフォンベルトは、
「うわぁああああああああああああああああああ!」
恐怖で顔を歪ませ、兵士たちを置き去りにしたまま、馬で逃げていきました。
「えっ!? 隊長!?」
「アイザック様!?」
「あいつ逃げやがった!」
「おいぃ! どこいきやがった!」
「あのクズ野郎!」
必死で戦っている兵士たちは、フォンベルトが逃走していく姿を見て罵倒の言葉を吐きました。
その罵倒は確かに的を射たものではあったのですが、フォンベルトが逃げ出した本当の理由については、彼らはまだ気づいていませんでした。
それは、馬上にいて兵士たちより高い視点で状況を見ることができていたために、フォンベルトの魂を捉えた恐怖。
そして、フォンベルトの次に身体が高い位置にあったたラミア女子たちだからこそ、兵士やキモヲタたちよりも先に気づいてしまった恐怖。
水没した階段から次々と這い出てくる黒い影が、ひとつの大きな塊となる様子を、馬上のフォンベルトとラミア女子たちはハッキリと見てしまったのでした。
ごももももも。ごももももも。
周囲が薄暗いために、その黒い影がはっきりと視認できるようになったときには、もうその塊は巨大な形を成していました。
ごももももも。ごももももも。
キモヲタたちの目の前に、巨大な仮面の男の上半身が出現したのでした。
ドォオオン!
その巨大な手が石畳の上に叩きつけられます。
ズリズリッ。
巨大仮面男が、腕を引き寄せるようにして這いずってきます。
ドォオオン!
再びその巨大な手が石畳の上に叩きつけられました。
近づいてくる巨大な恐怖に、その場にいる全員が凍りづきました。
ズリズリッ。
そして次の瞬間、キモヲタを含めたその場にいる全員が、喉がつぶれんばかりの絶叫をあげるのでした。
「「「うわぁあああああああ!」」」
誰も彼もが一斉に怪物に背を向けて逃げ出しました。
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