異世界転生ハーレムプラン ~ 最強のスキルが【幼女化】ってマジですか?~

帝国妖異対策局

文字の大きさ
2 / 243

第2話 そこんとこ詳しく聞こうじゃないか

しおりを挟む
「同志キモオタ、ぜひそのプランについて詳しく」

「ヌフフ。やはり喰いついてきましたな、同志田中殿。よろしいですぞ。それでは女神さま方にキモがられてこれまで活躍の場が与えられなかった我輩の、最初にして最高のプランを提供させていただきますぞ! デュフフコポォ」

「デュフフコポォ!」

 俺は師匠の話をしっかりと聞くために正座する。

 最初、でっぷりしたお腹でボサボサ髪の男が出てきた時は不安しかなかったが、ハーレム展開プランを提供してくれるというならこれはもう期待しかない。
 
 同志キモオタは、これから俺が転生される世界とその状況について詳しく話してくれた。

 逆にそこまで知っておく必要があるの? というような細かい点まで説明してくれた。

 これがゲームだったらメッセージスキップするところだが、今回に限ってはありがたかった。

 転生モノにありがちな「いきなり異世界」とか「とにかく行けばわかるわ!」と飛ばされるのはちょっと勘弁して欲しいからな。
 
 そして話はいよいよ核心部分へ入る。
 
「それでキモオタ師匠。その世界……ドラヴィルダでしたか、そこにはやはりエルフとかサキュバスとかもいるのでしょうか」

「うはっwww エルフの後に即サキュバスが出てくるとは、さすが田中殿ですなwww もちろん存在しておりますぞ。エルフならば冒険者ではない一般人でも、普通に生活をしていれば目にする機会はあるでしょうな」

 そうか! やっぱり異世界ファンタジーのハーレム展開でエルフは欠かせないもんな! いいぞ異世界!

 これから俺が転生する異世界ドラヴィルダには7つの大陸がある。

 大陸それぞれに担当する女神がいるのだが、ドラヴィルダで三番目に大きな大陸フィルモサーナを担当するのが、キモオタ師匠の上司でもある女神ラーナリアだ。
 
 現在、女神に敵対する魔王が大陸各地の魔物を率いて色々と画策している。もちろん大陸全土の覇権を狙ってのことだ。

「魔王を信奉する教団が悪魔勇者の召喚儀式を行ったのですぞ」

 女神に寄らない異世界からの召喚は本来であれば不可能なのだが、何らかの干渉が入ったために成功してしまったらしい。

 その結果……

「悪魔勇者と12人の従者が召喚されてしまったのですぞ。その巻き添えを喰ったのが同志田中殿ということですなwww」

「そこはwwwつけるなよ!」

 魔術教団による召喚儀式が成功した同時期、俺のいた世界では電車内で放火テロが発生。犯人は12名の犠牲者と共に焼死。

 ホームに着いた電車からは怒涛の如く乗客が飛び出して階段に殺到し、それに巻き込まれて俺は死んでしまったというわけだ。

「召喚のタイミングで亡くなってしまった12人も、まさしく巻き添えになったのですぞ……」
 
 キモオタ師匠が沈痛な面持ちで顔を伏せる。 

 深い哀しみと悔しさが顔にじみ出ているのを見て、ふざけた格好をしていても師匠ってやっぱり天使なんだなと思った。 

 予想しなかった悪魔勇者の召喚成功に女神ラーナリアは驚愕し、その混乱は他の女神たちへも波及。

 対応のために皆がリソースを取られてしまい、転生者に対応する余裕もなくなってしまった。

 そこで、年中暇を持て余していたキモオタ師匠が俺の転生を担当することになったというわけだ。

「それじゃ、もし悪魔勇者の召喚がなかったら、女神が俺の面倒を見てくれてたのか?」

「それはないですな。女神さまは勇者を召喚する場合のみお出ましになられます故。それ以外のお笑い転生……げふんげふん……一般転生、つまり勇者のように『世界を救う』といったような大役を担うことのない転生者は天使が対応するのですぞ。デュフフコポォ」

「な、なるほど……一般転生ね。勇者じゃないのか。ちょっと残念」

「何をおっしゃる同志田中殿!」
 
 キモオタ師匠が目をクワッと開いて机をバンと叩く仕草をする。ちなみに机はないので音はしない。

「勇者となれば魔王を倒すという目標が強制的に課せられ、命を賭した戦いの日々を送らなければならないのですぞ! もちろんその厳しい縛りに比例して得られるものも大きくなるわけではありますが……」

「そ、そうか……そうだな。やっぱり勇者って大変なんだろうな」

「その通りですぞ! これが一般転生となれば自分で生き方を自由に選択することができるのですぞ! それ故、我輩としてもハーレム展開プランなどを提供することができるというわけですな。デュフフフ」

 現在、女神やほとんどの天使は悪魔勇者への対応のため様々な対策に追われている。

 そんな中で俺の転生の重要度なんてのは最下位に近く、だからこそ田中殿には自分が割り当てられたのだとキモオタ師匠が胸を張る。そんなとこで胸を張るなよ。

 なんか俺の中にかすかに残っているミジンコサイズのプライドがちょっと傷ついた。でも泣かない。

「そのように卑屈になることはないですぞ。まぁ自分の身を守る力さえあれば、魔王軍との戦いは勇者がなんとかしてくれるはずですのでwww」

「そ、そうか……俺はとにかく自分のことハーレムを頑張ればいいんだな」

 俺が納得した様子を見たキモオタ師匠がニヤリと笑う。このキモイ顔……とうとう本題に入るのだなと言葉を交わさずともわかる。

「さて、そろそろ転生までのリミットタイムも近づいてきましたし、ハーレム展開プランについてお話しますぞ。デュフフフ」

「待ってました!」



φ(・ω・ )φ(・ω・ )φ(・ω・ )
【シンイチノート】
・俺は電車内テロの巻き添えを間接的に喰って死んだみたいだ。
・悪魔勇者召喚でテロ犯と犠牲者12人が召喚されたって、かなりヤバイのでは?
・……と思ったけど勇者様がなんとかするだろうから俺には関係なさげ。
・俺は勇者転生ではなく一般転生なんだと。それにしても「お笑い転生」ってちゃんと聞こえてたからな! でもハーレム展開なら文句ないから黙っとく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

処理中です...