異世界転生ハーレムプラン ~ 最強のスキルが【幼女化】ってマジですか?~

帝国妖異対策局

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第35話 スキル開発部 

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 閉じこもり5日目の朝、子コボルトたちを【幼女化】し終えたときにココロチンのメッセージが聞こえてきた。

(ぴろろん! 【幼女化】スキルがレベル6になりました。幼女化の持続時間が1年になります。魔力デポジットが13%。リキャストタイムが10分になりました。動物や非人間系の魔物を幼女化することが可能です。【幼女化ビーム】直進10m、貫通が付与できるようになりました) 

(おお、これで何でも【幼女化】できるようになったか!)

(何でもというわけではありません。使えないスキルであることは肯定です。微生物や昆虫などは【幼女化】の対象外ですし、ホムンクルスには効果がありますが、ゴーレムには効果がありません。また鳥と魚及びその系統の魔物も対象外です)

(えー、何それ使えねー。というか対象がよくわからん)

(マニュアルにはざっくり哺乳類っぽいやつと記載されてます)

(ちょっとぉー、それじゃ全然わからないんだけど?)

(では後ほどスキル開発部に問い合わせてみますね)

(そんなのがあるの? なら、少しクレーム入れさせてもらって良い? ちと言いたいことが山ほどあるんだけど!)

(そういえばスキル開発部にいる同期の精霊が【幼女化】スキルはエンジェル・キモオタの要求が厳しい上にコロコロと仕様変更が入るので、対応に追われてずっと家に帰れてないとか言ってました)

(問い合わせはもういつでもいいから、後回しでいいから、開発部のみなさんを休ませてあげて!)

(クレーム……なんでしたっけ?)

(クレームじゃなくて……ク、クレープ! そうクレープ! 後で神スパネットスーパーで買い物するときクレープ注文するから、開発部のみなさんに届けてあげて!)

(わかりました)

 俺の頭の中には想像でしかないが、デスマーチに突入し、ずっと家に帰れず床に寝袋を敷いてひたすら開発を続ける精霊さんたちの悲壮な姿が思い浮かんだ。

 うん。精霊さんたちの血と涙の努力があって、俺は【幼女化】スキルを使うことができるんだ。文句は……文句はあるけど、なるべく言わずに感謝の心で【幼女化】を使うことにしよう。

 お昼前の神スパでの注文時、俺はスキル開発部全員分のクレープと栄養ドリンク、さらにカップ麺を注文してココロチンに届けてもらった。

 その際、ココロチンに伝言をお願いした。

(この差し入れは、現状のスキルに大満足してる俺からのお礼だって伝えてね。もっと頑張れとお尻叩く意味は一切合切《いっさいがっさい》全くないからね。ほんと日頃の感謝だって伝えといて)

 後日、ココロチンが俺の差し入れをスキル開発部の皆さんが喜んでいたことを教えてくれた。

(みんな感激のあまり泣いてましたよ。スキルなんてのは正常に動いて当たり前。だから感謝されることなんて全くない。仕様通りに開発しても来るのはクレームばかり。ちょっとしたミスでもあろうものなら鬼の首をとったかのように激しく非難される。開発部の全員がもう死ぬしかないと思っていたところに田中様の愛が届き、もう少し生きてみてもいいかな……って思ったそうです)

(おうふ。 天上界の開発部も地獄なのか……)

(何言ってるんですか?)

(俺も無職になる前は同じような地獄にいたから同情しちゃうんだよ。というか俺の差し入のせいで、逆に開発部のみなさんの地獄を延長させてしまったんじゃなかろうか……)

(よくわかりませんが、開発部の方が田中様のお役に立てればと【幼女化】効果判定プラグインを作って導入してくれましたよ)

(うう、有難てぇ。でも決して無理しないでって伝えといて)

 【幼女化】効果判定プラグインは、「探知」を実行したときに視界にいる生物に対して【幼女化】が発動するかどうかがわかるというものだった。

 子コボルトがいるときに試してみると、全員の名前の横に〇《マル》が表示されていた。

 この追加機能の開発がどれほど難しいものなのか、あるいは簡単なものなのかは全然わからない。それでも俺は、地獄のデスマーチが続く中で血反吐を吐きながら(想像)このプラグインを作ってくれた開発部の皆様に魂の底からの感謝を捧げた。

 また時々は差し入れすることにしよう。

(ところでココロチン)

(なんでしょうか?)

(話を一気に戻すけど、この【幼女化ビーム】の貫通付与って何?)

(言葉通り幼女化ビームが貫通しますが?)

(人体なんか当然貫通するんだよね)

(貫通します)

(えっと、例えばこの洞窟の壁とかは?)

(貫通します)

(処女膜は?)

(セクハラですか? 死ねっ!)

(死ねってあなた、うら若き精霊がそんなこと言っちゃいけません。もしココロチンが三次元で直接俺にそれ言ったら、俺もう永遠に立ち直れないから)

(そうできないのが残念です。本当に……本当に……)

(念押すのやめて、立ち直れない限界点に到達しちゃうから)
 
 それにしても直進10mか結構長いな。俺はこの辺かな~と目安を付けて洞窟の壁に手を当てる。

「【幼女化貫通ビーム(意識継続、1時間)】!」

 1分もしないうちに、裸の幼女が怒鳴り込んできた。

「おい坊主! なんてことしやがる!」

 マーカス(幼女)の後に二人の幼女が続く。みんなカンカンに怒っていたが、幼女にいくら怒鳴られても全然怖くない。

「あー、驚かせちゃったね。ごめんねー。怖かったよねー」

 俺が三人の幼女の頭をそれぞれなでなですると、怒っていた幼女の顔はたちまち「ほへらぁ」と蕩けた。

 いままで俺がどれだけ幼女の相手をしてきたと思ってる。いまや俺の頭なでなでは、怒れる鬼神(幼女)をも一瞬で蕩けさせるレベルに到達しているのだ。

「って、そうじゃねーよ! いきなり幼女化するんじゃねーよ!」

 おっ、さすがマーカス(幼女)、立ち直りが早いな。

やってる・・・・最中に幼女化したらビビるだろうが!」
「【幼女化ビーム(1日)】!」
「ぬわっ」

 チッ、よけやがった。もう面倒くさくなったので、俺は幼女たちを追い出してふて寝した。

 俺の心を折ったのは幼女たちの怒号ではなく、「やってる最中に・・・・・・・」の一言だった。

 クソッ! うらやましい!

 もう寝るわ!
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