異世界転生ハーレムプラン ~ 最強のスキルが【幼女化】ってマジですか?~

帝国妖異対策局

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第36話 会議

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 天の岩戸にシンイチが閉じこもってから10日後。コボルト村では特に何か問題があるということはなかった。

 なんだかんだでシンイチは子コボルトたちの子守をしているし、必要な物資もロコを通じて提供される。村長としての判断が急ぎ必要になるようなこともない。意見が聞きたい場合はロコを通じて聞いたら回答が返ってきた。

 洞窟前広場に集まったマーカスたちは、シンイチの引きこもり対策会議を開いていた。

「このままでいいんじゃない?」
 
 マーカスの腕に見事なサイズのおっぱいを押し当てながらカレンが言った。

「そうだよ。別に何もこまってないじゃない」

 反対の腕にしがみつきながらエルザがほどよく膨らんだそれを押し当てる。

「そうはいうけど、少しは外の空気を吸って太陽の光を浴びないと健康を崩してしまうかもしれない」

 ネフューがフィーネの銀髪を指の櫛でとかしながら言った。

「そうだよ。このままじゃ兄ちゃん病気になっちゃうよ!」

 ヴィルがミモザとミッシールに耳をはむはむされながら言った。

「シンイチ、びょうき、なる、だめ」

 ロコ以外の誰一人として、シンイチの怒りを正しくは理解していなかった。

 ピーヒョロロロ。

 すっきりと晴れた青空に鳥の声が響いた。

「……あれだよな。坊主が妙にいら立ってる理由って」

「だろうね」

「えっ、兄ちゃんが怒ってる理由わかるの?」

「しんいち、つがい、ほしい、いない」

「ロコも兄ちゃんもなんで怒ってるか分かってるの?」

 コクリとロコはヴィルに向かって頷く。

「しんいち、こづくり、したい、けど、おんな、いない」

「あっ!」

 ヴィルが「今わかった!」という表情をしてみんなの顔を眺める。

「「「はぁ……」」」

 全員が同じタイミングでため息をついた。

「シンイチも年頃の年齢だしね。その気持ちはぼくもわからないではないよ」

「ちょっと……」
 
 フィーネがネフューに抗議しようとするとネフューは彼女の頬に手を当てて、

「もし君と出会えてなかったら、ぼくの心は君の幻影に恋い焦がれて狂っていたさ」

「ネフュー……」

 死ねっ!

「ん!? 何か言ったか?」

 マーカスが尋ねると全員首を横に振る。近くで遊んでいる幼女(子コボルト)たちがわーきゃーと騒ぎながら遊んでいた。

「子どもの声じゃないの?」

「そうか」

「そうよ」

 エルザの言葉を聞いてマーカスの意識は会議に戻った。

「坊主の問題ってのは要するに女ってことか。」

「そうだね」

「誰かが筆おろしをしてやれば解決するんじゃねーか」

 女たちが一斉にマーカスから顔を背ける。

 バキッ!

 幼女(子コボルト)の一人が枝を真っ二つに折っていた。

「カレン、お前、シンイチを男にしてや……」

「ちょっと! わたしを何だと思ってるの!」

「お前、神官だろ? ミトラス神殿じゃ神官が参拝者の相手をしてるじゃねーか」

「あんな邪教と一緒にしないで! わたしはラーナリア正教の神官なの!」

「あぁ、悪かった。ただ悩める少年を救うのに力を貸して貰えるんじゃないかって思っただけだ。こんな綺麗な女神
様が初めての相手だったらさぞ幸せだろうってな」

 立ち上がろうとしたカレンを自分の膝の上に引き寄せて、真剣なまなざしで彼女を口説いた後、マーカスはカレンの美しい胸元に口づけをする。

 ボキッ!ボキッ!

 幼女(子コボルト)の一人が太い枝を二本、真っ二つに折っていた。

 マーカスがミモザの方を見ようとする前に彼女は言った。

「あたしも絶対、絶対、ぜーーーたっい! 嫌だからねっ! そりゃあの子にはここに居させてもらってるから恩を感じてないわけじゃないけど、それとこれとは別よ! 生理的に無理!」
 
 それに続いて他の女たちが次々と所信を表明し始める。

「わたしも彼には恩があるし、それは返したいと思ってる。だが、わたしが自分の肌を許すのはこの世界が続く限りネフューだけだ」

「わたしもないかなー。イケメンだったら少し考えなくもないんだけど」

「ヴィルの子ども! ヴィルくんの子どもが欲しい! 」

「お前らまだガキの癖に……」

 バキッ! ボキッ! バキバキバキッ!

 幼女が太い枝を掴んでは蹴り、別の枝を掴んでは蹴って、次々と枝を折っていた。

「お、おい、ケンカでもしてんのか?」

 心配になったマーカスが声を掛ける。

「ふんっ!」

 何故かプンプンしている幼女が洞窟に向かうと、その後を五人・・の幼女(子コボルト)がトコトコと付いて洞窟の奥へと消えていった。

「な、何なんだ?」

「子どもだもん、ケンカなんていつものことでしょ」

「それよりも、シンイチのことだ。彼をこのままにしておくのはよくないよ」

 幼女のことは放っておくことにして、その場にいる全員が再び会議に戻る。

 洞窟の奥部屋では、6人の幼女がガツンと愛媛ミカンを美味しそうに食べていた。

「 ご褒美だよー」

「「「「「おいしー」」」」」

(魔力残存量が10%を切りました。【幼女化(セルフ)】が解除されます) 

 ボンッという音と共に煙が立ち上り、煙が消えたときにはシンイチの姿がそこにあった。



 ~ 奥部屋 ~

 ひきこもり生活は時間を持て余す。その間に俺はスキルについて色々なことを試したりしていた。【幼女化(セルフ)】はその成果のひとつだった。

 この【幼女化(セルフ)】は発動と維持に魔力を消費し、魔力が10%を切ると自動的に解除される。恐らくは自分自身をずっと幼女化してしまうリスクを回避するための制限だと思う。

 ただ魔力回復薬とかで魔力を補給すれば、魔力が回復した分だけ時間を延長することはできるようだ。

 俺は早速この【幼女化(セルフ)】を使い、幼女(子コボルト)の中に紛れ込んで外の様子を見に行くことにした。

 そして、マーカスたちが会議を開いているところに出くわしたというわけだ。

 そして今、俺の心はさっきボキボキと折った枝のように、真っ二つに折れていた。

「生理的に無理とか……アハハハ、泣くわ」

「シンイチ、ナイテル」

「シンイチ、ダイジョウブ?」

「ヨシヨシ、シンイチ、ヨシヨシ」

「ミカン、アゲル、コレ、タベル」

「ボクモ、ミカン、シンイチ、タベル」

 幼女(子コボルト)たちの慰めがなかったら、俺は魔王となってこの村にいる全員を【幼女化(1年)】しているところだった。

 畜生、あいつら相も変わらずいちゃつきやがって!
 
 うらやましいな! 畜生!
  
 俺の怒りポイントはそこだった。

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