異世界転生ハーレムプラン ~ 最強のスキルが【幼女化】ってマジですか?~

帝国妖異対策局

文字の大きさ
63 / 243

第63話 結婚

しおりを挟む
「よっ、おめっとさん! お前もこれでいっぱしの男だな!」

 朝まで愛し合っていた俺とライラは昼を過ぎた頃にようやく、秘密基地を出て洞窟広場へ降りてきた。
 
 もちろん手は恋人つなぎだぜ。やふぅ!

 そして今日、ライラ以外で最初に顔を合わせたのがマーカスだった。

「兄ちゃん! つがいが出来て! よかったな!」

 そして二番目がヴィル。

 そして三番目がネフューとフィーネ。二人は何故か生暖かい目と優しい微笑みを俺たちに向けてきた。

「ライラァァァ! シンイチ殿ぉぉぉ! ついに、ついに、結ばれたのですね! よかった! 本当に良かった!」

 ステファンが俺たちの前で男泣きを始めた。

 気づくと洞窟前広場には村人全員が集まっていた。

「どうしてみんな集まってるの? どういうこと?」

「どういうことって……そりゃお前とライラが結ばれたことをみんな喜んでるんじゃねーか」

「えっ、なに言ってんの? 俺とライラがどうかしたって……」

 段々と事情がつかめてきた――というより、受け入れがたい状況を受け入れざるえない状況に追い込まれているのを、俺は肌でひしひしと感じていた。

「おー、シンイチ! ようやくDTを卒業したのじゃな! これでようやくいっぱしの雄というわけじゃ! ワハハハ!」

「えーっと?」

 俺がマーカスに目で問いかけると、このおっさんトンデモナイことをやりやがった。

「ライラは綺麗だっつってんだろぉぉがぁぁぁぁ!」(マーカスによるシンイチのモノマネ)

「おうふっ」

 俺とライラは全身を真っ赤に染めた。二人とも頭から蒸気が出ている。

「そっから先は武士の情けで言わねぇけどさ……」
 
 マーカスが頭を掻き、俺から目を逸らしてそんな恐ろしいことを言った。

「若さ故の暴走ってのも嫌いじゃないわ」

「夜中に外で大声出すと響いちゃうよねー」

 いつの間にかマーカスの後ろにいたカレンとエルザがそんな恥ずかしいことを言った。

「ねっ、ミモザ。やっぱり外の方が気持ちいいんだよ」

「そうなのかなぁ。だったら今度試してみたいかも?」

「兄ちゃんの邪魔にならない日ならいいよ」

 相変わらずハーレム・ヴィルは通報案件のようだった。ヴィル、お前、本当に都条例違反はしてないんだよな? 都民ではない大陸狼族のミッシールはともかく、ミモザは都条例だかんな。
 
 俺とライラは彫像の様に固まっていた。

「傍から見てたらどっちも相手のことを好いてるってのに、イライラしてたんだよ。これでうまく収まって万々歳じゃねーか。なんならもう結婚しちまえよ」

 マーカスの言葉に、俺とライラはお互いそっと目を交わす。

「あら、わたし神官だから正式なやつできるわよ」

「カレンって神官だったの? 凄いね!」

「今更!?」

 カレンが神官だったことをエルザは今のいままで知らなかったようだ。

「おぉぉぉぉ! それは素晴らしい! ぜひそうしましょう! ええ、ええ、そうしましょう!」

 ステファンが涙をボロボロと流しながら、トンデモないことを言い出した。その様子をみたマーカスが俺の方を見て、

「どうなんだ、もちろん色々と時間を掛けることかもしれねぇ。しかし、人の運命にはタイミングってのがあって、今この瞬間、奇跡はその手にあるかもしれねぇんだぜ」

 もちろん答えは決まっていた。もしこれが転生じゃなかったら、俺は前世と同じ失敗をしていたかもしれない。大切な人の手を握るタイミングを二度と逃してなるものか。

「ライラ……」

 俺はライラの前に膝を付いてその手を取る。ライラの顔から戸惑いの表情が消えるまで俺は待った。そして――

「俺と結婚してください」

 ライラは俺に握られていない方の手を口元に持って行き、目に涙を溢れさせる。流れる涙が地面に届くその前に、俺は答えを聞くことができた。

「はい……」

 俺はライラの手の甲に口づけをする。立ち上がると同時にライラを両手で抱き上げる。今はまだ身体はライラの方が大きい。しかし、それはすぐに追いつくだろう。そしてすぐに追い越してしまうはずだ。

 俺はライラの方に顔を寄せ軽いキスを交わす。ライラはそれだけでは物足りず、俺の顔を押さえて深い口づけをしようとしてきた。

 俺がよろめいて数歩さがるとマーカスが背中を押さえてくれた。そしてライラとたっぷりと口づけを交わす。

「ちょっと待って!」

 カレンが俺とライラの顔を引き離す。カレンは急いで身なりを整えた後、俺たちの前でラーナリア正教の印を結び、早口で祝詞を唱えた。

「女神に祝福されしフィルモサーナの土より生まれ、いま女神ラーナリアの愛によりて結ばれし二つの御魂、彼のものたち命尽きるまで女神を称えしもの、その全てを祝福し、その命尽きるとき、二つにしてひとつの御魂を女神ラーナリアの楽園にとく迎え入れ給え。はい! キスして!」

 俺はライラと口づけを交わす。

「おめっとさん!」

「「おめでとう!」」

「兄ちゃん、おめでとー!」

「しんいち、おめでと、よき、よき」

「「「「「しんいちー、らいらー、おめでとー」」」」」

「シンイチ殿! ライラ! 本当によかった! よかった!」

 それから三日間に渡ってコボルト村は大宴会となった。

 こうして俺はライラと結婚し、

 俺はライラの夫となり、ライラは俺の妻となった。



φ(・ω・ )φ(・ω・ )φ(・ω・ )
【 作者ノート】
・シンイチ殿もついにDT卒業してしまいましたな。
・これでこの物語は一区切りですな。
・第2章では悪魔勇者という強敵が登場しますぞ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!

こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」  主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。  しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。 「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」  さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。  そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)  かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...