異世界転生ハーレムプラン ~ 最強のスキルが【幼女化】ってマジですか?~

帝国妖異対策局

文字の大きさ
202 / 243

第202話 帝都指定ゴミ袋温泉

しおりを挟む

「この足跡は、おそらくオーガのものですね。先程の魔族兵団と接触した際、ライラ様を運んでいた岩トロルの代わりに調達したのでしょう」
 
 フォーシアが地面に残された大きな足跡を調べて、そう判断を下した。俺の足の二倍はありそうな大きさの足跡だ。

 オーガという種族を俺は見たことはないので、とりあえずフワデラさんが全身毛むくじゃらになった感じのイメージをしておく。

 ヤバイ超怖そう!

「幸い……と言っては何ですが、ライラ様の元へ向うにはこのオーガの足跡を辿って行けばよいということでもあります。もし夜鬼を使って運ばれていたら、見失っていたかもしれません」

 夜鬼といえば、確かイゴローナックル戦でルカを襲った、怪人蝙蝠男みたいな連中だったか。

「どうしてアサシンたちは夜鬼を使わなかったの?」

「はっきりは分かりませんが、夜鬼というのは日中は力が落ちて、あまり活動できなくなるためかもしれません。また空を飛べば、夜中でも夜目の効く連中に見つかる可能性があります。もしかすると隠密に行動したかったということかもしれません」

 フォーシアが立ち上がって、俺の顔を覗き込んできた。

「シンイチ殿、今日はまだ進めますか? この足跡はまだ新しい。私たちはライラ様にかなり近づいているはずです。できればドランに入ってしまう前に、アサシンたちを押さえたい」

「もちろんだ! 早くライラのところへ行こう! でも3分だけ待って!」

 俺はフォーシアに後ろを向いてもらってからズボンを降ろした。

 ネットスーパーで買った筋肉疲労の塗り薬をふくらはぎに塗りたくった後、ふくらはぎサポーターを装着。さらに腰には冷湿布を張って、疲労回復ドリンクをがぶ飲みした。

「よっし! 準備完了! さぁ、ライラのところへ行こう!」

 と、元気を振り絞る俺を、フォーシアは呆れたような表情で見ていた。

「あの……私が先行して、後から追いついて頂いても良いのですよ?」

「大丈夫! 大丈夫! さぁ、行こう!」

 それから三時間後。

 へとへとになって地面に倒れ込んだ俺は、結局、フォーシアに先行してもらうことにした。

 毎日、幼女化体操してたし、色々と身体を鍛えてはいたので、それなりに体力が付いたと思っていたんだけどな。

 さすがに森の中を移動するエルフに、ずっと付いて行くのは無理があったようだ。

「ライラ様を見つけたら、アサシンたちは足止めはしておきますので、十分にお休みをとってから追ってきてください。いざ戦いのときに体力が尽きて動けないなんてことにならないように」

 フォーシアはそんな言葉を残して先に進んで行った。



~ 疲労回復 ~

 ゆっくりと歩いてフォーシアの跡を追っていると、また小川にぶつかった。

 陽もすっかり落ちてしまったので、ここで野営を張って休むことにした。

「足三里ってツボがあるらしいッスよ。えっと膝の少し下、向う脛のちょっと外側、そうその辺みたいッス」

 ネットスーパーで夜食を届けてくれた佐藤さんが、スマホで足の疲れを取るツボを調べてくれた。

 百均のツボ押し棒で、グリグリすると痛いながらも気持ちいいというMな快感に襲われる。

「おほぉおお! 気持ちひぃぃ!」
 
 ピュッ!

 冷たい水が俺の顔に掛けられた。

「おっ! リヴィ! 準備できたの?」

 リヴィがコクコクと頷く。

「準備ってなんすか?」
  
 佐藤さんが頭にクエスチョンマークが浮かんでそうな顔で聞いてきた。

 俺は小川の近くにある、小さなくぼみに敷き詰めた帝都指定ゴミ袋を指し示し、ドヤ顔で答える。

「これ、これだよ! 名付けて帝都指定ゴミ袋温泉!」

「えっ!? 温泉?」

「そう、温泉! リヴィ! ヴォルちゃん! お湯お願い!」

 リヴィがコクコクと頷くと、小川の流れが一部分かれて、くぼみの中に流れ込み始める。

 くぼみの少し手前では、先ほどからヴォルちゃんが川石に火を吹きかけて熱していた。

 川の水は、くぼみに流れ込む前に熱せられた石に振れる。最初はジューッと音を立てて蒸気が立ち昇っていたが、それもすぐに収まり、くぼみの中に温かいお湯が溜まっていく。

 俺は湯加減を確認してから、帝都指定ゴミ袋温泉に身体を横たえた。くぼみ自体は浅いので、横たわってなんとか身体が湯に浸かる程度ではあったが、それでも十分に気持ちよかった。

「ほわぁぁぁあ! 生き返るぅぅぅ!」
 
 ちなみにこの帝都指定ゴミ袋温泉、これで三度目なので、リヴィやヴォルちゃんによるお湯の量や温度の調整は、もはやパーフェクトと言って負い。

「おぉ、何すかそれ! 凄く気持ち良さげじゃないッスか!」

 佐藤さんがいたく感動してくれている。

「いやぁ、これくらいやって身体を癒さないと、エルフの脚力に付いて行けないんだよね」

「そんなに凄いんスか? エルフの脚力って」

「もの凄いったらもう! 岩場とかでもビュビューッって走っちゃうんだよ……」

 スーッ!

 絶妙な湯加減にリラックスし切って俺は、急に強烈な眠気に襲われ……。

「ほんと、お疲れなんスね。精霊さんたち、田中さんのことよろしくッス。田中さん、ライラさんが無事に戻……」

 落ちていく意識の中、佐藤さんが何か言っているのが聞こえていたが、何を言っているのかは聞き取ることができなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

処理中です...