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第223話 幼女(母親)
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雨が止み、雲の間から双月が顔を見せる。
突然の幼女の出現にエリザベスとエドワードが困惑する中、俺は父親の埋葬を急ぐよう二人に提案した。
俺とエドワードで墓穴を掘って、アルミン男爵の遺体を埋める。その間、エリザベスと幼女は無言のまま、外套にくるまれた父親の遺体を見つめていた。
その後、俺たちはアルミン夫人(幼女)を連れてライラ達のところへ戻った。
空気が急激に冷えてきたので、早急に野営の準備を始める。
俺は皆にテキパキ指示を出した。
「ライラ、今日は子供たちにはテントを使ってもらおう。馬車の荷台にテント張れるかな?」
「やってみます!」
「エドワード、悪いがライラの手伝いをしてやってくれないか」
「わ、わかった!」
「エリザベス! 俺のリュックにタオルがあるから、これで子供たちを拭いてやってくれ。あと乾いたシャツが入ってるから着せてあげて」
「わかりましたわ!」
「ローザちゃんとアリスちゃんは、エリザベスのお手伝い。ちゃんとお姉ちゃんの言うことを聞くこと!」
「「はーい」」
突然の指示に、状況がよく飲み込めないまま、全員が俺の指示に従って動き始めた。
その間、俺はネットスーパーを使って買い物を始める。
現在の状況を理解しているココロチンたちが、急いで買い物に走ってくれたおかげで、30分もしないうちに商品が届いた。
激しい雨が降ったばかりなので、焚き木を使うのは難しいだろう。
とういわけで100均の木炭と着火剤を使うことにする。
テキパキテキパキ
焚火を起こしている俺の背後では、みんなが一生懸命にそれぞれの仕事に励んでいた。
「そう言えばこの子は、母う……」
幼女にシャツを着せ終えたエリザベスが、何か余計なことを考え始めたので、俺は語気をやや荒げて、エリザベスにタオルとマウンテンジャケット上下一式四セットを渡す。
「エリザベス! この新しいタオルで子供たちを吹いてあげて! あとこれ、みんなの防寒着。サイズは全部大人用になってるから、この紐で縛って調整してあげて」
「わ、わかりましたわ!」
周囲が暗くなる中、馬車の荷台で作業を続け要るライラたちのところへ向かう。
「はいライラ! ランタン! 電池はもう入れてあるから!」
「ありがとうございます、しんいちさま! 助かります!」
ライラは俺が渡した3つのランタンを荷台の三方の端において、スイッチを入れる。
「「「!?」」」
急な光源の発生に、俺とライラ以外の全員が荷台に視線を向けた。
俺はやましいことを大声で誤魔化す感じで、大声を上げる。
「さぁ、これで作業しやすくなったでしょ! みんな怪我しないように注意してね!」
「そ、そうですわね……」
「あ、あぁ、そうだな」
「「はーい」」
テントが張り終わると、エリザベスから防寒着を渡されたエドワードが着替えを始める。
アリスとローザと幼女は、エリザベスに着せてもらい、紐を使っていい感じに調整されていた。
結果、幼女三人はもこもこした感じになったが、温かければ良いのだ。
それにカワイイ。
俺とライラは元々所持していたマウンテンジャケットに着替えた。
着替え終わった者が手持ち無沙汰にならないように、次に俺は食事の準備を進める。
「手が空いてる人は、このマットを敷いて食事する場所を作るのを手伝ってくださーい!」
俺は100均のウレタンマットを並べて見せる。
「こんな感じで地面に並べて行ってねー。一枚だけじゃ寒いから三枚重ねで!」
「わ、わかった」
「「はーい」」
マットが並べ終わったら、次は食事の準備だ。
気温が急速に落ちて来たので、温かいものを食べたいが、6人分ともなると準備に時間が掛るので、とりあえずは簡単に済ませることにする。
ウレタンマットの上に全員を座らせると、俺は一人ひとりにモノノフバーガーセットが入った紙袋を手渡していった。
「食べ方は、ライラを手本にしてね」
全員がライラが食べる様子を見ながら、ぎこちなくマネしている。
「「「!?」」」
モノノフバーガーを口にした全員の目が点になる。まぁ、俺とライラにとっては見慣れた反応だ。
「「おいしいー!」」※ローザとアリス
「旨い!」※エドワード
「なんですのこれは! 食べたことないですわ!」※エリザベス
「柔らかいパンに、柔らかい肉……公都にもなかったわ」※幼女
そんな様子を横目に、俺はアルミ製クッカーを木炭の上に置いてお湯を沸かす。
人数分の紙コップを用意して、皆の食事が落ち着いたところでホットココアを配った。
「はわーっ! 甘くておいしいのですー」※ローザ
「温かい……甘い……おいしい」※アリス
「うん。これも本当にうまいな」※エドワード
「はわぁぁ……サルミーア家のお茶会で頂いたお菓子よりも甘いですわぁ」※エリザベス
「ホント身体の芯から温まるわねぇ」※幼女
俺とライラもホットココアで身体が温まり、ホッとひと息を吐くことができた。
「「ホッ!」」※俺とライラ
「「「「ホッ!」」」」※四人兄弟
「ホッ!」※幼女
最初に気が付いてしまったのはエドワードだった。
「……って! ちょっとぉおお! こんな落ち着いてる場合じゃないだろぉおお!」
「まぁまぁ、エドワード、落ち着いてくれ。とにかく俺は、このホットココアを飲み干すまでは、豊かで優しくてリラックスした時間を過ごしたいんだよ」
俺がエドワードを宥めようと声を掛けると、幼女も加勢に入ってくれた。
「そうですよ! エドワード! 貴族の嫡男たるもの、どのような荒事の最中でも、お茶を楽しむときだけは、静かに過ごすものです」
「ですが母上……って、母上ぇええぇええええええ!」※エドワード
「その叱り方……って、母上ですのぉぉおおおお!」※エリザベス
「「ははうえー!」」※ローザとアリス
ズズッ。
俺とライラはジト目のまま、彼らの絶叫どこ吹く風でホットココアをススった。
今頃になって気付いたんかーい!
という心の全力ツッコミを、表に出すことはなかった。
まぁ、俺もなるべくバレるの引き延ばそうとしてたしね!
突然の幼女の出現にエリザベスとエドワードが困惑する中、俺は父親の埋葬を急ぐよう二人に提案した。
俺とエドワードで墓穴を掘って、アルミン男爵の遺体を埋める。その間、エリザベスと幼女は無言のまま、外套にくるまれた父親の遺体を見つめていた。
その後、俺たちはアルミン夫人(幼女)を連れてライラ達のところへ戻った。
空気が急激に冷えてきたので、早急に野営の準備を始める。
俺は皆にテキパキ指示を出した。
「ライラ、今日は子供たちにはテントを使ってもらおう。馬車の荷台にテント張れるかな?」
「やってみます!」
「エドワード、悪いがライラの手伝いをしてやってくれないか」
「わ、わかった!」
「エリザベス! 俺のリュックにタオルがあるから、これで子供たちを拭いてやってくれ。あと乾いたシャツが入ってるから着せてあげて」
「わかりましたわ!」
「ローザちゃんとアリスちゃんは、エリザベスのお手伝い。ちゃんとお姉ちゃんの言うことを聞くこと!」
「「はーい」」
突然の指示に、状況がよく飲み込めないまま、全員が俺の指示に従って動き始めた。
その間、俺はネットスーパーを使って買い物を始める。
現在の状況を理解しているココロチンたちが、急いで買い物に走ってくれたおかげで、30分もしないうちに商品が届いた。
激しい雨が降ったばかりなので、焚き木を使うのは難しいだろう。
とういわけで100均の木炭と着火剤を使うことにする。
テキパキテキパキ
焚火を起こしている俺の背後では、みんなが一生懸命にそれぞれの仕事に励んでいた。
「そう言えばこの子は、母う……」
幼女にシャツを着せ終えたエリザベスが、何か余計なことを考え始めたので、俺は語気をやや荒げて、エリザベスにタオルとマウンテンジャケット上下一式四セットを渡す。
「エリザベス! この新しいタオルで子供たちを吹いてあげて! あとこれ、みんなの防寒着。サイズは全部大人用になってるから、この紐で縛って調整してあげて」
「わ、わかりましたわ!」
周囲が暗くなる中、馬車の荷台で作業を続け要るライラたちのところへ向かう。
「はいライラ! ランタン! 電池はもう入れてあるから!」
「ありがとうございます、しんいちさま! 助かります!」
ライラは俺が渡した3つのランタンを荷台の三方の端において、スイッチを入れる。
「「「!?」」」
急な光源の発生に、俺とライラ以外の全員が荷台に視線を向けた。
俺はやましいことを大声で誤魔化す感じで、大声を上げる。
「さぁ、これで作業しやすくなったでしょ! みんな怪我しないように注意してね!」
「そ、そうですわね……」
「あ、あぁ、そうだな」
「「はーい」」
テントが張り終わると、エリザベスから防寒着を渡されたエドワードが着替えを始める。
アリスとローザと幼女は、エリザベスに着せてもらい、紐を使っていい感じに調整されていた。
結果、幼女三人はもこもこした感じになったが、温かければ良いのだ。
それにカワイイ。
俺とライラは元々所持していたマウンテンジャケットに着替えた。
着替え終わった者が手持ち無沙汰にならないように、次に俺は食事の準備を進める。
「手が空いてる人は、このマットを敷いて食事する場所を作るのを手伝ってくださーい!」
俺は100均のウレタンマットを並べて見せる。
「こんな感じで地面に並べて行ってねー。一枚だけじゃ寒いから三枚重ねで!」
「わ、わかった」
「「はーい」」
マットが並べ終わったら、次は食事の準備だ。
気温が急速に落ちて来たので、温かいものを食べたいが、6人分ともなると準備に時間が掛るので、とりあえずは簡単に済ませることにする。
ウレタンマットの上に全員を座らせると、俺は一人ひとりにモノノフバーガーセットが入った紙袋を手渡していった。
「食べ方は、ライラを手本にしてね」
全員がライラが食べる様子を見ながら、ぎこちなくマネしている。
「「「!?」」」
モノノフバーガーを口にした全員の目が点になる。まぁ、俺とライラにとっては見慣れた反応だ。
「「おいしいー!」」※ローザとアリス
「旨い!」※エドワード
「なんですのこれは! 食べたことないですわ!」※エリザベス
「柔らかいパンに、柔らかい肉……公都にもなかったわ」※幼女
そんな様子を横目に、俺はアルミ製クッカーを木炭の上に置いてお湯を沸かす。
人数分の紙コップを用意して、皆の食事が落ち着いたところでホットココアを配った。
「はわーっ! 甘くておいしいのですー」※ローザ
「温かい……甘い……おいしい」※アリス
「うん。これも本当にうまいな」※エドワード
「はわぁぁ……サルミーア家のお茶会で頂いたお菓子よりも甘いですわぁ」※エリザベス
「ホント身体の芯から温まるわねぇ」※幼女
俺とライラもホットココアで身体が温まり、ホッとひと息を吐くことができた。
「「ホッ!」」※俺とライラ
「「「「ホッ!」」」」※四人兄弟
「ホッ!」※幼女
最初に気が付いてしまったのはエドワードだった。
「……って! ちょっとぉおお! こんな落ち着いてる場合じゃないだろぉおお!」
「まぁまぁ、エドワード、落ち着いてくれ。とにかく俺は、このホットココアを飲み干すまでは、豊かで優しくてリラックスした時間を過ごしたいんだよ」
俺がエドワードを宥めようと声を掛けると、幼女も加勢に入ってくれた。
「そうですよ! エドワード! 貴族の嫡男たるもの、どのような荒事の最中でも、お茶を楽しむときだけは、静かに過ごすものです」
「ですが母上……って、母上ぇええぇええええええ!」※エドワード
「その叱り方……って、母上ですのぉぉおおおお!」※エリザベス
「「ははうえー!」」※ローザとアリス
ズズッ。
俺とライラはジト目のまま、彼らの絶叫どこ吹く風でホットココアをススった。
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