マインハール ――屈強男×しっかり者JCの歳の差ファンタジー恋愛物語

熒閂

文字の大きさ
28 / 83
Kapitel 05:門番

門番 01

しおりを挟む
 或る日の下校時。
 アキラ銀太ギンタ天尊ティエンゾンの三人は、いつもの如く商店街を訪れた。
 いつも通り買い物をしていると、程なくして商店街のど真ん中で中年のおじさんたちに包囲された。前にも後ろにも進めやしない。
 おじさんたちは何も三人に危害を加えようというのではない。とても低姿勢に天尊に縋った。

「頼むよ兄ちゃん、この通りだ」

「ティエンゾンさん以外には頼めないんだよ」

 白たちを包囲したおじさんたちは、ほとんどがこの商店街の店主たちだった。八百屋さんに魚屋さん、花屋さんに仏壇屋さん、漬け物屋さんに和菓子屋さんも。
 しかし、中には知らない顔もあった。白は天尊に耳打ちしようと背伸びをし、天尊は腰を曲げて耳を近づけた。

「えーと……どちら様? ティエンの知ってる人?」

「たまに行っているパチンコ屋の店長」

「昼間何してるのかと思ったらパチンコ行ってた? 道理でものすごくタバコ臭いときがあると思った」

「時間潰しに丁度よくてな」

 白は、天尊に縋りつくおじさんたちの集団の向こうにいる人物とはたと目が合った。銀太の保父さん・頌栄ショーエーだ。
 頌栄はいつも通り白にニコッと笑いかけた。

「これはどういうことですか? 頌栄先生」

「今日は商店街草野球チームの一員としてお願いに来ました」

 頌栄先生が草野球チームに入っているとは、白も知らなかった。どうして保父さんが商店街の店主たちと一緒になっているのかと思ったらそういうことか。
 頌栄は身体の正面で両手の指を組み合わせたお願いポーズで天尊と向き合った。

「お兄ちゃんに助っ人をお願いできないかと。野球の試合に出ていただきたいのです」

「何で俺が」

 天尊はスパッと突き放した。銀太のお迎えに行く毎日で、頌栄ともすでに顔見知りだが、思ったことは遠慮無く口にする性格だ。

「そのガタイだ。さぞかしスポーツは得意だろ~。力貸してくれよ~」

「頼むよ~。ティエンゾンさんよぉ~~」

 店主たちは、素っ気ない天尊の服や腕を掴んで縋りついた。
 白は、彼らがしつこく頼み込む様を見て、はてと首を傾げた。

「随分必死ですね」

「実は再来週の試合は因縁の一戦なのです」と頌栄。

「対戦相手は大型ショッピングモールの野球クラブ。商店街の皆様は、昔からここで店を開いている商売人のプライドにかけて絶対に負けられないそうです」

「草野球と商売人のプライドに何の関係が」

「昨日今日ポッとできてゴッソリ客をかっさらっちまうような強突く張りにゃあ負けられねェ!」

「アイツらの鼻っ柱をぶっ潰してやりてーんだよ!」

 店主たちは大変奮起していた。商店街の往来で拳を握って大声で力説。その熱量を以てしても、天尊には暖簾に腕押しなのだけれど。
 頌栄は銀太の前にしゃがみ込んだ。手を握ってニコニコと語りかける。

「銀太くんは、お兄ちゃんが野球してるところ見たくない? ホームラン打ってくれるかもしれないよ」

「ホームラン?」

「見たいよね、お兄ちゃんのホームラン。きっとカッコイイよ~」

「オレ、ティエンのやきゅーみたい✨」

 白は、頌栄に丸め込まれて素直に目を輝かせる銀太を見てクスクスと笑った。
 頌栄は幼稚園児の扱いなどお手の物。天尊本人に訴えかけても響かないと踏んで搦め手でくるとは、人畜無害な顔に似合わず意外と策士だ。

「銀太はこう言ってるけど、無理してやらなくていいよ、ティエン」

「そんな! そりゃあないぜアキラちゃんッ」

「せっかく銀太がこう言ってんのによ、子どもの期待裏切っちゃ可哀相だろッ」

 店主たちは非難囂々だが、白はまあまあと聞き流した。せっかくも何も、大人の目論みに利用したのではないか。まったく困ったおじさまたちだ。
 天尊は白の顔を見て首を傾げた。

「ヤキューとは何だ?」

「そっかー。ティエン、そもそも野球知らないか」

「まさか野球知らねェわけねェだろう。ベースボールは世界中にあんだ」

 白はすんなりと納得したが、店主たちはそうではなかった。到底信じられないという態度で食い下がる。
 白はふるふると首を左右に振った。

「いえ、本当にティエンは野球を知りません。だからティエンは戦力にならないので諦めて、ほかを当たってください」

 ムッ。――天尊は急に口をへの字に曲げた。

「俺が戦力にならんだと?」

「だってルール知らないでしょ。ティエンがどれだけ運動神経がよくても、ルール知らなきゃマトモにプレイもできないよ。人数合わせならまだしも、おじさんたちは負けたくないって言ってるんだから、ティエンじゃダメだよ」

 無論、白に悪気はなかったが、何気ない言葉がプライドの高い天尊を刺激した。

「つまり、俺は戦力外で役に立たん無能だということか。そんなことは言われたことがないぞ」

「そこまでは言ってな――」

「やってやる」

「だからルール知らないとできないんだってば」

「そんなものはどうとでもする。俺が無能ではないことを証明してやる」

 天尊が乗り気になり、店主たちは歓喜の声を上げた。銀太も訳も分からず飛び上がって喜んだ。
 天尊は自尊心が高く負けず嫌いな男。それがこのようなところでも発揮されるとは。白は半ば惘れて額を押さえた。
 頌栄は白のほうを向いてニパッと笑った。

「お兄ちゃんのプライドを刺激して乗り気にさせる高等テクニックですね。サスガはアキラちゃん」

「そんなつもりはないです💧」


 バッティングセンター。
 野球のルールを知らない天尊の実力が如何ほどのものか現状把握しようということになり、一同は商店街近くのバッティングセンターにやって来た。
 店主たちがまだ営業時間中であるのに店を放ってゾロゾロと。これだけでも白は奥さんたちのことを考えると充分に胸が痛む。

「バッティングセンターに教えるほどのルールなんかねェ。要は、飛んでくる球を打てばいいんだ」

「これがバット、あれがボール、な。あそこから飛んでくるボールをこの金属の棒でぶっ叩く」

 店主さんたちは天尊に金属バットを渡して得意気に説明した。
 店主たちは意気揚々、天尊も乗り気、銀太もワクワク。しかし、白だけが気が進まない表情だった。

「ねえ、やめておいたほうがいいよ。骨折ったばっかりなんだから」

「もうくっついた」

 天尊は白と目も合わせずにツンと言い放った。
 白にはその仕草が子どもっぽく見え、腹は立たなかった。むしろ、クスッと笑ってしまった。

(アレ、スネてるんだろーなあ)

 天尊はバッターボックスに立った。
 白と銀太は、店主たちや頌栄と一緒に金網越しに天尊を見守る。白は本当に治ったかどうか定かではない怪我が悪化しなければよいがと心配し、銀太は「めっちゃうてよー!」と無邪気な檄を飛ばした。
 ピッチングマシンが動き出しても、天尊はバットを手にぶら下げたままだった。

「もう球来るぞ。構えて構えて」

「あ? 構え?」

「本当に野球見たこともないんか!」

(見たことないんです💧)

 白は苦笑いするしかなかった。
 天尊は当然にバッティングのフォームなど心得がない。ボールが発射されるという地点を見据えた。
 バシュンッ、と素早い音で白球が発射された。
 カキーン!
 天尊はバットを片手で振って器用にボールを捕らえた。白球は弧を描いて飛んで行った。

「おー!」と店主たちから思わず感嘆の声が上がった。銀太もスゲースゲーと大喜び。
 カキーン! カキーン! カキーン!
 一定の間隔で白球が発射される度に、天尊はそれらをことごとくバットに当てて快音を響かせた。

「おおおおおッ!」

「ウ、ウソだろ……全球打ってんじゃねェか。なんちゅう目だ」

 全球終了。
 天尊がバッターボックスから出て来ると、店主たちはすぐさま取り囲んだ。よい大人たちが肩を組んで天尊の周りを回り、子どもみたいな大はしゃぎ。

「こっ、これは想像以上だ! ルールさえ教えこめば戦力なんてものじゃない! プロ並みだわはははははッ!」

 天尊は店主たちの向こうにいる白に向かってフフンと得意気な表情を見せつけた。
 白には「誰が戦力にならないって?」と天尊の心の声が聞こえた気がした。

(ムキになっちゃって。大人げないなあ)


  § § § § §


 翌日の夜。
 野球の練習が始まった。
 チームメンバーはみな、昼間の仕事を定刻に切り上げ、各々野球用品を持ってジャージ姿で町内のグラウンドに集合した。
 草野球チームの中心人物は、酒屋のクニさん、パーラー・ピーチのノブさん。
 天尊は持参した大きな紙袋を二人にズイッと差し出した。何故かやや不機嫌だった。

「アキラが持って行け、と」

 國さんとノブさんは紙袋を受け取って中を覗きこんだ。

「お~、握り飯か。家でゆっくり晩メシ食ってるヒマねェからありがてえな」

「あと伝言。ティエンは野球は素人ですので、皆様には御迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いします……だそうだ」

 天尊が不機嫌な原因は、この伝言の所為だ。
 白からの伝言を聞いた一同は、おおーと感嘆を漏らした。

「アキラちゃんは気が利くしホントできた子だよな。とても中学生とは思えねェ。うちのカミさんにも見習ってほしいくらいだ」

「今は髪も短くてよ、男の子みたいにしてるが、もう何年かすりゃあ年頃の娘だ。その頃には器量好しになってるぜ。俺が20歳若けりゃな~」

「20じゃ足りねェだろ。30は若くねェと若い娘に相手にされるかよ」

 ズダァアンッ!
 おじさんたちが笑い合っている最中、突如としてグラウンドの照明に稲妻が落ちた。
 おじさんたちは血相を変えた。

「ギャーッ‼ 商店街のみんなで出し合ったナイター設備がーーッ!」

「落雷⁉ 今日の予報、晴れだったよな⁉」

 犯人である天尊は、フンと鼻で息をして腕組みをした。
 阿鼻叫喚のおじさんたちの中で、頌栄は変わらずニコニコして立っていた。お兄ちゃん、お兄ちゃん、と天尊を手招きした。
 頌栄の隣には煙草屋の小倅・戴星タイセー。主に商店街の店主たちで構成される草野球チームのメンバーでは、彼らが最も若手だ。
 天尊が近づき、二人はペコッとお辞儀した。

「僕たちがお兄ちゃんの指導係になりました。よろしくお願いします」

 天尊は戴星へと目を遣った。

「お前もいるのか」

「俺だって商店街の一員ッスからね」

 戴星は得意気にドンッと胸を叩いた。

「ティエンゾンさん、野球のルール知らないって聞きましたよ~。知らないって言っても、バットとグローブぐらいは分かるっしょ?」

 天尊は片眉を引き上げて黙っていた。
 戴星はジョークのつもりで言ったのに通用せず「え……」と顔色を変えた。

「バ、バットとグローブっスよ? そんな何言ってんだコイツみたいな顔されても」

「知らん。何を言っているんだお前は。俺に解るように話せ」

「⁉」

「これは徹底指導が必要ですね」と頌栄。
 彼も天尊同じく紙袋を持参していた。その紙袋を天尊の胸の高さにハイと差し出した。
 ずしり。――天尊は重量感のある紙袋を受け取った。

「ルールブックです」

「テキストは好かん。俺は体で覚えるタイプだ」

「試合まで時間がありませんので、明日までに覚えてきてくださいね」

「猶予一日かッ!」


 疋堂ヒキドー家。
 天尊は野球の練習が始まってからというもの、連日連夜読書に耽っている。子どもたちが学校にいる間も、野球の練習の前後も。就寝前の今もリビングのソファで仰向けになって読書中。
 白はリビングに天尊の飲み物を運んできて「うわー」と声を上げた。天尊の足許に書籍が平積みだったからだ。書籍はすべて頌栄セレクトの入門書や野球指南書。

「これ全部、野球の本? 何で英語なの」

 天尊はパタンと本を閉じてテーブルの上に放った。上半身を起こした天尊は、うんざりという表情をしていた。元々野球に興味があるわけではないから読んでも読んでも頭の中に入ってこない。

「知るか。センセエなりの気遣いだろ。気を遣うならボリュームに配慮してほしいもんだ。絶対に俺を暇人だと思っているぞ」

「昼間パチンコに行ってほぼ毎日幼稚園のお迎えに来るくらいだから、お仕事には行ってないと思われてるんだと……」

「無職だと言った覚えはない💢」

 白は天尊のマグカップをテーブルの上に置いた。
 天尊はマグカップを手に取って口許へと運んだ。ブラックコーヒーの香りを嗅いでマグカップに口を付けた。
 白は天尊にズイッと顔を近づけた。

「何だ」と天尊。

「ティエンが試合に出るって決めたのって、戦力外扱いされて悔しかったから? それとも銀太に見たいって言われたから?」

「どっちもある」

 白は辟易している天尊の横顔に向かって苦笑した。何気なく出た一言の所為で天尊に苦労を強いてしまい、申し訳ないことをした気分だ。

「じゃあどっちもゴメンね」

「別に謝られるほどのことじゃない」

 白は申し訳なさそうに天尊の足許に積まれた書籍に目を遣った。

「謝りたくもなるよ。こんな大変なことになると思わなかったから。ゴメンね」

「ごめんと言うな。よくない口癖だぞ」

 天尊は「オイ」と白の額をコンと小突いた。
 白はキョトンとして自分の額に触れ、天尊を見た。
 天尊は謝罪の言葉を嫌う。否、違う。感謝の言葉を欲している。打算の介入しない純粋な賛辞を望む。褒められる喜びを知ったばかりの子どものように。

「ありがとう」

 白がニッコリと微笑んでそう言い、天尊は額に皺を寄せて満足げに笑った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

女帝の遺志(第二部)-篠崎沙也加と女子プロレスラーたちの物語

kazu106
大衆娯楽
勢いを増す、ブレバリーズ女子部と、直美。 率いる沙也加は、自信の夢であった帝プロマット参戦を直美に託し、本格的に動き出す。 一方、不振にあえぐ男子部にあって唯一、気を吐こうとする修平。 己を見つめ直すために、女子部への入部を決意する。 が、そこでは現実を知らされ、苦難の道を歩むことになる。 志桜里らの励ましを受けつつ、ひたすら練習をつづける。 遂に直美の帝プロ参戦が、現実なものとなる。 その壮行試合、沙也加はなんと、直美の相手に修平を選んだのであった。 しかし同時に、ブレバリーズには暗い影もまた、歩み寄って来ていた。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...