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Kapitel 01
09:暗愚と盲目 02
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ヴァルトラムはビシュラを見つけてすぐに壁際に追い詰め、ビシュラの姿はぞろびきそうなほど長い瑠璃色のマントに隠されていた。付かず離れず怯えつつヴァルトラムを監視していた数人の所員は、ヴァルトラムが邪魔くさそうに腕を振ってマントを払ったときにようやくビシュラの姿を見つけた。
「あれは初等所員のビシュラではないか。あのヴァルトラム大尉殿が何故ビシュラを」
「大尉殿はビシュラが三本爪飛竜騎兵大隊から戻ってきて以来、ビシュラの異動を求めて何度も書状を送ってこられておる。所長はご返答を保留されたとの噂だったが、本日ついにご本人がおいでになったのだ」
「一年目で異動など異例だぞ。何故ビシュラばかりがこうも重用されるのだ。イヴァン所長からの覚えもよいというのに」
これも再三の記述であるが、ヴァルトラムは耳がよい。故に所員たちが物陰にて小声で話している内容も耳に届いた。自分やビシュラの名前が出たとなれば尚更だ。
「ちょっとした有名人みたいじゃねェか、ビシュラ」
「そ、そのようなことはッ」
ビシュラはヴァルトラムに揶揄われ、プルプルッと首を左右に振って否定した。
「ビシュラは〝四ツ耳〟との噂だ。召使いにでも丁度良いとお気に召したのだろう」
ズドンッ!
砲丸がめりこんだような重たい衝撃音。無表情だったから何をしたのか分からなかったが、ヴァルトラムがブーツの踵を床に打ちつけた音だ。
パリンパリンッ、ビシッ。――踵から発せられた衝撃は波となって壁や床や天井を舐め、照明を割った。
ヒイッヒイイッ、と所員たちは悲鳴を上げて慌てふためく。
ヴァルトラムはビシュラの上に瑠璃色のマントを被せて破片から庇ってやった。吃驚したビシュラは、マントの隙間からヴァルトラムを見上げた。
「な、なにを……ッ?」
「雑魚どもがジロジロうざってぇからよォ」
ヴァルトラムはマントをビシュラの頭の上から退ける際に破片を払い除けてやった。
「オメエはそう思わねェのかよ」
「わたしはイヴァン所長からご推薦をいただいて試験免除で入所いたしました。それをあまりよく思わない方がいらっしゃるのは当然です。それに、あの、わたしは……」
ビシュラはヴァルトラムから目を伏せ顔を逸らした。申し訳なさそうに、何かを恥じるように。
「わたしは……〝四ツ耳〟なので」
ヴァルトラムがたった一度だけ目にした長い獣耳。ビシュラはそれを普段は徹底して隠し、決してそれが人目に触れないようにしている。その理由のひとつは、〝四ツ耳〟というだけでこうやって悪し様に陰口を叩かれて卑下されるから。
ヴァルトラムがハッと鼻先で笑った。
「それがどうした」
(……そうでした。ヴァルトラム歩兵隊長さまは、わたしの耳を見ても莫迦になさったり蔑んだりなさらなかった)
――「別に隠すこたねェ。可愛いぞ、ビシュラ」――
ビシュラはあの夜の言葉を思い出した。この〝四ツ耳〟を見てあのようなことを言ってくれたのは、ヴァルトラムだけだ。本当になんてことないように言い放って蔑むどころか褒めてくれたのは、ヴァルトラムだけだ。あの一言で大いに心を揺さぶられ、正直嬉しかった。あのように酷いことをされたのに、あの言葉だけは嬉しくてしょうがなかった。
あのように酷いこと……そこまで思い至り、ビシュラの顔はボッと火を噴いた。あの夜の情事はビシュラの羞恥心では耐えかねる。
「俯くな、顔上げろ。お前はこれから三本爪飛竜騎兵大隊になるんだからな」
「え⁉」
ビシュラはポカンと口を半開きにした。
黒い詰め襟に瑠璃色の長いマント。腰回りには帯刀、胸元には武勲の証。強さと勝利を象徴するこの男と同じ軍服に身を包むというのか。不相応すぎて想像が追いつかなかった。
「入隊試験はパスしてんだ。俺のところに来るっつうことはそういうことに決まってんだろうが」
「し、しかしわたしは〝観測所〟の所員です。突然三本爪飛竜騎兵大隊の隊員になるなんてそのようなこと」
「突然じゃねェ。俺ァ何度も書状を出してるぜ。シカトしてやがんのはオメエの上司のほうだ」
「わたしの上司というと、まさか所長に?」
ビシュラは申し訳なさそうな顔を見せた。
「所長がヴァルトラム歩兵隊長さまの書状にお返事なさらないのは、それが返答ということなのでは……」
「あァ?」
「わたしの異動を許可しない、というご意志なのだと思います。わたしは今年入所したばかりの新人です。転属や配置換えは希望できませんし、ましてや〝観測所〟の外へ出るなど考えられません」
「関係ねェ。俺がそうするって決めたんだからよ」
ヴァルトラムはビシュラの腰を掴みヒョイと持ち上げると、自分の肩に担ぎ上げた。
「言ったろうが。嫌つっても攫ってくってな」
「ダ、ダメです! いけません! ヴァルトラム歩兵隊長さまがそのようなことをなされば、いくら所長とニーズヘクルメギル大隊長さまがご懇意になさっていると言っても〝観測所〟と三本爪飛竜騎兵大隊が対立することにもなりかねませんっ」
「上等じゃねェか。ケンカでも戦争でも何でもしてやらァ」
ヴァルトラムはビシュラと会話しながら早足でスタスタと廊下を歩いて行く。来た道を戻れば出口に辿り着くはずだが、初めての場所をビシュラのニオイを辿ってあちらこちらへ歩き回ったものだから、正確に逆戻りできる自信はない。
「面倒臭ェな。真っ直ぐ行くか」
ヴァルトラムは足を止めて窓側の壁を見た。此処が塔の何階かは忘れたが、壁一枚破れば外だ。ぐるぐると来た道を順繰り順繰り戻るよりは手っ取り早い。
「真っ直ぐ? え?」
「壁を突っ切る」
「わああーーッ! ダメですダメです! 壊さないでくださいッ」
ビシュラはヴァルトラムの肩の上で手足をバタつかせて抵抗した。
ふたりの会話が聞こえてくる監視係の所員たちもオロオロと大慌て。ヴァルトラムに敵うはずがないから阻止したくともできない。
〈――所長より入電〉
突然、脳内に響くアナウンス。
プログラムを使用する者は、脳内にいくつかの回線を有することが可能であり、情報を送受信できる。
〈お前たち、そこにヴァルトラム大尉とビシュラがいるだろう〉
観測所内部での出来事は所長にはお見通し。所員であれば所長に言い当てられたことに驚きはなく、彼らは「はい、はい」と何度も頷いた。
〈私がいる応接室まで案内を頼む〉
「わ、私どもがですか」
〈できないか?〉
「大尉殿が私どもに従ってくださるとは到底思えません。ご気分を害されたら切り捨てられるのではないかとヒヤヒヤで……」
〈ならばビシュラに頼むとしよう。ビシュラならばできるだろう〉
(クッ。やはりビシュラは特別扱いか……ッ)
戦闘には縁遠い研究職とはいえ、やる前からこうも弱腰では妥当な評価だ。西方森林というイーダフェルトから遠く離れた誰も行きたがらない僻地にビシュラは単身で赴き、見事任務を全うして帰還した。そればかりか飛竜の大隊の大隊長からの評判よろしく、歩兵隊長からは異動を望まれる異例の展開。所長からの評価や期待が上がるのは必然だ。
「ハイ、所長!」とビシュラは入電を受信した。
「えッ、お会いになるのですか? いえ、しかし、ヴァルトラム歩兵隊長さまと直接お会いになるのは少々危険といいますか……」
「今さら野郎に会うのなんざ面倒臭ェな」
「何を仰有るのです。所長はお忙しいのにヴァルトラム歩兵隊長さまの為にお時間を作ってくださったのですよ」
「オメエ、俺のことはヒマだと思ってンのか」
「あああ、そのようなことは~! 申し訳ございません、申し訳ございませんッ」
ビシュラはヴァルトラムをイヴァンから指示された応接室へと案内した。
室内には所長イヴァンと副所長、そして緋。三人はテーブルを挟んでソファに座っていた。クリーム色の壁には絵画と本棚、背の高い台には生花が挿された花瓶、天井には疑似ディスプレイの機材、三人が囲むガラス板のテーブルには飲み物が人数分。流石に荒事とはかけ離れた研究職とあって飛竜の大隊の簡素すぎる応接とは異なり知的で和やかな雰囲気の部屋だ。
ヴァルトラムはビシュラに促され、緋の隣にどさっと座った。
(よく知りもしない場所でビシュラを自力で見つけ出すとは、歩兵長の鼻はマジでどうなっているんだ)
緋は半ば呆れつつ横目でヴァルトラムを見た。常人離れしたスペックなのに、その能力をもっと有意義に使おうとは考えないのだろうか。……考えないだろうな。
イヴァンは、ドア付近に立っていたビシュラを手招きした。
ビシュラは四人が座るソファに近づいたが、この人たちと新米所員ではあまりにも身分に隔たりがある。ピシッと背筋を伸ばして緊張しているものの所在なさげだ。
ビシュラ、と所長から声をかけられ、緊張のあまり上擦った返事をしてしまった。
「まずは三本爪飛竜騎兵大隊への派遣任務、完遂おめでとう。大隊長から丁重な礼状が届いていた。よくやった。お前ならばできると信じていたぞ。お前を選んだ私も鼻が高い」
「あ、ありがとうございますッ」
ビシュラはイヴァンに向かって深く頭を下げた。一所員がその長から直々に労いを犒われるのは光栄なことだ。
イヴァンは一呼吸をおいて「で、本題だが」と切り出した。ビシュラはそっと顔を上げた。
「お前には話していなかったが、実はそちらの大尉殿から三本爪飛竜騎兵大隊への異動を要請されている」
「先ほど伺いました……」
おいおい、何故残念そうな声を出す。ヴァルトラムはビシュラをチラッと見た。
「お前はどう考えている? ビシュラ」
「わたしですか?」
「三本爪飛竜騎兵大隊への異動は君も希望するところなのか、と所長はお訊ねになっているのだ、ビシュラ」
副所長に回答を急かされ、ビシュラは俯いてしまった。
彼女にとってはヴァルトラムが現れたのは突然だ。望まれていると知ったのもつい先ほど。所長から訊ねられてもすぐには適切な返答が出てこなかった。自分の返答如何によって〝観測所〟と大隊が対立することにでもなったらどうしようと、分不相応すぎる不安で心臓が痛い。
「お前は三本爪飛竜騎兵大隊へ行きたいか? ビシュラ」
「わ、わたしは……」
「お前のしたいこと、お前の望みは何だ?」
そう問われ、ビシュラの思考は停止した。
所長は何故このようなことを訊ねるのだろうか。この局面において重要なのは一個人の意思ではなく、大きな権力を持つふたつの勢力が如何に衝突を避けるか、マイナスを最小限に抑えるか、影響を与え合わないか、ではなかろうか。
自分の意思、そのようなものはビシュラ自身にとってもどうでもよいことに思われた。それを尋ねる所長の真意も推し量れず、頭が上手く回転しない。
「お前も知っているだろうが、三本爪飛竜騎兵大隊はアスガルト各地を飛び回る実働部隊。先の派遣以外は〝観測所〟の外へほぼ出たことがないお前には過酷な環境になることは目に見えている。学院で得た知識こそあれ、戦闘経験は皆無。戦力としては新兵以下だろう。そもそもお前の気性では荒事には向くまい」
イヴァンの言っていることはすべて正しい。ビシュラが黙りこんでいると、ヴァルトラムがハッと嘲弄した。
「反対するっつうことか? 別にしても構いやしねェ。ここぶっ壊して連れて行くだけだ」
「歩兵長。そんなにハッキリ言うな」と緋。
イヴァンは冗談のようにハハハと笑った。
「それは困る。ここには貴重なデータが集まっている。ダメにされたのでは研究が滞ってしまうな」
ヴァルトラムをよく知らないというのは暢気なものだ。緋は破顔したイヴァンを見て、半分羨ましいような呆れたような気分だった。
「それに、そんなことはする必要はない。私はビシュラの意思を尊重する。大隊へ行きたいというのならそうさせよう」
ビシュラは弾かれたように顔を上げてイヴァンを見た。
「イヴァン所長……本当にそのようなことを……? わたしはまだ入所したばかりです。〝観測所〟には、所長のお傍には、わたしは必要ないということですか……?」
まるで見捨てられたかのような驚き様だ。信じられない裏切りをされたかのような、天変地異でも起こったかのような。この娘は世間知らずであるが故、現実と自分の予想とが少々食い違ったくらいで、この世の最後がやってきたような気分にでもなっているのだろう。
「必要ないのかと、お前から私に問うのかビシュラ。先に私からの問いかけに答えるべきだ。お前はどうしたいのだと、私はお前に尋ねたぞ」
「わたし如きが希望を述べるなど烏滸がましいです。〝観測所〟に入所できたのも所長のお力添えがあったからなのに、所長のご意向に背くなんて……」
「私がそれを許す」
ビシュラの目がゆっくりと大きく開かれてゆく様を、ヴァルトラムは黙って観察した。イヴァンが「許す」と口にした瞬間、ビシュラの目は確かに揺れ動いた。そして、イヴァンがビシュラのなかで如何に大きな存在であるかを思い知る。
不愉快だ。ビシュラが〝観測所〟を離れる許可を得たことはヴァルトラムにとって願ったり叶ったりだが、胸が悪い。そもそも許可を得るとは何だ。何故この俺が何の義理もない〝観測所〟の所長なんぞに許可を乞う必要がある。
ヴァルトラムは所員をくれと要求するくせに、頭のひとつも下げない。書状も緋が用意したものにサインをしただけだ。つまり、ビシュラを迎えに来た以外は何もしていない。そのくせ、ビシュラが所長に対してあまりにも従順なものだから癇に障る。
「私がそうしろと言ったなら、お前は自分で考えることを止めて私が言ったとおりにしてしまうだろう」
そうか、この男の言うことならばビシュラは無条件に鵜呑みにするのか。そうかそうか、そこまで服従が板に付いた扱いやすい者はなかなかいない。
――とんでもない莫迦だ。
ドスンッ!
ヴァルトラムは肘掛けに頬杖を突いた体勢のまま、踵を床に叩きつけた。床が割れて四方に大きな亀裂が走った。
「歩兵長。ここは隊舎じゃない。抑えろ」
「さっさと決めろ。つまらねェ問答に俺が飽きる前に」
ビシュラが何と答えても、イヴァンが何と言っても、ヴァルトラムはビシュラを連れ去るつもりなのだから、イヴァンがわざわざビシュラの意思を確認するのは、ヴァルトラムにとっては時間の無駄でしかない。その上、イヴァンのビシュラへの影響力を見せつけられる不快な時間だ。
緋はヴァルトラムが静かに苛立っていることを察知した。ビシュラに早くしろと視線を送ったが、ビシュラはオドオドするばかり。
対照的に、イヴァンは微塵も焦ってはいなかった。ヴァルトラムの苛立ちを察していないはずがないのにだ。
「ビシュラ。お前は自分の生き方というものを考えたことがあるか。私はお前に教育を施し、知識を与えた。〝観測所〟所員という身分と責任を与えた。これから先も私から与えられる命令だけに従って生きるつもりか。何かしらの決断をしたとき、己の意思だと言い切れるか。私に左右されていないと言い切れるか。生きるとは、そういうことではない。自分が何をすべきなのか自分で考え、自分の勇気で行動するのだ。自分の決定は自分で担保するのだ」
与えられたものに縋りつくのは悪だ、とイヴァンが言っているとビシュラは理解した。時には与えられた恩恵を否定してでも、善なる行いをしろと言う。善悪の定義さえも自分で決めろと言う。今まで何もかもを与えてくれたのが嘘のように、質問と決定を投げかける。
――この人が現れたから?
ビシュラはヴァルトラムを見た。ヴァルトラムもこちらを見詰めていた。
ヴァルトラムと出逢ったのは世界の終わり。ビシュラが知っている狭い狭い世界の外縁。ビシュラが還るべきだった世界を壊した人。すべてを与えられる安寧と安穏から切り離す存在――――スマラークトの双眸を持った魔物。
「わたし、には……できません」
ふう、とビシュラの視界の外から溜息が聞こえてきた。
途端に心臓がバクバクと拍動して呼吸が苦しくなった。期待を裏切ってしまった。何もかもを与えてもらった、期待されていると思ったのに。自分のような存在でも、イヴァンにとっては何か役に立つことがあると思っていたかった。
イヴァンはフッと笑みを零した。
「……分かった。突然のことで途惑っているだろう。急に求められてできないのも仕方がない。お前は今まで何ひとつ己で決めてこなかったのだから。今回も、私が決めてやろう」
イヴァンはビシュラの手を掬い上げた。もう一方の手をビシュラの手の甲に添えてポンポンと撫でた。
「三本爪飛竜騎兵大隊へ行きたまえ、ビシュラ」
§ § §
ヴァルトラムたちが去った後、所長は冷め切ったカップに口を付けた。
副所長はビシュラが出て行ったドアのほうを見詰めた。兵士の何たるかなど、戦場での術など、これから起こるであろうことなど何を考えず、己が属していた世界――――〝観測所〟のこともほとんど何も知らないまま、無知な娘は去って行った。
「まさか所長がビシュラを手放されるとは思っておりませんでした」
副所長はドアを眺めながらそう言った。
イヴァンがカップを元の位置に戻すとカチンと鳴った。
「アレは、籠の鳥だ」
「ビシュラにとって〝観測所〟は鳥籠ですか。鳥籠のなかにいれば安全でありエサももらえる、と」
「鳥籠のなかにいるだけでは私の予測を超える成長は無い。アレにはもっとたくさんのものを見て感じ、経験して学び、大いに成長してもらわなくてはならん。私の為に」
「あれは初等所員のビシュラではないか。あのヴァルトラム大尉殿が何故ビシュラを」
「大尉殿はビシュラが三本爪飛竜騎兵大隊から戻ってきて以来、ビシュラの異動を求めて何度も書状を送ってこられておる。所長はご返答を保留されたとの噂だったが、本日ついにご本人がおいでになったのだ」
「一年目で異動など異例だぞ。何故ビシュラばかりがこうも重用されるのだ。イヴァン所長からの覚えもよいというのに」
これも再三の記述であるが、ヴァルトラムは耳がよい。故に所員たちが物陰にて小声で話している内容も耳に届いた。自分やビシュラの名前が出たとなれば尚更だ。
「ちょっとした有名人みたいじゃねェか、ビシュラ」
「そ、そのようなことはッ」
ビシュラはヴァルトラムに揶揄われ、プルプルッと首を左右に振って否定した。
「ビシュラは〝四ツ耳〟との噂だ。召使いにでも丁度良いとお気に召したのだろう」
ズドンッ!
砲丸がめりこんだような重たい衝撃音。無表情だったから何をしたのか分からなかったが、ヴァルトラムがブーツの踵を床に打ちつけた音だ。
パリンパリンッ、ビシッ。――踵から発せられた衝撃は波となって壁や床や天井を舐め、照明を割った。
ヒイッヒイイッ、と所員たちは悲鳴を上げて慌てふためく。
ヴァルトラムはビシュラの上に瑠璃色のマントを被せて破片から庇ってやった。吃驚したビシュラは、マントの隙間からヴァルトラムを見上げた。
「な、なにを……ッ?」
「雑魚どもがジロジロうざってぇからよォ」
ヴァルトラムはマントをビシュラの頭の上から退ける際に破片を払い除けてやった。
「オメエはそう思わねェのかよ」
「わたしはイヴァン所長からご推薦をいただいて試験免除で入所いたしました。それをあまりよく思わない方がいらっしゃるのは当然です。それに、あの、わたしは……」
ビシュラはヴァルトラムから目を伏せ顔を逸らした。申し訳なさそうに、何かを恥じるように。
「わたしは……〝四ツ耳〟なので」
ヴァルトラムがたった一度だけ目にした長い獣耳。ビシュラはそれを普段は徹底して隠し、決してそれが人目に触れないようにしている。その理由のひとつは、〝四ツ耳〟というだけでこうやって悪し様に陰口を叩かれて卑下されるから。
ヴァルトラムがハッと鼻先で笑った。
「それがどうした」
(……そうでした。ヴァルトラム歩兵隊長さまは、わたしの耳を見ても莫迦になさったり蔑んだりなさらなかった)
――「別に隠すこたねェ。可愛いぞ、ビシュラ」――
ビシュラはあの夜の言葉を思い出した。この〝四ツ耳〟を見てあのようなことを言ってくれたのは、ヴァルトラムだけだ。本当になんてことないように言い放って蔑むどころか褒めてくれたのは、ヴァルトラムだけだ。あの一言で大いに心を揺さぶられ、正直嬉しかった。あのように酷いことをされたのに、あの言葉だけは嬉しくてしょうがなかった。
あのように酷いこと……そこまで思い至り、ビシュラの顔はボッと火を噴いた。あの夜の情事はビシュラの羞恥心では耐えかねる。
「俯くな、顔上げろ。お前はこれから三本爪飛竜騎兵大隊になるんだからな」
「え⁉」
ビシュラはポカンと口を半開きにした。
黒い詰め襟に瑠璃色の長いマント。腰回りには帯刀、胸元には武勲の証。強さと勝利を象徴するこの男と同じ軍服に身を包むというのか。不相応すぎて想像が追いつかなかった。
「入隊試験はパスしてんだ。俺のところに来るっつうことはそういうことに決まってんだろうが」
「し、しかしわたしは〝観測所〟の所員です。突然三本爪飛竜騎兵大隊の隊員になるなんてそのようなこと」
「突然じゃねェ。俺ァ何度も書状を出してるぜ。シカトしてやがんのはオメエの上司のほうだ」
「わたしの上司というと、まさか所長に?」
ビシュラは申し訳なさそうな顔を見せた。
「所長がヴァルトラム歩兵隊長さまの書状にお返事なさらないのは、それが返答ということなのでは……」
「あァ?」
「わたしの異動を許可しない、というご意志なのだと思います。わたしは今年入所したばかりの新人です。転属や配置換えは希望できませんし、ましてや〝観測所〟の外へ出るなど考えられません」
「関係ねェ。俺がそうするって決めたんだからよ」
ヴァルトラムはビシュラの腰を掴みヒョイと持ち上げると、自分の肩に担ぎ上げた。
「言ったろうが。嫌つっても攫ってくってな」
「ダ、ダメです! いけません! ヴァルトラム歩兵隊長さまがそのようなことをなされば、いくら所長とニーズヘクルメギル大隊長さまがご懇意になさっていると言っても〝観測所〟と三本爪飛竜騎兵大隊が対立することにもなりかねませんっ」
「上等じゃねェか。ケンカでも戦争でも何でもしてやらァ」
ヴァルトラムはビシュラと会話しながら早足でスタスタと廊下を歩いて行く。来た道を戻れば出口に辿り着くはずだが、初めての場所をビシュラのニオイを辿ってあちらこちらへ歩き回ったものだから、正確に逆戻りできる自信はない。
「面倒臭ェな。真っ直ぐ行くか」
ヴァルトラムは足を止めて窓側の壁を見た。此処が塔の何階かは忘れたが、壁一枚破れば外だ。ぐるぐると来た道を順繰り順繰り戻るよりは手っ取り早い。
「真っ直ぐ? え?」
「壁を突っ切る」
「わああーーッ! ダメですダメです! 壊さないでくださいッ」
ビシュラはヴァルトラムの肩の上で手足をバタつかせて抵抗した。
ふたりの会話が聞こえてくる監視係の所員たちもオロオロと大慌て。ヴァルトラムに敵うはずがないから阻止したくともできない。
〈――所長より入電〉
突然、脳内に響くアナウンス。
プログラムを使用する者は、脳内にいくつかの回線を有することが可能であり、情報を送受信できる。
〈お前たち、そこにヴァルトラム大尉とビシュラがいるだろう〉
観測所内部での出来事は所長にはお見通し。所員であれば所長に言い当てられたことに驚きはなく、彼らは「はい、はい」と何度も頷いた。
〈私がいる応接室まで案内を頼む〉
「わ、私どもがですか」
〈できないか?〉
「大尉殿が私どもに従ってくださるとは到底思えません。ご気分を害されたら切り捨てられるのではないかとヒヤヒヤで……」
〈ならばビシュラに頼むとしよう。ビシュラならばできるだろう〉
(クッ。やはりビシュラは特別扱いか……ッ)
戦闘には縁遠い研究職とはいえ、やる前からこうも弱腰では妥当な評価だ。西方森林というイーダフェルトから遠く離れた誰も行きたがらない僻地にビシュラは単身で赴き、見事任務を全うして帰還した。そればかりか飛竜の大隊の大隊長からの評判よろしく、歩兵隊長からは異動を望まれる異例の展開。所長からの評価や期待が上がるのは必然だ。
「ハイ、所長!」とビシュラは入電を受信した。
「えッ、お会いになるのですか? いえ、しかし、ヴァルトラム歩兵隊長さまと直接お会いになるのは少々危険といいますか……」
「今さら野郎に会うのなんざ面倒臭ェな」
「何を仰有るのです。所長はお忙しいのにヴァルトラム歩兵隊長さまの為にお時間を作ってくださったのですよ」
「オメエ、俺のことはヒマだと思ってンのか」
「あああ、そのようなことは~! 申し訳ございません、申し訳ございませんッ」
ビシュラはヴァルトラムをイヴァンから指示された応接室へと案内した。
室内には所長イヴァンと副所長、そして緋。三人はテーブルを挟んでソファに座っていた。クリーム色の壁には絵画と本棚、背の高い台には生花が挿された花瓶、天井には疑似ディスプレイの機材、三人が囲むガラス板のテーブルには飲み物が人数分。流石に荒事とはかけ離れた研究職とあって飛竜の大隊の簡素すぎる応接とは異なり知的で和やかな雰囲気の部屋だ。
ヴァルトラムはビシュラに促され、緋の隣にどさっと座った。
(よく知りもしない場所でビシュラを自力で見つけ出すとは、歩兵長の鼻はマジでどうなっているんだ)
緋は半ば呆れつつ横目でヴァルトラムを見た。常人離れしたスペックなのに、その能力をもっと有意義に使おうとは考えないのだろうか。……考えないだろうな。
イヴァンは、ドア付近に立っていたビシュラを手招きした。
ビシュラは四人が座るソファに近づいたが、この人たちと新米所員ではあまりにも身分に隔たりがある。ピシッと背筋を伸ばして緊張しているものの所在なさげだ。
ビシュラ、と所長から声をかけられ、緊張のあまり上擦った返事をしてしまった。
「まずは三本爪飛竜騎兵大隊への派遣任務、完遂おめでとう。大隊長から丁重な礼状が届いていた。よくやった。お前ならばできると信じていたぞ。お前を選んだ私も鼻が高い」
「あ、ありがとうございますッ」
ビシュラはイヴァンに向かって深く頭を下げた。一所員がその長から直々に労いを犒われるのは光栄なことだ。
イヴァンは一呼吸をおいて「で、本題だが」と切り出した。ビシュラはそっと顔を上げた。
「お前には話していなかったが、実はそちらの大尉殿から三本爪飛竜騎兵大隊への異動を要請されている」
「先ほど伺いました……」
おいおい、何故残念そうな声を出す。ヴァルトラムはビシュラをチラッと見た。
「お前はどう考えている? ビシュラ」
「わたしですか?」
「三本爪飛竜騎兵大隊への異動は君も希望するところなのか、と所長はお訊ねになっているのだ、ビシュラ」
副所長に回答を急かされ、ビシュラは俯いてしまった。
彼女にとってはヴァルトラムが現れたのは突然だ。望まれていると知ったのもつい先ほど。所長から訊ねられてもすぐには適切な返答が出てこなかった。自分の返答如何によって〝観測所〟と大隊が対立することにでもなったらどうしようと、分不相応すぎる不安で心臓が痛い。
「お前は三本爪飛竜騎兵大隊へ行きたいか? ビシュラ」
「わ、わたしは……」
「お前のしたいこと、お前の望みは何だ?」
そう問われ、ビシュラの思考は停止した。
所長は何故このようなことを訊ねるのだろうか。この局面において重要なのは一個人の意思ではなく、大きな権力を持つふたつの勢力が如何に衝突を避けるか、マイナスを最小限に抑えるか、影響を与え合わないか、ではなかろうか。
自分の意思、そのようなものはビシュラ自身にとってもどうでもよいことに思われた。それを尋ねる所長の真意も推し量れず、頭が上手く回転しない。
「お前も知っているだろうが、三本爪飛竜騎兵大隊はアスガルト各地を飛び回る実働部隊。先の派遣以外は〝観測所〟の外へほぼ出たことがないお前には過酷な環境になることは目に見えている。学院で得た知識こそあれ、戦闘経験は皆無。戦力としては新兵以下だろう。そもそもお前の気性では荒事には向くまい」
イヴァンの言っていることはすべて正しい。ビシュラが黙りこんでいると、ヴァルトラムがハッと嘲弄した。
「反対するっつうことか? 別にしても構いやしねェ。ここぶっ壊して連れて行くだけだ」
「歩兵長。そんなにハッキリ言うな」と緋。
イヴァンは冗談のようにハハハと笑った。
「それは困る。ここには貴重なデータが集まっている。ダメにされたのでは研究が滞ってしまうな」
ヴァルトラムをよく知らないというのは暢気なものだ。緋は破顔したイヴァンを見て、半分羨ましいような呆れたような気分だった。
「それに、そんなことはする必要はない。私はビシュラの意思を尊重する。大隊へ行きたいというのならそうさせよう」
ビシュラは弾かれたように顔を上げてイヴァンを見た。
「イヴァン所長……本当にそのようなことを……? わたしはまだ入所したばかりです。〝観測所〟には、所長のお傍には、わたしは必要ないということですか……?」
まるで見捨てられたかのような驚き様だ。信じられない裏切りをされたかのような、天変地異でも起こったかのような。この娘は世間知らずであるが故、現実と自分の予想とが少々食い違ったくらいで、この世の最後がやってきたような気分にでもなっているのだろう。
「必要ないのかと、お前から私に問うのかビシュラ。先に私からの問いかけに答えるべきだ。お前はどうしたいのだと、私はお前に尋ねたぞ」
「わたし如きが希望を述べるなど烏滸がましいです。〝観測所〟に入所できたのも所長のお力添えがあったからなのに、所長のご意向に背くなんて……」
「私がそれを許す」
ビシュラの目がゆっくりと大きく開かれてゆく様を、ヴァルトラムは黙って観察した。イヴァンが「許す」と口にした瞬間、ビシュラの目は確かに揺れ動いた。そして、イヴァンがビシュラのなかで如何に大きな存在であるかを思い知る。
不愉快だ。ビシュラが〝観測所〟を離れる許可を得たことはヴァルトラムにとって願ったり叶ったりだが、胸が悪い。そもそも許可を得るとは何だ。何故この俺が何の義理もない〝観測所〟の所長なんぞに許可を乞う必要がある。
ヴァルトラムは所員をくれと要求するくせに、頭のひとつも下げない。書状も緋が用意したものにサインをしただけだ。つまり、ビシュラを迎えに来た以外は何もしていない。そのくせ、ビシュラが所長に対してあまりにも従順なものだから癇に障る。
「私がそうしろと言ったなら、お前は自分で考えることを止めて私が言ったとおりにしてしまうだろう」
そうか、この男の言うことならばビシュラは無条件に鵜呑みにするのか。そうかそうか、そこまで服従が板に付いた扱いやすい者はなかなかいない。
――とんでもない莫迦だ。
ドスンッ!
ヴァルトラムは肘掛けに頬杖を突いた体勢のまま、踵を床に叩きつけた。床が割れて四方に大きな亀裂が走った。
「歩兵長。ここは隊舎じゃない。抑えろ」
「さっさと決めろ。つまらねェ問答に俺が飽きる前に」
ビシュラが何と答えても、イヴァンが何と言っても、ヴァルトラムはビシュラを連れ去るつもりなのだから、イヴァンがわざわざビシュラの意思を確認するのは、ヴァルトラムにとっては時間の無駄でしかない。その上、イヴァンのビシュラへの影響力を見せつけられる不快な時間だ。
緋はヴァルトラムが静かに苛立っていることを察知した。ビシュラに早くしろと視線を送ったが、ビシュラはオドオドするばかり。
対照的に、イヴァンは微塵も焦ってはいなかった。ヴァルトラムの苛立ちを察していないはずがないのにだ。
「ビシュラ。お前は自分の生き方というものを考えたことがあるか。私はお前に教育を施し、知識を与えた。〝観測所〟所員という身分と責任を与えた。これから先も私から与えられる命令だけに従って生きるつもりか。何かしらの決断をしたとき、己の意思だと言い切れるか。私に左右されていないと言い切れるか。生きるとは、そういうことではない。自分が何をすべきなのか自分で考え、自分の勇気で行動するのだ。自分の決定は自分で担保するのだ」
与えられたものに縋りつくのは悪だ、とイヴァンが言っているとビシュラは理解した。時には与えられた恩恵を否定してでも、善なる行いをしろと言う。善悪の定義さえも自分で決めろと言う。今まで何もかもを与えてくれたのが嘘のように、質問と決定を投げかける。
――この人が現れたから?
ビシュラはヴァルトラムを見た。ヴァルトラムもこちらを見詰めていた。
ヴァルトラムと出逢ったのは世界の終わり。ビシュラが知っている狭い狭い世界の外縁。ビシュラが還るべきだった世界を壊した人。すべてを与えられる安寧と安穏から切り離す存在――――スマラークトの双眸を持った魔物。
「わたし、には……できません」
ふう、とビシュラの視界の外から溜息が聞こえてきた。
途端に心臓がバクバクと拍動して呼吸が苦しくなった。期待を裏切ってしまった。何もかもを与えてもらった、期待されていると思ったのに。自分のような存在でも、イヴァンにとっては何か役に立つことがあると思っていたかった。
イヴァンはフッと笑みを零した。
「……分かった。突然のことで途惑っているだろう。急に求められてできないのも仕方がない。お前は今まで何ひとつ己で決めてこなかったのだから。今回も、私が決めてやろう」
イヴァンはビシュラの手を掬い上げた。もう一方の手をビシュラの手の甲に添えてポンポンと撫でた。
「三本爪飛竜騎兵大隊へ行きたまえ、ビシュラ」
§ § §
ヴァルトラムたちが去った後、所長は冷め切ったカップに口を付けた。
副所長はビシュラが出て行ったドアのほうを見詰めた。兵士の何たるかなど、戦場での術など、これから起こるであろうことなど何を考えず、己が属していた世界――――〝観測所〟のこともほとんど何も知らないまま、無知な娘は去って行った。
「まさか所長がビシュラを手放されるとは思っておりませんでした」
副所長はドアを眺めながらそう言った。
イヴァンがカップを元の位置に戻すとカチンと鳴った。
「アレは、籠の鳥だ」
「ビシュラにとって〝観測所〟は鳥籠ですか。鳥籠のなかにいれば安全でありエサももらえる、と」
「鳥籠のなかにいるだけでは私の予測を超える成長は無い。アレにはもっとたくさんのものを見て感じ、経験して学び、大いに成長してもらわなくてはならん。私の為に」
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