俺の持つ想像物出現能力が世界一最強説

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6.担任

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「お、お前誰だよ!」

光は掴まれた手を振りほどこうとする、が以外にも力が強い。

「こ、こんなことしてい…っ」

 急に光は口が開かなくなり喋ることが出来なくなった。
男が笑みを浮かべ、口を開いた。

「俺は人の体の部位を制御することが出来る。今は口を制御したが…心臓だってできるんだぞ」

 そういった男の目はギラギラしていて、殺気を放っていた。
だが、光が誰の能力も効かなくする想像をしたらこいつなんか怖くもなんともない。

「お前の能力なんかきかねーよ。偉そうな口聞く前に名を名乗れ」

 男は能力が効かなかったことに驚いたのか一瞬戸惑いを見せたが、すぐに余裕そうな表情を見せた。

「やはり、君だったのだな」

「は?」

俺を、知っている…?

「俺は戦闘管理委員会会長の川田 守。そして、君のクラス、1年2組の担任だよ」

…な、なんだと?

 自分でも一気に顔が青ざめていくのがわかる。トーナメントに出ていることがバレた…。
守は光が動揺しているところに気がついたのか、やれやれと話し始める。

「まぁ、君は想像物出現ということでちょっと有名だったし、積極的な性格ときいていたもんだからもしかしたら出場しているんじゃないかと思ってたよ。」

「あー、…はい、すいません」

「まぁ反省してるんならいいけどね。本当は罰則の対象になるわけで1週間の外出禁止になる所だが、1回戦は突破しているわけだし、特別今回は見逃してやろう」

「先生神っすね!」

守の言葉に光は目を輝かせる。

「だが。もちろん今から量に帰ってもらうぞ!君の連れてきた〝お友達〟も一緒にな」

琉樹の事か。しょうがねぇ、帰ってやるか…。

「今日は大人しく帰ってやるが、次のトーナメントでは絶対に最後まで残ってやるぜ」

「あぁ、楽しみにしてるよ。じゃあ先生はトーナメントを見届けなければ。じゃ、」

 守は微笑みながら帰っていった。
整った顔立ちで、いわゆるイケメンなのがイラつくが、まぁいい先生でほっとした。
きっと明日女子にキャーキャー言われるんじゃないかと光は思う。
 とりあえず残ったエネルギーで琉樹がここに現れる想像をする。
すると、光の鼓動が速くなり、その瞬間ドッと疲労が襲った。

「お?なんだここ??…あっ、光!」

 椅子に座って、片手に巨大なクッキーのようなものを持った琉樹が現れた。
どうやら琉樹だけではなく椅子まで瞬間移動してしまったらしい。

「何食ってんのお前?」

「え、(バリバリ)控え室にあった(バキ、バリ)クッキー(バリバリ)」

「なんか硬そうだな…あ、さっき担任にあってな…」

光は今あったことを手早く説明する。すると琉樹はしぶしぶ帰ることに賛成した。

「じゃあ、瞬間移動頼むぜ」

「まじか…体バラバラになったらごめんな…」

「笑えねぇよそれ…」

光が瞬間移動をすることを想像した瞬間二人はその場から消えた。



 気がつくと自分たちの寮の部屋にいた。
二人は無事についたことに心の底から安堵する。

「あー…やべ、めっちゃ疲れた」

光は思わず崩れるようにソファへ倒れ込む。

「お前、大丈夫か?目ぇ青くなってんぞ。あー、とりあえずこれ、食え!」

「いらねぇよ!」

 琉樹は自分の食べかけのクッキーを差し出してくるが光は断固拒否する。

「そーいえば1年の夕食ってなんじからだぁ?」

光は琉樹に問いかけた。

「なんか7時から夕食だけど、部屋から電話すれば部屋に飯を持ってきてもらうことも出来るらしいぞ?」

「じゃあそうするか」

光は重い体を無理やり起こす。琉樹は電話のところへ行った。

 数分後、皿に乗った夕食達がフワフワと宙を舞いながら玄関から入ってきて、2人が食べ終わると同時にまた同じようにフワフワと宙を舞いながら玄関から出ていった。
 何より驚いたのは30分とカウントダウンがついたタイマーが一緒に入ってきたことだった。
ちゃんと時間内に食べろということらしい。

「すげぇな…」

「おう……てか風呂は何時から?」

琉樹は光に問いかける。

「なんか大浴場がクラス別に15分ずつ入れるらしいがが…あれ、1年2組は5時15分から5時半になってるぞ。…終わってるわ」

「まじか、じゃあ今日は部屋のやつでいいな。お前先入る?」

「じゃあ先入るわ」

光はタンスの中に入っていた就寝用のジャージを取り出し風呂場へ向かう。

 風呂場は大理石のようなもので作られており、ホテルのようなものだった。もっと普通のやつかと思っていたため光はびっくりする。

 シャワーを浴びた光はジャージに着替え、布団に横になった。
その瞬間、今日の分の疲れが一気に襲ってくる。
確かにいつもよりも沢山能力を使った。明日はいよいよ学校生活がはじまるな…どんななんだろう。
そんなことを考えていると枕投げのことなんか忘れ、知らず知らずの間に深い眠りへ溶け込んでいった…。



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