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5.火の海
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決着はすぐについた。
1代目水ドラゴンは翼が生えていなかったが、2代目の炎ドラゴンはでかい翼が生えていたため空中からの戦闘が可能になったため、水ドラゴンを圧倒した。
「おお…すげぇな…」
「じゃな…!」
2人の目には燃え広がる街が見えていた。
ドラゴンが動く度に街を潰し、破壊していく。
炎ドラゴンが光線を飛ばし、どんどん炎が隣街へも広がり、巨大な火の海と化していた。
怒り狂った水ドラゴンが水を吐き、民家が押し流されていく。
これまでで何万人が死んだだろうか。
俺の頬は紅潮し、瞬きも忘れ、のめり込むようにこの光景を見ていた。
「青年は…この景色をどう思うか?」
神様は普通の人間なら、逃げ惑う人々を見て「残酷」「恐怖」「可哀想」と言うと思った。
青年も全く同じことを言うはずだと。
だが違った。
「すっごく…綺麗だと思うぜ」
青年はまっすぐ街を見ながら答えた。
「この景色を見て…残酷だ、とか思わないのか?」
青年は神様の方へ振り向きはにかんだ笑顔を見せる。
「残酷?確かに亡くなった人には申し訳ないと思うけど…なんて言えばいいかわからないな……俺は直感で、綺麗…だと思ったんだ…」
平和だった街が、崩壊していく。
水ドラゴンはところどころ焦げながらもまだ立ち上がろうとするが、炎ドラゴンに光線でとどめを刺され、動かなくなる。
炎ドラゴンは勝ち誇ったように吠え、バサバサと翼で風を切りながら飛び去って行った。
俺は神様の言っていたことをずっと考えていた。
確かに…もし能力を授かったのは俺ではなく、俺があの街の中にいたら、絶望し、泣き崩れ、そのまま死んでいただろう。
だが、能力を授かった今、全然現実味が無い。
きっと自分が危機的な状況に陥っていないからかもしれないが、まだ夢の中にいるんだと思ってしまう。
ただ、やっぱり赤と青が交差するこの光景を見て綺麗だ、と思ってしまっていた自分がいた。
色々なところからガシャーンと、崩壊する音がする。
炎は相変わらず燃え続け、色々なところが黒く燻っていた。
この焦げ臭い匂いは火事によるものなのか、それとも人間が焼け焦げる匂いなのか、俺はわかりたくもなかった…。
1代目水ドラゴンは翼が生えていなかったが、2代目の炎ドラゴンはでかい翼が生えていたため空中からの戦闘が可能になったため、水ドラゴンを圧倒した。
「おお…すげぇな…」
「じゃな…!」
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ドラゴンが動く度に街を潰し、破壊していく。
炎ドラゴンが光線を飛ばし、どんどん炎が隣街へも広がり、巨大な火の海と化していた。
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これまでで何万人が死んだだろうか。
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神様は普通の人間なら、逃げ惑う人々を見て「残酷」「恐怖」「可哀想」と言うと思った。
青年も全く同じことを言うはずだと。
だが違った。
「すっごく…綺麗だと思うぜ」
青年はまっすぐ街を見ながら答えた。
「この景色を見て…残酷だ、とか思わないのか?」
青年は神様の方へ振り向きはにかんだ笑顔を見せる。
「残酷?確かに亡くなった人には申し訳ないと思うけど…なんて言えばいいかわからないな……俺は直感で、綺麗…だと思ったんだ…」
平和だった街が、崩壊していく。
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炎ドラゴンは勝ち誇ったように吠え、バサバサと翼で風を切りながら飛び去って行った。
俺は神様の言っていたことをずっと考えていた。
確かに…もし能力を授かったのは俺ではなく、俺があの街の中にいたら、絶望し、泣き崩れ、そのまま死んでいただろう。
だが、能力を授かった今、全然現実味が無い。
きっと自分が危機的な状況に陥っていないからかもしれないが、まだ夢の中にいるんだと思ってしまう。
ただ、やっぱり赤と青が交差するこの光景を見て綺麗だ、と思ってしまっていた自分がいた。
色々なところからガシャーンと、崩壊する音がする。
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