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<6・首吊りのマリコさん>
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それはまるで、叩きつけるような凄まじい音だった。誰かが苛立ちも顕に、力任せに引き戸を閉めたかのような。
「んなっ……!」
風なんか吹いていない。仮に吹いていたところで、あんな勢いで引き戸が閉まるとは到底思えなかった。しかも、二つ同時にだ。慌ててドアに駆け寄る梟。しかし。
「おい……おいおいおいおい!お約束すぎんだろ、何で開かねぇんだよ!」
引いても叩いても、ドアはびくともしない。ただ全体的にがくがくと揺れるだけで――そう、強いて言うなら扉全体が突如として一枚の板になってしまったかのようだった。
鍵がかかってしまったのかと取っ手付近を中心に探したが、それらしいものは見当たらない。というか、このテの扉は内側からはツマミ一つで開くようになっているのが普通だ。鍵が必要なのは外側のみ。実際、こちら側に鍵穴らしきものはない。そして、扉の施錠状態を示すツマミは、開く方向に押上られたままとなっている。
鍵などかかっていないのに、開かない。
まるで、向こう側から誰かに抑えつけられているかのように。
「ふ、梟さん!?」
茫然と梟の様子を見ていた英玲奈が、慌てて駆け寄ってくる。
「開かないんだよ、ドア!」
彼女に配慮した物言いをしている、なんて場合ではなかった。もう一つの方、教室後方のドアへと駆け寄る。こちらならば開くかも、なんて淡い望みはあっさりと砕け散った。やはり同じ状態だ。ぴったりと壁にくっつけられてしまったかのように、動く気配がないのである。
そして引き戸である以上、体当たりにも効果は薄い。
二度、三度ぶつかってみてすぐに諦めた。――ここでようやく、茜色の室内を満たす奇妙な気配に気づいたからだ。
――何か……何かが、いる。
扉が開かないのは霊障の一つだ、とすぐに悟った。何か、良くないものがこの教室の中にいる。じっとりとこちらをねめつけ、どう料理してやろうかと悪意をもってこちらを見ている何かがいるのだ。
残念ながら、梟程度の霊感ではその気配をなんとなく感じ取ることしかできない。その存在を、はっきりと目で捉えることができないのだ。なんとも中途半端な能力である。だから自分は役に立たないんだ、と歯ぎしりしたくなるのだ。
そう、もう少し、分かりやすく使える能力があったのなら。あんなにも“あのこと”で頭を悩ませる必要もなかったというのに――。
「何、何なの……何か、いるの……?」
まさか幽霊とかなんじゃ、と。英玲奈が泣きそうな顔でそう言った、まさにその時だった。
「きゃああっ!!」
「!?」
突然のことだった。彼女の体が、突然空中に浮かび上がったのである。かしゃん、と英玲奈が持っていた燕の手鏡が、教室の床を滑るように転がった。英玲奈は足をじたばたさせ、首元を抑えている。
「助けて、やめて!離して、苦しい!首、首がっ……!」
「英玲奈ちゃん!?」
英玲奈は首にかかった“見えないもの”を外そうと必死になってもがいている。すぐに言葉は、意味をなさないうめき声へと変わった。何かが彼女の首を絞め、空中に持ち上げているのだ。
『キャハハハハハハ……!』
微かに、狂ったような笑い声が聞こえた。スカートから覗く英玲奈の足が、ばたばたと苦しがって空中を蹴りもがく。このままでは、本当に窒息死してしまうかもしれない。しかし、敵の正体は一切見えず、何が起きているのか梟には全くわからない状況である。
――そうかっ……そういうことかよ!
唐突に、合点がいった。この教室にまつわる、七不思議のことだ。
この教室に取り憑いているというのは、首を吊って死んだマリコさんという名前の生徒だ。彼女は学校の先生に恋をしてしまい、その先生が結婚することを聞いたのを苦にしてこの教室で自殺してしまった。以来この教室には彼女の霊が地縛霊として残っていて、自分と同じ報われない恋をしている生徒を助けてくれるようになった、という話である。
そう、それが今のマリコさんの話だ。
しかし父の時代は違っていた。マリコさんは、恋に成功しようとする男女をけして許しはしない。恐らくここに、同性愛者などのカップルが対象になっていないのは時代のせいなのだろうが(今だったらLGBTQ差別で怒られそうな内容である)、今問題であるのはそこではないのだ。かつてのマリコさんは、悪霊として有名だった。つまり。
『以来、マリコさんは恋人達を妬む悪霊となってしまった。
空き教室に、男女ひと組で行ってはいけない。恋人同士であってもなくても関係なく、マリコさんは嫉妬を募らせて襲ってくるだろう。
マリコさんに目をつけられた人物は、教室を離れても逃げることができない。
どこまでも執念深く追いかけて行き、片方が“消える”ことによって恋が分かられるまで追撃をやめないのだという。
消された人間はあの世に飛ばされ、二度と戻って来ることはない。』
――男女、ひと組だ……!
恋人同士などでは断じてない。それでも。
確かに梟と英玲奈、男女ひと組でこの教室に入ってしまったのは確かである。
――んな馬鹿な!それ、今の七不思議じゃないだろうが!何で内容が元に戻ってるんだよ。今まで、男女ひと組でこの教室に入ったやつなんか絶対たくさんいただろ、なんで今になって……!
「うう、ううううううっ……!」
段々、英玲奈の藻掻く動きが弱弱しくなっていく。呻き声も小さくなり始めている。急がなければいけない。何か手立てはないものか、と、梟が周囲を探したその時だった。
目に止まったのは、弟が忘れていったと思しき赤い手鏡だ。
何かに使えないだろうか、とそれを拾い上げた梟は気づく。
――こ、これは……!
手鏡で、英玲奈を映して気づいた。――鏡の中では、悪霊の姿がはっきりと像を結んでいるということに。
首吊りのロープのようなものを首にかけられている英玲奈。そのロープを天井から滑車のように吊るし、端を持ってにやにやと笑っている白いワンピース姿の長い髪の女。
――こいつが元凶か!
再び鏡ではなく自分の目で英玲奈のいる方向を見る。鏡ほどはっきり何かが映るわけではないが、こういった類は“一度存在を認識する”ことが重要であると経験から梟は知っていた。
今はぼんやりとだが、見える。白いワンピース姿の女が。英玲奈を絞め殺してやろうと笑っている悪霊の姿が。
こいつがマリコさん、だ。
――認識できれば……攻撃が通るかもしれねえ!
イチかバチか。積み上げられていた椅子の一つを持ち上げ、梟は雄叫びと共に振りかぶった。
「うおおおおおおおおおおおおおおお!」
ガンッ!という奇妙な手応え。何かが吹き飛んだような感触と共に、どさり、と英玲奈が床に落下した。
「げほっ……げほっ……!」
まだ彼女の首に縄が残っているかもしれない。梟は咳き込む英玲奈の首に触れ、そこにある“ほとんど見えない縄”を手探りで解いた。悪霊にダメージを与えた今なら、出口からの脱出も可能かもしれない。何にせよ、次攻撃が来たら逃げられる保証はなかった。とにかく急いでこの教室を脱出しなければ。
「英玲奈ちゃん、大丈夫!?ごめん、急いで立って!此処から逃げるから!」
「う、うんっ……!」
残念ながら自分では、彼女を持ち上げて逃げるだけの腕力も体力もない。酷であるとわかってはいたが、今は彼女の手を引いてここから逃げ出すだけでいっぱいっぱいだった。
――頼む、開いてくれ!
縋りつくように引き戸に手をかける。――開いた!
――とにかく、逃げる……!少なくとも、これ以上英玲奈ちゃんを巻き込むわけにいくか!
弟も、アレに連れ去られてしまったのだろうか。それとももう?
いや、今考えるのは後である。二人で、転がるように教室を飛び出した。アレがどこまで追いかけてくるかはわからない。今はひとまじ一度、南校舎を出てしまった方がいいだろう。校舎を出て特に問題がなさそうなら、ひとまず英玲奈には帰ってもらって、職員室の先生に声をかけて弟を探して貰うことにしようと決める。無断で侵入した卒業生ということでお説教は喰らうかもしれないが、背に腹は代えられないのだから仕方ない。
「急げ!」
ぐいぐいと英玲奈の手を引っ張って、階段を駆け下りる梟。
この時はまだ、気がついていなかった。
これはこれから自分達を襲う恐怖の、ほんの始まりにしか過ぎなかったということに。
「んなっ……!」
風なんか吹いていない。仮に吹いていたところで、あんな勢いで引き戸が閉まるとは到底思えなかった。しかも、二つ同時にだ。慌ててドアに駆け寄る梟。しかし。
「おい……おいおいおいおい!お約束すぎんだろ、何で開かねぇんだよ!」
引いても叩いても、ドアはびくともしない。ただ全体的にがくがくと揺れるだけで――そう、強いて言うなら扉全体が突如として一枚の板になってしまったかのようだった。
鍵がかかってしまったのかと取っ手付近を中心に探したが、それらしいものは見当たらない。というか、このテの扉は内側からはツマミ一つで開くようになっているのが普通だ。鍵が必要なのは外側のみ。実際、こちら側に鍵穴らしきものはない。そして、扉の施錠状態を示すツマミは、開く方向に押上られたままとなっている。
鍵などかかっていないのに、開かない。
まるで、向こう側から誰かに抑えつけられているかのように。
「ふ、梟さん!?」
茫然と梟の様子を見ていた英玲奈が、慌てて駆け寄ってくる。
「開かないんだよ、ドア!」
彼女に配慮した物言いをしている、なんて場合ではなかった。もう一つの方、教室後方のドアへと駆け寄る。こちらならば開くかも、なんて淡い望みはあっさりと砕け散った。やはり同じ状態だ。ぴったりと壁にくっつけられてしまったかのように、動く気配がないのである。
そして引き戸である以上、体当たりにも効果は薄い。
二度、三度ぶつかってみてすぐに諦めた。――ここでようやく、茜色の室内を満たす奇妙な気配に気づいたからだ。
――何か……何かが、いる。
扉が開かないのは霊障の一つだ、とすぐに悟った。何か、良くないものがこの教室の中にいる。じっとりとこちらをねめつけ、どう料理してやろうかと悪意をもってこちらを見ている何かがいるのだ。
残念ながら、梟程度の霊感ではその気配をなんとなく感じ取ることしかできない。その存在を、はっきりと目で捉えることができないのだ。なんとも中途半端な能力である。だから自分は役に立たないんだ、と歯ぎしりしたくなるのだ。
そう、もう少し、分かりやすく使える能力があったのなら。あんなにも“あのこと”で頭を悩ませる必要もなかったというのに――。
「何、何なの……何か、いるの……?」
まさか幽霊とかなんじゃ、と。英玲奈が泣きそうな顔でそう言った、まさにその時だった。
「きゃああっ!!」
「!?」
突然のことだった。彼女の体が、突然空中に浮かび上がったのである。かしゃん、と英玲奈が持っていた燕の手鏡が、教室の床を滑るように転がった。英玲奈は足をじたばたさせ、首元を抑えている。
「助けて、やめて!離して、苦しい!首、首がっ……!」
「英玲奈ちゃん!?」
英玲奈は首にかかった“見えないもの”を外そうと必死になってもがいている。すぐに言葉は、意味をなさないうめき声へと変わった。何かが彼女の首を絞め、空中に持ち上げているのだ。
『キャハハハハハハ……!』
微かに、狂ったような笑い声が聞こえた。スカートから覗く英玲奈の足が、ばたばたと苦しがって空中を蹴りもがく。このままでは、本当に窒息死してしまうかもしれない。しかし、敵の正体は一切見えず、何が起きているのか梟には全くわからない状況である。
――そうかっ……そういうことかよ!
唐突に、合点がいった。この教室にまつわる、七不思議のことだ。
この教室に取り憑いているというのは、首を吊って死んだマリコさんという名前の生徒だ。彼女は学校の先生に恋をしてしまい、その先生が結婚することを聞いたのを苦にしてこの教室で自殺してしまった。以来この教室には彼女の霊が地縛霊として残っていて、自分と同じ報われない恋をしている生徒を助けてくれるようになった、という話である。
そう、それが今のマリコさんの話だ。
しかし父の時代は違っていた。マリコさんは、恋に成功しようとする男女をけして許しはしない。恐らくここに、同性愛者などのカップルが対象になっていないのは時代のせいなのだろうが(今だったらLGBTQ差別で怒られそうな内容である)、今問題であるのはそこではないのだ。かつてのマリコさんは、悪霊として有名だった。つまり。
『以来、マリコさんは恋人達を妬む悪霊となってしまった。
空き教室に、男女ひと組で行ってはいけない。恋人同士であってもなくても関係なく、マリコさんは嫉妬を募らせて襲ってくるだろう。
マリコさんに目をつけられた人物は、教室を離れても逃げることができない。
どこまでも執念深く追いかけて行き、片方が“消える”ことによって恋が分かられるまで追撃をやめないのだという。
消された人間はあの世に飛ばされ、二度と戻って来ることはない。』
――男女、ひと組だ……!
恋人同士などでは断じてない。それでも。
確かに梟と英玲奈、男女ひと組でこの教室に入ってしまったのは確かである。
――んな馬鹿な!それ、今の七不思議じゃないだろうが!何で内容が元に戻ってるんだよ。今まで、男女ひと組でこの教室に入ったやつなんか絶対たくさんいただろ、なんで今になって……!
「うう、ううううううっ……!」
段々、英玲奈の藻掻く動きが弱弱しくなっていく。呻き声も小さくなり始めている。急がなければいけない。何か手立てはないものか、と、梟が周囲を探したその時だった。
目に止まったのは、弟が忘れていったと思しき赤い手鏡だ。
何かに使えないだろうか、とそれを拾い上げた梟は気づく。
――こ、これは……!
手鏡で、英玲奈を映して気づいた。――鏡の中では、悪霊の姿がはっきりと像を結んでいるということに。
首吊りのロープのようなものを首にかけられている英玲奈。そのロープを天井から滑車のように吊るし、端を持ってにやにやと笑っている白いワンピース姿の長い髪の女。
――こいつが元凶か!
再び鏡ではなく自分の目で英玲奈のいる方向を見る。鏡ほどはっきり何かが映るわけではないが、こういった類は“一度存在を認識する”ことが重要であると経験から梟は知っていた。
今はぼんやりとだが、見える。白いワンピース姿の女が。英玲奈を絞め殺してやろうと笑っている悪霊の姿が。
こいつがマリコさん、だ。
――認識できれば……攻撃が通るかもしれねえ!
イチかバチか。積み上げられていた椅子の一つを持ち上げ、梟は雄叫びと共に振りかぶった。
「うおおおおおおおおおおおおおおお!」
ガンッ!という奇妙な手応え。何かが吹き飛んだような感触と共に、どさり、と英玲奈が床に落下した。
「げほっ……げほっ……!」
まだ彼女の首に縄が残っているかもしれない。梟は咳き込む英玲奈の首に触れ、そこにある“ほとんど見えない縄”を手探りで解いた。悪霊にダメージを与えた今なら、出口からの脱出も可能かもしれない。何にせよ、次攻撃が来たら逃げられる保証はなかった。とにかく急いでこの教室を脱出しなければ。
「英玲奈ちゃん、大丈夫!?ごめん、急いで立って!此処から逃げるから!」
「う、うんっ……!」
残念ながら自分では、彼女を持ち上げて逃げるだけの腕力も体力もない。酷であるとわかってはいたが、今は彼女の手を引いてここから逃げ出すだけでいっぱいっぱいだった。
――頼む、開いてくれ!
縋りつくように引き戸に手をかける。――開いた!
――とにかく、逃げる……!少なくとも、これ以上英玲奈ちゃんを巻き込むわけにいくか!
弟も、アレに連れ去られてしまったのだろうか。それとももう?
いや、今考えるのは後である。二人で、転がるように教室を飛び出した。アレがどこまで追いかけてくるかはわからない。今はひとまじ一度、南校舎を出てしまった方がいいだろう。校舎を出て特に問題がなさそうなら、ひとまず英玲奈には帰ってもらって、職員室の先生に声をかけて弟を探して貰うことにしようと決める。無断で侵入した卒業生ということでお説教は喰らうかもしれないが、背に腹は代えられないのだから仕方ない。
「急げ!」
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