旅鉄からの手紙

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山陰本線

米子着~地下鉄サリン事件より~

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砂丘周辺の他にも代表的な二十世紀梨の産地として知られている倉吉市の付近から、山陰を代表する名峰・大山の雄姿を鮮やかに望める辺りでの旧国名は伯耆(ほうき)である。伯耆という名の由来は大山による崖地という意味がある「はき」がなまったものらしい。いかにも大山とその麓からなるこの辺りらしい。この辺りは推理アニメ「名探偵コナン」の作者である青山剛昌先生の故郷でもある。先生も大山の雄姿を見ながら育ったのかと思うと何だか羨ましくもなる。由良駅で途中下車をし「青山剛昌ふるさと館」に寄るなど旅をしながら「コナン」も楽しめるという。

江戸時代日本海廻りの北前船の寄港地としても栄えた赤碕なども通り、大山が描いたような緩やかな弧の北側を周回するように日本海沿岸を通り、岡山から北上して来た山陰地方と各地とを結ぶ幹線の伯備線と合流し米子駅に到着する。

その大山が描いた緩やかな弧や。島根半島の東側の海岸にあたる弓のような曲線を描く弓ヶ浜などを、日本百名山のある大山の山頂からも眺めてみたい。

山陰地方の経済の中心の一角を担っている米子らしく何処か都会のような雰囲気も漂わせていた米子駅の待合室では、旅の開放感という良い夢から覚めたような感覚を味わった思い出がある。それは2回目の泊まりの一人旅の時に、鳥取方面からほのぼのと各駅停車の汽車に揺られながら山陰本線を旅していた後、出雲市に行く列車を待っていた時に、東京の地下鉄サリン事件をそこでついていたテレビのニュースを見て初めて知り、そのショックで一気に現実に戻されたことである。

「なんでこんなことが…」

とただぼんやりニュースを見ていた。

あの時の旅から帰った後に事件某宗教団体の計画的な犯行だと知った時は

「あんな事件を起こしても世の中は良くなる訳ないのに」

と憤りを通り越して呆れてしまった。
さらに情け無いのが

「なんでこんなことが起きてしまったのか?」

という事件の動機や背景を、一人でも多くの方々が納得するまで議論するなどの大切な事よりも、犯行に及んだ某宗教団体やその関係者を誹謗中傷するかのような、マスコミの彼らをとことん悪者いする報道や、我々の身の回りのギャグのネタの方が私達の社会で先行していた事だ。念のため記しておくが私は某宗教団体の関係者でもまわし者でもないし肩を持つつもりもさらさらない。単純にあの事件の動機や背景を社会全体でしっかりと教訓として今後に活かさないとまた同じような事件が起きてしまっても不思議ではない事を心配しているのだ。

あの日、米子駅から出雲市へ向かう列車の中から、山陰随一の名城とも言われている松江城と共に発展した松江市を水の都にさせている中海や、宍道湖などの夕景をぼんやり眺めながら、明日参拝する予定である縁結びの神様が祀られている出雲大社の近くにあるユースホステルに向かった。

縁結びと言っても女と男のみならず、心豊かな人生を送る為の、周りの人や動植物など生きるもの同士の様々な尊い結びつきの事である。

私達一人一人がそれぞれ自分を磨いて行くことによって、縁結びの神様をできるだけ忙しくさせたい。
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