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出会いは悪夢、甘い蜜(9)
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元々、本能的に惹き寄せられていた部分もあったが初日の出来事がそれこそ夢だったみたいに、あの日以降のキースはシドに対してとても優しかった。
テレビで観ていた大好きな表情を浮かべ、格好いい後ろ姿も見せられて、シドの脳がキースに囚われそうになった瞬間、本性を顕にして首輪の隙間から項を噛もうとしてくるのだ。
小手先の策略に嵌ってしまってる自分に腹が立った。どうせ見せてくる良い顔だって全部本気じゃないのだ。
ダメだ、ダメだ。惑わされるな。
そう何度も思考を否定し続けても四六時中、翻弄されてゆっくりとキースの手に吸い寄せられて先に白旗を揚げたのはシドの方だった。
どんなに頑張ったって憧れにも、運命にも、キース・アリステアという男にも抗えきれないのだ。
そして最近、家から送って貰った鍵をキースに渡した。
「ンっ、まだ足らない…」
「あ?クローゼットの中はもう空だぞ。洗濯中か?チッ、取ってきてやるから少し待て、」
「…どこ行くんですか」
そもそも番ができる事はオメガにとっても悪い事ばかりじゃない。番ができたオメガには発情期がこない。
テレビで観ていた大好きな表情を浮かべ、格好いい後ろ姿も見せられて、シドの脳がキースに囚われそうになった瞬間、本性を顕にして首輪の隙間から項を噛もうとしてくるのだ。
小手先の策略に嵌ってしまってる自分に腹が立った。どうせ見せてくる良い顔だって全部本気じゃないのだ。
ダメだ、ダメだ。惑わされるな。
そう何度も思考を否定し続けても四六時中、翻弄されてゆっくりとキースの手に吸い寄せられて先に白旗を揚げたのはシドの方だった。
どんなに頑張ったって憧れにも、運命にも、キース・アリステアという男にも抗えきれないのだ。
そして最近、家から送って貰った鍵をキースに渡した。
「ンっ、まだ足らない…」
「あ?クローゼットの中はもう空だぞ。洗濯中か?チッ、取ってきてやるから少し待て、」
「…どこ行くんですか」
そもそも番ができる事はオメガにとっても悪い事ばかりじゃない。番ができたオメガには発情期がこない。
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