【完結】内緒事のある友人との離れ方

琉海

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本編

六月に芽吹く(2)

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そう思って何故か渋る友達に頼み込んで合コンをセッティングしてもらった。

でも、彼女でもつくれば忘れられると思ったのにさっきからボーっとしてばっかで集中できないでいた。考える事はいつだって神崎のことだ。前までもそうだったけど、最近はさらに悪化した気がする。数日前に東京に帰ってきたから今は明日の学校の準備でもしてるはず。ちゃんと飯食ったかな。そう思ったところで隣りに座ってた女の子に話しかけられて我に返った。

どうにも考えてる事とやってる事が一致しない。振られると分かってるから告白する勇気もないくせに、あんな女々しいメッセージを送って俺はいったい何をしたいんだろう。その答えは俺ですら分からなかった。

あれを見たって神崎は絶対気にしない。下手したら俺と同じで未読スルー。そうやってどんな結末を迎えても良いように保険をかけてみたけどスマホが震えた瞬間、ドキッと口から心臓が飛び出るんじゃないかってくらい跳ねた。浮かんだ神崎の名前に息が詰まる。思ったよりも早い。てか、あんなのに返事くれるんだ。驚きと嬉しさとそれから僅かな恐怖に感情はぐちゃぐちゃだ。

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