【完結】内緒事のある友人との離れ方

琉海

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過去(出会い)編

友達と親友の距離感(5)

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久しぶりの遠出は予定よりも時間がかかってしまって、気づけば一週間も大学を休んでしまっていた。

久しぶりの学校、そして登校だ。

無意識に背中が丸くなり、灰色のコンクリートを見ながら歩く。周りからの視線、俺の名前を囁く声。ただ歩いてるだけなのに何でこんなに注目を集めてしまうんだと唇を痛いほどに噛み締めた。その時。

「神崎ッ!」

怒ってるような張りのある声に思わずビクッと肩が跳ねる。顔を上げて声の方を振り向けば見覚えのある男が走り寄ってきていた。

「やぁと来た!」
「小鳥遊…」

目の前で足を止めた小鳥遊がジロジロと上から下まで俺のことを見てくる。その視線を避けるようにまた俯いた。

「連絡先知らねえんだから、急に音信不通になんなよ。ぜんぜん来ないから大学やめたかと思っただろ」
「やめないよ、大学は」
「……そう。で、一週間も休んで何してたんだよ」
「……」
「言えねぇようなこと?」

きた。いつもと同じ質問だ。何日も学校に行かないと必然的に繰り返される、わかってるのに別の回答なんて持ち合わせてなくて、いつもと同じように返してしまう。

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