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第四話「全国大会開始!」
一.神奈川東地区予選、開始!
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日々は目まぐるしく過ぎていき、季節は既に夏。
中学に入って初めての期末テストも終わり、いよいよ夏休みが――地区大会の日が近付いていた。
地区大会は通常、都道府県別に行われる。だが、アツシ達の住む神奈川県の場合は参加校が多いので、エリアが県の東西で分けられていた。鎌倉市は東エリアだ。
今年の出場校は約六十四校。単純計算で五回ほど勝てば、全国大会へ歩を進めることができる計算だ。
他のスポーツと比べると参加校数が少ないようにも思えるが、それでも決して楽な道ではない。神奈川東地区には、前回優勝校の金沢第二中を含め、強豪校があまた存在する。それこそ、大東中学と同レベルの学校も複数あるという。
大東中学との練習試合で敗北を味わって以降、アツシ達は必死のトレーニングを重ねていた。金沢第二中の斎藤ペアのものを中心に、過去の全国大会の動画もたくさん観て、様々な戦法を学んだ。
あれからどの程度強くなったのか――もしくは全く強くなっていないのか。いよいよ試される時が来たのだ。
***
「最初の対戦相手が決まりましたよ」
夏休み直前の放課後、小峠が「エル・ムンド」のコントロールパネルをいじりながら言った。
「ダブルス!」をはじめとする「エル・ムンド」のシステムを使ったゲームの大会は、その通知や連絡などが全てコントロールパネル経由で行われる。大会運営側との連絡などは顧問の教師がやらなければならないので、全て小峠にお任せ状態だった。
「ええと……横須賀第三中学校の山田・吉田ペア、とありますね。どちらも三年生です。聖くん、この二人のデータはありますか?」
小峠から訊かれて、レイカが素早くタブレット端末で大会ホームページを検索する。
「あ、はい。ええと……横須賀第三中学……と。あ、ありました。去年も二年生レギュラーで出場していますね。成績は……準決勝敗退!?」
「おやおや、昨年の地区大会ベストフォーですか。これは初戦から気が抜けませんねぇ」
「ほっほっほ」などとのんきに笑う小峠。
けれども、アツシとエイジにとっては笑いごとではなかった。
「いきなり去年のベストフォーが相手か。強豪とは、できればトーナメントの上の方で当たりたかったけど」
エイジが表情をくもらせる。大東中学の渡辺にも言われたように、アツシ達には圧倒的に経験が足りない。だから、トーナメント戦でもできるだけ試合数をこなしてから、強豪と当たりたかったのだろう。
アツシにも、その気持ちは理解できた。けれども――。
「なぁに、むしろ手っ取り早いってやつさ。オレ達がどのくらい強くなったのか、試すにはちょうどいい相手だ。どうせ一度負ければ終わりのトーナメント戦なんだから、迷ったり不安に思ったりするだけ時間のムダだ」
アツシはむしろ、やる気に満ちあふれていた。
「そもそも、神奈川東地区には前回の全国優勝ペアもいるんだ。気にしてたら始まらねぇさ。まずは目の前の対戦相手だ。早速、去年の試合の動画を探してみようぜ。横須賀第三中学だっけ?」
アツシは小峠にどいてもらい、コントロールパネルから前回大会の動画を検索し始めた。「案ずるより産むが易し」と言わんばかりの、堂々とした態度だった。
「……アツシがボクのパートナーで、本当に良かったよ」
背中越しに、エイジのそんな恥ずかしいつぶやきが聞こえた気がしたが、アツシは気付かなかったことにしておいた。
***
夏休みに入ってから、更に一週間後。ついに地区大会が始まった。
とはいえ、どこか会場に向かうわけではない。準々決勝までは、それぞれの学校からオンライン環境に接続して対戦することになっていた。
対戦チーム同士のあいさつも割愛だ。少し味気ない気もしたが、慣れた環境で戦えるのは大きなメリットだ。特に、エイジはまだ電動車イス暮らしなので、長距離の移動がないのはとても助かった。
『二人とも、がんばってね!』
すでにシートの上でスタンバイしているアツシ達に、レイカが声援を送る。
「エイジ、どうやら勝利の女神はオレ達のそばにいるらしいぞ」
「アツシって時々、そういう恥ずかしいセリフをサラッと言うよね……」
二人とも、そんな軽口を叩きあう程度にはリラックスできていた。そして――。
『これより、「ダブルス!」全国大会、神奈川東地区予選を開始します。一回戦、「横須賀第三中学校」対「梶原中学校」。フルダイブを開始します。そのままお待ちください。5,4,3,2,1――』
運営のアナウンスが試合の開始を告げた。二人の視界が一瞬だけ、闇に落ちる。
――視界が開けると同時に、二人は素早く周囲を観察した。パルテノン神殿にも似た巨大な石の建物が、あちらこちらに点在している。どうやら今回は、ギリシャ風の古代遺跡マップらしい。
「隠れる場所は多いけど、柱と柱のすき間が広いからお互いに見つけやすいマップだね。『魔法使い』を選ばなくてよかった」
今回もアツシ達は、得意クラスの「重戦士」と「長弓使い」で出撃していた。
過去の試合をエイジが分析したところによると、山田・吉田ペアは「軽戦士」と「短弓使い」の使用率が高いようだった。手数で勝負するのを好むらしい。弱点も少ない組み合わせだ。
なのでアツシ達も、一番得意な組み合わせを選んでいた。
敵の戦法は「先手必勝」。とにかくフィールドの中を素早く移動して敵を見付け、一気に畳みかける戦法を得意としている。
――アツシ達は、それを逆手に取ることにしていた。
まず、エイジが一人で突出しオトリとなる。これはいつものことだ。
対するアツシは、エイジの後ろに隠れながらついていくのではなく、射程ギリギリの位置で待機することにしていた。大東中学との練習試合の時、固まって行動しているところを狙われた反省から編み出した戦法だった。
もちろん、エイジと遠く離れてしまうので、会話はできなくなる。上手く連携するには、お互いの次の行動を予測し合わなければならない。状況は刻一刻と変化するので、事前に打ち合わせた通りの行動がとれるとも限らない。
けれども、アツシとエイジはにわかペアではない。七年モノの熟年ペアだ。お互いの性格やクセは、よく知っていた。
***
試合はアツシ達の狙い通りに進んだ。
まず、敵「短弓使い」が距離を取りながらエイジに矢の雨を降らせ釘付けにする。その間に、敵「軽戦士」が裏に回り込んで、背後にひかえているであろうアツシを不意打ちしようとした。
だが、アツシは敵の予想よりもはるか後方にいる。敵「軽戦士」がアツシに背中を向けた瞬間を狙って長距離から矢を放ち――見事に命中! 敵は盛大に吹っ飛び、体力の大半を失った。
けれども、相手も流石の強豪だった。大ダメージを受けても慌てることなく素早く立ち上がり、近くの神殿の大きな柱の陰に隠れてしまった。
しかし、それもアツシには予測済み。相手が倒れている間に場所を移動し身を隠していた。チラリとエイジの方を見やると、上手く「短弓使い」の目をひきつけてくれている。「短弓使い」の方は、味方がピンチだとは気付いていない様子だった。
敵「軽戦士」は、柱から柱に隠れながら必死にアツシの姿を探しているが、やはり超長距離から狙撃されたとは気付いていないようだった。
――大東中学の樋口にも「初心者離れした腕前」と言われたように、アツシの弓の腕前はかなりのものだった。全国レベルでも、射程ギリギリの攻撃はそんなに当たるものではないのだが、アツシは平然と当ててみせていた。
横須賀第三の「軽戦士」も、まさかアツシがそんな遠くから矢を放っているとは思わなかったらしい。まだキョロキョロとアツシの姿を探し……足が止まった!
アツシは素早く弓を引き絞ると、第二射を放った。光の矢は美しい放物線を描いて飛び、見事に相手の頭に突き刺さった。
敵「軽戦士」を倒した後は消化試合だった。二人がかりで「短弓使い」を追い詰め、見事に勝利。
アツシ達は初参加にして、地区の強豪を破ったのだった。
中学に入って初めての期末テストも終わり、いよいよ夏休みが――地区大会の日が近付いていた。
地区大会は通常、都道府県別に行われる。だが、アツシ達の住む神奈川県の場合は参加校が多いので、エリアが県の東西で分けられていた。鎌倉市は東エリアだ。
今年の出場校は約六十四校。単純計算で五回ほど勝てば、全国大会へ歩を進めることができる計算だ。
他のスポーツと比べると参加校数が少ないようにも思えるが、それでも決して楽な道ではない。神奈川東地区には、前回優勝校の金沢第二中を含め、強豪校があまた存在する。それこそ、大東中学と同レベルの学校も複数あるという。
大東中学との練習試合で敗北を味わって以降、アツシ達は必死のトレーニングを重ねていた。金沢第二中の斎藤ペアのものを中心に、過去の全国大会の動画もたくさん観て、様々な戦法を学んだ。
あれからどの程度強くなったのか――もしくは全く強くなっていないのか。いよいよ試される時が来たのだ。
***
「最初の対戦相手が決まりましたよ」
夏休み直前の放課後、小峠が「エル・ムンド」のコントロールパネルをいじりながら言った。
「ダブルス!」をはじめとする「エル・ムンド」のシステムを使ったゲームの大会は、その通知や連絡などが全てコントロールパネル経由で行われる。大会運営側との連絡などは顧問の教師がやらなければならないので、全て小峠にお任せ状態だった。
「ええと……横須賀第三中学校の山田・吉田ペア、とありますね。どちらも三年生です。聖くん、この二人のデータはありますか?」
小峠から訊かれて、レイカが素早くタブレット端末で大会ホームページを検索する。
「あ、はい。ええと……横須賀第三中学……と。あ、ありました。去年も二年生レギュラーで出場していますね。成績は……準決勝敗退!?」
「おやおや、昨年の地区大会ベストフォーですか。これは初戦から気が抜けませんねぇ」
「ほっほっほ」などとのんきに笑う小峠。
けれども、アツシとエイジにとっては笑いごとではなかった。
「いきなり去年のベストフォーが相手か。強豪とは、できればトーナメントの上の方で当たりたかったけど」
エイジが表情をくもらせる。大東中学の渡辺にも言われたように、アツシ達には圧倒的に経験が足りない。だから、トーナメント戦でもできるだけ試合数をこなしてから、強豪と当たりたかったのだろう。
アツシにも、その気持ちは理解できた。けれども――。
「なぁに、むしろ手っ取り早いってやつさ。オレ達がどのくらい強くなったのか、試すにはちょうどいい相手だ。どうせ一度負ければ終わりのトーナメント戦なんだから、迷ったり不安に思ったりするだけ時間のムダだ」
アツシはむしろ、やる気に満ちあふれていた。
「そもそも、神奈川東地区には前回の全国優勝ペアもいるんだ。気にしてたら始まらねぇさ。まずは目の前の対戦相手だ。早速、去年の試合の動画を探してみようぜ。横須賀第三中学だっけ?」
アツシは小峠にどいてもらい、コントロールパネルから前回大会の動画を検索し始めた。「案ずるより産むが易し」と言わんばかりの、堂々とした態度だった。
「……アツシがボクのパートナーで、本当に良かったよ」
背中越しに、エイジのそんな恥ずかしいつぶやきが聞こえた気がしたが、アツシは気付かなかったことにしておいた。
***
夏休みに入ってから、更に一週間後。ついに地区大会が始まった。
とはいえ、どこか会場に向かうわけではない。準々決勝までは、それぞれの学校からオンライン環境に接続して対戦することになっていた。
対戦チーム同士のあいさつも割愛だ。少し味気ない気もしたが、慣れた環境で戦えるのは大きなメリットだ。特に、エイジはまだ電動車イス暮らしなので、長距離の移動がないのはとても助かった。
『二人とも、がんばってね!』
すでにシートの上でスタンバイしているアツシ達に、レイカが声援を送る。
「エイジ、どうやら勝利の女神はオレ達のそばにいるらしいぞ」
「アツシって時々、そういう恥ずかしいセリフをサラッと言うよね……」
二人とも、そんな軽口を叩きあう程度にはリラックスできていた。そして――。
『これより、「ダブルス!」全国大会、神奈川東地区予選を開始します。一回戦、「横須賀第三中学校」対「梶原中学校」。フルダイブを開始します。そのままお待ちください。5,4,3,2,1――』
運営のアナウンスが試合の開始を告げた。二人の視界が一瞬だけ、闇に落ちる。
――視界が開けると同時に、二人は素早く周囲を観察した。パルテノン神殿にも似た巨大な石の建物が、あちらこちらに点在している。どうやら今回は、ギリシャ風の古代遺跡マップらしい。
「隠れる場所は多いけど、柱と柱のすき間が広いからお互いに見つけやすいマップだね。『魔法使い』を選ばなくてよかった」
今回もアツシ達は、得意クラスの「重戦士」と「長弓使い」で出撃していた。
過去の試合をエイジが分析したところによると、山田・吉田ペアは「軽戦士」と「短弓使い」の使用率が高いようだった。手数で勝負するのを好むらしい。弱点も少ない組み合わせだ。
なのでアツシ達も、一番得意な組み合わせを選んでいた。
敵の戦法は「先手必勝」。とにかくフィールドの中を素早く移動して敵を見付け、一気に畳みかける戦法を得意としている。
――アツシ達は、それを逆手に取ることにしていた。
まず、エイジが一人で突出しオトリとなる。これはいつものことだ。
対するアツシは、エイジの後ろに隠れながらついていくのではなく、射程ギリギリの位置で待機することにしていた。大東中学との練習試合の時、固まって行動しているところを狙われた反省から編み出した戦法だった。
もちろん、エイジと遠く離れてしまうので、会話はできなくなる。上手く連携するには、お互いの次の行動を予測し合わなければならない。状況は刻一刻と変化するので、事前に打ち合わせた通りの行動がとれるとも限らない。
けれども、アツシとエイジはにわかペアではない。七年モノの熟年ペアだ。お互いの性格やクセは、よく知っていた。
***
試合はアツシ達の狙い通りに進んだ。
まず、敵「短弓使い」が距離を取りながらエイジに矢の雨を降らせ釘付けにする。その間に、敵「軽戦士」が裏に回り込んで、背後にひかえているであろうアツシを不意打ちしようとした。
だが、アツシは敵の予想よりもはるか後方にいる。敵「軽戦士」がアツシに背中を向けた瞬間を狙って長距離から矢を放ち――見事に命中! 敵は盛大に吹っ飛び、体力の大半を失った。
けれども、相手も流石の強豪だった。大ダメージを受けても慌てることなく素早く立ち上がり、近くの神殿の大きな柱の陰に隠れてしまった。
しかし、それもアツシには予測済み。相手が倒れている間に場所を移動し身を隠していた。チラリとエイジの方を見やると、上手く「短弓使い」の目をひきつけてくれている。「短弓使い」の方は、味方がピンチだとは気付いていない様子だった。
敵「軽戦士」は、柱から柱に隠れながら必死にアツシの姿を探しているが、やはり超長距離から狙撃されたとは気付いていないようだった。
――大東中学の樋口にも「初心者離れした腕前」と言われたように、アツシの弓の腕前はかなりのものだった。全国レベルでも、射程ギリギリの攻撃はそんなに当たるものではないのだが、アツシは平然と当ててみせていた。
横須賀第三の「軽戦士」も、まさかアツシがそんな遠くから矢を放っているとは思わなかったらしい。まだキョロキョロとアツシの姿を探し……足が止まった!
アツシは素早く弓を引き絞ると、第二射を放った。光の矢は美しい放物線を描いて飛び、見事に相手の頭に突き刺さった。
敵「軽戦士」を倒した後は消化試合だった。二人がかりで「短弓使い」を追い詰め、見事に勝利。
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