社員旅行は、秘密の恋が始まる

狭山雪菜

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2日目。5

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「瑠璃…腰を上げて」
掠れた声に胸がキュンとする。言われるまま腰を上げ、昂りを握る彼が、私の腰を掴みゆっくりとおろす。
蜜壺に昂りの先端があたり、徐々に埋まっていく。

「熱いっ、んっんぁ、ぁ」
彼の頭を抱き、柔らかな胸を彼の顔に押し付ける。
ーー見てるかもしれないのにっ、聞かれているかもしれないのに声が止まらない
まだ完全に繋がっていないのに、腰を掴み下から遠慮なく突き上げる彼も余裕がないのか、歯を食いしばる。
「くっ…生は、中がうねって熱くて…くっ」
バシャバシャと波打つお風呂のお湯が、縁から流れ床に落ちる。
「あっ、んっんぁっ、熱いっ、好きっ」
のぼせてしまったのか、頬が赤くなりぼうっとして口から色々な感情が零れてしまう。
「っ瑠璃」
下から突き上げる動きが早くなり、ぐっと下半身が密着させると、お湯よりも熱い白い証が注がれるのを感じた。
「熱いっ、んんっっ」
彼の熱さに蜜壺はとろとろに溶かされ彼の昂りをぎゅうぎゅうと締め付けてイッてしまった。
私の胸に顔を埋めた彼が、私の腰を掴むと繋がったまま持ち上げお風呂場の床に仰向けに寝かせた。
蜜壺の中の昂りの固さが戻り、私の顔の横に手をつき腰を動かす彼。足を上げ健吾の腰に巻き付けると、ぬちゃぬちゃと結合部から水音が響く。
「んっ、健吾さん、見られちゃ…ん」
恥ずかしいと抗議の視線を送るが、彼が一蹴する。
「俺が、瑠璃の姿を見せる訳ないでしょ」
ガンガンと責められもう声を抑えられず、彼が突く度に甘い声を出し続ける。
「くっ、瑠璃」
私の名前を呼ぶと同時に蜜壺へ放つ証に、気持ちよくてピクピクと身体が動きイッた。
彼が覆い被さると、抱きとめ荒い息を整える。
顔を横に向けると、近くにあった彼と目が合い、どちらかともなく口づけを始めた。



2人で付いた証を洗い流し合いっこしてお風呂から上がると、脱衣所にあった浴衣に着替えた。
暖房のついた部屋に入ると、暖かくてホッとする。
腰を抱かれ一緒に歩き、ソファーへと座ると彼が立ち上がり部屋から出て行ってしまう。
しばらくすると、銀色のワゴンを押して部屋に入り私のいるソファーの横につけた。銀色の半円形の蓋を開けると、私の注文したパスタの他にサラダやワインが入ったバケツ型のワインクーラーがワゴンに載っている。
「冷たくなってるかな」
頼んでから随分時間が過ぎていることに気がつき、サッと頬が赤くなる。
「…ほのかに温かいかな」
苦笑する彼は、軽くテーブルの上に食事をセッティングすると、私の横に座りワインの栓を抜く。
グラス二つにワインを注ぎ、私に渡すと
「「乾杯」」
お互いグラスを軽く当て口にした。
「っ!美味しい!」
彼の方を見ると、嬉しそうに頷き
「ご飯食べようか」
とフォークを渡してくれた。




お腹いっぱい食べ、ワインを飲みながら他愛のない話をする。時折見つめ合ってはキスをして身体を密着させていく。
「明日は帰る日だけど、宿泊延長する事を伝えたからバスでは帰らないよ」
「本当っ?!」
ぱぁっと嬉しくて笑顔になり私を、嬉しそうに目を細める彼。
毎年恒例の社員旅行は、毎回違う宿をとり土曜日に解散する事になっているが、希望があれば宿泊延長も出来て現地で別れることも可能なのだ。次の日は日曜日なので、明日の朝を過ぎればずっと一緒に居れる。
私からワイングラスを取り上げると、テーブルに置く。
「行こう」
何か含み笑う彼の声に抵抗出来ずに、手を引かれソファーのうしろのベッドへ誘われる。
「健吾さん」
「瑠璃」
潤む目で彼を見つめ、彼も私の目を見て暫し見惚れる。

「子供出来ちゃう…から、さっきのは」
先程のお風呂の行為を思い出し、念のため伝える。
「うん、ごめん…責任取るし、後悔してない」
私の頬を手で挟むと、口づけの雨が降る。
額に、瞼に、鼻に、頬に、口に、優しく触れるキスに
「好きだよ、瑠璃…君だけだ」
切なげな声が私を抱きしめた。




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