パーキングエリアに置いていかれたマシュマロボディの彼女は、運ちゃんに拾われた話

狭山雪菜

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番外編  1週間ぶり 投稿記念5ヶ月小説 マシュマロボディと運ちゃん

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『家着いた 少し寝る』

18時の仕事が終わりスマホを見ると、13時過ぎに届いた付き合って1年の彼氏、浩二こうじからのメッセージに気がついた。

ーー無事に帰ってこれたんだ

ホッとしたと同時に彼に会えると思うと、嬉しい気持ちが溢れて頬が緩むのがわかる。

「お疲れ様です」

私、牧田詩央里まきたしおりは今年の春大学を卒業し中小企業の食品スーパーを展開する裏方の事務員として就職した。白いブラウスに黒のベストとスカート、黒いパンプスから、お気に入りの白いモコモコのボアブルゾンと淡い膝下の花柄のワンピースとブーツの私服に着替え終わりすれ違う従業員に挨拶をして、従業員出入口から外へと出た。いつものように道なりを歩きバス停へと向かう途中で、背後からクラクションが鳴り振り向くと、見慣れた車が見渡しのいい二車線の道路脇に駐車していた。
軽自動車の四人乗りのその車は、緑のメッキ塗装されたカッコいい車で、トランクの扉にはタイヤのスペアが付いている。
迷うことなくその車に向かうと、助手席のドアを開けて身体を滑り込ませ座る。

「お疲れさん」

久しぶりに聞く低い声に、頬を染めながらも彼の顔を見て

「お疲れ様…迎えに来てくれてありがとう」

とお礼の言葉を告げた。運転席に座る彼ーー安藤浩二あんどうこうじは、私がクリスマスプレゼントで贈った濃い緑のセーターとジーパンを履いていて、ハンドルに右手を置き私の方を見つめていた。
浩二は左手を伸ばし、私の右頬に触れる。大きくて少し固い彼の手は私の頬をゆっくり左右に撫でる。目を細めながら、彼を見つめ返していると、彼の顔が近寄り軽く唇が重なる。

「んっ…」

呆気なく離れた唇に抗議の吐息が出てしまい、浩二は苦笑している。

「ふっ…止まらなくなるから帰ったら、な」
「べっ…別にそんなつもりじゃっ」

我慢できない子みたいに言われて、ムキになってしまう。そんな私を、はいはい、と浩二は軽く流して車が発進した。



***********************



他愛のない話をしながら着いた先は、付き合って半年で一人暮らしから同棲する事にした。浩二の仕事がシフト制というか4勤2休で別々に暮らしていたら会う時間が取れないためと、浩二の居ないアパートに1人で留守番をしたくなかったのもある。
以前住んでいた浩二のアパートからそれほど離れていない1LDKのマンションへと引っ越しをした。
ある程度防犯機能があるこのマンションは2部屋のタイプもあり、内覧をした時に2人で迷ったけど、浩二のアパートの広さに慣れてしまった私は部屋数が少ない方がいいと、最終的に1LDKに決めた。
茶色のレンガ調のマンションの地下駐車場に入り、指定の場所に車を停めた浩二は、エンジンを停める。浩二がシートベルトを外した所で、シートベルトを取った私は彼の左腕のセーターを掴む。ぐぃっと引っ張ると、彼はそのまま私の身体に覆い被さる。

「…んっ」

無言のまま唇が重なり、彼の舌が私の口内に入り絡まる。歯列をなぞり上顎を舐められ、熱い舌が私の口内を傍若無人に動き回る。肩から上へと移動させた腕を彼の首に回すと身体が近寄る。

「っ…っ…ん」

顔の向きを何度も何度も変えては、舌が絡まり唾液が口内に溜まる。彼の舌が口内に溢れる唾液を掻き出しては啜りゴクンと飲み込む。私も彼の口から流れてくる唾液を飲み込むと、嬉しそうに彼の顔が寄ってさらに唇が深く重なる。喉奥深くまで彼の舌が入り、苦しくなる。

「んっ、ん、っ!」

私の口から声が出ると、私の舌を一度甘噛みした浩二は名残惜しく離れていく。口内を暴れていた舌が居なくなり寂しくなり荒い息を整えていると、彼と額を合わせたまま見つめ合う。

「…苦しい」
「可愛いのが、悪い」

潤む瞳でキッと睨むと、彼は悪びれる様子もなくシャアシャアと告げる。

「…会いたかった」
「俺も…会いたかった」

ポツリと本音が漏れると、彼の落ち着いた声も返事をしてくれる。
今回の浩二の仕事は今までと同じ3日不在の予定が、大雨による交通事故と土砂崩れによる足止めで、1週間ぶりに顔を合わせる。テレビ電話をしていたけど、やっぱり直接触れ合って話すのが一番だと、会って数十分で身にしみた。
どちらも離れようとせずに唇を啄み、会えなかった1週間分の触れ合いを埋めるように時折話す。

「…髭…んっ…剃った…の?」
「ああ…っ…久しぶりに会うから…綺麗にした」

髭も好きなんだけど、と言いたいのに、全部は言わせてくれないキスが降り続く。ひと言ひと言が短い会話を続けては、濃厚なキスをして息苦しくなったら、また短い会話が始まる。
どのくらい経ったのかお互い車から降りる気がない2人はキスだけじゃ物足りなくなり、服の上からお互いの身体を弄り始めた。ボアブルゾンの前を開き、彼の右手が私の胸を揉み、私は彼の胸をセーターの上から触る。

「っん…あっ」

固いワイヤーの付いたブラをつけているのに、いとも簡単に胸の粒の場所を強く摘み上げる。

「…こんな薄着で、誘ってるのか」

掠れた声がキスの合間に聞こえる。

「違っ…触るのっ…浩二くんっ…だけっ」

私が喋るたびにぎゅぅっと胸を摘む力が強くなって、声が途切れ途切れになってしまう。モジモジと動く身体を彼は知っているのに、胸以外触る気はないみたいだ。

「っ…浩二くっん…触って…触って」

私の胸を弄る彼の手を掴み取り内腿へと持っていく。促されるまま内腿を前後に摩り揉んでいく浩二は、キスを続けていたのを止め首筋へと顔を埋めた。ねっとりと舌を這わし耳の下からワンピースの首周りを順に濡らしていく。時折ちゅぅっと強く吸い付きチクリと痛みを感じ、背がのけ反り胸が張り彼の顎についてしまう。

「浩二くっ…んっぁ」
「詩央里っ」

切ない声が口から漏れてしまうと、彼は一度私から離れ後ろへ行くように言う。

「っ…うしろって…ここでっ?」

地下駐車場とは言え、住んでいる場所の下だ。驚く私を彼は熱の篭った瞳で見つめ返す。

「ああ、我慢出来ない」

私が彼の声に弱いのを知っている浩二は、わざと低い声を出して運転席のドアを開けて車から降りると、後部座席に乗り込んだ。
後ろのドア二つの窓とリアガラスーー一番後ろのトランクの扉に付いている窓ガラスは、スモークガラスとなって外からは中が見えない。

ーー大丈夫かな…?

スモークガラスとはいえ、外からは完全に見えないわけじゃない。人影くらいは見えると思う…けど…
後部座席でジーパンと下着をズラしている彼の昂りが、ぷるっと飛び出すと、すでに天井に向かって勃ち上がっていて、赤黒くはち切れそうなほど太くなっていた。昂りの先端からはツユが溢れ濡れている。自分の昂りを掴む浩二は一、二度上下に動かすと、意思を持っているかのようにピクピクと動く。

ーー久しぶり…の

ゴクンと唾を飲み込み彼の昂りから目を離せなくなり、凝視してしまう。

「…詩央里」

彼が私を呼ぶ声に、気がついたら助手席でブーツを脱いで、運転席と助手席の間から身体を入れて、後部座席にいる彼の元へと向かい合わせで太ももの上に座っていた。

彼の首に腕を回し、舌を絡める濃厚なキスをしていると、彼の昂りが私のお尻に当たる。無意識に腰を前後に揺らしていると、浩二も緩く腰を上下に動かす。私の腰を掴む彼の右手が太ももを撫で、ワンピースのスカートをたくし上げ下着に辿り着く。下着のラインを指先でなぞり正面につくと、湿った下着の上から人差し指を蜜壺の入口に置き、下着の布ごと中へと押し込む。
ピンっと張った下着は、浩二の指の蜜壺への侵入を拒み第二関節までしか埋まらない。焦ったい微かな快感に我慢出来ずに腰を揺らすと、グチュッグチュッと水音が大きくなっていく。指をもう一つ、もう一つとぐっぐっと、三本で押し込める浩二の指。下着がベッタリと付き食い込んでいくのがわかる。彼の親指が下着の上を辿り撫でて粒が現れると、ぐりぐりと押し込んだり、カリカリと爪で掻いたりと弄る。

「あっぁあっ、んっぁ」

粒を責められ強烈な快感が身体中を巡り、ピリピリと痺れる。彼の肩に移動させて掴まった私は、快感に耐えられず身体が強張る。お漏らしをしてしまった感覚に陥り、きゅうきゅうと彼の指を下着で包み、布がはっきりと濡れていくのが分かる。
快感で止まっている私に、なおも弄る手を止めない彼は、親指で下着の布をズラして狭い蜜壺の中に指を一本ずつ間を置かずに入れていく。

「あっあ、あっ、っ」
「…狭いな」

蜜壺の入り口付近にしかなかった指が、奥へ奥へと進んで中を満たしていく。浩二は蜜壺に入った指をパラパラと動かして、既に身に染みている詩央里の感じる箇所を責めていく。
浩二の足の外側に跨ぎ膝立ちになった詩央里は、彼の肩から彼の座る座席の背もたれに手を移して掴む。浩二の目の前に詩央里の胸元が近づくと、浩二はワンピースの上から胸をかぷっ、かぷっと甘噛みしていく…もちろん下の蜜壺を広げながら。

「やっ、あっぁぁ」

たまに胸を強く噛まれて蜜壺も同時に責められ、何度か軽く達する。浩二は蜜壺から溢れて内腿を伝う蜜を、自分の昂りに押し付けてめり込む。パンパンに膨れている固く熱い昂りは、早く詩央里の中に入りたいと渇望しているみたいだ。
蜜壺から指を抜いた浩二は、自分の昂りを握り詩央里の蜜壺の入り口にあてがう。彼の手が私の腰を掴み、腰を下ろすようにゆっくりと導いていく。
ミチミチ…と広がる蜜壺の入り口から昂りの先端が飲み込まれると、私の腰を掴む彼の手が強くなると同時に昂りが、下から突き抜け蜜壺を貫く。

「ぁっあ、ぁぁぅっぁ」

久しぶりに訪れる快感の衝撃に、背がのけ反り彼の昂りをぎゅぅぅぅっと締め付ける。

「ぐっ、詩央…り」

彼も私の蜜壺の締め付けに耐えられなくなり、唸るとドクドクッと蜜壺の中に彼の証が注がれる。ぴたりと重なった下半身を動かす事なく荒い息をおさめていく。
詩央里の背に手を回した浩二は彼女を引き寄せ、頬を染めた彼女の口を塞ぐ。舌を絡め強く吸っては甘噛みをする浩二の舌の動きに、ただただ受け身で応える。
だんだんと絶頂の余韻が無くなると、拙いながらも浩二の舌に応え始めた。詩央里の舌が絡まりムクムクと昂りが太く固くなった浩二は腰を上下に揺らし始め、一度達した余裕が出来たので本格的に詩央里の蜜壺なかを味わう。
ゆっくりと出し入れする昂りが身体中を巡ってくれる快感を、自ずと顔が上を向いて目を閉じてしまう。

「ぁっ、んっぁっぁっ、はぁっ」
「ぐつ…気持ち…いいかっ…?んっ?」
「んっ、気持ち…いいっ、浩二くっ…好きっ」
「つ…詩央里っ」

彼に問われ素直な気持ちが口から漏れて、一度止まった彼の腰の動きが再開して荒々しく私の蜜壺に感情をぶつけるように体感が重くなる。彼の下からの突き上げが早くなるにつれて、車が浩二の動きに同調するように上下に揺れる。

「あっ!ふっ、んっ…なんでっ…なんでっ…早っ」
「っ俺も、っ…好きだっ」

急に激しくなった浩二に、どうしてっ、と言いたいのに、快感が上回り舌ったらずになる。そんな私に彼は掠れた声をぶつける。

「あっあ、ぁぁんっぁあ!」
「ぐっ…つ…っ!」

ぐりっと抉る彼の昂りが、私の蜜壺の中の奥に当たると、目の前にチカチカとひかる星が飛び身体中に快感が巡った。ぎゅぅぅぅっと締め付けた蜜壺と同時期に、彼の昂りが大きく膨らみ弾け、蜜壺の中を熱い証を注いだ。




倦怠感で重い身体を彼の肩に手を置いて預ける。私をギュッと抱きしめる彼の腕の中で、近くにある彼の頬に触れるだけのキスをする。彼は黙って私のする事を受ける。
いつもはキスをしたら唇がチクチクとするのに、柔らかな肌にしか当たらなくて物足りなくなる。

「髭…気になる?」
「うん…もう剃らないでね、髭も好きなの」

彼の右頬に手を添えて、彼の頬を親指の腹で撫でる。

「好きなの?」
「うん、髭なしでも可愛いけど…」
「ふっ、可愛い…?可愛いのは詩央里だろ」

そんなやりとりをしていると、まだ繋がっている下半身から圧迫感が生まれる。もう無理だと腰を引くと、これ以上離れられないように、ガチッと腰を掴まれた。動いた際にグチュっと水音が車内に響く。彼の頬を甘噛みをして咎めると、

「最後だから」

そう耳元で囁いた彼が動き出し、また濃密な時間が2人を包みこみ、曇って真っ白になった車の窓ガラスがしばらく消える事はなかった。


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