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代休
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旅行の日が土曜日と日曜日を挟んだので、旅行が終わると学校も2日ほど休みになった。
生徒だけじゃなく、先生も1日だけだけど休みを貰ったと言っていたので、彼の家で過ごす約束をした。
前回と同じ顔が隠れる帽子と、白いTシャツと黒い膝上のワンピース、カゴバッグには彼に渡すハート形になるキーホルダーと沖縄のペアグラスも入っている。
先生の住むマンションに到着すると、歓迎され部屋の中へと入った。
対面キッチンの方へ向かった先生の後についていくと、シンクの上に木製のトレーに氷入り麦茶が入ったピッチャーと、グラスが2つあったので、
「あっ、待って…これ…沖縄で買ったの」
とバッグの中に入れていた正方形の何にも書かれていない白い箱を取り出しシンクの上に置いて、もう一つ取り出してカゴバッグを床に置いた。手に持つ箱を開けると、中から青い琉球グラスが出てきた。ちょうど手のひらサイズのグラスが私の手の中に収まり、先生は私の手元をじっと見ている。
「2人…で使いたくて…お揃いのグラスなんだけど…」
「沖縄で買ったの?」
私の手からグラスを取ると、光にかざし手にあるグラスを見る。
「うん…嫌…だった?」
気に入らなかったのかな、と不安に思っていたら、
「いや、嬉しい」
とにっこり笑う先生。もう一つの箱は?と聞かれたので、シンクに置いた白い箱を開けて、赤いグラスを出した。
「ペアなの」
言うと彼が、そうかと、嬉しそうに私の手からグラスを取り
、グラスを二つ洗い始めた。
荷物を持ってキッチンから移動してソファーに座り、ローテーブルに置いたペアグラスが並ぶ。彼も私の横に座ったので、もう一つお土産がある事を思い出して、足元に置いたカゴバッグから小さな紙袋を出した。彼はまた私の手元をじっと見ていた。
「これ…もお土産…?」
彼の目の前で2つのキーホルダーを取り出し、ギザギザに割れている金色のハートを合わせて見せる。
「うん…これねっ、こうして合わせるとハートの形になって…って、ごめん…イヤかな」
可愛いものを買って嬉しくて笑顔になるのだが、先生からの反応がないのに気がついて、やり過ぎたと落ち込んだ。
「お揃いか…すごいな、合わせたらハート」
先生は片方のキーホルダーを私の手から取ると、テレビ台に置いてある車の鍵にキーホルダーを付けて私の横に座った。
「…で、結菜はどこに付けるの?」
「私…?私は…家の鍵に付ける」
「そっか…なら俺も」
そう言った先生は、自分のポケットから銀色のシンプルな指輪を取り出して私の左手を取り出すと、薬指に指輪をはめた。
「…っ、これっ」
「うん、ぴったりだな…沖縄で俺も買ったよ」
私の薬指にある指輪を撫でて、私の指先を掴みちゅっと口づけをする。
「…しんちゃん」
「ん…?」
「嬉しいっ」
とまさか指輪を貰えるとは思っていなかった私は、嬉しすぎて彼に抱きついた。すぐさま背中に回る手が私を抱きしめ返してくれた。
この日は彼とサブスクの映画を見て過ごし、よいこのチャイムと同時に彼の家を出たのだった。
生徒だけじゃなく、先生も1日だけだけど休みを貰ったと言っていたので、彼の家で過ごす約束をした。
前回と同じ顔が隠れる帽子と、白いTシャツと黒い膝上のワンピース、カゴバッグには彼に渡すハート形になるキーホルダーと沖縄のペアグラスも入っている。
先生の住むマンションに到着すると、歓迎され部屋の中へと入った。
対面キッチンの方へ向かった先生の後についていくと、シンクの上に木製のトレーに氷入り麦茶が入ったピッチャーと、グラスが2つあったので、
「あっ、待って…これ…沖縄で買ったの」
とバッグの中に入れていた正方形の何にも書かれていない白い箱を取り出しシンクの上に置いて、もう一つ取り出してカゴバッグを床に置いた。手に持つ箱を開けると、中から青い琉球グラスが出てきた。ちょうど手のひらサイズのグラスが私の手の中に収まり、先生は私の手元をじっと見ている。
「2人…で使いたくて…お揃いのグラスなんだけど…」
「沖縄で買ったの?」
私の手からグラスを取ると、光にかざし手にあるグラスを見る。
「うん…嫌…だった?」
気に入らなかったのかな、と不安に思っていたら、
「いや、嬉しい」
とにっこり笑う先生。もう一つの箱は?と聞かれたので、シンクに置いた白い箱を開けて、赤いグラスを出した。
「ペアなの」
言うと彼が、そうかと、嬉しそうに私の手からグラスを取り
、グラスを二つ洗い始めた。
荷物を持ってキッチンから移動してソファーに座り、ローテーブルに置いたペアグラスが並ぶ。彼も私の横に座ったので、もう一つお土産がある事を思い出して、足元に置いたカゴバッグから小さな紙袋を出した。彼はまた私の手元をじっと見ていた。
「これ…もお土産…?」
彼の目の前で2つのキーホルダーを取り出し、ギザギザに割れている金色のハートを合わせて見せる。
「うん…これねっ、こうして合わせるとハートの形になって…って、ごめん…イヤかな」
可愛いものを買って嬉しくて笑顔になるのだが、先生からの反応がないのに気がついて、やり過ぎたと落ち込んだ。
「お揃いか…すごいな、合わせたらハート」
先生は片方のキーホルダーを私の手から取ると、テレビ台に置いてある車の鍵にキーホルダーを付けて私の横に座った。
「…で、結菜はどこに付けるの?」
「私…?私は…家の鍵に付ける」
「そっか…なら俺も」
そう言った先生は、自分のポケットから銀色のシンプルな指輪を取り出して私の左手を取り出すと、薬指に指輪をはめた。
「…っ、これっ」
「うん、ぴったりだな…沖縄で俺も買ったよ」
私の薬指にある指輪を撫でて、私の指先を掴みちゅっと口づけをする。
「…しんちゃん」
「ん…?」
「嬉しいっ」
とまさか指輪を貰えるとは思っていなかった私は、嬉しすぎて彼に抱きついた。すぐさま背中に回る手が私を抱きしめ返してくれた。
この日は彼とサブスクの映画を見て過ごし、よいこのチャイムと同時に彼の家を出たのだった。
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