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饗宴の終わり
しおりを挟む大笑いの主は言わずながらもレオナルド様です。腹を抱えるかの勢いで笑いこける彼は、はぁ、と息を整えた後にわたくしに問いかけます。
「人間とは思えないのか?愛にうつつを抜かし嘘を信じ、自分の立場がいよいよヤバくなれば真実の愛とやらも捨てて保身に走る。それこそ人間の性に見えるが?」
「あら、難しい事を仰るのですね。わたくしは単純に話をいつまでも理解していないようですので、そう言ったまでですのよ。」
言葉を発する生き物は多種います。けど言葉を使いこなすのは数少ないのです。
誰かが話の通じない新人が未確認生物みたいだ!などと言っておりました。
わたくしも今回の王子殿下は同じ国の者なのに言葉も通じないので、まるで異界からきた生物に見えてしまったの。
それほどかと言われたらちょっとばかし大袈裟に言いましたが、本当に愛していた身で支えることすら出来ずに罪に落とされかけた方としては、これぐらい可愛いものでしょ?
「はは。伯爵令嬢の言うとおりだ。」
レオナルド様が何処かに合図をすると、兵士達が現れました。
彼等はわたくしからも拒絶を示した事で、今度こそ糸が切れた人形の様に呆然としてしまった王子殿下と未だにぶつぶつとゲームだコンテニューだ訳の分からないこと言っているアリア。この二人と側にいた三人の男達を一度取り調べるということで回収していかれました。
その際に少しだけ、大人しくつれてかれる彼らに不気味さを感じました。特に別に問題を起こしていない三人の男達が。
会場は静まり返っております。あんな場面を目撃してしまったのなら当然ですね。先生方戸惑ってしまっている様子。
せっかく陛下が用意してくださった場ですので、このままというのも申し訳ないです。なんとか雰囲気を取り戻さないといけませんね。こういう時こそ王妃教育を思い出すのよ。
「皆様、わたくしのせいで酷く気分を害してしまい、お詫び申し上げますわ。元の雰囲気とはいきませんが、わたくしも退出いたしますので、陛下のお気持ちを楽しんでください。…とは建前で、わたくしが緊張がとけて足が小鹿の様にプルプルしますのでお暇します。それと、この様なことは沽券に関わりますので内密にお願いします。」
最後にはにかんだ笑いを漏らせば何人かが笑ってくれたので良いでしょう。
本当にわたくしがいてもきっと楽しむことができないでしょうから、一礼をして会場から退出する。
その際に何人かの方々から気にしないでとか、格好良かったとかお声かけくださいました。そんな人々のお陰で少しだけ心が軽くなります。
そんな事を思いながら会場の出入り口の扉を潜りました。
賑やかな雰囲気をどうにか取り戻した会場の外は廊下になっています。
そこに出た瞬間に、緊張の糸が切れて腰を抜かしてしまいました。小鹿の様だというのは本当の事だったのです。誰にもばれなかったでしょうか。
そうして、ふるふると身体の震えが止まらなく、ポロポロと雨まで降ってきました。
いえ、室内なのですから雨の訳ございませんね。
これは涙ですね。
わたくしは貴方を本当に愛していたのです。
こんな結果にはしたくなかったのですよ。
手の痛みでどうでも良くなった?確かにそんな気持ちも有りましたが、本心ではなんとかしてあげたかった。
でも、もう手遅れだったのです。陛下は決断していましたし。
わたくしだけが悪役になるのならまだ良かったのに。父や母、一族を巻き込まなかったら。
いったいどこで間違ってしまったのでしょう。
アリアが絡んできた当初はさほど問題が無かったのに。そう言えば王子殿下が変な魔術になんておっしゃってましたが本当にそんな魔術が有ったのなら…。
殿下は許されるのでは。
「また、泣いてるのかよ。泣き虫姫さん?」
「れ…お…?」
「おうよ。とりあえず、空き部屋でその手の治療するぞ。ドラクネア家の当主も来ているからな。」
「…ない…の。」
「ん?」
「立てないのよ。」
何でわたくしが困っているときに現れるのは貴方なのでしょうか。
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