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いつにしようか
しおりを挟む話が終わり、室内は静けさに包まれた。
「ふむ。確かに怪しいなぁ。」
「だろう。あのアリアに主に接点があるのは残りの三人だ。」
「だが、彼らには特に魔術の痕跡は見られなかったな。もちろん、ティグリス、アリア、ウルススもだ。」
念のため魔術の鑑定は取り調べの時に必ず行っているらしい。もしかしたら操られて犯罪を犯している者もいる可能性を考えての事です。
現に大怪盗を捕まえたと思ったら、自分自身をそう信じ込まされている兵士だったこともあるのですって。
「サーチ魔術に引っ掛からない術か。」
「この近辺の魔術じゃないのかもな。ほら、失われた魔術とか。」
「サーチ魔術は魔力の特有の変動でまずは引っ掻けるから魔力され変化あれば引っ掛かるんだよ。もちろん。隠し魔道具も。」
サーチ魔術は急激な魔力の変動を感知して反応する。
魔道具も魔力の塊とも言えますので判別できるのだとか。
うん。今度から何かの夜会やパーティーの時とか一度掛けると良いかもですね。変なやつはその時点で捕まりそうですし、魔道具を誰が持っているかも分かりやすいです。警備の人には助かりますでしょう。
それにしても、そんなすごい魔術に引っ掛からないなんて。
少しだけ冷めたお茶に口付けるとカップにはその行動で波紋が発生した。その波紋に視線が釘付けになる。
そう言えば昔、魔力は水の様だと教えて下さった先生がいましたね。学園と教え方が違うことが印象的でよく覚えてます。そんな事を思い出しながら、もう一度飲もうとしたとき、あっと思い当たることがありました。
「父様、昔、魔術の講師をしてくださった方って何者ですか。」
「今に必要…か?」
「あの方は教え方が独特でして、もしかしたら魔力の発し方が違うのかもしれません。」
「…たしかに、お前達の練習時は魔力をあまり感じなかたな。」
そうなのです。
あの頃はどんなに大きな術を使っても、家で報告をしたときに初めて知ったと驚かれたものです。
もし、魔力の根本的な事が異なっていてサーチ魔術に反応しないのなら。
サーチ魔術もまた変えていかなければなりませんね。
「たしか、彼奴は魔族だったな。」
「魔族?」
「なら、この件にも魔族が絡むと?」
「お話だけ聞いてみませんか?わたくしの早とちりならそれまでですし。」
もしかしたら、何か手懸かりを掴めるかもしれません。
「そうだな。あやつらもこちらに来たいと言っていたからな。」
「誰か来るのか?」
「ああ。エリザと魔王がレオナルドが目覚めたから挨拶に来るそうだ。魔族の件は魔王に聞いた方がはやいだろ。」
「まあ、エルザ様に会えますのね。あっ、エリザベート様でしたわね。」
ずっとエルザが本名だと思っていたから、ついそちらの名前が口から出てしまいました。
でも、エリザベート様が本名でしたのでそちらに慣れなくては。
お会いいたしましたら、お姉さんって呼んでもいいかしら。
ウキウキと声が弾みます。
そんなわたくしの姿を皆が微笑ましげに見ているのに気付いてポポポと顔に熱がたまりました。受かれているのが恥ずかしいです。
「では、後は魔王が来てからとしようかの。」
「それまでは三人に監視をつけるぞ。変な動きをしたら捕らえればいい。」
「じゃあ一旦この話はおわり。ラスレア。」
レオに呼ばれました。
その意図が読めなくて首をこてりと傾げると、小さな声で可愛いなと呟きが聞こえます。
それは、わたくしが聞こえるのですから周りの者も聞こえたわけで。
二人は頷き、もう一人はによによとしています。
「なんですの?」
「ん。いつにしようか?」
「?」
「結婚式。」
その言葉にまた熱が顔に集まるのを感じました。
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