わたくしは貴方を本当に…

SHIN

文字の大きさ
23 / 34

魂の価値

しおりを挟む



「わたくしですか?」
「多分な。話を聞くに君をどうにか関わらせようとしているように見えるからな。」


 
 それは、わたくしが邪魔であっただけなのでは無いでしょうか。陛下が認めてもわたくしの存在があるかぎり周りから認めない人も出るでしょうから。
 
 わたくしの時だって自分の娘を等といってわたくしとティグリスの婚約になんやかんや言う人がいましたもの。


 その意見に、魔王は首を横にふった。


「それなら、家まで巻き込まないだろ。特に現ドラクネア当主の手腕は国を支える一柱なのは有名だ。それを分からない程の馬鹿が尻尾を掴ませない訳がない。」
「わたくしの命を狙って家族まで…。」
「それもどうかな。」


 わたくしが狙いなのに家族まで巻き込んでしまったことにショックを受けていると、さらにわたくしの言葉を魔王は否定しました。


「ラスレア嬢の命と言うより存在を欲していると思うが。」
「ですが、ウルススは…。」
「じゃないと家は狙わないだろ。家を狙ったのは家柄が邪魔だから。ウルススは想定外の事をしたと思う。」


 それでしたら、わたくしに何の価値があると言うのでしょう。

 わたくしはしがない伯爵家の令嬢。
 伯爵家の身分もない平民になってしまえば、町中にいる一人の娘と変わらないのに。
 むしろ働いたこともないのですから、それ以下の存在では無いでしょうか。


「その魂だけでも価値はあるだろ。」
「?」
「その輝いている魂はめったに見られないほどに清んでいて側にいて気持ちが良い。」
「はあ。」
「魔族も神族も魂の輝きが見える。神族ならその輝きだけで慕われるぞ。」


 人族で言うオーラとかなんでしょうか。わたくしからは何も見えませんのでなんとも言えませんが、側にいて気持ちが良いとの話にレオが頷いてくれます。そう思ってくれていて嬉しいです。
 
 でも、もしも本当にわたくしが狙いなのでしたら、やれることがありますわ。
 


「まあ、いずれも予想の範中を出ないけどな。」
「いえ、とても参考になりました。ちょっとばかし試したい事ができました。」
「ラスレア?」


 レオが心配してくださりますが、その心遣いは無用です。
 きっとこれはわたくしが適任でしょう。

 わたくしは三人を見つめると頭を下げた。その行動に皆がざわめくのを肌で感じます。


「わたくしにサーチ魔術を教えてください。」
「ほう。」
「わたくしは魔族、人族両方の魔力の性質を持っているのですよね。」
「そうよ。」
「さらに神族は魔族と人族の良いところどり。ならわたくしがサーチ魔術を行えば。」


 そこまで言えば後は想像がつくでしょう。
 幸運にもわたくしの得意なのは広範囲魔法。一度に掛けるのにはうってつけです。

 あとは、どうやって人を集めるかですけど。
 パーティーではアリアやティグリスを呼ぶことは出来ないですし、無理に集めると勘ぐられる事がある。

 まだ、わたくしを諦めていないかは分かりませんがどうやって誘きだすか。


 あれ、ですかね。


「レオ。」
「何だ。」
「手伝ってくれる?」


 勿論だ。と答えてくれるのはわかっていました。
 
 きっとレオが隣に居ればわたくしは頑張れます。人を集めて、彼が隣に居る状況。
 囚われている人達を呼び出す事がどうにかできるのは。


「結婚式の日にちを決めましょう。」






 


 
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

婚約破棄で見限られたもの

志位斗 茂家波
恋愛
‥‥‥ミアス・フォン・レーラ侯爵令嬢は、パスタリアン王国の王子から婚約破棄を言い渡され、ありもしない冤罪を言われ、彼女は国外へ追放されてしまう。 すでにその国を見限っていた彼女は、これ幸いとばかりに別の国でやりたかったことを始めるのだが‥‥‥ よくある婚約破棄ざまぁもの?思い付きと勢いだけでなぜか出来上がってしまった。

【完結】広間でドレスを脱ぎ捨てた公爵令嬢は優しい香りに包まれる【短編】

青波鳩子
恋愛
シャーリー・フォークナー公爵令嬢は、この国の第一王子であり婚約者であるゼブロン・メルレアンに呼び出されていた。 婚約破棄は皆の総意だと言われたシャーリーは、ゼブロンの友人たちの総意では受け入れられないと、王宮で働く者たちの意見を集めて欲しいと言う。 そんなことを言いだすシャーリーを小馬鹿にするゼブロンと取り巻きの生徒会役員たち。 それで納得してくれるのならと卒業パーティ会場から王宮へ向かう。 ゼブロンは自分が住まう王宮で集めた意見が自分と食い違っていることに茫然とする。 *別サイトにアップ済みで、加筆改稿しています。 *約2万字の短編です。 *完結しています。 *11月8日22時に1、2、3話、11月9日10時に4、5、最終話を投稿します。

(完結)私が貴方から卒業する時

青空一夏
恋愛
私はペシオ公爵家のソレンヌ。ランディ・ヴァレリアン第2王子は私の婚約者だ。彼に幼い頃慰めてもらった思い出がある私はずっと恋をしていたわ。 だから、ランディ様に相応しくなれるよう努力してきたの。でもね、彼は・・・・・・ ※なんちゃって西洋風異世界。現代的な表現や機器、お料理などでてくる可能性あり。史実には全く基づいておりません。

わがままな婚約者はお嫌いらしいので婚約解消を提案してあげたのに、反応が思っていたのと違うんですが

水谷繭
恋愛
公爵令嬢のリリアーヌは、婚約者のジェラール王子を追いかけてはいつも冷たくあしらわれていた。 王子の態度に落ち込んだリリアーヌが公園を散策していると、転んで頭を打ってしまう。 数日間寝込むはめになったリリアーヌ。眠っている間に前世の記憶が流れ込み、リリアーヌは今自分がいるのは前世で読んでいたWeb漫画の世界だったことに気づく。 記憶を思い出してみると冷静になり、あれだけ執着していた王子をどうしてそこまで好きだったのかわからなくなる。 リリアーヌは王子と婚約解消して、新しい人生を歩むことを決意するが…… ◆表紙はGirly Drop様からお借りしました ◇小説家になろうにも掲載しています

婚約者から妾になれと言われた私は、婚約を破棄することにしました

天宮有
恋愛
公爵令嬢の私エミリーは、婚約者のアシェル王子に「妾になれ」と言われてしまう。 アシェルは子爵令嬢のキアラを好きになったようで、妾になる原因を私のせいにしたいようだ。 もうアシェルと関わりたくない私は、妾にならず婚約破棄しようと決意していた。

そんなにその方が気になるなら、どうぞずっと一緒にいて下さい。私は二度とあなたとは関わりませんので……。

しげむろ ゆうき
恋愛
 男爵令嬢と仲良くする婚約者に、何度注意しても聞いてくれない  そして、ある日、婚約者のある言葉を聞き、私はつい言ってしまうのだった 全五話 ※ホラー無し

とある婚約破棄の事情

あかし瑞穂
恋愛
「そんな卑怯な女を王妃にする訳にはいかない。お前との婚約はこの場で破棄する!」 平民の女子生徒に嫌がらせをしたとして、婚約者のディラン王子から婚約破棄されたディーナ=ラインハルト伯爵令嬢。ここまでは、よくある婚約破棄だけど……? 悪役令嬢婚約破棄のちょっとした裏事情。 *小説家になろうでも公開しています。

あなたの幸せを、心からお祈りしています

たくわん
恋愛
「平民の娘ごときが、騎士の妻になれると思ったのか」 宮廷音楽家の娘リディアは、愛を誓い合った騎士エドゥアルトから、一方的に婚約破棄を告げられる。理由は「身分違い」。彼が選んだのは、爵位と持参金を持つ貴族令嬢だった。 傷ついた心を抱えながらも、リディアは決意する。 「音楽の道で、誰にも見下されない存在になってみせる」 革新的な合奏曲の創作、宮廷初の「音楽会」の開催、そして若き隣国王子との出会い——。 才能と努力だけを武器に、リディアは宮廷音楽界の頂点へと駆け上がっていく。 一方、妻の浪費と実家の圧力に苦しむエドゥアルトは、次第に転落の道を辿り始める。そして彼は気づくのだ。自分が何を失ったのかを。

処理中です...