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私の日常
しおりを挟む私は喧騒に包まれた店を歩いている。
まあ、この現代で喧騒が無いのは図書館や葬式など少数に当たるが。
私は今、いやんな同人誌と小説、漫画を腕に抱えて本屋の会計待ちの列に並ぶべくして歩いているのだが、会計の近くの雑誌コーナーでは可愛らしい少し改造した制服姿の少女たちが、好きな相手だなんだときゃわきゃわしているし、もうすでに会計が終わった少しくたびれたサラリーマンはおそらく仕事内容だろう事を電話している。
みんながみんな、その行動に疑問を持たずに過ごしているが、ある意味プライバシーが駄々漏れなのを気づいているのか、些細な日常会話など聴くものは居ないと思っているのか。
口は災いの元とは良く言ったものだ。
何を言いたいのかというと、この世界は騒がしいってことである。
ああ、よくよく考えるとあちらの世界でも似たようなものかも知れない。
恐らく、あちらの世界とやらはなんだという疑問が浮かぶと思うがあちらの世界はあちらの世界である。
私にとっての第二の現実。
それは突然やって来る。そう、今みたいに瞬きをした瞬間に世界が入れ替わる。
今みたいにって、マジでこっちに来ちゃったよぉ。
うぅ、私が楽しみにしていた小説や漫画、いやんな同人誌はお預けですか。
えっ、何が起きてるのかわからない?
説明は苦手なのだが、しょうがない。
説明 しよう!
皆は今生きている世界は本当に現実なのか。そう思ったことはないだろうか。忘れているだけで実は今が夢の中じゃないだろうかと。
私の場合、それが夢ではなくて両方現実だったということなのだ。
では、意識がもうひとつの世界に行っているときに私の体はどうなっているかというと、ちゃんと動いている。そして、私として生きている。
意識が戻ると、それまでの行動の記憶もちゃんとあるのだ。
え~と、分かりやすく言えば私が三人居て、二人の間をもう一人がふらふらしている感じだ。むしろ三人目の私は二つの世界の記憶を共有するためのデバイスみたいなものなのだとおもう。
だけど、三人が全員私だということなのだよ。
この事は、心を許した親友にしか話していないが、最初は頭の中を心配されたのは言うまでもない。
で、今は先程の世界とは異なるもうひとつの世界にきているのだ。
もうひとつの世界はぱっと見ファンタジーの世界。
魔法あり魔王や神様がいる本当に○○転生?と言ったような世界だ。先程の世界が科学が発展した世界だとすると、こちらは魔法が発展した世界ということだ。
もちろん、私は向こうでは魔法が使えないし、こちらでは科学の知識はあれどそれを作ることは出来ない。
なので、ひゃっはー!チートうまし!俺Tueeee!なんてことも無いのである。ぐすん。
とまあ、ここまで説明で現実逃避してきたのだが、私の状況を教えよう。
なんか知らないけど、美形な野郎共に囲まれています。そして、奥のほうで親友が大笑いしています。
なんじゃこりゃ。
おーい、この世界の私の記憶やーい。
すぐさま、記憶を共有するとなんと私は婚約破棄されるらしいです。
なにこれ、少し前流行った婚約破棄の話し?
そうそう、この世界で私は伯爵令嬢。偉くもなければ無視も出来ない平凡な女の子です。
それに比べて私の前にいるのは王子や公爵子息など上位貴族。私が婚約できるわけないし、したくない相手。いったい私は誰と婚約していたのかしら。
状況を把握したので、すぐさま姿勢を正して臣下の礼を返した。親友にきっちり仕込まれたからきれいに出来ているでしょ?
案の定見惚れている野郎共に冷ややかな笑みを浴びせる。
「婚約者とはどなたでしょうか?」
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