俺の可愛い幼馴染

SHIN

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私はヒロイン

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注意:一部不快な表現があると思います。読むときはお気をつけください。年齢制限は今は儲けません。

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 私の名は、アリッサ・ヘッジバード。
 
 私が初めてこの世界を認識したのは7歳の時だった。当時私は小さな孤児院で同じように親が居ない子たちと過ごしていた。
 生活は苦しかったわ。私達の住む孤児院は王都からかなり離れていたから、配当金なんてそうそう来ない。
 来ていたのかもしれないけど、配送途中でちょろまかされるのがほとんどよ。

 転機が巡ってきたのはその5年後。12歳冬の日。
 半年も程配当金が来なくて、空腹の音が孤児院に響いていた。もう、万引きや山賊に成るしかないかなと年長組で話していたらあの男が来たの。
 
 ヘッジバード男爵と彼は名乗ったわ。
 彼は、孤児のひとりひとりを見たあと私を指差したの。そして、言ったわ。

『この孤児院に定期的に寄付を与えよう。その代わり彼女わたしを貰う。』

 孤児院のシスターは止めようとしてたけど私は彼に着いてゆく事に決めたわ。だってせっかくのチャンスだもの。犯罪に手を染めるよりずっと良いわ。
 
 私は即答して彼に着いていく事になった。
 まずは、見たことないような大量の金貨の入った袋が孤児の寄付として渡されたの。これでしばらくは大丈夫ね。

 こうして私は、ヘッジバード男爵の養子に入った。
 でもこれは、転機ではなかった。むしろ不幸のはじまり。
 王都に住まうヘッジバード男爵は私を表では娘として裏では妻として扱ったのよ。ヘッジバード宅に住まう執事や侍女は知っていても見てみぬ振り。
  屋敷に来て、痩せ細った私が垢抜け普通になってきた頃、初めて妻の役目を押し付けられた。

 誰も助けてくれなかったし、逃げ出せもしなかった。だって私が逃げたら、孤児院はどうなるかわからないもの。ただただ、我慢するしかなかったわ。


 私が15歳になったとき、学園に行くことが決まった。
 王都の民は15になると学園に通うことになっている。それは、王都の貴族であるヘッジバード男爵が避けられない事だった。学園では寮に住まうのが基本。
 しばし、この男から逃げられると思ったわ。だけど……。


『休みの日は必ず戻りなさい。』


 その言葉が戒めになった。

  私は救ってもらえる人を探して学園の身分の高い人と仲良くなるべく頑張ったの。周りでは尻軽だ、身分を考えろよと言われたけどそんなのを気にしてられなかった。
 
 学園が終わる前にこの地獄から逃げ出したかったの。

 ヘッジバード男爵には、将来の礎の為なのと可愛く言えば、文句を言わないし付き合いが広がる事に喜んでいたわ。
 毎週末の休みの日、その報告をしなくちゃならないけど、妻の役目の時間が減るから喜んでやったわ。 
 




 そんなある日、私は大物を吊り上げた。
 この国の王族。オウル第二王子。
 彼と仲良くなるのは大変だったけど、一度でも守護対象に入ったら簡単だった。
 それをヘッジバード男爵に伝えたら誉められた。その頃には、ヘッジバード男爵には新しい妻が出来てた。どうやら週一回だけではたりず、さらには大人になってきた私には興味が失せてきたみたい。

 この隙に今まで会えなかった孤児院の皆に会いに行ってもいいかもしれない。


 それが、私の崩壊だと知らずに。

 私の全てが壊れたのは、隠れてその孤児院に行ったとき。目の前に広がるのは草の生えた更地。

 忘れた事のない場所にはその名残もない。たまたま近くに居た住民に聞いたら、孤児院で流行り病が蔓延したのだという。しかし、その病の薬はあったので金さえあれば買えただろうとの事だった。
 
オカシイナ、キフキンがアッタデショ?

 ヘッジバード男爵の屋敷に帰り、新な妻といろいろしているとき部屋を調べた。そしたら、お金は最初のあのときだけ。あとは一度もお金の動きがなかった。最初のから騙されてた。



 
 あぁ皆、苦しかったでしょ。私を恨んだでしょ。
許してなんか言えないわ。もしも、孤児院を見に行きたいと言ってれば変わってたかしら。

 でも、こんな汚れた姿は見せたくなかったの。


 嘆く私の目に写る幸せそうな王都の住人。頭がカッと赤くなる。


 
 ミンナユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイ


こんな世界嫌いよ。








 私が復讐の好機を見つけたのはそのすぐあと、お腹に誰が父親か分からない子が出来たのを知ったとき、きっと神が不憫な私の復讐を応援をしてくれてるのね。
 
 その好機はオウル第二王子が持ってきた。
 次の王妃になるなら知らなきゃと言われて連れてこられた地下には、美しいドラゴンが居た。土に汚れた白の鱗はキラキラと、大きさは私が食べられてしまいそうな程大きい。こんなのが王都の地下にいるとは。
 そんな美しいドラゴンの頭に剣が刺さっていたのが異質だった。それに視線が向いていると気づいた王子は、説明してくれた。

 その説明はさらに神は私の味方かと思わせるものだった。

 私は、直ぐに世界に復讐することを決めたわ。誰にも邪魔はさせない。
 最近来たあの邪魔な第4王子も婚約者で手一杯のはずだし、このお腹が目立つ前に行動を起こさなきゃ。
 



私はこの世界の復讐者ヒロイン
 

 
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