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善と悪 〜ヒカルside〜
3.
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「今の話、全部聞いた。ヒカルお前、やっぱり俺をからかってたんだな!!」
弦が突然現れて、ヒカルは息をのんだ。まさか弦に奏多との会話を聞かれてしまうなんて。
案の定、弦はからかわれたと思って激怒している。
「やっべ。弦、いたんだ。バレちまったみたいだな、ヒカル」
奏多がヒカルの方を見た。奏多の手前、嘘を突き通さなければならない。
「なんとか言えよ、ヒカル! 言い訳する気にもならないんだな」
弦が泣きそうな顔で怒っている。そんな弦を今すぐ「違うんだ」と抱き締めたくなるが、それはできない。
「弦は、俺と別れたいってことだよな?」
ヒカルは弦と別れたいなんて微塵も思っていない。
「当たり前だろ、本気じゃない、からかわれてたって知ってて一緒になんていられるか!」
そうだよな。
弦はもうヒカルと一緒にいる気なんてないだろう。せっかく恋人同士になれたのに、こんなくだらない最後を迎えるのか。
「じゃあ最後に俺にキスしてよ」
「なんでお前にそんなこと……」
「だって俺、弦と付き合ってからまだお前とキスしてない。それじゃ別れたくないんだよ。キスしてくれたら、望み通り別れてやる」
どうせ弦はヒカルにキスなんてしない。無理難題をぶつけて、どうにか弦を繋ぎ止めておきたかった。
もしキスしてくれるのなら、これで弦と終わっても、好きな人との最後に相応しいと思った。
「え?! ヒカル、どした?!」
そうだ。奏多にいいわけをしなければ。
「からかってんだよ。弦は俺がこういうこと言うと真っ赤になって可愛いから」
奏多はヒカルを悪者かのような目で見てきた。それでいい。
「どうする? 弦」
ヒカルは弦がどうするのか、楽しみにすら思えてきた。
「嫌だ。誰がそんなことするか!」
「じゃあ俺と別れないってこと?」
「嫌だ。別れる」
「ダメだ」
「お前の許可なんて要らない。さよならヒカル」
弦は最後のキスもヒカルに与えずに、問答無用でヒカルのもとを去っていった。
弦に一方的に別れを突きつけられてから、数日後。奏多と二人でたまたま寄ったドラッグストアで、弦の姿を目撃した。
「あれ? あいつまさかここでバイトしてんの?!」
店のエプロンを身につけている弦の姿を見て、奏多が驚いている。
ヒカルも驚いた。アルバイトは校則で禁止されているのに弦は何をしているんだと。
「あいつヤバくね? 卒業してからバイトしろよ」
奏多は知らないようだが、ヒカルには弦のアルバイトの理由が想像できた。弦のことだからきっと家の事情があるのだろう。
「奏多。見なかったことにしよう」
ヒカルは奏多の制服を掴んで、ドラッグストアから早々に立ち去った。
ヒカルが目をつぶれと言ったのにも関わらず、奏多はアルバイトのことをネタに弦に脅しをかけているのを教室で目撃した。
ホームルーム終わりの教室で奏多に何か言われて、悔しそうに制服のズボンをぎゅっと握りしめて耐えている弦の姿。
ヒカルの中に、弦を助けないなんていう選択肢はない。
ヒカルの担当していた脚本は幸いほとんど出来上がっている。時間はあるし、弦たち大道具班の手伝いを申し出た。奏多を帰してしまって責められている弦の心や作業の負担が少しでも軽くなるように。
そして次の日にはサボった奏多に、みんなに謝るように強く言い、首根っこつかまえて連れてきた。本当は「弦に謝れ!」と言いたかったが、そんなことは言えないので「大道具班のみんなに謝れ! さもないと俺はお前と今後一切口をきかないからな」と言ってやった。
それから時計をチラチラと気にしながら作業をしている弦に気がついた。きっとアルバイトの時間なのだろう。弦を早めに帰してやりたいと思い、弦に「帰れ」と声をかけたが、かえって弦を怒らせただけだった。
弦はヒカルのおせっかいなど受け入れる気はないようだ。弦からはっきりと拒絶されていると感じる。弦はヒカルのいいわけすら聞く耳を持たないだろう。
文化祭当日はヒカルにとって最悪の一日だった。ほんの少しの空き時間ができて友人と校内を見て回っていたときに、一真と弦が二人で楽しそうに過ごしているところを目撃してしまった。
一真は、いつになくはしゃいでいる様子だった。弦と二人で過ごせる時間がよほど嬉しかったのだろう。
ヒカルが一番ショックを受けたのは、一真に対して笑顔で話しかけている弦の姿だった。
——弦は一真といるときはすごく嬉しそうだな。
弦はもうヒカルに対して笑顔を向けてくれることはないのだろう。
弦をクラスまで送り届けた一真は、ヒカルを呼び出した。妙に機嫌がいい一真の話なんて嫌な予感しかない。正直聞きたくなかったが、弦と何を話したのか気になって一真と少しだけ話をすることにした。
「なぁ、ヒカルっ。弦は今、付き合ってる人はいないみたいなんだっ」
嬉々としてそんなことを報告してくるなとヒカルのイライラが募る。
ヒカルとしてはもしかしたらまだ弦と正式に別れてはいないのではないかと一縷の希望のような気持ちも残っていた。
弦に「別れる」と言われたときに、ヒカルは「ダメだ」と拒絶した。両者の同意はまだないのだから、ヒカルは別れることは認めていないのだからと密かに悪あがきしていたのに、弦はヒカルのことなどとっくに恋人だなんて思ってくれてはいなかった。
はっきりとその事実を突きつけられて、胸がズキンと痛んだ。
「今日、弦と過ごしてみてよくわかったよ。俺、やっぱり弦のことが好きだ。弦に俺の気持ちを伝えたい」
ふざけるな。ヒカルの当初の作戦では、今ごろ一真は弦に「実は付き合ってる人がいる」と言われて落ち込んでるはずだったのに。
「あー、うまくいくといいな!」
一真と弦が付き合うことになるなんて最悪だ。そんなこと耐えられる自信がない。
でも、さっきの弦の笑顔を思い出す。弦はまんざらでもないのではないか。
「一真、早く帰れよ!」
ああ、一真の話なんてやっぱり聞くんじゃなかった。最悪な気分になっただけだ。
「ヒカルは相変わらず冷たいなぁ。せっかくだからヒカルのクラスの劇を観たら帰るよ。じゃあね」
一真がいなくなったあとも、イライラが収まらない。こんなことで気持ちを乱される自分なんて自分らしくないと必死でいつも通りを取り繕ったつもりだが、うまく誤魔化せていたかどうかはわからない。
ヒカルは小さい頃から兄と比べられて育ってきた。そこに劣等感はない。なぜなら勉強、運動、リーダーシップ全てにおいてヒカルが優れていたからだ。
今朝、一真の誕生日に、父は兄弟二人を呼びつけた。
父は、愛想がいいだけの人懐っこい兄を「人間味がある」と評価し、「ワンマンでは会社は成り立たない、人材の能力を見極め、その力を輝かせてあげられる一真こそ後継者に相応しい」と言った。
ヒカルに対しては「お前は将来、その突出した能力で一真を支えてやってくれよ」と一真のサポートをするように諭してきた。
——それって、一真がトップで、俺は補佐って意味だろ。
ヒカルは面白くない。次男だが、一真よりも自分の方がずっと上だと思っていたからだ。
後継者はヒカルじゃないかと周りにも持て囃されてその気になっている自分がいたのに。
そして今、一真に弦をかっさらわれた。
今朝、後継者に選ばれた一真は、以前ヒカルに話していた通り、弦に自分の想いを告白するつもりだろう。
ヒカルにからかわれて傷心した弦。そんな弦のことを一真が慰める。弦は一真の優しさに絆されて、二人は——。
一真が善で、ヒカルが悪。よく出来た脚本だ。
後継者の座も、弦も、結局手に入れるのは一真だ。
——自業自得か……。
人に優しくできない性格が災いして後継者の座を逃した。
くだらないプライドを守るため、恋人になってくれた弦を傷つけて、別れを突きつけられた。
——俺には結局何もない。俺みたいな人間に相応しい人生だな……。
ヒカルはひとり図書室で本を読もうとしていたのに、頭の中は弦のこと一真のこと後継者のことでグシャグシャだ。本の内容が一切頭に入ってこない。
弦に別れを告げられて、きっと来ないとわかっている弦を一縷の望みをかけて待ち続け、ここ毎日は図書室でずっとこんな調子だ。
自分らしくないと思うが、同時にいつもの自分が本当の自分なのかと自問自答する。
ヒカルが望むのは、大多数に認められる完璧人間になることではない。ただひとり弦のそばにいられることを望んでいるような——。
ヒカルはふと前を見る。だが、目の前の席にはもう弦はいない。
弦が突然現れて、ヒカルは息をのんだ。まさか弦に奏多との会話を聞かれてしまうなんて。
案の定、弦はからかわれたと思って激怒している。
「やっべ。弦、いたんだ。バレちまったみたいだな、ヒカル」
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「なんとか言えよ、ヒカル! 言い訳する気にもならないんだな」
弦が泣きそうな顔で怒っている。そんな弦を今すぐ「違うんだ」と抱き締めたくなるが、それはできない。
「弦は、俺と別れたいってことだよな?」
ヒカルは弦と別れたいなんて微塵も思っていない。
「当たり前だろ、本気じゃない、からかわれてたって知ってて一緒になんていられるか!」
そうだよな。
弦はもうヒカルと一緒にいる気なんてないだろう。せっかく恋人同士になれたのに、こんなくだらない最後を迎えるのか。
「じゃあ最後に俺にキスしてよ」
「なんでお前にそんなこと……」
「だって俺、弦と付き合ってからまだお前とキスしてない。それじゃ別れたくないんだよ。キスしてくれたら、望み通り別れてやる」
どうせ弦はヒカルにキスなんてしない。無理難題をぶつけて、どうにか弦を繋ぎ止めておきたかった。
もしキスしてくれるのなら、これで弦と終わっても、好きな人との最後に相応しいと思った。
「え?! ヒカル、どした?!」
そうだ。奏多にいいわけをしなければ。
「からかってんだよ。弦は俺がこういうこと言うと真っ赤になって可愛いから」
奏多はヒカルを悪者かのような目で見てきた。それでいい。
「どうする? 弦」
ヒカルは弦がどうするのか、楽しみにすら思えてきた。
「嫌だ。誰がそんなことするか!」
「じゃあ俺と別れないってこと?」
「嫌だ。別れる」
「ダメだ」
「お前の許可なんて要らない。さよならヒカル」
弦は最後のキスもヒカルに与えずに、問答無用でヒカルのもとを去っていった。
弦に一方的に別れを突きつけられてから、数日後。奏多と二人でたまたま寄ったドラッグストアで、弦の姿を目撃した。
「あれ? あいつまさかここでバイトしてんの?!」
店のエプロンを身につけている弦の姿を見て、奏多が驚いている。
ヒカルも驚いた。アルバイトは校則で禁止されているのに弦は何をしているんだと。
「あいつヤバくね? 卒業してからバイトしろよ」
奏多は知らないようだが、ヒカルには弦のアルバイトの理由が想像できた。弦のことだからきっと家の事情があるのだろう。
「奏多。見なかったことにしよう」
ヒカルは奏多の制服を掴んで、ドラッグストアから早々に立ち去った。
ヒカルが目をつぶれと言ったのにも関わらず、奏多はアルバイトのことをネタに弦に脅しをかけているのを教室で目撃した。
ホームルーム終わりの教室で奏多に何か言われて、悔しそうに制服のズボンをぎゅっと握りしめて耐えている弦の姿。
ヒカルの中に、弦を助けないなんていう選択肢はない。
ヒカルの担当していた脚本は幸いほとんど出来上がっている。時間はあるし、弦たち大道具班の手伝いを申し出た。奏多を帰してしまって責められている弦の心や作業の負担が少しでも軽くなるように。
そして次の日にはサボった奏多に、みんなに謝るように強く言い、首根っこつかまえて連れてきた。本当は「弦に謝れ!」と言いたかったが、そんなことは言えないので「大道具班のみんなに謝れ! さもないと俺はお前と今後一切口をきかないからな」と言ってやった。
それから時計をチラチラと気にしながら作業をしている弦に気がついた。きっとアルバイトの時間なのだろう。弦を早めに帰してやりたいと思い、弦に「帰れ」と声をかけたが、かえって弦を怒らせただけだった。
弦はヒカルのおせっかいなど受け入れる気はないようだ。弦からはっきりと拒絶されていると感じる。弦はヒカルのいいわけすら聞く耳を持たないだろう。
文化祭当日はヒカルにとって最悪の一日だった。ほんの少しの空き時間ができて友人と校内を見て回っていたときに、一真と弦が二人で楽しそうに過ごしているところを目撃してしまった。
一真は、いつになくはしゃいでいる様子だった。弦と二人で過ごせる時間がよほど嬉しかったのだろう。
ヒカルが一番ショックを受けたのは、一真に対して笑顔で話しかけている弦の姿だった。
——弦は一真といるときはすごく嬉しそうだな。
弦はもうヒカルに対して笑顔を向けてくれることはないのだろう。
弦をクラスまで送り届けた一真は、ヒカルを呼び出した。妙に機嫌がいい一真の話なんて嫌な予感しかない。正直聞きたくなかったが、弦と何を話したのか気になって一真と少しだけ話をすることにした。
「なぁ、ヒカルっ。弦は今、付き合ってる人はいないみたいなんだっ」
嬉々としてそんなことを報告してくるなとヒカルのイライラが募る。
ヒカルとしてはもしかしたらまだ弦と正式に別れてはいないのではないかと一縷の希望のような気持ちも残っていた。
弦に「別れる」と言われたときに、ヒカルは「ダメだ」と拒絶した。両者の同意はまだないのだから、ヒカルは別れることは認めていないのだからと密かに悪あがきしていたのに、弦はヒカルのことなどとっくに恋人だなんて思ってくれてはいなかった。
はっきりとその事実を突きつけられて、胸がズキンと痛んだ。
「今日、弦と過ごしてみてよくわかったよ。俺、やっぱり弦のことが好きだ。弦に俺の気持ちを伝えたい」
ふざけるな。ヒカルの当初の作戦では、今ごろ一真は弦に「実は付き合ってる人がいる」と言われて落ち込んでるはずだったのに。
「あー、うまくいくといいな!」
一真と弦が付き合うことになるなんて最悪だ。そんなこと耐えられる自信がない。
でも、さっきの弦の笑顔を思い出す。弦はまんざらでもないのではないか。
「一真、早く帰れよ!」
ああ、一真の話なんてやっぱり聞くんじゃなかった。最悪な気分になっただけだ。
「ヒカルは相変わらず冷たいなぁ。せっかくだからヒカルのクラスの劇を観たら帰るよ。じゃあね」
一真がいなくなったあとも、イライラが収まらない。こんなことで気持ちを乱される自分なんて自分らしくないと必死でいつも通りを取り繕ったつもりだが、うまく誤魔化せていたかどうかはわからない。
ヒカルは小さい頃から兄と比べられて育ってきた。そこに劣等感はない。なぜなら勉強、運動、リーダーシップ全てにおいてヒカルが優れていたからだ。
今朝、一真の誕生日に、父は兄弟二人を呼びつけた。
父は、愛想がいいだけの人懐っこい兄を「人間味がある」と評価し、「ワンマンでは会社は成り立たない、人材の能力を見極め、その力を輝かせてあげられる一真こそ後継者に相応しい」と言った。
ヒカルに対しては「お前は将来、その突出した能力で一真を支えてやってくれよ」と一真のサポートをするように諭してきた。
——それって、一真がトップで、俺は補佐って意味だろ。
ヒカルは面白くない。次男だが、一真よりも自分の方がずっと上だと思っていたからだ。
後継者はヒカルじゃないかと周りにも持て囃されてその気になっている自分がいたのに。
そして今、一真に弦をかっさらわれた。
今朝、後継者に選ばれた一真は、以前ヒカルに話していた通り、弦に自分の想いを告白するつもりだろう。
ヒカルにからかわれて傷心した弦。そんな弦のことを一真が慰める。弦は一真の優しさに絆されて、二人は——。
一真が善で、ヒカルが悪。よく出来た脚本だ。
後継者の座も、弦も、結局手に入れるのは一真だ。
——自業自得か……。
人に優しくできない性格が災いして後継者の座を逃した。
くだらないプライドを守るため、恋人になってくれた弦を傷つけて、別れを突きつけられた。
——俺には結局何もない。俺みたいな人間に相応しい人生だな……。
ヒカルはひとり図書室で本を読もうとしていたのに、頭の中は弦のこと一真のこと後継者のことでグシャグシャだ。本の内容が一切頭に入ってこない。
弦に別れを告げられて、きっと来ないとわかっている弦を一縷の望みをかけて待ち続け、ここ毎日は図書室でずっとこんな調子だ。
自分らしくないと思うが、同時にいつもの自分が本当の自分なのかと自問自答する。
ヒカルが望むのは、大多数に認められる完璧人間になることではない。ただひとり弦のそばにいられることを望んでいるような——。
ヒカルはふと前を見る。だが、目の前の席にはもう弦はいない。
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