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そばにいて
4.※
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気まずい。
今さら起きているとも言えなくなり、弦は目を閉じたまま、眠っているフリを決めこんだ。
——え?
弦の唇に、柔らかいものが触れた。この感触には馴染みがある。さっき感じた、ヒカルの唇の感触——。
今度は額にキスされた。
目を開けられないのでヒカルがどんな表情をしているかまではわからないが、すぐそばにいるという気配は感じる。
ヒカルがベッドに上がり、布団に入ってきた。
ヒカルは弦の身体に手を伸ばし、そっと抱き締めてきた。弦の首元に腕を差し入れてきて、腕枕をされているような格好で、ヒカルの胸に優しく閉じ込められる。
ヒカルの腕の中はあったかくて、気持ちがいい。ずっとこうしていられたら、と思うくらいに心も身体も満たされていく。
これはいい夢がみられそうだ。と思っていた矢先に鼻がムズムズする。
「クシュンッ」
耐えきれずにくしゃみをしてしまった。ヤバい、起きていることがヒカルにバレる……!
「なんで寝たフリしてた? 俺に襲われるのが嫌だから?」
ヒカルに言われて弦はふるふると小さく首を横に振る。
嫌なはずがない。ただちょっと、そういうことをするのかと意識した途端に恥ずかしくなってしまっただけで……。
恐る恐る目を開けて目の前にいるヒカルの顔を見たら、妙に熱っぽい視線でこっちを見ている。
「ごめん。嫌なら抵抗して」
「ぁっ…んっ……!」
唐突に唇を奪われた。
ヒカルからの激しいキス。舌を絡めとられ、口の中をヒカルに好きなように犯され、ヒカルに支配される。
その熱っぽいキスを受けながら、ヒカルに身体を弄られ、触れられた身体が次第に熱を帯びていく。
「あっ……」
弦は容易にヒカルにベッドに組み敷かれ、ヒカルの手で、唇で、全身への愛撫を受ける。
「んっ……はぁっ……」
弦が抵抗しないのをいいことに、ヒカルは弦を乱していく。
服の中に手を入れられ、弄られる。その唇で首筋、鎖骨、指の先まで丁寧にキスされる。
ヒカルの手はやがて弦の身体の際どい部分へと迫ってきた。
「あ……っ、待っ……!」
ヒカルにそこを触れられるのは初めてだ。下着の上からでも恥ずかしくて、弦は思わずビクッと身体を縮ませる。
「弦、可愛い。もうこんなになってんじゃん」
ヒカルに触れられる前から、弦のものはすっかり勃ち上がっていた。そこをヒカルに触れられて、弦は強い快感に襲われ身体を震わせる。
「かなり恥ずかしい……」
誰かに性的な興奮状態にあることを見られるなんて初めてのことだ。
赤面して、両手で顔を半分以上覆いながらヒカルを見ると、ヒカルは笑った。
「大丈夫。俺もさっきからヤバいから」
ヒカルがわざと自分のものを弦のものに当ててきた。ヒカルの屹立した欲望を感じてドキッとする。
咄嗟に、こんな大きなもので中を突かれたらどうなるのだろうと考えてしまった。
「あっ、あっ……!」
ヒカルが弦のものを握り込んできた。それを上下に扱くものだから弦は思わず嬌声をあげる。
「やば。弦ってそんな可愛い声で喘ぐの?」
「あぁん……っ」
ヒカルは意地悪だ。弦を攻めてわざと弦を鳴かせようとする。
「可愛すぎる。弦の声だけでイっちゃいそう」
「あぁっ!」
違う。イクのはヒカルじゃない。ヒカルに散々性器をいたぶられている弦のほうだ。
「待ってよヒカルっ、そんなに激しくしないで……」
ヒカルはやりすぎている。ものの数分で弦は先端から哀れな液をこぼして、これじゃあもう保たない。
「大丈夫。何回でも好きなだけイけよ」
「あっ、だめだめ、ほんとむり……っ!」
足のつま先まで快楽の電流が駆け抜けていく。ビクビク身体を小刻みに何度も震わせ、弦は猛烈な快感の中で果てた。
「はぁっ……はぁ……」
ヒカルにイかされた自分のものがまだドクドクと脈打っているのがわかる。そして遠慮なしに解き放った白濁が、ヒカルの手を汚してしまったことに申し訳なさを感じる。
「すごい……。弦がエロ過ぎる……」
へっ……? 俺の何がすごいんだ……?
ヒカルの手で呆気なく下着とズボンを脱がされた。そのまま当然のように足を大きく開かされて弦は慌てた。
「えっ? ヒカル?!」
こんな格好あり得ない。ヒカルから見たら弦の恥ずかしいところが全部丸見えだ。
「大丈夫。痛くないようにする。嫌なら言って」
ヒカルはローションを手にしてそれを弦の下腹部に垂らす。そのひんやりとした感覚とこれから何をされるのかという期待で身体がビクッと反応する。
「ヒカルなんでそんなものを……」
「用意周到にしなくちゃ、弦の身体に負担がかかるから」
ヒカルはいつからこのような機会を虎視眈々と狙っていたのだろう。
「あっ、えっ? 嘘?!」
ヒカルの指が容赦なく弦の後蕾をこじ開けようとする。
「無理っ、そこは無理だっ」
「痛い……?」
「いた、くはないけど……」
ローションで濡らされて、少しずつ少しずつ指で丁寧に解される。そこに痛みはないが、なんとも言えない羞恥心が押し寄せてくる。
ヒカルのキレイな指が、そんなところに触れるなんて。
「はあっ……ふぅ…んっ……」
どのくらいの時間解されたのだろう。最初は緊張していた弦の身体もすっかり力が抜けてヒカルの前で、はしたない姿をさらし続けている。
「ねぇ、ヒカルっ……も、限界……」
さっきから微弱な刺激しかもらえない。これじゃイけない。焦らされた弦の身体が求めているのは、もっと強烈な快感だ。
「たしかに、弦のココ。すごい柔らかくなってる。弦の中が、俺の指に吸いついてくる」
そんなことを言われても自覚はない。ただもう焦らされ過ぎて身体が疼いている。
「弦。好きだよ」
ヒカルは弦の唇に顔を寄せ、そのままリップ音をたてて弦に口づけした。
「弦を俺のものにしていい?」
そう囁かれたあと、弦の秘部に当てがわれたのはヒカルの屹立したものだ。それはゆっくりと弦の後蕾を開いていく。
「…………っ!」
息を呑んだ。中を埋め尽くされる感覚に弦は身悶えた。
「大丈夫……? 弦?」
ヒカルが上から弦の様子を伺っている。弦が小さく頷くと、ヒカルが微笑んだ。
ヒカルと繋がっている。今までも恋人同士には違いないと思っていたけど、ヒカルと特別な関係になったんだと胸が熱くなった。
「弦っ、弦っ……」
最初は弦のことを確かめるようにしていたヒカルだが、恍惚な表情を浮かべて行為に夢中になっていくのがわかる。
「はぁっ……弦っ。好きだ。好きだ……!」
「あっ、あっ、ヒカル……っ」
これは初めての感覚だ。なりふり構わずに、ヒカルとふたりで無我夢中に快楽へと堕ちていくような感覚。
ヒカルに内壁を擦られるたびに湧き上がってくる快感。さらにはヒカルがゆらゆら揺れていた弦のものまで握り込み、愛撫をしてくるからたまったものじゃない。
「やばい、ヒカルっ……イっちゃう…ああっ…!」
「弦も気持ちいいの?」
ヒカルはさらに手を速めてくる。嫌だ。自分ばかり何度もイかされるなんて。
「ひぁっ……!」
「いいよ、ほら」
「だめ、だめ、あぁぁっ……!」
まただ。二度もヒカルの前で達してしまった。
「うわ、今すごい締まった。きっつ……」
ヒカルが余裕のない顔をしている。腰を動かし、「クッ……!」と苦しそうな声を上げた。
「ダメだ。俺もイく……っ……弦っ、弦っ……」
「ああっ、ヒカルっ……!」
ヒカルが切なげな声を上げて、弦の中で達した。ヒカルの脈動を感じてたまらない気持ちになる。
行為のあと、ヒカルが背後から弦のことを抱き締めてきて、弦のうなじに何度もキスをする。
「やばい。俺、幸せすぎてどうにかなりそうだ」
ヒカルはそんな大袈裟なことを言って、弦を抱き締める腕にぎゅっと力をこめた。弦は身体に回されたヒカルの腕にそっと触れる。
「俺も」
ヒカルと身体を重ねてみてわかった。わからないときは怯えている自分がいたが、これはヒカルからの特別な愛情をもらっているのと同じだ。弦だけに向けられた、ヒカルの強烈な愛情に、心も身体も満たされて多幸感に包まれている。
「弦。好き。大好き」
さっきからヒカルは何度好きだと言えば気が済むんだろう。好きと言われるたびに小っ恥ずかしくなるから少しは回数を減らして欲しい。
「なぁ、ヒカル、そろそろ後ろからハグするのやめてくれないか?」
「あ、ごめん……」
ヒカルがスッと身を引いた。弦がヒカルとくっつくことを嫌がったと思ったんだろう。
弦はくるりと身体を反転させ、ヒカルのほうに振り返る。
「違うよ。後ろからだとお前は俺が見えるかもしれないけど、俺からしたらヒカルが見えないから嫌なんだ」
弦はヒカルの胸の中に飛び込んだ。
「だから、こっちがいい」
上目遣いにヒカルを見ると、ヒカルは頬を緩ませて笑った。
「最高だ」
ヒカルは弦の唇にキスをする。
ヒカルのついばむようなキスはやがて深く、甘美になっていく。
「ん……っ、ヒカルっ」
あれ。なんでヒカルはこんなに身体を撫で回してくる……?
「弦……もう一度……」
ヒカルはキスの合間にあり得ないことを囁いてきたぞ。
「すっごくよかった。ねぇ、もう一回しよ?」
「えっ?!」
あれを、もう一回……。
「嫌なら逃げて」
「んんっ……!」
逃げろって言われても、足まで使ってヒカルに身体をガッチリホールドされてて激しいキスをされた状態で口も封じられ、どうやって逃げろと……。
「あっ…んっ……!」
さっきまでの優しい前戯とは異なり、ヒカルが性急に弦の下半身へと手を伸ばしてきて、弦は喘ぎ声を洩らす。
待って、あの、第二ラウンドはちょっともう……!
結局、弦の抵抗虚しく、ヒカルの愛情に骨抜きにされて、抱き潰されてしまった。
今さら起きているとも言えなくなり、弦は目を閉じたまま、眠っているフリを決めこんだ。
——え?
弦の唇に、柔らかいものが触れた。この感触には馴染みがある。さっき感じた、ヒカルの唇の感触——。
今度は額にキスされた。
目を開けられないのでヒカルがどんな表情をしているかまではわからないが、すぐそばにいるという気配は感じる。
ヒカルがベッドに上がり、布団に入ってきた。
ヒカルは弦の身体に手を伸ばし、そっと抱き締めてきた。弦の首元に腕を差し入れてきて、腕枕をされているような格好で、ヒカルの胸に優しく閉じ込められる。
ヒカルの腕の中はあったかくて、気持ちがいい。ずっとこうしていられたら、と思うくらいに心も身体も満たされていく。
これはいい夢がみられそうだ。と思っていた矢先に鼻がムズムズする。
「クシュンッ」
耐えきれずにくしゃみをしてしまった。ヤバい、起きていることがヒカルにバレる……!
「なんで寝たフリしてた? 俺に襲われるのが嫌だから?」
ヒカルに言われて弦はふるふると小さく首を横に振る。
嫌なはずがない。ただちょっと、そういうことをするのかと意識した途端に恥ずかしくなってしまっただけで……。
恐る恐る目を開けて目の前にいるヒカルの顔を見たら、妙に熱っぽい視線でこっちを見ている。
「ごめん。嫌なら抵抗して」
「ぁっ…んっ……!」
唐突に唇を奪われた。
ヒカルからの激しいキス。舌を絡めとられ、口の中をヒカルに好きなように犯され、ヒカルに支配される。
その熱っぽいキスを受けながら、ヒカルに身体を弄られ、触れられた身体が次第に熱を帯びていく。
「あっ……」
弦は容易にヒカルにベッドに組み敷かれ、ヒカルの手で、唇で、全身への愛撫を受ける。
「んっ……はぁっ……」
弦が抵抗しないのをいいことに、ヒカルは弦を乱していく。
服の中に手を入れられ、弄られる。その唇で首筋、鎖骨、指の先まで丁寧にキスされる。
ヒカルの手はやがて弦の身体の際どい部分へと迫ってきた。
「あ……っ、待っ……!」
ヒカルにそこを触れられるのは初めてだ。下着の上からでも恥ずかしくて、弦は思わずビクッと身体を縮ませる。
「弦、可愛い。もうこんなになってんじゃん」
ヒカルに触れられる前から、弦のものはすっかり勃ち上がっていた。そこをヒカルに触れられて、弦は強い快感に襲われ身体を震わせる。
「かなり恥ずかしい……」
誰かに性的な興奮状態にあることを見られるなんて初めてのことだ。
赤面して、両手で顔を半分以上覆いながらヒカルを見ると、ヒカルは笑った。
「大丈夫。俺もさっきからヤバいから」
ヒカルがわざと自分のものを弦のものに当ててきた。ヒカルの屹立した欲望を感じてドキッとする。
咄嗟に、こんな大きなもので中を突かれたらどうなるのだろうと考えてしまった。
「あっ、あっ……!」
ヒカルが弦のものを握り込んできた。それを上下に扱くものだから弦は思わず嬌声をあげる。
「やば。弦ってそんな可愛い声で喘ぐの?」
「あぁん……っ」
ヒカルは意地悪だ。弦を攻めてわざと弦を鳴かせようとする。
「可愛すぎる。弦の声だけでイっちゃいそう」
「あぁっ!」
違う。イクのはヒカルじゃない。ヒカルに散々性器をいたぶられている弦のほうだ。
「待ってよヒカルっ、そんなに激しくしないで……」
ヒカルはやりすぎている。ものの数分で弦は先端から哀れな液をこぼして、これじゃあもう保たない。
「大丈夫。何回でも好きなだけイけよ」
「あっ、だめだめ、ほんとむり……っ!」
足のつま先まで快楽の電流が駆け抜けていく。ビクビク身体を小刻みに何度も震わせ、弦は猛烈な快感の中で果てた。
「はぁっ……はぁ……」
ヒカルにイかされた自分のものがまだドクドクと脈打っているのがわかる。そして遠慮なしに解き放った白濁が、ヒカルの手を汚してしまったことに申し訳なさを感じる。
「すごい……。弦がエロ過ぎる……」
へっ……? 俺の何がすごいんだ……?
ヒカルの手で呆気なく下着とズボンを脱がされた。そのまま当然のように足を大きく開かされて弦は慌てた。
「えっ? ヒカル?!」
こんな格好あり得ない。ヒカルから見たら弦の恥ずかしいところが全部丸見えだ。
「大丈夫。痛くないようにする。嫌なら言って」
ヒカルはローションを手にしてそれを弦の下腹部に垂らす。そのひんやりとした感覚とこれから何をされるのかという期待で身体がビクッと反応する。
「ヒカルなんでそんなものを……」
「用意周到にしなくちゃ、弦の身体に負担がかかるから」
ヒカルはいつからこのような機会を虎視眈々と狙っていたのだろう。
「あっ、えっ? 嘘?!」
ヒカルの指が容赦なく弦の後蕾をこじ開けようとする。
「無理っ、そこは無理だっ」
「痛い……?」
「いた、くはないけど……」
ローションで濡らされて、少しずつ少しずつ指で丁寧に解される。そこに痛みはないが、なんとも言えない羞恥心が押し寄せてくる。
ヒカルのキレイな指が、そんなところに触れるなんて。
「はあっ……ふぅ…んっ……」
どのくらいの時間解されたのだろう。最初は緊張していた弦の身体もすっかり力が抜けてヒカルの前で、はしたない姿をさらし続けている。
「ねぇ、ヒカルっ……も、限界……」
さっきから微弱な刺激しかもらえない。これじゃイけない。焦らされた弦の身体が求めているのは、もっと強烈な快感だ。
「たしかに、弦のココ。すごい柔らかくなってる。弦の中が、俺の指に吸いついてくる」
そんなことを言われても自覚はない。ただもう焦らされ過ぎて身体が疼いている。
「弦。好きだよ」
ヒカルは弦の唇に顔を寄せ、そのままリップ音をたてて弦に口づけした。
「弦を俺のものにしていい?」
そう囁かれたあと、弦の秘部に当てがわれたのはヒカルの屹立したものだ。それはゆっくりと弦の後蕾を開いていく。
「…………っ!」
息を呑んだ。中を埋め尽くされる感覚に弦は身悶えた。
「大丈夫……? 弦?」
ヒカルが上から弦の様子を伺っている。弦が小さく頷くと、ヒカルが微笑んだ。
ヒカルと繋がっている。今までも恋人同士には違いないと思っていたけど、ヒカルと特別な関係になったんだと胸が熱くなった。
「弦っ、弦っ……」
最初は弦のことを確かめるようにしていたヒカルだが、恍惚な表情を浮かべて行為に夢中になっていくのがわかる。
「はぁっ……弦っ。好きだ。好きだ……!」
「あっ、あっ、ヒカル……っ」
これは初めての感覚だ。なりふり構わずに、ヒカルとふたりで無我夢中に快楽へと堕ちていくような感覚。
ヒカルに内壁を擦られるたびに湧き上がってくる快感。さらにはヒカルがゆらゆら揺れていた弦のものまで握り込み、愛撫をしてくるからたまったものじゃない。
「やばい、ヒカルっ……イっちゃう…ああっ…!」
「弦も気持ちいいの?」
ヒカルはさらに手を速めてくる。嫌だ。自分ばかり何度もイかされるなんて。
「ひぁっ……!」
「いいよ、ほら」
「だめ、だめ、あぁぁっ……!」
まただ。二度もヒカルの前で達してしまった。
「うわ、今すごい締まった。きっつ……」
ヒカルが余裕のない顔をしている。腰を動かし、「クッ……!」と苦しそうな声を上げた。
「ダメだ。俺もイく……っ……弦っ、弦っ……」
「ああっ、ヒカルっ……!」
ヒカルが切なげな声を上げて、弦の中で達した。ヒカルの脈動を感じてたまらない気持ちになる。
行為のあと、ヒカルが背後から弦のことを抱き締めてきて、弦のうなじに何度もキスをする。
「やばい。俺、幸せすぎてどうにかなりそうだ」
ヒカルはそんな大袈裟なことを言って、弦を抱き締める腕にぎゅっと力をこめた。弦は身体に回されたヒカルの腕にそっと触れる。
「俺も」
ヒカルと身体を重ねてみてわかった。わからないときは怯えている自分がいたが、これはヒカルからの特別な愛情をもらっているのと同じだ。弦だけに向けられた、ヒカルの強烈な愛情に、心も身体も満たされて多幸感に包まれている。
「弦。好き。大好き」
さっきからヒカルは何度好きだと言えば気が済むんだろう。好きと言われるたびに小っ恥ずかしくなるから少しは回数を減らして欲しい。
「なぁ、ヒカル、そろそろ後ろからハグするのやめてくれないか?」
「あ、ごめん……」
ヒカルがスッと身を引いた。弦がヒカルとくっつくことを嫌がったと思ったんだろう。
弦はくるりと身体を反転させ、ヒカルのほうに振り返る。
「違うよ。後ろからだとお前は俺が見えるかもしれないけど、俺からしたらヒカルが見えないから嫌なんだ」
弦はヒカルの胸の中に飛び込んだ。
「だから、こっちがいい」
上目遣いにヒカルを見ると、ヒカルは頬を緩ませて笑った。
「最高だ」
ヒカルは弦の唇にキスをする。
ヒカルのついばむようなキスはやがて深く、甘美になっていく。
「ん……っ、ヒカルっ」
あれ。なんでヒカルはこんなに身体を撫で回してくる……?
「弦……もう一度……」
ヒカルはキスの合間にあり得ないことを囁いてきたぞ。
「すっごくよかった。ねぇ、もう一回しよ?」
「えっ?!」
あれを、もう一回……。
「嫌なら逃げて」
「んんっ……!」
逃げろって言われても、足まで使ってヒカルに身体をガッチリホールドされてて激しいキスをされた状態で口も封じられ、どうやって逃げろと……。
「あっ…んっ……!」
さっきまでの優しい前戯とは異なり、ヒカルが性急に弦の下半身へと手を伸ばしてきて、弦は喘ぎ声を洩らす。
待って、あの、第二ラウンドはちょっともう……!
結局、弦の抵抗虚しく、ヒカルの愛情に骨抜きにされて、抱き潰されてしまった。
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