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二月・三月 親衛隊は承認していれば『推し』に選ばれたとき通知がくるルール
エンディング⑩.2
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「木瀬って本当面白い奴だよな」
木瀬の緊張など知らずに吉良はニコニコと話しかけてくる。
可愛い。
可愛すぎる。
今すぐ抱きしめて拉致したい気持ちに駆られたが、木瀬は理性で抑える。
「そんなこと人に言われたことがない。俺は風紀委員よりも品行方正な人間だから」
「そうかな。俺から見たら、木瀬は照れたり笑ったり、すごく楽しいんだけどな」
あぁぁ、ニッコリ笑ってそんなこと言われたら、また吉良のことを好きになる。
嫉妬の視線を浴びながら、吉良と一緒に校門を抜けた。
「なぁ、少し寄り道しないか」
吉良は木瀬のコートの袖をほんの少しだけ引っ張ってきた。
その仕草があまりにも可愛い。こんなに可愛い手を振り払える男がどこにいるんだ!
「いいよ、時間はあるんだ」
「ほんと? ありがと」
そんなに嬉しそうな顔をしないでくれ。そんなに一緒にいたかったのか。
吉良と一緒に帰る途中で寄り道とは。なんだこれは、夢でも見ているのだろうか。
吉良に連れられ、木々に囲まれた遊歩道を歩く。もともとは水路だったらしいが、今は緑道となりなかなかいい雰囲気だ。
あぁ。
このまま告白したい。
卒業目前だというのはわかっている。それでもこの溢れる想いを吉良に伝えたい。
好きだ。好きだ、吉良。
「あのさ、木瀬」
緑道の途中で立ち止まった吉良は、カバンから何かを取り出した。
「受け取ってもらえるかな」
吉良が差し出してきた小さな紙袋を受け取る。
中身をそっと覗いてみる。紙袋に入ったそれは、丁寧にラッピングされた箱だった。
「これって……」
「チョコレート、なんだ。ほら、今日バレンタインだし」
(は、はぁぁぁぁーーーーっ!?)
はにかみながら2月14日にチョコレートを手渡すって、それはもう愛の告白としか思えない。
でも、そんなはずはない。
だって木瀬は吉良の親衛隊だ。もし吉良が想ってくれているのならば、吉良も木瀬の親衛隊となり、その場合、通知がくる仕組みになっているのに。
そのとき、ポケットの中のスマホが振動した。何かの予感がして、スマホを勢いよく取り出した。
『新たな通知があります』
そのバナーを見た途端、心臓が急にバクバクしてきた。
この通知は、まさか。まさか。
「木瀬。好きです。俺と付き合ってください」
恥ずかしそうに頬を赤らめながらも、こっちをまっすぐに見つめている。
その上目遣いが、この上なく可愛い。
「俺で、いいのか?」
信じられなかった。最強のライバルたちがいて、その中から自分が選ばれることなどないと思っていた。いち親衛隊として吉良を愛でるだけでいいと思っていたのに。
吉良は静かに頷く。その控えめなところがめちゃくちゃ可愛い。
「つ、付き合うってどういうことか、わかってるんだよな?」
動揺しすぎて変な質問をしてしまった。付き合っていても、身体の関係はなくたっていい。
これでは下心がありますと言っているようなものだ。
「わかってるよ」
「俺が、吉良にこんなことをするかもしれないんだぞ」
もう我慢できなかった。
木瀬は吉良の身体を抱きしめる。
憧れの吉良を抱きしめていることの喜び。いまだに信じられないが、吉良からのチョコレートと告白。こんな幸せがあるのだろうか。
「いいよ」
そう言って吉良は木瀬に身を寄せてきた。吉良の髪が顔に触れ、ふわっといい香りがした。
(吉良が! 俺に寄りかかっている!)
嫌がるかと思っていたのに、意外にも吉良から寄りかかられて、冷静じゃいられない。
可愛い。
可愛い。
「吉良、俺も好きだ。吉良のことずっと前から好きだった」
ずっと言いたかった。親衛隊になってから、この瞬間をどれだけ待ち侘びたことか。
「俺たち両想い、なのかな」
気恥ずかしそうに吉良が呟くその声に胸が高鳴る。
両想い……吉良と、両想い……。
そんな奇跡が起こるとは。
「吉良っ!」
もう吉良と離れたくない。抱きしめる手につい力を込める。
その後付き合い始めた二人。
木瀬は吉良を大切に扱いすぎて手繋ぎ止まり。吉良に「いつになったらキスしてくれるの?」と言われてあまりの尊さに卒倒したとか。
——エンディング⑩木瀬Ver.完。
木瀬の緊張など知らずに吉良はニコニコと話しかけてくる。
可愛い。
可愛すぎる。
今すぐ抱きしめて拉致したい気持ちに駆られたが、木瀬は理性で抑える。
「そんなこと人に言われたことがない。俺は風紀委員よりも品行方正な人間だから」
「そうかな。俺から見たら、木瀬は照れたり笑ったり、すごく楽しいんだけどな」
あぁぁ、ニッコリ笑ってそんなこと言われたら、また吉良のことを好きになる。
嫉妬の視線を浴びながら、吉良と一緒に校門を抜けた。
「なぁ、少し寄り道しないか」
吉良は木瀬のコートの袖をほんの少しだけ引っ張ってきた。
その仕草があまりにも可愛い。こんなに可愛い手を振り払える男がどこにいるんだ!
「いいよ、時間はあるんだ」
「ほんと? ありがと」
そんなに嬉しそうな顔をしないでくれ。そんなに一緒にいたかったのか。
吉良と一緒に帰る途中で寄り道とは。なんだこれは、夢でも見ているのだろうか。
吉良に連れられ、木々に囲まれた遊歩道を歩く。もともとは水路だったらしいが、今は緑道となりなかなかいい雰囲気だ。
あぁ。
このまま告白したい。
卒業目前だというのはわかっている。それでもこの溢れる想いを吉良に伝えたい。
好きだ。好きだ、吉良。
「あのさ、木瀬」
緑道の途中で立ち止まった吉良は、カバンから何かを取り出した。
「受け取ってもらえるかな」
吉良が差し出してきた小さな紙袋を受け取る。
中身をそっと覗いてみる。紙袋に入ったそれは、丁寧にラッピングされた箱だった。
「これって……」
「チョコレート、なんだ。ほら、今日バレンタインだし」
(は、はぁぁぁぁーーーーっ!?)
はにかみながら2月14日にチョコレートを手渡すって、それはもう愛の告白としか思えない。
でも、そんなはずはない。
だって木瀬は吉良の親衛隊だ。もし吉良が想ってくれているのならば、吉良も木瀬の親衛隊となり、その場合、通知がくる仕組みになっているのに。
そのとき、ポケットの中のスマホが振動した。何かの予感がして、スマホを勢いよく取り出した。
『新たな通知があります』
そのバナーを見た途端、心臓が急にバクバクしてきた。
この通知は、まさか。まさか。
「木瀬。好きです。俺と付き合ってください」
恥ずかしそうに頬を赤らめながらも、こっちをまっすぐに見つめている。
その上目遣いが、この上なく可愛い。
「俺で、いいのか?」
信じられなかった。最強のライバルたちがいて、その中から自分が選ばれることなどないと思っていた。いち親衛隊として吉良を愛でるだけでいいと思っていたのに。
吉良は静かに頷く。その控えめなところがめちゃくちゃ可愛い。
「つ、付き合うってどういうことか、わかってるんだよな?」
動揺しすぎて変な質問をしてしまった。付き合っていても、身体の関係はなくたっていい。
これでは下心がありますと言っているようなものだ。
「わかってるよ」
「俺が、吉良にこんなことをするかもしれないんだぞ」
もう我慢できなかった。
木瀬は吉良の身体を抱きしめる。
憧れの吉良を抱きしめていることの喜び。いまだに信じられないが、吉良からのチョコレートと告白。こんな幸せがあるのだろうか。
「いいよ」
そう言って吉良は木瀬に身を寄せてきた。吉良の髪が顔に触れ、ふわっといい香りがした。
(吉良が! 俺に寄りかかっている!)
嫌がるかと思っていたのに、意外にも吉良から寄りかかられて、冷静じゃいられない。
可愛い。
可愛い。
「吉良、俺も好きだ。吉良のことずっと前から好きだった」
ずっと言いたかった。親衛隊になってから、この瞬間をどれだけ待ち侘びたことか。
「俺たち両想い、なのかな」
気恥ずかしそうに吉良が呟くその声に胸が高鳴る。
両想い……吉良と、両想い……。
そんな奇跡が起こるとは。
「吉良っ!」
もう吉良と離れたくない。抱きしめる手につい力を込める。
その後付き合い始めた二人。
木瀬は吉良を大切に扱いすぎて手繋ぎ止まり。吉良に「いつになったらキスしてくれるの?」と言われてあまりの尊さに卒倒したとか。
——エンディング⑩木瀬Ver.完。
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好きな作品の通知が来て嬉しかったです。
新作を投稿してくださって有難うございます。
また、リクエストしてくださった方もありがとうございます。
吉良くん、あいかわらず可愛いです。
好きな作品と言ってもらえて嬉しいです!
ありがとうございます。
木瀬は、絶対に自分だけはないと思っていたことでしょう。歓喜の声が聞こえてきました😂
(これ、親衛隊は選ばれるまでって、読者さんに「選ばれる」までエンディングを迎えられないって意味に思えてきました。そんなつもりは毛頭なかったのですが💦)
『エンディング10』ありがとうございます🙇♀️
(リクエストしてくださった読者さまに感謝です😭)
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