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14.キス、してくれ
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「富永。お前、さっき俺と一緒にいられるなら何でもするって言ったよな?」
「言った。本当に何でもやってやる。早く言え。俺は何をしたら神乃は俺のものになってくれるんだ?」
富永の目は本気だ。ヤバいぞこいつ、神乃が飛び降りろと命じたら実行しそうだ。
「……キス、してくれ」
神乃の気持ちは既に決まっている。富永と恋人同士になりたい、答えはイエスしかないのだから。
「は?! ……ばっ、お前……それは……」
神乃としてはちょっとだけ富永を和まそうと思ってそんなことを言ったのに、富永は顔を赤らめて、めちゃくちゃ照れている。
富永のその異常な慌てっぷりに神乃はある事に気がついた。
神乃を想うあまりに恋人がいなかった富永は、まともに他人とキスもした事がないんじゃないかと。
もしかしたら王様ゲームのとき以来、なんてことはないだろうか。
「してくれたら、一生お前のそばにいるよ。お前の恋人になる」
神乃は笑っているのに、富永は「嘘だろ……」とかなり緊張している様子だ。
おいお前、二十九歳だろと神乃はついツッコミたくなる。
なんだか高校生に戻ったみたいだ。神乃は王様ゲームで、学校の皆の前で富永にキスをされたときのことを思い出した。あの時も富永は今みたいにめちゃくちゃ照れていた。
純粋なのは嬉しいが、富永と付き合ったらこの先の進展がちょっと心配だ。こんな調子では富永と恋人らしいことをするまでに一年はかかるかもしれない。
富永は胸に手を当て、呼吸を整えたあと、神乃に向き直る。
「わかった。神乃。俺の恋人になってくれ」
富永は、神乃の身体をぐっと引き寄せ、唇を重ねてきた。
そして何度も何度もついばむようにキスを繰り返す。
「神乃。好きだ」
富永は突然のディープキスを仕掛けてきた。
「んっ……! んぅっ……!」
富永は早急に舌を絡ませてきた。息つく暇もなく絡み取られて、感じやすい口内の粘膜を犯される。舌を吸われ、唇を唇で愛撫され、みっともなく溢れた神乃の唾液を富永は美味しそうにゴクリと飲み込んだ。
「はぁっ……はぁっ……」
蹂躙されるような激しいキスは終わりがない。神乃は呼吸を忘れるくらいだ。
頭がぼうっとする。身体が熱くなってきて下半身まで……。
やばい。キスだけでこんなになるのは初めてだ。
「神乃、愛してる」
富永は神乃にチュッとリップ音を立てて口づけする。それでやっとキスから解放された。
「と、とみながぁ……」
神乃はすっかり涙目だ。
富永、お前いつどこで覚えたんだよ!
こんなの反則だろ!
「神乃。これで俺たちは恋人同士になったんだよな……?」
富永は神乃の目尻に溢れた涙を指で拭い、両手のひらで神乃の頬を包み込んだ。そして確認するようにじっと神乃を見つめてくる。
「うん……。な、なんか実感ないけどな……」
おかしな感覚だ。昔からずっと友達だったのに、今日から恋人同士になるなんて。
「セックスしたい」
「へっ……?」
「今すぐ神乃を抱きたい」
「はぁ?!」
「駄目か……?」
富永は、神乃の服の隙間から手を入れ、するすると服を捲り上げながら神乃の腰を艶かしく撫で回す。
「えっ、でも、……んぅ……っ!」
再び富永に唇を奪われる。それと同時に富永の手が神乃の身体を這いまわる。
その大きな手に際どいところを撫でられると神乃の身体は期待でゾクゾクした。
「神乃。可愛い。ベッドに運んでいい?」
富永は吐息を洩らすように耳元で囁き、神乃の身体を横抱きにする。靴を脱ぎ散らかしたまま、神乃は富永に連行されていく。
「えっ、嘘?!」
今からセックス?!
キスする前にあんなに照れてた富永はどこいった?!
「言った。本当に何でもやってやる。早く言え。俺は何をしたら神乃は俺のものになってくれるんだ?」
富永の目は本気だ。ヤバいぞこいつ、神乃が飛び降りろと命じたら実行しそうだ。
「……キス、してくれ」
神乃の気持ちは既に決まっている。富永と恋人同士になりたい、答えはイエスしかないのだから。
「は?! ……ばっ、お前……それは……」
神乃としてはちょっとだけ富永を和まそうと思ってそんなことを言ったのに、富永は顔を赤らめて、めちゃくちゃ照れている。
富永のその異常な慌てっぷりに神乃はある事に気がついた。
神乃を想うあまりに恋人がいなかった富永は、まともに他人とキスもした事がないんじゃないかと。
もしかしたら王様ゲームのとき以来、なんてことはないだろうか。
「してくれたら、一生お前のそばにいるよ。お前の恋人になる」
神乃は笑っているのに、富永は「嘘だろ……」とかなり緊張している様子だ。
おいお前、二十九歳だろと神乃はついツッコミたくなる。
なんだか高校生に戻ったみたいだ。神乃は王様ゲームで、学校の皆の前で富永にキスをされたときのことを思い出した。あの時も富永は今みたいにめちゃくちゃ照れていた。
純粋なのは嬉しいが、富永と付き合ったらこの先の進展がちょっと心配だ。こんな調子では富永と恋人らしいことをするまでに一年はかかるかもしれない。
富永は胸に手を当て、呼吸を整えたあと、神乃に向き直る。
「わかった。神乃。俺の恋人になってくれ」
富永は、神乃の身体をぐっと引き寄せ、唇を重ねてきた。
そして何度も何度もついばむようにキスを繰り返す。
「神乃。好きだ」
富永は突然のディープキスを仕掛けてきた。
「んっ……! んぅっ……!」
富永は早急に舌を絡ませてきた。息つく暇もなく絡み取られて、感じやすい口内の粘膜を犯される。舌を吸われ、唇を唇で愛撫され、みっともなく溢れた神乃の唾液を富永は美味しそうにゴクリと飲み込んだ。
「はぁっ……はぁっ……」
蹂躙されるような激しいキスは終わりがない。神乃は呼吸を忘れるくらいだ。
頭がぼうっとする。身体が熱くなってきて下半身まで……。
やばい。キスだけでこんなになるのは初めてだ。
「神乃、愛してる」
富永は神乃にチュッとリップ音を立てて口づけする。それでやっとキスから解放された。
「と、とみながぁ……」
神乃はすっかり涙目だ。
富永、お前いつどこで覚えたんだよ!
こんなの反則だろ!
「神乃。これで俺たちは恋人同士になったんだよな……?」
富永は神乃の目尻に溢れた涙を指で拭い、両手のひらで神乃の頬を包み込んだ。そして確認するようにじっと神乃を見つめてくる。
「うん……。な、なんか実感ないけどな……」
おかしな感覚だ。昔からずっと友達だったのに、今日から恋人同士になるなんて。
「セックスしたい」
「へっ……?」
「今すぐ神乃を抱きたい」
「はぁ?!」
「駄目か……?」
富永は、神乃の服の隙間から手を入れ、するすると服を捲り上げながら神乃の腰を艶かしく撫で回す。
「えっ、でも、……んぅ……っ!」
再び富永に唇を奪われる。それと同時に富永の手が神乃の身体を這いまわる。
その大きな手に際どいところを撫でられると神乃の身体は期待でゾクゾクした。
「神乃。可愛い。ベッドに運んでいい?」
富永は吐息を洩らすように耳元で囁き、神乃の身体を横抱きにする。靴を脱ぎ散らかしたまま、神乃は富永に連行されていく。
「えっ、嘘?!」
今からセックス?!
キスする前にあんなに照れてた富永はどこいった?!
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