恋人にバカにされて捨てられたのでイケメン社長と仕返しして更に付き合うことになった話

雨宮里玖

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17.ひとつになる ※

 富永の部屋のベッドに寝かされて、すぐさま神乃の上に富永が覆いかぶさってきた。

「富永、俺に何をして欲しい……?」

 神乃は仁井に訊ねていたように、いつものお伺いをたてる。フェラチオか、騎乗位か、それ以上のことでも富永にしてやりたい。富永が望むことなら、なんでも。

「要らない。神乃はただ気持ちよくなってくれればいいから」

 要らない、だなんて初めて言われた。仁井にはあれをしろ、これをしろと言われてそのとおりにしていたから、自分が何もしないセックスなんて初めてだ。

「でも……」
「じゃあ好きにしろ。俺が神乃を良くしてやるから」

 膝を掴まれ、ぐいっと足を大きく開かされる。そこへ富永が身体を割り込ませてきた。
 ローションを使ってとろとろにされたところへ富永が自身を当てがう。それだけでヒクヒクと期待で震えた。



「ああっ……んッ……!」

 ゆっくりと富永が侵入してくる。そこに痛みなんてない。ただそこを埋め尽くされる快感があるだけだ。

「大丈夫?」

 富永に髪を撫でられ、チュッとキスをされた。神乃が小さく頷くと「よかった」と富永は微笑んだ。

「あっ……はぁっ……うぅん……」

 富永が動くたびに内壁のいいところを擦られ、すごく気持ちがいい。その快感に酔いしれていると、富永は「触るぞ」と神乃の前の昂ぶりに手を伸ばしてきた。

「と、富永、それだめ、もうっ……! ああっ!!」

 既に限界だったそれは、富永にほんの少し弄ばれただけで呆気なく果てた。神乃は我慢なんてできずに富永の手の中に白濁を放ってしまった。

「すごい……神乃……ナカが一気に締まった……」
「へぁ?」

 ナカが締まった……?

「ごめん、俺も、イきそう……!」

 富永がそう言って自身を引き抜こうとするので、慌てて富永の腰を掴んだ。

「富永。俺の中に出して」
「はっ? 神乃お前何言って——」
「いいから。最後までお前を感じたいから。……嫌か? 嫌なら無理強いはしない」
「嫌なわけないだろ? あぁっ……! お前がそんなこと言うからもう……!」

 富永も限界を迎えて、神乃の望みどおり、神乃の中で解き放った。ドクドクと富永のモノの鼓動を感じながら、こんなに幸福感を味わったことはない。


 ふたり一度達しただけでは飽き足らず、何度も交わった。どのくらいの間そうしていたのかも、わからなくなるくらい。
 命令も、叩かれもしない、思うがままのセックスをしたのなんて初めてだ。




「神乃。すっごくよかった」

 情事の始末が終わってすぐ、富永に抱き締められた。また、宝物みたいに扱われる優しい抱擁だった。


「神乃。部屋探しなんてやめて、俺と一緒に暮らさないか?」

 富永に腕まくらをされながら、神乃は願ってもない富永からの提案に密かに頬を綻ばせた。

「いいのか? 俺、このマンションの家賃は半分でも払えないけど……」
「要らない。生活費も全部出す。神乃は俺に養われてよ」
「なんだよ、それ」

 男を養おうだなんて、富永は変わってるな。

「だってもう離したくないんだ。やっと、やっと手に入ったんだぞ? うんと俺に依存させて、神乃にいい思いをさせてやる。神乃が俺から離れられなくなるように仕向けなきゃならない」

 神乃はおかしくなって笑う。富永はとことん神乃を大切にする気のようだ。

「なんで笑う? 俺は今、真剣にお前に逃げられないで済むための方法を考えてるのに」
「逃げる?」

 富永との、この生活から?
 ありえないだろ。そんなこと。

「そうだ。俺にはこの世にお前しかいないのに」

 いやいや、お前はハイスペック男だろう。お前が望めばいくらでも相手はいるぞ。

「俺にも富永しかいない。あの日、俺の目の前に現れてくれてありがとな」

 神乃は富永の胸に頬を寄せた。吸いつくような富永の肌を感じて気持ちがいい。
 必然にせよ、偶然にせよ、仁井に捨てられたあの日、ファミレスで富永に会えたことでこんな人生になるなんて。
 これは富永が起こしてくれた奇跡だ。

「お前が困ったときはいつでも駆けつける。何度だって迎えに行くし、俺はずっとそばにいるよ」

 仁井にバッサリ捨てられてよかった。
 はっきりいって富永は最高のパートナーだ。



「で、神乃。そろそろ第二ラウンドにいくか……?」
「ん……?」

 富永は神乃の身体を艶めかしい手つきで撫で回し始めた。

「えっ、いやさっき、だって……」

 おい富永、さっきまでで、お互い何回イッたかわかってんのか?!

「俺、神乃とこうしていられるなんて幸せだ……」
「えっ……! おい! んんっ……!」 

 富永はお構いなしに神乃の唇を奪う。

「どうした神乃? 嫌か?」
「そんなことはないけど……」

 嫌じゃない。全然嫌じゃないけれども!

「じゃあ、挿れさせて」

 富永の吐息を耳元で感じてゾクゾクする。身体も熱くなるが、これ以上ヤッたら身体がどうにかなりそうだ。

「あっ……待って、はぁぅぅ……!」

 直接的なところを富永に握られ、扱かれるからたまったもんじゃない。



「神乃。可愛い。俺の嫁になってくれ」
「俺、男だけど……」
「神乃の全部が好きだ。もう一生離さない。俺だけの神乃にする」
「う、うん……」
「愛してる。ずっとお前だけを愛してる」
「と、富永……」

 これはきっと愛され過ぎてる。
 浮気とは真逆の意味で心配になってきたな。
 富永の惜しみない愛情に押し潰されそうだ。

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