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43.知らなかった……?
「神乃は俺を侮ってる。俺なら藍羅くらい騙せるはずだ。俺の演技力は並じゃない。中高とずっと神乃を騙し続けてきたんだからな!」
「えっ?」
「あの頃の俺は、どっからどう見ても友達にしか見えなかっただろ?」
「あ、ああ……」
確かに。富永はクラスの人気者で、地味な自分とも仲良くしてくれる稀有な奴だと思っていた。
「ほら。あれだけのデカい感情を六年間隠し通したんだ。本当は神乃に片想いしてたのに、友達として演技を続けてたんだから」
富永は自慢げに言うが、それとこれとは少し演技の意味合いが違うだろと思う。
「それなら俺だって。俺だってずっと、富永のこと好きだった……」
「ん……? へっ? いま、なんて?!」
なんで富永はそんなに驚いている……?
「だから、俺も昔から富永が好きで——」
「いつから?!」
——あれ。俺はその話を富永にしてこなかったのか。
「だっ、だから、中学の頃から」
「マジで?! 神乃が、俺のことを?!」
「う、うん……今だから言えるけど、ずっと富永に憧れてた。お前はモテモテだったし、まさか男の俺を受け入れてくれるなんて思わなかったから、黙ってたけど」
「……知らなかった」
あの頃は、さすがの富永も神乃の隠していた気持ちに気がつかなかったのか。
「本気で知らなかった。知ってたら、俺、学生の頃に神乃と付き合えてたのかな……」
「うん……」
もうすっかり大人になってしまった。あの頃の自分たちがどうなったのかまではわからないが、富永に告白されたら神乃はそれを受け入れたと思う。
「惜しいことしたな。神乃と学生デートしたかった……」
「まぁ、10代の俺は今と違って見た目も若かったしな」
やっぱり富永も若い肌がいいのかなと思っていたら「違う!」と全力で否定された。
「色気で言ったら今のお前、やばいぞ」
「……は?」
「男を誘うフェロモンでも振りまいてるのかってくらいにやばい。現にヒロくんがお前に一撃で悩殺されたじゃないか」
「はぁっ?!」
富永はいきなり何を言い出すんだ?!
「そして俺もだ。俺も神乃の色香に惑わされて、お前から離れられない」
「えっ……」
「神乃が可愛くて可愛くて仕方がないんだっ」
富永は熱い視線で神乃を見つめてくる。
「まだ酔ってるのか?」
「ううん、さすがに酔ってない。どう見ても普通だろ?」
「そっか……」
たしかにいつもどおりの富永だ。紳士的で、優しくて、ちょっと面白いところのある富永。
「ん……? なんで神乃は残念そうにするんだ?」
「えっ? 別にそんなことは——」
「いいや間違いない。神乃は今の俺より酔った俺のほうが好きってことか?」
「ううん、違うっ」
富永はいろんなことを見抜く癖がついたみたいだ。だからといってあまり心の深層を見透かさないで欲しい。
「神乃。俺、昨日の夜、神乃に何した?」
「はっ?」
昨日の夜と言われて思い浮かぶのは、富永に抱かれたときのことだ。
富永に激しく求められて、身体を富永の好きなようにされた。それに神乃はすっかり興奮してしまい、自分はなんてマゾっ気のある性癖なんだと恥ずかしくなった。
「あの、富永は俺のこと抱いてたけど、お、憶えてない……のか?」
「あ、え、その……」
気になる。ものすごく気になる。富永は昨日の夜のことはまったく憶えていないのだろうか。
「断片的な記憶ならあるんだが、正直ほとんど憶えてない。だから神乃、教えてくれ!」
教えてくれと言われても困る。あの夜のことを赤裸々に話すのはめちゃくちゃ恥ずかしい。
「だから、酔って寝ている富永に俺が抱きついたら、富永が襲ってきて……」
「その時点で既に俺やばいな。多分、神乃に抱きつかれて嬉しくなっちゃったんだな……」
富永は手で顔を覆ってうなだれた。そのあたりから富永の記憶は曖昧のようだ。
「それからお前は俺のパンツを脱がせていきなり俺のものを掴んできたから、俺はイかされて、そっから富永は俺の中にお前のイチモツを——」
「待て! 俺、最悪じゃないか?!」
「それから富永は俺にめちゃくちゃキスをしてきて、ゴムなしで俺の中に——」
「はっ?! 嘘だろ?! あー! ちょっと待て!」
富永は必死で思い出そうとしているようだ。頭を抱えて思い悩んでしまった。
「えっ?」
「あの頃の俺は、どっからどう見ても友達にしか見えなかっただろ?」
「あ、ああ……」
確かに。富永はクラスの人気者で、地味な自分とも仲良くしてくれる稀有な奴だと思っていた。
「ほら。あれだけのデカい感情を六年間隠し通したんだ。本当は神乃に片想いしてたのに、友達として演技を続けてたんだから」
富永は自慢げに言うが、それとこれとは少し演技の意味合いが違うだろと思う。
「それなら俺だって。俺だってずっと、富永のこと好きだった……」
「ん……? へっ? いま、なんて?!」
なんで富永はそんなに驚いている……?
「だから、俺も昔から富永が好きで——」
「いつから?!」
——あれ。俺はその話を富永にしてこなかったのか。
「だっ、だから、中学の頃から」
「マジで?! 神乃が、俺のことを?!」
「う、うん……今だから言えるけど、ずっと富永に憧れてた。お前はモテモテだったし、まさか男の俺を受け入れてくれるなんて思わなかったから、黙ってたけど」
「……知らなかった」
あの頃は、さすがの富永も神乃の隠していた気持ちに気がつかなかったのか。
「本気で知らなかった。知ってたら、俺、学生の頃に神乃と付き合えてたのかな……」
「うん……」
もうすっかり大人になってしまった。あの頃の自分たちがどうなったのかまではわからないが、富永に告白されたら神乃はそれを受け入れたと思う。
「惜しいことしたな。神乃と学生デートしたかった……」
「まぁ、10代の俺は今と違って見た目も若かったしな」
やっぱり富永も若い肌がいいのかなと思っていたら「違う!」と全力で否定された。
「色気で言ったら今のお前、やばいぞ」
「……は?」
「男を誘うフェロモンでも振りまいてるのかってくらいにやばい。現にヒロくんがお前に一撃で悩殺されたじゃないか」
「はぁっ?!」
富永はいきなり何を言い出すんだ?!
「そして俺もだ。俺も神乃の色香に惑わされて、お前から離れられない」
「えっ……」
「神乃が可愛くて可愛くて仕方がないんだっ」
富永は熱い視線で神乃を見つめてくる。
「まだ酔ってるのか?」
「ううん、さすがに酔ってない。どう見ても普通だろ?」
「そっか……」
たしかにいつもどおりの富永だ。紳士的で、優しくて、ちょっと面白いところのある富永。
「ん……? なんで神乃は残念そうにするんだ?」
「えっ? 別にそんなことは——」
「いいや間違いない。神乃は今の俺より酔った俺のほうが好きってことか?」
「ううん、違うっ」
富永はいろんなことを見抜く癖がついたみたいだ。だからといってあまり心の深層を見透かさないで欲しい。
「神乃。俺、昨日の夜、神乃に何した?」
「はっ?」
昨日の夜と言われて思い浮かぶのは、富永に抱かれたときのことだ。
富永に激しく求められて、身体を富永の好きなようにされた。それに神乃はすっかり興奮してしまい、自分はなんてマゾっ気のある性癖なんだと恥ずかしくなった。
「あの、富永は俺のこと抱いてたけど、お、憶えてない……のか?」
「あ、え、その……」
気になる。ものすごく気になる。富永は昨日の夜のことはまったく憶えていないのだろうか。
「断片的な記憶ならあるんだが、正直ほとんど憶えてない。だから神乃、教えてくれ!」
教えてくれと言われても困る。あの夜のことを赤裸々に話すのはめちゃくちゃ恥ずかしい。
「だから、酔って寝ている富永に俺が抱きついたら、富永が襲ってきて……」
「その時点で既に俺やばいな。多分、神乃に抱きつかれて嬉しくなっちゃったんだな……」
富永は手で顔を覆ってうなだれた。そのあたりから富永の記憶は曖昧のようだ。
「それからお前は俺のパンツを脱がせていきなり俺のものを掴んできたから、俺はイかされて、そっから富永は俺の中にお前のイチモツを——」
「待て! 俺、最悪じゃないか?!」
「それから富永は俺にめちゃくちゃキスをしてきて、ゴムなしで俺の中に——」
「はっ?! 嘘だろ?! あー! ちょっと待て!」
富永は必死で思い出そうとしているようだ。頭を抱えて思い悩んでしまった。
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