策士オメガの完璧な政略結婚

雨宮里玖

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番外編『忘れられたオメガは番を愛せない』

1.プロローグ

『忘れられたオメガは番を愛せない』


 ――好きだよ、ノア。愛おしくてたまらない。死ぬときが訪れるまでずっとこうやってノアとくっついていたい。

 ――ノア、愛している。俺の持てるすべてをノアに捧げる。生涯をかけてノアを守り抜くと誓う。だから、番になろう。

 それはライオネルからの嘘偽りのない言葉だったはずだ。
 もちろん俺も同じ気持ちでいたし、ずっと共に生きていけると信じていたんだ。何があっても愛してる、そばを離れない。そう思っていたんだ。

 でも俺はライオネルの元からいなくならなくちゃ。

 ライオネルはあふれるほどの愛を俺に与えてくれた。その思い出があれば十分だ。包み込むような愛の言葉、優しい眼差し、俺を助けようと必死になってくれたことも全部、全部覚えている。

 最後に言わせてほしい。

 俺が好きになったのは、これから先もずっと好きでいるのは、ライオネル、お前だけだよ。
 そしてもうひとつだけ付け加えておく。
 もう、俺のことを思い出さなくていい。

 さよなら、ライオネル。
 幸せになれよ。いつかの日、お前がそう俺に願ってくれたように。
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